2020/06/28 のログ
デザイア・ハート >  
「そこなお嬢さんは、もしかして迷子かな?」

路地の角から、蒼く長い髪を靡かせた、小柄な少女らしき姿が現れる。
女子制服に、小学生ほどの体格。可憐な丸い顔に紅い瞳が輝いている。

その少女らしき姿はそちらの姿を見つければ、くるりくるりと回りながら距離を詰めて、歩み寄る。

六道 しとね > 「おや」

何とでもなるか、と次の瞬間には歩き出そうとして声をかけられて歩き出すのを止める。
そちらを見ればとても可愛らしい少女。

「おや、キミみたいな可愛い娘にお嬢さんと言われると面映ゆいね」

あっはっはとまた一つ笑うと。

「そうなんだよ。困ったものでね。慣れが一番危ないとわからされる次第さ」

全く警戒をしない様子でデザイアへと向き直りそう伝えた。

デザイア・ハート >  
「あはは、褒め言葉をありがと♪
お嬢さんにそう言われるものこそばゆいね。」

にかりとどこか快活な笑みを携え、
その少女らしきものは近くに寄れば目の前で立ち止まる。

「なーるなる。
ちょっといけばここも入り組んでるからね。
ふと間違って曲がったら知らぬ景色…なんてよくある事さ。
道案内、必要かな?」

六道 しとね > 彼女の提案にぱあ、と顔を綻ばせた。
屈託なく更ににこやかになれば。

「それは助かる。いや適当にいけば多分帰れるだろうとは思うんだけどね」

多分あっちとか、と完全にカンで指さす。
それは凡そ更に迷う者の行動なのだが。

「ありがたく、道案内をお願いしたい」

ぺこりと頭を下げた。

デザイア・ハート >  
「あはは…予言じゃ無いけど、それたぶん絶対迷うやつだよ。」

苦笑しつつもそんな小さなツッコミをいれながら、
くるりと振り返り背を向ける。

「おーけーおーけー。
ボクに任せて。このあたりの地理には詳しいからね。」

そうしてすたすたゆっくりと、路地裏の道を進んでいく。

六道 しとね > 「む、そうかなあ」

むう、と顎に手を当てた。
何度もそれで帰還してきたという自負があるがまあ「かかった時間」というのは考慮には入れていないのである。

「ではお願いするよ。ああ私は六道しとねという。いちおう、学園の生徒さ。キミは?」

ゆっくりとデザイアの後ろを歩きながらそう尋ねた。

デザイア・ハート >  
「そーいうものさ。
ま、とびきり時間を掛ければ戻ってこれるかもだけど…。」

しらみつぶしに歩けばたどり着くこともあろう。
だがそれは通常、迷ったものにはいるのだろう。

「ん?ああ、名乗って無かったね。
ボクはデザイア・ハート。見ての通り、ボクも学園の生徒。
まだまだ入学したてだけどね。よろしくね、しとねさん。」

くるっと首だけを斜め後ろに倒して振り返りながら、
かわいらしくもあざといウィンクを向ける。

六道 しとね > 「時間をかけてもちゃんと帰っているのだから問題ないと思うのだけど、皆それは違うというのだよね。不本意な話だよ」

至極真面目そうにちょっと不満げに言う。
どこかズレているのであった。

「同じ学生だったのだね。こちらこそよろしくデザイアちゃん。なるほど。一応私は3年生だから何かあれば力になろう」

自信を持ってそうデザイアへと伝え。

「こういうのを眼福、というのかな。絵になるというか」

うんうん、とその可愛らしいウィンクや仕草を褒めた。

ちなみに、全く気付いていない。

デザイア・ハート >  
「最期よければ問題は無いだろうけれどさー。
ま、いいか、それで困って無いなら。」

どうやらどこかズレたところがある彼女の話しに、
小柄な生徒はこれはだめそうだなぁと匙を投げる事にした。

「なるほど三年生、じゃー先輩だし、しとね先輩のがいいかな?」

首をかしげてにんまりと問いかけて。

「んふふ♪でしょう?」

その褒め言葉に自身満々に笑顔で胸を張る。
気が付いていないのに気づいていたが、もう少し黙っておいた方が楽しそうだと判断もしたようだった。

六道 しとね > 「んんっ。いい響きだけど好きに呼んでくれていいよ」

先輩、と呼ばれて満更でもない顔である。

「うん、とても可愛い」

再度素直に褒める。
人によっては鼻につく、などと言う者もいるのだろうが可愛いものには可愛いというし褒めるものはほめるべきだ、というのが彼女の考え方である。

そしてふと、思い当たった。

「うん?そういえばこの辺は詳しいという事だけど、キミみたいな娘が一人でこの辺りを歩くには結構危なくないかな」

治安もそれほど良くないと思うのだけど、そう続けて。

デザイア・ハート >  
「あはは、じゃーしとね先輩で♪」

にんまり、といった華やかな笑みを浮かべて笑顔が返る。
再度の素直な褒め言葉も、小柄な生徒は嬉しそうに享受した。

「ここはまだ歓楽街だからね、まだまだ安全な方さ。」

そんな暫定彼女は、事もなさげにそう語る。

「何より”慣れてる”からね、そんな怖いモノでも無いんだよ。」

六道 しとね > 「慣れている、か」

ふむ、と少し考え込む仕草を取る。
特に疑う、という表情ではなく、純粋な疑問、という顔。

「まあキミがそういうなら大丈夫なんだろう。しかしそう―――」

うん、と一つ頷くと。

「『慣れ』程怖いものはないからね。今の私の様に、ね?」

ウィンク。
デザイアとは趣の違うウィンクではあるが。

「状況は何時すぐ変わると知れないからね、気づけば自分ではどうしようもなくなったりするものさ」

そこまで喋った後、おっとという顔をして。

「ちょっと長々と言い過ぎたね。ひとつこれは先輩風を吹かせたかったとでも思って欲しい」

最後にそう付け加えて笑った。

デザイア・ハート >  
「おや、これは一本とられたかもしれない。」

あちゃー、と。そんなどこかわざとらしい声と表情。
わざわざ頭に手を当てるような仕草のおまけ付だ。

「んふふ♪かまわないよ。
先輩が優しいってことが分かったしね。」

だが、ウィンクの後のその言葉には、自然な笑顔が帰ってくるだろう。

「そういえば、先輩は何の用でこのあたりに?」

六道 しとね > 「ふふ。そう言ってくれるとありがたいよ」

そのわざとらしくもやはり可愛らしい仕草と言葉に微笑みながらそう返し。

「うん、ああそう、そうだ。それはね」

思い出した、と言うように続けようとして。
くう、とそこでタイミングを計ったかのように鳴るあの音。
周りに聞こえるかと思われるような音のサイズ。
流石に気恥ずかしさがあるのか仄かに頬を染め。

「―――こほん、まあうん。そう」

ごまかす様に咳込んで。

「ちょっと見回りを、だね」

一発でわかる嘘をついた。

デザイア・ハート >  
「………。」

その音に、チラッと視線を先輩の顔に向けて…。

「しとね先輩、どっかご飯でも寄っていく?」

くくっとどこか意地の悪そうな視線と表情で、
そのごまかしを貫通するであろう言葉を投げかけた。

六道 しとね > 「……」

その視線と表情にややいたたまれなくなり。
その言葉で全てを(※当たり前です)見通された事を実感し。

「……ああ、そうしよう、かな。うん丁度小腹も空いていてね!」

あははと頭を掻き頬を染めたままやや乾いた笑いを零して、それでもまだちょっと意地を張った。

デザイア・ハート >  
「はーい、じゃあ行き先変更~。
進路はそのまま、ゴールを喫茶店で。」

くつくつと苦笑しながら、先輩を先導して路地を進む。
程なくして大きな通りに出て……直ぐ傍に見えた喫茶店へと足を向ける。

「と言うわけで到着~。
ささ、すきなものをどうーぞ?」

喫茶店の前に置かれたメニュー表を指差しつつ、伺うように顔を向ける。

六道 しとね > まあそんな意地が通用する訳も無いので更なる苦笑を頂き、心にちょっとしたダメージを負いながら先導されるまま、喫茶店へと。

「喫茶店、か」

そこで少し思案に没入する。
さて喫茶店とは軽食からそれこそ定食と言えるほどのものまで多岐であり、勿論飲み物だけやお茶会という形でも利用される。
と、言うのも先ほど友人らとは喫茶店で話したりしていたのだが皆が飲み物やスイーツだけで済ませる中、ハンバーグ定食を頼む訳にも行かず。
別れた後に食べなおそうという体であった所、道に迷い、デザイアと出会っている。

「うん、そうだね……――」

じい、と定食に目をつけてしまうが。
ここで先ほど自分で張ってしまった意地が足を引っ張る。
『小腹』が空いているだけという体裁を取ってしまったので、ここで定食を頼もうならその意地すら崩れてしまう。
しかし先ほどもスイーツ等では満たされなかったのも事実。
この『喫茶店』という絶妙なチョイスに彼女は頭を悩ませる。

―――ここまで全く意味のない思考の巡りである。

デザイアの伺うような顔に逡巡を更に返しながら。

「じゃ、じゃあこのパンケーキにしようかな」

いちばん、カロリーの高そうなのを選ぶという折衷案である。

デザイア・ハート >  
「……。」

そんなメニューの中でも定食を視線で追う様子を、横目でじっと目ざとく見ていた。
表情もちらりと確認すれば、きっと迷った様子の欠片くらいは、つぶさに観察していたのだろう。

「そっかじゃあ、ボクはハンバーグ定食にしようかなぁ~♪」

小柄な少女が顔に似合わず、そんな注文をしたのは、それに無関係で無い事だけは明らかであった。

六道 しとね > 「ぐううっ」

隣でハンバーグ定食を選ぶ姿を見て思わず唸る。
―――今の思考すら読み取られたのか、と。
末恐ろしい、ごくりと喉を鳴らす。

まあいちいち視線が揺れるし顔にすぐ出てるのだが。

「あ、ああいいんじゃないかな。しっかり食べないとね」

私も、食べたい。
そんな心の声が聞こえそうな顔ではあるが本人は出てないと思っているのであった。

デザイア・ハート >  
「いやー、ボクもおなか好いてたからね~♪」

悪びれも無く、意地を張らなくていいんだよ?
とでも言わんばかりなにんまりとした視線が飛んでいく。

「じゃ、注文しよっか?」

そうしてそのまま店内へと入り、ささっと後輩は注文をしてしまう。
前言撤回をしてガッツリとしたものを頼むなら最期のチャンスだ。

六道 しとね > 店内へ入ればデザイアはあっさりと定食を頼み。
遂にご注文はと聞かれて。

「……」

悩む。
しかしこの意地は張り続けても仕方ないものなのではないか?
でも一応先輩だし。
でも背に腹は代えられぬ。
ぐるぐると思考が回り。
回り続けて。

「あ、えー、……スミマセン。私もハンバーグ定食で」

折れた。

更に。

「ライス大盛でお願いします」

恥の上塗りでした。

デザイア・ハート >  
「んふふ~♪
しっかりたべないと、だもんね~?」

どこかで聞いたような言葉が後輩から飛んでくる。
きっとそこにはもう、張っていた意地の欠片も無くなっていた。

そんな様子を楽しげに眺めながら席へと腰掛け…。

「で…お話の腰が途中で折れちゃったけど、ここに来た理由ってなんなのか?」

改めてその疑問を投げかけた。

六道 しとね > 「ああ……全くその通りだよ……はは」

砕けた意地に力なく笑う。
からん、と出された水の中の氷が音を立てた。

「うん?理由か」

実際の所は本当にただ夕飯を食べるだけだったのも事実。

「もう張る意地は全て砕けたし。恥ずかしい話友人らと一緒に居たんだが単に食べたりなくてね、改めて夕飯を、と思っていたんだが」

特に隠す理由も無いのか聞かれれば素直に答えていく。

「後は興味本位、かな。この場所を、ひいてはこの島をしっかりと知っているとは言い難いからね。キミのような可愛い娘がいる、とも知らなかったし」

軽くうん、と頷きながら水を口へと含んだ。

デザイア・ハート >  
「なーるほどね?
どおりでお腹空いてたわけだ。」

こくこくと、わざわざストローで水を飲みながら言葉を返す。
意地も消えたこの会話は、さきほどまでより本心に近いもののはずだ。

「で、興味惹かれて歓楽街まで、か。
まーここの大通りくらいなら安心安全だしね。
ナンパされることはあるけれど。されなかった?」

からりと氷をストローで回しながら、そんな些細な問いかけ。

六道 しとね > 「どうにも私的には動物性タンパクが欲しい所さ。美味しいは美味しいし可愛いのだけど物足りなさを感じてしまう」

元々田舎出身でありそういった精がつく食べ物の方が食べなれている事や身体を動かすのが好きである為であろう。

「少しぐらいはね。日の当たる場所だけではどうにも見えない部分もある」

そう答えるとストローで飲むデザイアとは対照的に口を付けて再度水を口に含み湿らせた。

「ナンパ?そうだね、されなかった―――いや」

そこまで言ってつい、と指をデザイアに刺す。

「面識のないものを誘う、という意味ではキミになるのかな?実際こうやって一緒に喫茶店に入っている訳だし」

そう何となく指摘した。

デザイア・ハート >  
「先輩、結構たくさん食べそうに見えるしね。」

相手の体格を見れば、それはなんとなく察しがついた。
肉付きがよく、引き締まった身体は鍛えている様子を感じるし、
鍛えていると言う事は、その分のエネルギーを必要とすると言う事だ。

「ま、程々にしておくのをオススメするかな?
ここはまだいいけど、落第街だったらだいぶ危ないし。」

そう話しているうちに、後輩の水はそこをつき、からりと遊ぶようにストローを回す。

「あ、それはそうかも?
ついついしとね先輩が美人だったもんだから声かけたし?」

そのように答える言葉は、冗談なのか、はたまた本音なのか。

六道 しとね > 「うん。それに食べるのも好きでね。やはり一日を務め上げて食べる夕餉の何と有り難い事か」

屈託なく笑う。
食べたものにでも思いを馳せたのかやや頬が緩んでいたが次の言葉にまた顔を引き締めなおして。

「忠告ありがとう。気を付けるとしよう」

そういうものの、恐らく何かしら彼女の中で納得するまではまた奥へと行くつもりなのだろう。
何を以て納得するか、自分でもわからないまま。

「美人か……はは、面映ゆいな」

満更ではないものの面と向かって褒められ慣れていないのかまた軽く頬を染めて苦笑した。

そうこう話している内に頼まれたものがテーブルを埋め始める。
じゅうじゅうと焼ける音と匂いに思わずごくりと喉を鳴らして。

「さて頂こうか。折角の作り立てだし」

そういうと箸を手に取る。

デザイア・ハート >  
「ははは、食べるのが好きなのはいい事だと想うな。」

屈託の無い笑顔に、こちらもささやかな微笑で返す。

忠告への一先ずの納得の言葉が聞ければ、うんうんと頷きを見せるだろう。
もっとも、”気をつける”というだけなら、誰でも言えることなのだが。

「あ、いまのいい顔~♪
うんうん、そういうのチャーミングでいいと思う。」

とはいえ今はそれよりも、今は目の前の先輩の表情を楽しむ事とするのだろう。

定食も運ばれてきて、そんな流れも終わりを告げてしまうが。

「っと、そうだね、いただきまーす!」

一先ずは――互いに食事へと取り掛かるのだろう。

六道 しとね > 「先輩をからかう者じゃないぞ全く。それに可愛いというのはキミみたいな娘に使われるべきだ」

自分が言うのはいいが言われるのは慣れていない。
ごまかす様にデザイアを褒めた後。

「いただきます」

静かに手を合わせた後、ハンバーグを一口口に含み。

「んん~♪」

うっとりと多分今日一番の蕩け顔である。
そもそも空腹の状態から歩き回った末の肉。
美味しくない訳がない。

「はああ……今日も一日生きてきた甲斐があるよ」

次いでご飯を口に入れながらゆっくりと味わうように咀嚼していく。

デザイア・ハート >  
「んふふ~♪
ボクは思った事を言っただけだよ♪」

そんな様子を楽しむように、その嗜めと褒め言葉を受けながらも涼しい顔。
なんとも慣れともいえるものを醸し出していた。

「うーん、いい食べっぷり…。
あ、でもおいし……。」

次々にご飯を掻きこみながらもゆっくり食べるのと対象的に、
小柄な後輩は少々早めに、けれどもご飯の量は少なめだ。

恐らくペースだけを見れば、後輩の方が先に食べ終わるのだろう。

「んー♪ごちそうさまぁ。」

余す事無く食べ終われば、しっかり手を合わせて食事を終える。

六道 しとね > ゆっくりとしかししっかりと味わうように食べる。
食べる。
よっぽど空いていたのか一心不乱、と言っても差し支えはないのかもしれないレベルで。

「うん。ここのは美味しいね……やはりコンビニとは違う」

うんうんと頷き。

「後は一人で食べていない、というのもあるね。やはり誰かと食べるというのは美味しいものだ。改めてお礼を言うよ」

親切な案内者にそう伝えデザイアにしばらく遅れこちらも食べ終わり、水を最後に飲み干して。


「ぷはー……ごちそうさま。実に美味しかった」

ポンと手を合わせて。

「待たせたね」

既に食べ終わっていた可愛い後輩へとそう声をかける。

デザイア・ハート >  
ゆっくりと、味わうように食べる様をニコニコと、微笑ましく眺め…。

「誰かと一緒にって方が美味しいもんねぇ。
こちらこそ、って言っておこうかな?」

礼をいわれれば、それをそのまま相手にも返す。
何分、こちらも誰かと一緒に食べるのは、そんなによくある事では無い。

「ん、美味しかったのなら何より。
さてさて、一応、ここからなら道も分かると想うけど…大丈夫かな?」

相手が食べ終われば軽く片付けをして席を立つ。
そのまま会計へと向かいながら、この後の案内が必要かを一応問う。
この場所を考えるのなら、恐らくは後は大丈夫であろうが。

六道 しとね > 「案内してくれたお礼もあるし、ここは私が出そう」

財布を手に取り一緒に会計へと向かいながら。
道案内は大丈夫かと問われれば、

「うん、ここからならわかるから大丈夫だ、ありがとう。迷惑をかけたね」

そう伝えた。

デザイア・ハート >  
「およ、いいの?」

その言葉に、しばし考える素振りを見せて…。

「じゃー、ここはしとね先輩のお言葉に甘えて。」

素直にその提案に乗る事にした。
ここで断るのも相手に悪い、と考えたのだろう。

「それならよかった。
でも気をつけて帰ってね、先輩?」

そうして会計を終えれば、そんなささやかな忠告の言葉を最期に伝えて、恐らくは互いに帰路へとつく事になるのだろう。

六道 しとね > 会計を済ませて表に出る。
ここからなら場所も大体の把握が済んでいるのですぐに帰れるだろう。

「ああ。ありがとう」

再度のお礼を言い。

「キミには借りが出来てしまったね。また、何かあれば言ってほしい」

次逢えるのは何時かはまだわからないが。
それでもこれも何かの縁だろう。

「それではデザイアちゃん、よい夜を」

そう言い残しちゃんと歓楽街を抜ける道をゆっくりと歩いて行った。

ご案内:「歓楽街」からデザイア・ハートさんが去りました。
ご案内:「歓楽街」から六道 しとねさんが去りました。
ご案内:「歓楽街」にサクラ=ウィンスピーさんが現れました。
サクラ=ウィンスピー > 「ふんふんふ〜ん♪楽しいなー、楽しいなったら楽しいなー。」

大人向けの施設がよくある歓楽街、その中にふらふらと明らかに適齢に達していなさそうな少女がふらりふらりとビールの入ったカップを片手に歩いている。
ヤケに上機嫌に、ただの酔っ払いなのがわかるほど頬が紅潮しているのがわかる。

とはいえ、それを気にする人など誰もいない。
見た目が年齢に繋がらない人たちなど、ごまんといるのだから例え飲酒していても気に求めないし、学生服で彷徨いても怒られることはない。

鼻歌交じりにふらふらと彷徨きながらこちらの世界の食にありつくのはとても楽しいのだから。

ご案内:「歓楽街」にアリソンさんが現れました。
サクラ=ウィンスピー > しかしこちらに来た当初は色々と驚いたものだが来てみれば都である。
自分の世界とは違う文化体制に食料品や道具の数々、日常が少し物足りないという点を除けば楽しいものだ。

料理も美味しいし、貴重だなんだと、一瓶で金貨幾つだと言われていた香辛料がただ同然の値段で手に入る。
焼き鳥一つでも美味しくて仕方がないし楽しいのだ。

アリソン > 公安の腕章をつけたメイドが巡回と称してうろうろとしていた。
二三日前に目覚めて以来定期的な巡回という名のお勤めをして居る所。

歓楽街には様々な物事が起きるので割と応用が利かないと難しい筈なのに、
ふらりふらふらとでも迷った風もなくメイド服で彷徨う公安アンドロイド一体。

時折 怪しい物や者を見つければ 決められた物事に則り対処するはずなのだが…なのだが。

サクラ=ウィンスピー > このビールというのもあちらに比べて味が濃く美味しいものだ。
なにせ水で薄めるなんていうみみっちい事をする店が無いのだから、シュワシュワの泡と喉越し爽やかなアルコールを摂取している姿は見た目だけならただの犯罪案件である。

本人はそんなことなど微塵も気にしてはいないのだが。

「うにゃーおねーさんなにしてるのー?おひまー?」

お酒も少なくなってきた所で次はどの店に行こうかなんて思案しているとこの場所にはあまり似つかわしくなさそうな、メイド服を着た少女が一人彷徨っている。
特徴的なのもあるが、かわいい子が一人でいるところを見付けてついついニコニコと小悪魔じみた笑顔で声を掛けてしまうのはただの酔っ払いにしか見えないのだが。

アリソン > 公安の腕章をつけたままのメイドはうろうろと彷徨っているような巡回のようなそんな類。
長い黒髪を靡かせながら黒瞳がサクラの姿を捉えているようなそうでないような視線を向け、
僅かにスカートのすそを持ち上げ カーテシーを軽くしてから

「…わたくしですか?巡回をしております。暇と言えば暇ですが、暇という名の巡回とも申します」

ぱさっと音を立ててスカートが静かに元に戻り姿勢を元に戻したメイドは所作がメイド染みていた。
何やらビール臭漂う少女を咎める事はなく、此方は姿勢を正して扱く静かな視線でもって彼女を見ている。

サクラ=ウィンスピー > わざわざ公安の腕章なんかを着けた少女に話し掛ける人間なんて歓楽街にはいないだろう。
だからこそ、少し距離を置かれているのが見えるのだがこちらに来たばかりのサクラにはそんな常識知るはずもなく。

ただ相手の所作が綺麗なのが楽しくてカラカラと笑っている

「にゃはは、お姉さんキレー。ボク知ってるよ。メイドさんってヤツだよね、お城に行ったとき前見たんだー。」

自分のいた世界でもこんな役柄の人はいたが自分の立場で会うことは殆どない所謂貴族社会の挨拶である。
だからこそ、興味を引いてしまい楽しそうに笑い掛けるのだ。

「やっぱりメイドさんなんだからご主人さまとかいるのかな。かわいいもんね、いっぱいかわいがってもらえそう。」

姿勢正しくこちらを見ているが、見ているだけの少女。
匂いから少し人とは違うのがわかるがそんなことは関係ないと反応の薄い相手に話しかけては勝手に一人で楽しそうにしている。

アリソン > 公安の腕章をつけていれば妙なものには絡まれないとして付けられている事に気づかない紐付きのメイド。
お互いに何かが足りない筈なのにぼんやりとしたやり取りで適度な距離を保ち対応を試みるメイド。

「左様でございましたか、メイドではありますが…お城とは?」

彼女から発せられる言葉、笑いかけてくる様子に素の対応をしていく冷たいメイド。
インストされたような所作自然体の様なそうでないような振る舞いを続行し、
姿勢正しくその場に佇む様は芯が通った、違う様なそんな感じ。

「……身に刻まれた顔も知らぬマスターはおりますが、ご主人様という存在はおりません。
 私という存在はまだまだ寵愛を受ける身としてはなく、忠誠を捧げる者はいずれも該当もなく」

冷静に言ってのけるメイド、彼女にある程度見破られているとは気づかずに、
反応は温かみはまだなく基礎に則った行動そのものの機械素体の振る舞いを振舞い続ける。

サクラ=ウィンスピー > 何処か人間味のないぼんやりとしている少女、確かに皮は人間のように見える彼女に笑顔を向けながらも外見はしっかりしているように見える彼女に対して定着しきっていない何かを感じ取る。

「お城はお城、なんか偉そうで肥った人たちがいっぱい居る所ー。一回お仕置きしたくらいで反抗しなくなっちゃうようなのしかいないのに偉い人なんだから不思議だよねー。」

作られたような動作をする相手に妖しげに、とても楽しそうな顔を浮かべてなんとも物騒な事を言っている。
元にいた世界ではそれなりにやんちゃをしていたのがわかる発言だがそんなことはどうでもいいと言わんばかりに、少し置かれていた距離を遠慮なく詰め寄る。

服同士が触れ合い、身体も密着してしまおうかというくらいの近い距離、手に持っていたビールのカップは道端に捨ててクスリと相手の目をじっと見つめる姿は小悪魔そのもので、ナニかを見透かしているようでもある。

「ふーん、マスターはいるのにご主人様はいないんだ。……でも今の『キミ』じゃ寵愛も忠誠もココロからしたくなる相手なんていないだけなんじゃないかな?」

ジッと、深く底のない澄んだ蒼の瞳で少女の瞳を見つめる。
本当に見透かしているようで、それともただの興味を口にしているだけなのだろうか。
明らかに機械的な所作をしている少女のその奥を見つめるようにして話しているのは確かで。

アリソン > 元々が人間ではなかったが為に人間とは何かから始まってしまった。
皮は人間染みているが中身が中身なだけにその身に宿る魂は機械に宿るのか否か。
定着しているか定かではないがあくまでも中身があやふやに対してその周りを囲む壁は鉄壁だった。

「不健康と判断。立場と責任が伴わない地においては豚は屠殺するに限ります。
 役に立たないものは不要、しかしある程度いなければ怠けものは出るのでやはり必要。」

存在が定かではないまだ見ぬご主人様を思いながらもこちらも物騒かつ情け容赦のない言葉を紡ぐ。
少し考えていたら距離を詰められたので自然と詰め寄りに対して後ろに下がる存在。
だが服が擦れあい体も密着するくらいに迫られてしまい、小悪魔の所作で見上げてくる仕草がなんとも。

「まだ見ぬマスターからは命令が時々御座いますが、そうでございますね、この身に置いては寵愛はおろか忠誠捧げてもいい者は見つかっておりません。
 心とはどこに宿る物でしょうか、ここでしょうか、それともここ?」

心とは、と胸を差し 次に頭を差す。
機械素体というより違う振る舞いを一瞬見せ、ふっと他愛のない笑みを浮かべたかと思うと、
すぐにその笑みは消え冷静沈着なメイドがそこにいるのみとなる。

サクラ=ウィンスピー > どうなのだろうかと、見つめるもちょっとやっと押しても引いても動かないようだ。

「にゃはは、ボクはいらないと思うんだけどねー。みんなキミと同じようなことを言うんだ。」

本当にやったのだろう。周囲から一度は止められたことを仄めかしはするがなんてことはないこの世界の話ではないのだからサクラの表情の通り笑って過ごす話題なんだろう。
コレだけ至近距離に詰めて密着しそうなくらい近付いても逃げることなく、応える相手にクスリ笑う。
そのまま拒否しなければなんとも自然に極当たり前のように首に手を回して抱き着いてしまおうとし。

「……そんな顔が出来るなら良いじゃん。それとも、誰かがご主人様にならなきゃもっとしてくれないのかな、それならボクが……。」

機械の素体とは違う笑みを見ればコロコロと楽しそうに笑みを浮かべてしまう。
楽しくて仕方がないのか、顔も触れてしまうかわからない、そんな近い距離のまま酔った勢いというのもあるんだろう。
冗談混じりに言葉を続けていこうとしていて。

アリソン > 見つめあってようやく気付かれるかもしれない、
メイドの瞳は見えておらず光が宿っていない瞳であることがそこに。

「アリの巣という物で例えますが、全てを働き者のアリにした所で
 必ず怠け物のアリが二割出現します。それらを排除したとしてもしばらく経てば怠けものが出ます。
 そのうちそのアリの巣は数の問題により保てなくなり崩落するのですが、怠け物にも理由があるようです、いらないにしても何らかの理由があるようですが。」

たとえ話を説明した所で本当に粛清をしてしまったような口ぶりの彼女。
たとえ話は言うだけ言って少し黙った。考え込むというか黙ってしまうのだ。
密着しても屁でもないのは元の人格がこんなものだったので慣れたような仕草。
頸に手を回して抱き着かれても彼女の背に手を回してより密着をしようとする。

「ご主人様の躾次第ですね、まだ見ぬご主人様の寵愛次第で私は成長するなり進化するなり、で御座います」

どこまでも真面目でありました。顔も近づいても恥ずかしそうにするものもなく、
彼女は酔っていると嗅覚センサーが告げている、本当かどうかの区別はしにくい判断できない。
冗談なのかも 判断が下りてこない。

サクラ=ウィンスピー > 光の見えていない瞳、そしてこちらから抱きついても動じない様子にクスクスと笑いつつも蔑んだりしないし貶したりもしない。
ただ興味深そうに相手の在り方を見ていて楽しんでいるようで。

「キミはスゴイこと知ってるんだね。ボクそんなこと知らなかったよ。」

自分の知らないことを知っていた少女に驚き笑うだけ。
こちらが抱き着き顔を近付けるとノッてくる少女に対してご褒美と言わんばかりに軽く頬にキスをしてやる。

「……キミ、そうやって静かにしてるよりこっちの方が好きなんじゃない?今日一晩付き合ってよ。それでボクのお気に入りになれたら……、」

顔を恥ずかしそうにするわけでもなく真面目な顔をしている彼女に囁いてあげる。
確かに酔っ払いにしか見えず、その場のノリではあるのだが耳元で、小悪魔のように甘く囁く。

「キミのご主人様になってあげる♪」

アリソン > 視えていないのに視えているかのような振る舞いをする。
抱き着かれてもより密着度を増すような仕草をするし、彼女の興味をいかにひくかという動作確認ともいう。

「浅く広く知るだけに御座います、知識よりも智慧を身に付かねば
 この乱世は大変に生き残る事が難しゅう御座います」

乱世…いや、世はそんなに乱れていない筈。
一体全体どこの世界のことを告げているのか。頬にキスを受けてほんの少し頬に紅が混じり。

「さて。私の知らない私の部分を開かせて頂けるのであれば、
 一晩で足りるでしょうか、お 嬢 様 ?」

囁かれてドキドキ…する様もなく、彼女の耳元に冷たくともどこか艶やかなもので囁き返し。

「喜んでお付合いいたしましょう?」

サクラ=ウィンスピー > こちらの興味を煽るような仕草をただ楽しみつつそれに乗っかっていく。
わざわざ相手のお誘いを無碍にするほど甲斐性なしでもなく、ただ自分が楽しみたいというのも強いからだ。

「にゃはは、どこもそんなに変わらないのかもね。」

乱世というほどココは乱れているようには見えないがまだまだ知らないことの多いコチラの世界だ。
きっと、他にも愉しいことがあるに違いないだろう。
と、適当に結論付けて答えておく。
サクラは何が起きても何をしていても楽しむ流儀なのだ。

「それはボクを愉しませてから言うことだねー。」  

頬を少しばかり赤くさせながらも鉄面皮で返す姿に、少しばかり楽しみが増える。
彼女はただ感情やココロが無いわけじゃないのがわかるからこそ、相手にするだけの楽しみがあるからだ。

「うんうん、それじゃ行こっか?」

ようやく相手の首から手を離して距離を空ける。
ここから一番近いホテルはどこだったろうか、歓楽街ならすぐ見つかるだろうと思案しつつふらふらと相手を連れて人気の少ない場所へと消えていく

ご案内:「歓楽街」からアリソンさんが去りました。
ご案内:「歓楽街」からサクラ=ウィンスピーさんが去りました。