2020/10/11 のログ
史乃上空真咬八 > 突入からおよそ一時間程が経過していた。



――車両の内部で、彼は、要救助者全員との合流を果たしていた。
合計四名、うち一人は軽傷、それ以外は奇跡的に無傷の状態だ。

「――……お前等は、これを持って後方車両に行け。ある程度、亡者共は避けられる。
いいか、俺が電話で通知を出したら、直ぐに近くの物に掴まれ。こいつをぶっ倒せば、"外皮"の朧車が消えて、列車の基部が勢いそのままで"強制停止"するはずだ。
――さァ、とっとと行け!!」


活を入れる声、何かを託された救助者たちは、既に薙ぎ払われ切った亡者たちの残骸の間を駆け抜け、後方車両へ向かっていった。

……それを見届け、彼は再び前方車両の方へ――駆けだす。


既に、斬り裂いた数は憶えていない。募った穢れの影響か、
獣腕の毛並みは赤黒くなり、爪も枝のように変容している。
――彼らは自分ほど敏感でなく、そして何より関わってきた回数が少ない。"侵される"心配はない。

自分は少し、こういうものとの縁が多すぎたのだ。


「……とっとと、終わらせる。
――嗚呼、クソが。錆び切ってンじゃねェぞ、史乃上……ッ」

史乃上空真咬八 > ――――――。






風紀委員・当該「朧車」への対応目録

・要救助者、全四名を、当該裏常世渋谷調査・巡回中の風紀委員が保護。離脱可能な異能を用いて帰還

・うち一名の軽傷は、学園医療施設で簡易治療で問題なく完治。健康状態に問題はなく、検診の後下校させられた。

・なお、発見した風紀委員によると、「般若面の朧車」が車両の半分を喪失した状態で討伐されているのを確認。救助された生徒たちの証言から、対応した風紀委員の手によるものと断定。

・該当する朧車を討伐したのは、風紀委員の史乃上空真咬八。


史乃上空真咬八 > ・現在、帰還報告はない。又、当該する裏常世渋谷からの離脱も未確認。数名の風紀委員が行方を捜索している。

・なお、一週間以内に発見及び保護の報告が無き場合、救助活動中における消息不明者(LOST)とする


風紀委員 〇〇 △▽ 筆

ご案内:「裏常世渋谷」から史乃上空真咬八さんが去りました。