2022/11/12 のログ
ご案内:「裏常世渋谷」にセレネさんが現れました。
セレネ > 最近はめっきり来ていなかった裏世界。
モノクロの世界に、唯一存在する色味。

月色を靡かせ、閃く一線。
斬り伏せられた怪異は、音もなく消え去り砂城のように消えていく。

『…鈍ったかしら。』

元より必要最低限の運動しかしていなかった身。
以前より身体が重く感じる。
……最近料理や菓子を作る回数は増えたが、食べる量やカロリーは増えていない筈…。
であるなら単純に筋肉が落ちたのだろうか。
薄桃色の唇が、少しばかりへの字に曲がる。

『…私今、虫の居所が悪いのよ。分かるかしら?』

背後に迫る怪異の気配。
刀を翻し、己に傷をつけようとした腕を両断。
返す刃でバッサリと、袈裟懸けに身体を二つに分割した。

セレネ > ギャ、と上がりかけた悲鳴も消し去った。
湛える蒼は無感情で、ともすれば一つ小さな息を吐く。

運動と称してこんな危険な場所に足を運ぶ物好きは己以外にそうはおるまい。
それに此処でならいくら暴れても表世界には影響を及ぼさないときた。
であるなら、良いストレス発散になる。

人気がない。それは、隠す必要もないという事。

『”我が矢は聖なるもの”』
『”魔を退ける矢”』
『”魔を滅する矢”』

神性を込めた言葉を紡ぐ。
己の背後に蒼に輝く矢が複数現れ、怪異の核をそれぞれ確実に射抜いて行く。
己の矢は必中。獲物を外す事はない。

退魔の矢を小出しにするのは、出せばその分己の魔力や神性が失われるから。
だから、無理のない程度に襲ってくる怪異を消していく。

ご案内:「裏常世渋谷」にエボルバーさんが現れました。
エボルバー > 欲望の街には裏の世界があると言われている。
ビルが立ち並ぶものの色調が失われた異様な世界、
境界線を越えた先に魑魅魍魎が跋扈する。
そして常識が通用しない世界にソレは誘われる。


>超自然反応を検出


それは何処から来たのか。
色が失われた道路を全く乱れのない一定のペースで歩く
スーツを着た一人の男。
消し飛んだ怪異の残滓を横目に、虚ろに灯る翡翠色の瞳が捉えたるは
この世界で輝きを放つ一人の女性、蒼い光と共に魔を退けるその姿は
人間的な表現を用いると女神とするに相応しい。

そのスーツ姿の奇妙なソレは射貫かれてゆく怪異に紛れて
一歩、また一歩と
着実に貴方へ向けて歩みを進める。

セレネ > ふと聞こえた足音に警戒心を抱く。
気配は見知った者ではない。
いや、正確に言えば命ある者の気配ではない、か。
蒼はその気配の主を探る。
あまりに規則正しく、ペースを乱さないその足音。

――それがいやに、耳に響いて仕方がない。

「――こんばんは、見知らぬ方。
こんな所に何用でしょうか。
迷いこんだのであれば、出口をお教え致しますが。」

言語は日本語へと変えて、己へと歩み来る男性へ問いかける。
異常な場、歪な怪異、己の矢で消えゆくそれらを意にも返さず
ただ淡々と歩いてくる彼は、どうにも機械的で。
それでも刃を向けないのは、今の所敵意や殺意が見られなかったから。

エボルバー > 歩みを止める。
不気味に緑色に灯る瞳が貴方の瞳を見つめる。

「こんばんは、お嬢さん。
ここは、とても不思議な場所だ。
まだ、出るには惜しい。」

感情が燈っていない無機質な調子で呟かれた言葉。
異界に迷いこんだという事実は、見方を変えれば
新しい経験を得るチャンスでもある。
即座に出る手段を探すというのは少し違う。

「君は、高い効率で怪異を撃破出来る力を持っているようだ。」

ゆっくりと首を振って、歪な世界を舞う散った怪異の欠片を
眺めた後に抑揚の無い言葉を投げかける。
少なくとも、目の前の女性は普通の人間ではない。
特異性がある、それは幾つかの異常な観測値からも把握し得る。
ソレは変化を及ぼし得る強力な存在に惹かれる。

「質問する。君は、強者だろうか?」

淡々とした調子は変わらず、されど場を包む雰囲気が変わる。
すると、ざわつくように硝子の粉を散らすような機械質な音が響きだす。
そうすれば、男の右腕が異様に黒く染まってゆき、まるで粉状の物体が
形を変えるような様相で。
最終的に男の右腕が光を吸い込むような漆黒色の大きく鋭利な刃物と化す。