2022/10/14 のログ
ご案内:「常世渋谷 中央街(センター・ストリート)」に言吹 未生さんが現れました。
言吹 未生 > 影法師のような痩躯が、街路樹脇から見上げる先には街頭ビジョン。
束の間の悪戯めいた“臨時放送”は、既に終わっていた。
ハロウィン本番より幾分早く現れ、そして消えた南瓜頭の精霊。
こちらの行事には未だ馴染みが薄い。
そも、ハロウィンの意義すらも知りはしない。けれども。

「――電波ジャックか。やってくれるじゃあないか」

くつり、と肩を嗤いに震わせる。
その仕手については奇妙な確信があった。口調と言い、あの“名乗り”と言い。
眼裏に、血潮の如く艶やかな髪と、火焔を彷彿させる橙眼が蘇る――。

言吹 未生 > 「……ノーフェイス」

ぽつりと、その名を唇に乗せる。
キミたちにとっての“顔見知り(Knowface)”などと嘯いてはいたが、
知己寡き己からすれば、それは“無貌(Noface)”でしか在り得ない。
…そんな手合いと、風紀委員まで連れだって食事した自分も、大概どうかしているが。

「…………」

手帳に素早く書き留めていた文字に、一つ眼を巡らせる。

"HELL 16-2 1563 1st"

それは己のみならず、先程の映像・文言が琴線に触れた希求者達へのささやかな挑戦状か――。

言吹 未生 > あいにくこちらの得手は鎮撫に尋問。切った張った(ハックアンドスラッシュ)。
リドルを解くのはこれまで解析班に任せっ切りにして来たのだ。

「アルファベータを数字に置き換えて……いや、安直過ぎるか?」

やや癖づいた髪をわしわしと掻きながら歩き出す。足の向く先は図書館。
目星なんてあるはずもないが、降参するのも業腹だ。
こうなりゃ数学だろうが、綱領(プログラム)だろうが、ゲマトリアだろうが、漁って漁って虱潰しだ。
……くそう、頭が今から痛てえ。

言吹 未生 > 「……頭痛薬も用意しておこう」

誰も気に留めぬ呟きを、日常の喧騒に流し、その景観へと同化して行く――。

ご案内:「常世渋谷 中央街(センター・ストリート)」から言吹 未生さんが去りました。