2021/10/13 のログ
ご案内:「裏常世渋谷」に暁 名無さんが現れました。
■暁 名無 > ─── まだ彷徨っていた
大体どれくらいの時間が過ぎたのだろうか。ここじゃどうにも時間の経過が分かりにくい。
どうにか見つけた時計も、どれもこれもバラバラの時刻を示して停まっていて、3つ目辺りから参考にするのを諦めた。
持っていたスマホが当てにならないのは最初に分かってたけども。
立ち並ぶオブジェにも慣れて来たし、人っ子ひとり見つからないのもまあ、割と経験がある方だから良いとして。
「……生き物の痕跡すら無い、ってのはどうもな。」
散々歩き回ってネコ一匹どころかカラス一羽見かけることは無かった。
どんな未開の地を訪れても何かしらの生物の痕跡はあったので、やっぱり異界なのだと再認識させられる。
いい加減帰りたい。授業無断欠勤してるし。俺居なくても回る様にはしてあるけど。
■暁 名無 > 学校に居るのが限界になってフラッとフィールドワークに出た切り帰らない、というのはこれまで散々してきたが。
それはそう出来る様にある程度根回しや準備を済ませていたからで、今回は本当に唐突な失踪扱いだろうけど。
まあ1週間戻らなかったら異常だと思って貰えるだろうか。最大ひと月くらいは俺不在でも授業回せるけども。
「何か発見があれば散策も楽しいもんだが、何も無いということしか見つけられんのはなあ……」
感覚的に一昼夜歩き通して霧が晴れないどころか市街地と思しき場所からすら抜けられないのは流石に唖然とした。
拷問として十分に機能するだろうな、と感心すらしてしまったほど。
「て事はまあ、俺も近々発狂するんだろうか。」
今のところ兆候は無いように思える。いや、思えるだけですでに狂い始めてるのかもだ。
■暁 名無 > 狂っているとしたら、何故。
孤独?無力感?焦燥?生命の危機でも覚えて?
……ハッ、全くもってしょーもない。そんなの全て、まだ青臭かった頃に駆け抜けて来た。
「まあ、狂わないためにはどうすれば良いかなんてのは解ってるわけで───
とはいえ……俺も歳かなー、流石に堪える。」
昔/今の俺なら駆け回っていただろうな。
そう思いながら足を進め続け、いい加減靴底のすり減り具合が気に掛かる。
最小限に抑えるよう注意してはいるものの、もしかするとここを抜け出す前に限界を迎えてしまうかもしれない。
如何せん安物だからなあ。
ご案内:「裏常世渋谷」に幣美奈穂さんが現れました。
■幣美奈穂 >
そんな静寂な空間。
それを突如破る、澄んだ高いお声です。
「あ~っ、ここからですわ!
ここ、ここの封が緩んでるからですの!」
まるで、襖を横にあけるように。
その空間を閉じている狭間を四角くスライドする少女。
その向こうには街の喧騒が・・。
その足元を茶と白の縞猫がのっそり。
ついてきた野良ネコ、物珍し気にふんふんと匂いを嗅ぎます。
「ほら、こんなにがたがたです」
空間を開けたり閉めたりして、後ろを振り向き祭祀局の方々にアピールする美奈穂。
祭祀局の方々も、そんな空間の破り方に慣れてない方は目が点。
そして、「ちょっと向こう確認してきますわね」
と、振り向いて先生がおられるのにおめめぱちぱち。
「こんにちはです・・ちょっとお邪魔いたしますわ」
ぺこり。
そして襖を閉じるように空間を閉じて、周囲をきょろきょろします。
一緒に入ってきていたにゃんこさん、スフィンクス座りで先生の後ろをじ~っと見上げます。
■暁 名無 > 「─── 。」
突然の声にちょっと何が起こったかの理解が遅れる。
一度息を深く吸って、そして吐いて。うん、うんん、まあ、うん。
「……ああはい、えっと。こんにちはの時間かあ、今。」
どうやら昼間ではあるらしい、時間が知れたのは良かった。うん。
■幣美奈穂 >
「先生は皆様とお仕事ですの?」
そう言いながら、周囲をきょろきょろ。
人が迷い込んだりしないように、空間をきちんと締めておくための封やトーテム、
陣とか、何らかの呪物がここら辺にあると思うのですけど・・などと考えながら。
先生、なんかの仕事でお昼ご飯食べ忘れてるのかしら、なんかもちょっと思います。
にゃんこさん、宙に向かって前足くいくいっ。
うなぁお、何かに呼びかけているのです。
■暁 名無 > 「あー、まあ……そんなとこ。」
みんな?と首を傾げるも、まあ気にしない方が良いのだろう。
他の人間が現れたから安心したのか、どっと疲れが出てきた気がする。軽い偏頭痛すらしてきた気がする。
「……えーと、色々と聞きたいことはあるけど。
帰り道、分かる?」
帰れるようだからとりあえず帰りたい。なるべく今すぐに。
■幣美奈穂 >
理科(生物)の先生だから、変わった動物を観察してたのかしら。
なんて勝手に思う美奈穂です。
あっ、これですわ。
単なる石積み。それが崩れてます。
きちんと見回りできてなかったのでしょう。
こういう空間、多いですから。
「帰り道?
はいっ!。祭祀局の方に送っていただきます!」
胸を張ってえっへん。
指さす方向は、自分が出てきた空間の狭間――へんてつもないただの壁に見えますけど。
そちらを自信満々に指さします。
空間の歪みとかは判りますが、ここがどこらへんかは全然わかっていない美奈穂です。
そんな疲れた感じの先生の足元。
にゃんこさんが近づいてきて靴の匂いをしきりに嗅ごうとするのです。
■暁 名無 > まあ何と言うか、餅は餅屋だなあと場違いな感心をする俺である。
俺からすればどうにもお手上げだった状況でも、専門に掛かればこんなにも呆気なく解決するんだなあ、と。
……そんなんで良いのか、という疑問はこの際置いておく。俺は門外漢だからね。
「そうか、じゃあここから出る時に俺も一緒に出ようかな。
どうにも俺にはどうしようもなかったもんだから。」
はふ、と欠伸が漏れた。
結局何日歩き徹したのか、なんて考える気力もどこか行ってしまっている。
「こらこら、ばっちいからあんまり近づかない様に。」
足元に寄ってきたネコに注意を促しつつ、ひょいと拾い上げてしまおうか。
■幣美奈穂 >
「最近、野良の幽霊さんが沢山でてて。
どこからかしらって、思ってたのですけど。
ここからもたくさん来てたみたいですわね~」
石をつみつみ。
きちんと石塔に直します。
結構大きい石もあるので大変です。
「あっ、皆さんで出られるのですか?
そっちの方々は風紀委員とか祭祀局で手続きとかもうされておりますかしら?」
背中を向けております。
そっちの方々って、どこにいるのでしょうか?
それはともかく。拾い上げられたにゃんこさん。
拾い上げられて、なぁんっと尻尾を緩く振りながらのんびりひと啼き。
口周りをペロリとみて見上げ・・どうも視線が、先生と、その後ろを見比べているようです。
■暁 名無 > 「ああ、なるほどね。
……なるほどねぇ。」
『皆さん』の意味を大体理解した。
疲労感や偏頭痛の原因とはまた異なるだろうけど、かと言って全くの無害というわけでも無いのだろう。
然るべき場所に連れて行って、然るべき処理をしないとな。
「まあ事後報告で受理されるさ。そこは大人の特権というものを使う。
生徒が理解するには卒業まで早い様なやつ。」
ネコを抱えて軽く撫でながら口から出まかせを並べる。
いや事後報告で大体片付くのはホントだけど。
■幣美奈穂 >
石積み、丁寧にできました!
簡単には崩れないように、符をぺたりとそこに貼っておきます。
雰囲気というか仕草というか、なんか遊んでいるようにしか見えないのは欠点かもしれませんが。
にこにこ、完成に胸の前でぱちぱち小さく拍手。
「先生も大変ですのね・・オトナな関係なのですね!」
振り返って、真面目なお顔でふむふむ。
口がちょっぴりへの字。
大人の事情というやつですね、と言いたかった美奈穂です。
先生の傍にいる人?たちも「帰れる(還れる)のか?」となんか喜んでます。
大抵の人には見えないし聞こえないですけど。
にゃんこさん、目を細めてごろごろと喉を鳴らします。
長い尻尾がくねりくねりと、先生の腕をくすぐるのです。
■暁 名無 > 「そういうこと。
やあ、それにしても手際が良いもんだ。祭祀局の子だっけ。
お名前は?」
ネコを撫でてたらちょっと回復してきた。
まあここ数日ネコどころか自分以外の生命体に一切触れてないからね、しょうがないね。
「……でも、妙だな。
そもそも誰がそんなところに石なんて積んだんだろう。」
気にするだけ野暮って気もするが、気になってしまったからしょうがない。
更に言えば誰が積んで、何故崩れたのか。
再三言ったけど、生物の痕跡はさっぱり無かったからな。此処。
■幣美奈穂 >
おら、もっと撫でれ。
とせがむように、前足で頭を撫でる手を挟み込もうとするにゃんこさん。
「あっ、わたくし、風紀委員ですの。
霊的予防係の幣美奈穂と申します」
身体を振り返ると、綺麗な所作で三つ指ついてご挨拶です。
自然な動作で、周囲の空気も清浄なものにしているのですが、
その範囲で平気でいる幽霊さんであれば、よこしまや穢れがないや小さい幽霊さん。
先生も含めた方々にご挨拶です。
「ここらへんですと・・三途の川が結構ちかい方向ですから。
多分亡くなった方・・仏教系の徳のある僧侶さんあたりだと思います」
石積みを振り省みて、その様式をよくみてからお答えです。
何度か手直されているのも見て取れますので、過去にも祭祀局か日本魔術協会の方が
手入れをしていたのだと思うのですが。
「亡くなった方が、未練で現世に戻ろうとしないようにしてたのではないかと思うのですけど・・」
頬に手をあて小首をかくりと少し傾け。
■暁 名無 > そういえば普通のネコに触れるのは久しぶりな気がする。
普通じゃないネコは割と頻繁に相手してたけどなあ……とネコを撫でながら思う俺であった。
幻想生物相手の方が長くなってきてるから、まあ仕方ないけれども。
「ああ、風紀の子。
美奈穂ちゃんね。改めてご苦労さん。」
若い身空で大変ねー、と思わない事も無かったが、本人はそれほど大変そうにしていないので口を噤む。
少しだけ空気が軽くなった気がするが、まあこの手の人間なら多少の浄化は出来ても不思議ではない。
「ああ、そういう……なるほどな。」
大体分かった。じゃあ生身の俺が長居するのはあまり良い影響があるとも思えない。
さっさと出ていくに限る。余所者はこっちの方だから。
「手入れも終えたんなら、そろそろ御暇しようか。
やー、帰れる帰れる。仕事しなきゃだなー。」
■幣美奈穂 >
なぁう、と愛想のいいにゃんこ様。
人なれして、身も痩せてなくてけっこうふっくら。
毛並みがサラサラなのは、美奈穂がブラッシングしたげたからですけど。
「神様がお出かけ中ですから。
この時節は毎年こんな感じですの」
ほのほのと呑気です。
霊的予防係としてのお仕事、そんなに頻繁にありませんし。
「はいっ。
あっ、みなさん、きちんと並んでくださいませ!」
先生と、先生の後ろにいる方々にもお声をかけておきます。
立ち上がり、そして壁に向かって拝礼して、空間に手を掛けます。
すうっと、襖を開けるように空間を開くのです。
向こうは賑やかな通りも見える、どうやら繁華街の路地のようです。
空間が閉じないように手を掛けて開いておく美奈穂なのです。
「お仕事がんばってです!。
あっ、初めて常世島に入られる方はあちらの禿げた方のとこにお願いしますわ。
前に来たことがある方は、向こうの黒メガネの神父様のとこです!」
幽霊さんたちにもお声をかけておきます。
ハロウィンと浮かれている方には要注意です。
■暁 名無 > 「しっかり手入れが行き届いてるんだなあ。」
感心感心、とネコを撫でつつ幣が空間を開くのを見届ける。
後ろに何だかぞろぞろと憑いてきているらしいんだが、まあ見えないものは気にするだけ時間の浪費なので気にしない。
気にしたところでどうしようもないし、俺には。一応馴染みの寺とか行ってみるけども。
「おう、ありがとさんよ。
美奈穂ちゃんも風紀のお仕事頑張ってなー。」
開けて貰った襖の様な扉をくぐって外へ。
あー、うん。戻ってきたという実感が強い。というか耳が痛い。
今まで散々自分の独り言しか音らしい音が無い空間に居た所為だな。
「それじゃあ君もここまでだ。あんまりちょっかい出さないようにな。」
抱えていたネコもその場に下ろして、その場に居た祭祀局の面々に軽く声を掛けてから俺は久々の帰路についたのだった。
正直、思ってるより日が経ってるみたいで仕事量に内心冷や汗まみれだったけどまあ、それは別の話。
ご案内:「裏常世渋谷」から暁 名無さんが去りました。
■幣美奈穂 >
甘えるように頭を擦りつけるにゃんこさん。
実は匂い付けですけど。
「はーい。
あっ、でも今週はお仕事ばっかりで授業にあまり出られませんけれど・・」
仕方がありません。
なんせ、神無月ですから。
先生の後ろについていったり、そこで分かれる幽霊さんたちもいるので。
先生にお手てを振ってお別れです。
美奈穂は次の現場がありますから!
足元をうろりとして先生の脚に身体を擦りつけたにゃんこさん。
それで満足したのか、すたたと路地の方へと走っていきます。
美奈穂は、次に狭間が空いていた李、封が緩んでそうな現場に、
風紀委員会や祭祀局の方々と一緒に移動です。
ご案内:「裏常世渋谷」から幣美奈穂さんが去りました。