2022/10/14 のログ
ご案内:「常世渋谷 黒街(ブラック・ストリート)」にエボルバーさんが現れました。
■エボルバー > 日付が変わるほんの少し前、
唐突に乗っ取られた公共電波によって街がざわついた。
ひそひそとジャックの話題を持ち合う人々、
あるいは電子空間上で盛り上がる人々。
少し離れたここブラックストリートでは
先程の放送のものと思われるチラシが路上を彩っていた。
夜が深くなる時刻、人通りも少なくなったこのストリートに
カツカツと革靴でアスファルトを叩く音が響く。
街灯に照らされ浮かび上がるは、黒いスーツを着込んだ一人の男、
歩幅を均等に歩くその姿勢は一切の乱れなく。
どこか気味の悪さを感じさせる程に。
■エボルバー > 瞬きもほとんどしない不可解な様相の男は歩みを止めたかと思うと
その場にしゃがみ込み、散乱するチラシの一枚を手に取る。
そして再び、立ち上がると虚ろな翡翠色の瞳がチラシを眺める。
>文書解析開始
>解析中...
>作成者名抽出:Knowface/HOWLER IN THE NIGHT
しばらくそのチラシを眺めた後に男は目線を戻してまた歩き出す。
その歩く先は道の端へと寄っていき、やがて一つの電柱の傍へとたどり着く。
そして、男はその電柱に手の甲を向け、接触させた。
■エボルバー > すると、電柱に接触させた男の掌が真っ黒に黒ずんでゆけば
手の先から黒い砂のような物体が広がっていき、電柱を昇っていく。
せり上がる奇妙な黒砂が電柱に引かれたケーブルに巻き付いていった。
>ネットワークシステムに侵入開始
>検索:Knowface OR HOWLER IN THE NIGHT
>検索中...
>検索対象を含む文章を抽出...
>2022/10/02 ID:CHCgydI25
「ノーフェイス」?落第街でやべー奴とやり合ったって
噂のバンドマンだろ?
>2022/10/06 ID:HuYGFft3H
「夜に吼えるもの」って知ってるか?
何か最近台頭してきた違反部活らしくてよ?
どうやらあのバンドマンが率いてるらしいぜ。
電柱に手を付いたまま微動だにしていなかった男が動き出す。
光ファイバーに潜り込んでいた真っ黒な砂が巻き戻るように消滅し、
男の手もまた人間のものへと戻ってゆく。
■エボルバー > 「興味深い。」
抑揚のない声で呟かれた独り言。
男はチラシを掌から離せば足を動かし、歩き出す。
ブラックストリートの奥、光の届かない暗部へと。
全てを平等に受け入れる暗部へと。
通り抜ける冷たい風がチラシを舞い上げた。
ご案内:「常世渋谷 黒街(ブラック・ストリート)」からエボルバーさんが去りました。