2019/05/25 のログ
ご案内:「歓楽街」にビコーズさんが現れました。
ビコーズ > ―――夜の歓楽街、それはあらゆる欲望をひとまとめにしてできた街。
   
闇の坩堝。あちらでは娼婦が若い男の腕を無理やりつかみ、毒々しいサイケデリックな色のネオンがきらめく怪しげな店内に連れ込もうとしている。こっちには目の焦点が合ってない男女二人組。手にはよくアメリカのブラックジョーク映画でよく見る注射器が。合法ドラッグだろうか。そっちではガラの悪そうな男たちが若いカップルを取り囲んでいる。可哀そうに、この後起きる展開はよほどの変態でなければ受け付けられないだろう。

―――そんな喧騒に塗れた歓楽街のひときわ高い建物の屋上に大きな影
   があった。身長が2m超の男が纏う宗教服は目が眩むほどの純白
   の下地に金の装飾が月光によってきらきらと輝いている。夜風で
   その色素の抜けた長髪が靡く。微笑んでいるようにも見える彼の
   糸目が歓楽街の明かりに照らされ妖しく煌めく。そして彼は、ほ
   とんど隠れてしまっている口元で何かを呟いた。

 「やっぱり、何も変わっていませんね。この街も、この世界も。」

―――常世学園に謎の存在‘ビコーズ‘が出現しました。
―――財団の機動部隊は直ちに対象の殲滅を開始してください。


   堕落しきった夜の街に警報が鳴り響く。
   さあ、世界再編のお時間です。とその男は大きな襟の下で
   不気味に微笑むのであった。