2020/08/12 のログ
柏木凛 > 「経太郎が悪いわけじゃねーから謝んな。
もうあそこには仕事じゃ行かねーからいいんだよ」

お前か良いから謝るなと優しく笑い。
子供はやっぱり元気に笑うのがいいなと、そのつやつやした顔の意味を深く考えず。

「生きるだけなら何とかなるぞ。ただ…変わった奴が多いな」

簡単に説明をすればファンタジーゲームのような世界、慣れないと生きるには難しく。
鍛えればどうにかなる、その精神を信じているセリフで。


「この建物は古いから手すりがないんだよな。
間違っても落ちんなよ?」

少年の声に本当に大丈夫かと何度か振り返り。
年下の少年なので変な考えはないだろうと、それより落ちないかと心配し。
何度も振り替える精でスロットの深いスカートは何度もふんわりと広がり、少年の視線の先にその奥が見えるかもしれず。

「派手さも豪華さもないんだけどな。
こんな場所でよければいくらでも見てっていいぞ」

歓声を上げる少年の姿にそこまで喜ぶなら釣れえ来てよかったと笑い。
つい気を良くして好きに見ていいぞと声をかけると小さな給湯室に向かい。
水のペットボトルを二本持ってきて一本を少年に差し出して。

金剛 経太郎 > 「そ、そっか……」

それはそれでちょっと残念な気もする。気のせいだと思うけれど。

「ふーん……変わった奴、かあ。」

凛お姉ちゃんみたいな?と聞きかけて慌てて口を噤む。
別に凛は服装が特異に見えるだけで人物としては変だとは思わない。
どんな世界なんだろうなあ、とぼんやりと考えつつ。まさかある意味で馴染のある世界だとは想像もしていない。


「うんっ、大丈夫大丈夫……ッ!」

見えそうで見えない。いや、お尻なら半分くらい見えてる気がする。
いやしかし気のせいだ、と言い聞かせて何とか階段を上りきったのはここだけの話。


「凛お姉ちゃんはここで寝泊まりもしてるの?
……あ、ありがとうっ。」

ペットボトルを受け取ってぺこり、と頭を下げ。
そして探索開始、とばかりに事務所内をうろうろし始める。

柏木凛 > 「やっぱなー……ああいう目は好きになれねーんだよ」

誰にでも苦手はあるだろう?と同意を求めるように少年を見詰め。

「そうそう、どう説明すればわかるかな……。
あれだ、二足で歩く豚やトカゲがいるな」

何だそれはという説明を悩んだ末に口にしてわかるか?という顔。
嘘だと思われるかもしれないが本当にそんなのがいると大真面目で。

「そうか、ならいい。けど落ちそうなら言えよ?」

その時は手を繋ぐからなと笑みを見せ。
色々と実は危ない状況になっているとは気が付かないで。

「そうだぞ、流石に部屋二つ借りる余裕はねーって。
俺の部屋ってか寝てる場所はあっちだ。
ジュースとかおいてないんだよ、悪い」

こっちこそ水で悪いと少年を真っ直ぐに見れずに頬を掻き。
ウロウロと事務所内を歩く少年に寝てるのはあっち遠くにある扉を示して。

金剛 経太郎 > 「うん、まあ……分からなくもないけど。」

難しい問題だよね、と頷く事しか経太郎には出来なかった。

「ふーん、二足歩行のブタさんとかトカゲさんとか……
それは確かに……変わった世界なんだね。」

異邦人街でも割と見る気がするけど、雰囲気としてはそちらが近いんだろうか。
とそんな事を考えつつ。

「ジュースじゃなくても大丈夫だよっ。
凛お姉ちゃんの部屋はこっちだね!
ということはお風呂とかもあるのかな?……あ、汗かいたしシャワーとか浴びたいかも……」

きゃいきゃい。今度は割と素ではしゃぐ。
示された扉へと近付いて、そーっと扉を開ける。
大人の女性の部屋への初潜入である。部屋の主はすぐ後ろに居るが。

柏木凛 > 「だろ?だから今は行きたくねーって感じだ。
またそのうちに行くかもしんねーけどな」

今はそんなだと返し、難しいよなと珍しく肩を落とす。

「そうそう、そう言うのがいるぞ。
後はあれだな。科学がなくて剣と魔法の世界って感じだな」

二足歩行の豚やトカゲは異邦人街でも見なくはない。
なので後のこの世界との違いを並べていき。

「そうか?まあ、次には用意しとくから期待しとけ。
何だ、俺の部屋にも興味があるのかよ……。
風呂か?小さいけどあるにはあるが……ったく、しょうがねーな」

楽しそうにはしゃいでいる姿は癒される光景で自然と笑みを浮かべてしまい。
奥の住居に続く扉を開ける姿にエロ餓鬼と呆れてその頭を軽く小突き。
シャワーと言われれば気持ちはわからなくはなく…しかたないなとため息を吐く。

金剛 経太郎 > 「うん、今度は遊びに来てね!あらかじめ来るのが分かってれば迎えにも行くし!」

こうやって事務所に上げて貰ったのだから次は自分の住処を紹介するのが筋だろう。
とはいえ凛の態度からはしばらく来ることは無さそうだが。

「ふーん、剣と魔法の……あ、だいたい分かって来たかも。」

ゲームやマンガの様なファンタジーの世界であれば経太郎にも馴染みはある。
というか、人生の半分以上そのような世界で過ごしていた経緯もある。
ふんふん、と頷きつつ。

「そんな、気を使わなくても良いのに……というか、また来ていいの?
……あいてっ。あ、そっか。じゃあ見ない方が良いかな?」

頭を小突かれれば半端に開けられた扉を閉めるかどうか悩む。
凛を振り返れば、何やら『しょーがねえな』と言われて小首を傾げ。

「あ……えっと、僕今変なこと言った?」

はしゃぎ過ぎて自分で何を口走ったのか気付いていなかったようだ。

柏木凛 > 「気が向いたらな?けどな…どうやって連絡とる気だ?」

よくよく考えれば少年に名刺は渡したが連絡先は知らない。
しかし少年の住んでいる所も興味は確かにあり…何時かはと考えて。

「そうか、ならよかった。俺はあっちでも何でも屋をやっててな。
と言ってもな、こっちとは毛色が違って…冒険者って判るか?
アレの真似事みたいなことしてたんだよ」

うまくない説明であったが通じた事に判ったかと軽く肩を叩き。
そこでやっていた事、今とは少し違うが同じ何でも屋をやっていたと話して。

「経太郎が来たいなら何時でも来ていいって言ってんだよ。
遊びにでも依頼にでもな。そん時はちゃんと用意しとくって。
お姉さんのプライベートにそんなに興味があるのか?」

子供ゆえの好奇心だろうが迷わずに扉を開けていた姿は悪ガキのそれ。

「汗かいたしシャワーとか浴びたいって言っただろ?
その気持ちはわかるしな……浴びたいなら使っていいぞ」

で、どうする?と本当に使うなら貸してやるという雰囲気をみせて。

金剛 経太郎 > 「あー………えっと、凛お姉ちゃんスマホって持ってる……よね?」

連絡手段をどうするか、と問われて全く考えてなかった、と我に返る。
まあスマホさえあれば全部解決するか、と確認をして。

「へえ……冒険者。
何となくだけど分かるよ、お姉ちゃん凄いんだねえ!」

世界観さえ分かればあとは理解出来ることばかりだった。
なるほどなるほど、と何度も頷いて。

「わーい、じゃあまた来るね!
その……依頼するような事は、やっぱり無いけど……。
いやっ、その……そういうつもりは無かったから……!」

そっと扉を閉める。流石にプライベートにまで興味は無い。
いや、無いと言えば嘘になるが、本人がそう言ってるのだから見ないでおこうと考えて。

「あー……あはは、言ったかも。ここまで来る間も暑かったし。
えっ、でも……凛お姉ちゃんを置いて僕だけは流石に……ここお姉ちゃんちだよ?」

さすがにそこまで厚かましい事は出来ない。いやシャワーは浴びたいけども。
汗をかいたまま家の中をうろつくのはそれはそれで失礼だろうし、と考え込み。

柏木凛 > 「スマホ?あぁ、こっちに来て最初に使い方を覚えさせられたからな」

これだよな、と何処からか頑丈さだけが売りのスマホを取り出し。
あくまで仕事の電話以外で使った事がなく奇麗に忘れていた訳で…。

「こっちじゃそんなゲームもあるっていうしな。
俺はそんなに凄くねーぞ、英雄って呼ばれた奴らに比べたら大した事もねーしな」

そう言う遊びがある事もそれなりには知っている。
なのできっとそれで理解したのだろうと考え、自分は大した事はないと首を振り。

「ただ居ない時は仕事で出てるからな?先に連絡をくれりゃ予定は開けとくぞ。
まー…子供が何でも屋に依頼をするってのもな。
別に怒ってねーよ。子供の好奇心はそんなもんだって」

扉を閉めた少年にいいのか?と揶揄うように問い。
そして本当に怒っていないと告げては良い子だなとほめて。

「無意識に言ってたのかよ……。
俺は別に気にしねーんだけどな…そんなに気にするなら一緒に入るか?」

そもそもにプライベートと言いはしたが殆ど何もない生活エリア。
そこにあるお風呂場も別に使っても良いと言えばいい。
子供なのにそう言う事を気にする姿になら…と冗談半分で提案してみて。

金剛 経太郎 > 「あ、やっぱり持ってるんだ。
じゃあ後で連絡先交換しとこうよ?」

仕事で使うだろうから持ってるだろうと思ったが案の定だったせっかくだから、と笑顔で提案し。

「うん、あるねー。
でも聞いてるだけでも大変そうだもん、僕からすれば凄いよ。」

大したことなく無い、と口を尖らせる。
どれだけ大変かは割と身を以て知っている経太郎だった。

「うん、連絡するー。夏休みだからちょっと暇だし!
何かあれば良いけど……宿題して貰うとかしかないし……。
え?……お姉ちゃんは嫌じゃないの……?」

てっきり見られるのが嫌なのかと、と閉めた扉を振り返る。
まあ、閉めてしまったからまた開けるのも気が引ける。

「えへへ……気付いてなかった……。
凛お姉ちゃんと一緒に?……それは、ええと……お姉ちゃんが、良いなら?」

思わぬ提案に少し考える。またしても煩悩と理性のせめぎ合い。
が、今度はさっき以上に早く片が付いた。思春期なんてこんなもんである。

柏木凛 > 「これがないと苦労するって言われりゃ持つしかねーだろ。
そうだな、後でやり方教えてくれ」

実は持っているだけで電話を取るかける以外はさっぱり、なので教えてくれと素直に頼んで。

「大変は否定できねーよな。
今の経太郎にはちょっと無理な仕事だしな、先ずはもっと鍛えないとなれないぞ」

アレであるのかと世界の違いを実感してしまい。
少年にはまだ無理だなと子供っぽい二の腕を摘まんで告げて。

「そうかそうか、俺はまあ仕事はいくつか受けてるが時間はある方だしな。
そこは教えてだろ?俺がやったら意味ねーだろうが。
大したもん置いてねーからな」

見ての通りの生活なので見られて困るものは全てこちら側。
生活空間にはそういう物はないので直ぐに飽きると考えていて。

「ったく……まあ、そこも子供っぽいよな。
一人が嫌ならそうなるだろ?そ、そうくるか……」

きっと慌てふためいて断るだろうと考え末の言葉。
しかし予想外な言葉に頬を赤くして動きが止まり、それなら入るかと小さく囁いて。

金剛 経太郎 > 「あ、使い方まだ慣れてない感じなの?
分かった、任せて!」

そういうことならと快く引き受ける。
異世界から来たのだから、慣れないのも無理は無いか、と納得しつつ。

「うぅ……これでも頑張ろうとはしてるんだけど。
訓練施設にも通ってるし……むー。」

腕を摘ままれれば少しだけ不満げに。
しかし実際もやしなので強く否定も出来ない。

「お姉ちゃん忙しそうに思えたんだけど……時間あるんだ?
でしょ?だから自分でやるし、そうすると依頼するような事って本当に無いなーって。
ふーん……じゃ、じゃあ後で見る。」

ぬいぐるみとか置いてあるかもしれない、とよく分からない予想をしつつ。

「子供だもーん。
良いの?やったぁ。いつも一人だから、誰かと入るの楽しみ!」

わーい、と無邪気に喜ぶフリ。
邪な考えなんて全然無いですよ、とわざとらしいアピールだが。

柏木凛 > 「電話に出るのとかけるのは出来るんだぞ。
けどな、登録とかが判んねーんだよ」

すまんが頼むと少年に素直に頭を下げて。
頼む時は誠意を見せるが実は内緒のモットーなので年下でも下げるに戸惑いはなく。

「これでか……?俺と一緒に何でも屋の仕事やる方が鍛えられるんじゃねーか?」

もやしと言っても問題のない腕を掴んで呆れてしまい。
ちゃんと訓練で来てるのかとつい見てしまい。

「仕事のある時は忙しいんだぞ。今は急ぎじゃない仕事が多いんだよ。
そうだぞ。自分でやる事を他人に任せてたら立派な大人になれねーからな。
いいぞいいぞ、でも本当に何もないからな?」

部屋にあった物と思い浮かべても似たような衣服と雑誌ぐらいかと考えて…。

「まあ、そうなんだけどな。
いいぞ、その代わりあんまり見るなよ?」

無邪気に喜ばれてしまうと実は冗談とも言えずに勢いで突き進み。
喜んでいる少年の腕を掴むと、行くぞと言うように引っ張っては先ほど閉められた扉を開けて中へと入っていって…。
そうして共にお風呂となるがどうなったかは二人だけが知る事で

金剛 経太郎 > 「うんうん、お仕事で使うから最低限は分かるんだね。
大丈夫、思ってるより簡単だからー。」

ぽん、と自分の胸を叩いて。
任せなさい、と胸を張る経太郎。

「むしろ訓練に付き合って欲しいくらいだけど!
でも……ううん、海でやったみたいにお手伝い位なら出来るかなあ。バイト代出る?」

筋金入りのもやしなので訓練の成果が出るのもまだまだ先。

「なるほどー。色んなお仕事が来るんだねぇ。
でしょ。立派な大人になれないのは困るし!
本当に何も無いのー?おやつとか隠してたりしない?」

多少なりと女子力のある部屋を期待してしまう。無駄だとわかってはいるけれど。

「見ないで欲しいの?
あ、お姉ちゃん恥ずかしいんだ?ふっふっふー。」

からかいながらも腕を引かれながら案内をされて。
さながら本当の姉弟の様なひと時を過ごしたのだった。

ご案内:「歓楽街」から柏木凛さんが去りました。
ご案内:「歓楽街」から金剛 経太郎さんが去りました。