2020/07/31 のログ
ご案内:「常世渋谷 中央街(センター・ストリート)」にエコーさんが現れました。
■エコー > 常世渋谷のメインストリート。白髪金眼の少女像がスクリーンに投影される。
「やっほー、みんな元気~?
バーチャルな皆のフレンドティーチャー・エコーだよ!」
手を振りながら画面をのぞき込むようにして、カメラは上から彼女を映す。ハンディタイプのカメラを持って自撮りするように片手を伸ばし、スクリーンにウインクしてみせた。
ご案内:「常世渋谷 中央街(センター・ストリート)」に水無月 斬鬼丸さんが現れました。
■水無月 斬鬼丸 > 「……なんだ、あれ…」
一方、バーチャルな皆ではない一般通過少年にとっては
フレンドではない。
噂くらいは聞いたことはあるが、噂は噂。
ホンモノを見るのはこれが初めて。
ちょっとメシでも食べるかとうろうろしていた少年は、スクリーンを見上げて立ち止まる。
■エコー > よっとカメラを置くような仕草の後、ブレブレだったスクリーンの映像は固定化される。
スクリーンを見る人物――水無月 斬鬼丸から見れば画面の上から逆さになってエコーは顔を覗かせる。
「おやおや~フレンドではない人もやっぱりいるね~!
じゃあ今日から君たちも私の友達! バーチャルフレンドティーチャー・エコーはいつでもキミを見ているよ!
特にそこの紫紺色の髪をした、少し病弱そうなキミ!」
びし、っと指を指した。その方向は斬鬼丸へと向けられていた。
■水無月 斬鬼丸 > なにこれ…放送事故かなんかじゃないのか?
ぼーっと見上げつつも、画面の少女のトークを聞いている。
軽快な語り口。
なんか、こう…寧ろアイドルのMCみたいなかんじだ。
しばらくぼーっとみてると…なんか指さされた。
いや、俺なのか?誰を指差したのだ?
スクリーンから指さされて俺かと思うのはなんか自意識過剰な気がしないでもないが…
特徴的に当てはまるのは自分くらいしかいないような気がする。
「え?え…?お、俺っすか…?」
スクリーンの明るい声とは違い、小さな声で自分を指差す。
■エコー > 絶賛生放送中です。人によって事故と捉えるか、彼女を理解していれば『いつもの』と思うかは視聴者に委ねられる。
「そう、ユー!」
明るい少女の声が響き渡る。なまじ巨大なスクリーンを乗っ取り……間借りさせてもらっているものの、声高に容赦なく軽快なトークを繰り広げる。その様は動画投稿サイトでの生放送中のそれのようである。まるでコメントに反応して返答するように気楽な対応。
「今、私と友達になると、二学期の情報学を取ってくれたらポイント加算! 今ならチビエコーもついてくる!」
ひょいっと自分を二等身くらいにしたSDキャラクター・エコーを取り出しながら、なぜか勧誘トークめいたことをし始めた。
■水無月 斬鬼丸 > まじかよ。
っていうか、こんな人通り多そうな路上の…大きな街頭スクリーンで
個人指定で声とかかけてきていいの?こういう、なんだ…放送って。
目を丸くして驚いた様子も隠せず、ただただスクリーンの少女のトークを聞いている。
てか、こちらの声も拾っているのか?
「え…えーっと…情報学?ポイント?ちび、エコー…?」
なんか情報の密度が…。彼女が取り出したあれがチビエコーってやつだろうか?
彼女、確かエコーって言ってたけど、彼女のちっさいやつ…
「な、ならなかったらなんかあるんっすか?」
ちょっと気になったので聞き返してみる。
こっちの言葉は届いてるようだし。
■エコー > ちなみに大多数の人は大して気にした様子もなく素通りしたり、興味がある人はスマホでティックトッコヨなんかに上げる動画撮影をしている。
声を掛ける、というモーションをしている人はいないようだ。少なくとも彼以外は。
なお、この放送は超特殊な集音マイクと別撮りしているカメラから彼の様子を見ています。ストーカーと間違われるから良い子は真似をしないようにね。
「私は常世学園の情報教師! 今花盛りな永遠の18歳! 恋に恋する乙女のエコー! こっちは分身のチビ・エコー!
この放送は~常世学園の教師が一枠分をお借りして放送していま~す」
ないすとぅーみーちゅー、はろーわーるど。
チビ・エコーと一緒に手を振る仕草と共に、二度目のウインクをかました。
「ならなかったらどうなると思う~?
ん~~~答えは特に何もありません! 何も進展がないということは何も起こらないということです! フラグは立てなきゃスルーされるのです!
しかしそんな悲しい青春送りたいハズがない! 世の男子はたぶんきっと、持て余すパワーがあるんだから!」
チビエコーを脇に置いて、今度は自分と瓜二つの分身を作り出して互いにハグし合い、シンメトリーのポーズを取る。この巨大スクリーンに映る人物の数がそろそろ喧しくなってきた。
■水無月 斬鬼丸 > なんか周囲はほぼほぼ無反応で、なんか自分が恥ずかしい人みたいになっているような気がする。
周囲を見回して、彼女の映るスクリーンを再度見上げると、なんか頬が熱い。
夏だからという以外の要因もあるだろう、少なくとも…スクリーンのバーチャル感あふれる少女と会話している
痛いオタクと思われるのは避けたいのだが…無視するのもなんか、悪い気がする。
「教師…18歳なのに…」
一応自分よりは年上。
彼女のモデルは…かわいらしいがなかなかに騒がしいせいで
残念な美少女感が拭えない。
「は、はぁ……」
ってか、増えるのか。
なんか電子ドラッグかなんかって感じの映像に鳴り始めてないか?
「え、えーと…」
どうせこれと言って取る授業きめてないし、こうやって声かけられたのも縁なのかも知れない。
情報学…っていうのも無駄にはならなさそうな授業だし…。
「じゃ、じゃあ、なります…やり、ます…」
控えめに、そう答えた。