2020/08/26 のログ
ご案内:「歓楽街」に宇津木 紫音さんが現れました。
宇津木 紫音 > 「はい、それでは。 ありがとうございます。」

にっこりと微笑みながらBARから出てくるのは、そこそこ長身の女性。
笑顔で手を振りながら、マスターとウェイトレスから見送られて夜の街に出る。

彼も彼女も、また"親友"だ。
軽く唇を交わせば、とても仲良くなって、いろいろな話を聞かせてくれる。
ああ、なるほど。
そんな事件があったのですか。

「………この島は、様々なことが起きるのですね。
 夏だからと帰ったのが失敗でしたね。」

ん、と顎に指を当てて考え込む女。
毒は転じて薬と為す。その二つをイメージだけで操る危険な女。

宇津木 紫音 > 「面白い能力を持つ人間はいくつか当たりをつけてはいるのですけれど。
 ここで目立つ動きをするとひどい目に遭いそうですしね。」

彼女は直接戦闘が強い方ではない。
それこそ、体液を交換できるような関係であれば簡単。
せめて体液を浴びせるくらいの至近距離ならばなんとか。
殴り合いや、遠くから銃弾なんて浴びようものなら一撃だ。

危険に怯えるような性格はしていないが、流れ弾に当たって一撃死、もまたつまらない。

彼女がいきなり落第街などを歩かない理由でもあった。

ご案内:「歓楽街」に日下 葵さんが現れました。
日下 葵 > 謹慎明け。
ようやく現場に戻ったものの、回されたのは歓楽街だった。

『お前みたいなやつをもう一回落第街の方へ回すのは(風紀委員会の名が)危ない』

とのことだった。
そんな理由で歓楽街の巡回中。
スラムなんかに比べて比較的治安の良いこの場所。
バーから出てくる一人の生徒らしき姿をとらえた。

「こんばんはー。
 職務質問にご協力いただいても?」

そう声をかけながら風紀委員会の手帳を見せる。
夏休み終盤、非行や犯罪が増えるこの時期はとにかく職務質問のような、
事前に犯罪を阻止する行動が大切になる>

宇津木 紫音 > 「はい、もちろん。
 構いませんわ?」

風紀委員か。
相手の手帳の名前を見つめて確認をしながら、自分の記憶にある名前と照合する。

「………聞きたいことがあれば何でも。
 とはいえ、夏期休暇から戻ってきたばかりですが。」

微笑みながら余裕の表情を見せるお嬢様。

日下 葵 > 「ご協力ありがとうございます。
 とはいえ、いろんな学生に声をかけてるんですけどね」

ほら、時期が時期ですから。
なんて言って、いったん自分の手帳をしまう。

「ここで何かしていたんですか?
 見たところここはお酒のお店の用ですが。
 あと一応本人確認できるような身分証明書を見せていただけると助かります」

口調からしていいところのお嬢様なのだろうか。
こんな時間に一人歩きとは中々肝が据わっている>

宇津木 紫音 > 「どうぞ?」

自分の学生証を提示しつつ、引き渡しはしない。

「ああ、ここは私の"親友"がやっているお店でして。
 昔からの知り合いだったので、一つ顔だけでも出しておこうかと思いまして。」

微笑みながら、しらりと言葉を漏らす。
今現在であれば、それは本当だ。

嘘を一つもつかない正直者は、目を細めながら相手を見つめて。

日下 葵 > 「なるほどご友人のお店でしたか。
 ――はい、学生証の拝見ありがとうございます」

そう言って彼女の学生証を見て簡単にメモを取る。
ここまでのやり取りで、彼女に対して何かが引っかかった。

「私もこういうお店は時々来るんですが、
 こういうお店のオーナーは貴女のような学生の方とも仲がいいんですね。
 ――親友と言ってましたけど、それなりに付き合いは長いんですか?」

職質ついでの雑談を装って、彼女にいくつか質問をしてみよう。
彼女は落ち着きすぎている。
まるで何を聞かれてもぼろを出さないという自信が感じられた。
本当に自信家なのか、うそを吐くことに慣れているのか……>

宇津木 紫音 > 「私の父はちょっとばかりいろいろな方面に顔が効きまして。
 その結果、親しい付き合いをさせて戴いているだけですわ。

 ただ、本当によくしていただいているので、ただの支援者とお呼びするには忍びない。
 故に、親友だと。

 付き合いは程々に長いものですが、付き合いの長さで親友を考えることはありませんので。」

口はくるくるよく回る。
にこやかに微笑みながら、相手のことを慮るような言葉を吐いて。

それでいて、具体的な数字は"口に出さない理由"を述べる。

日下 葵 > 「ほほう、父親つながりなんですね。
 それならお酒のお店でも合点が行きます。

 確かに年数が長ければ親友というわけではないですが、
 親友ともなれば交流も長続きするものだと思ったものですから。

 夏季休暇から戻ったばかりでわざわざ


 ”こんな時間”に”こんな場所”へ”一人で”


 顔を出すほどに、仲が良いとは。随分とお話に花も咲いたでしょう」

なかなか尻尾を出さない彼女の様子を見て、疑惑は、
次第に確信へと変わっていく。
しかしその証拠、裏が取れない>

宇津木 紫音 > 「能力が発露しているのが派手に目立ってしまえば、父親に迷惑をかけてしまうかもしれません。
 ですから、この島には"私一人"でやってきましたので。」

笑う。嗤う。

「父は立場に応じて忙しくなっております。
 ですから、父からの伝言を胸に、船を降りてすぐに向かったのですわ。
 本来なら直接会いたい、という父の思いですから。

 私も少しでも早くと。」

ころころ。
笑う姿は可愛らしいお嬢様。

「話の内容はシークレットですわ?
 それとも、まだ怪しいと?」

目を細めて、相手を値踏みするように見る。

日下 葵 > ふむふむ、と彼女の言葉を聞いていると、ついに待ち望んでいた言葉が出てきた。

「いやですねえ、私は


 ”まだ貴女に怪しいだなんて言ってませんよ?”


 親友との会話はさぞ楽しかっただろうなぁと思ってお話していただけです。
 それとも――私に怪しまれていると思ってしまうような何かが?」

彼女の値踏みするような目。
きっと私も今、彼女に同じ視線を向けているのだろう。

「もう少しで私の巡回も終わりです。
 立ち話もなんですから、歩きながらお話を聞かせてくださいよ。
 少し興味がわきました」

そう言って、彼女の出方を伺う>

宇津木 紫音 > 「逆に聞きましょうか。

 風紀の方に、「職務質問」と言われ。

 こんな時間にこんな場所に一人で、と言葉にされて。

 これでただの雑談だと、誰が思うでしょう?

 これがただの雑談であったと仰るなら、私はもう話す言葉を持ちません。」


首を竦めて、横に振る。

明らかに強調した言葉を使っておいて、今更それを雑談だったから怪しんではいない、は通らない。
逆に冷たい目をして、じとり、と睨む。

日下 葵 > 「おやおや、これは失礼しました。
 私――風紀委員としてはこの時間に一人で出歩いているとなると
 ”相当に肝が据わっている人”か”危機感のない人”という認識でして。
 貴女はどうにも前者の様に、私の眼には映ったものですから」

向けられる視線が、値踏みするような視線から、
はっきりとした敵意に変わった。

「雑談としてお話を聞かせてくれないのでしたら、前言を撤回しましょう。
 正直、私は根拠のない疑いの目を貴女に向けているので、
 任意ではありますがお話をお聞かせ願えませんか?」

あくまで任意。
そこを強調するが、言葉に含まれる圧力は任意は建前とはっきり示していた>

宇津木 紫音 > 「構いませんよ。
 嘘をついて、相手を言葉の渦に引きずり込んで話を聞こうとする風紀委員の方よりも、そうやって疑っていると口にできる風紀委員の方が、よっぽど信頼のおける方です。

 私は宇津木紫音。
 多少の異能を発露してしまってこちらに送られた、ただの学生ですわ?」

微笑みながらご挨拶。
冷たかった視線はまた、穏やかなものへと変わり、にっこりと。


嘘つきは嘘が嫌いなのだ。
だって嘘だと分かるから。

日下 葵 > 「これはまた随分な言われようです。
 さすがに嘘をついている自覚はありませんでしたが、
 正直になったほうがよさそうですねえ」

同族嫌悪、とでもいうのだろうか。
彼女とは何か近しいものを感じる。

「なるほど?
 単刀直入に聞きますが、”どこまで嘘なんですか?”」

彼女の視線が戻る。
彼女が嘘を嫌うなら、こちらは正直に行こう。
ここまで看破されてて取り繕う必要はもはやあるまい>

宇津木 紫音 > 「私は相手との距離感をほんの少しだけ近づける能力がありまして。
 当然、効くと効かないがありますけれども。
 ここのマスターはとてもよくしてくださりますわ?

 とはいえ、金品を巻き上げるほどお金に困ってもおりません。
 休暇中、島で何があったのか。

 表向きならばニュースサイトでも見ればよいでしょうけれど。
 実際に何があったのかを知るならば、人がたくさん入り込む酒場に限る、と昔から言われております。」

正直に言われれば、いくばくか手の内は明かす。
とはいえ、能力についてすべてを口にはしない。

犯罪行為はしていないのだから、やったことに関してはあけすけに話してもOK。

ころころと、変わらず笑う女。

日下 葵 > 「なるほど。
 情報収集の為に酒場の主人を異能でちょろっと口を軽くして、
 表に出てこない話を聞きだしていた、と」

彼女の表向きにあつらえた返事を、
身もふたもな言い方にしてしまうとこんなところだろうか。
となると、その目的だが……言わないだろうな。

「随分と熱心に社会勉強しているんですねえ?
 まぁ、そこに犯罪性がないならこれ以上は踏み込みませんが。
 いやはや、手間をかけましたね」>

宇津木 紫音 > 「はい。そういうことですわ?
 これが情報屋であれば売り物ですが、ここはお酒を出すお店。
 ちょっとお話をしただけですから。」

微笑みながら、相手の言葉には楽しそうにくつくつ、と笑う。

「ええ、もちろん。
 この島に来たのは面白いから。
 これだけ面白い力を持つ面白い方がたくさんいる島で、何もしないなんて無理ですから。

 とはいえ、気を付けなければ私もぷちりといかれてしまう。
 情報は大切です。できるだけたくさん集めておかなければ。

 これ以上聞くならばそれこそ等価交換。
 貴方も話して貰わねば割りに合いません。」


れろり、と舌で己の唇を舐める女。

日下 葵 > 「犯罪を未然に防止することも仕事に含まれる立場としては、
 何の為に情報を集めて何をしようとしているのか、
 そこまで聞きだしたいところではありますけど」

ここから先は等価交換。
そう言われるとふむふむたしかに。

「なるほど。
 と言っても、私は特別面白いお話は持ち合わせていませんから、
 等価交換と言われましてもあまりにも”財布がさみしい”んですよ。
 それにあと数分でシフトが終わります。
 ここから先となると個人的にお話を聞くことになりますし、
 何とも悩みどころです」

はてさて、給料以上の仕事はしたくない。
どうしたものか。なんてわかりやすく悩んでみたりして>

宇津木 紫音 > 「ここで何を言っても、おそらく信用はしないでしょう。
 であるならば、下手に嘘はつかずに口を閉ざしておくのが、この場では最もよろしいかと。

 それであれば、残念ながらここまで。

 気にすることはありません、すくなくとも犯罪行為をするつもりもないですし。
 何より皆さんがとても"協力的"ですから。」


ころり、ころりと笑って目を細く。


「あえていうのであれば、個人的に仲良くなってお話をしたい、が本音であれば。
 手帳だけではなく、自らの口で名を名乗るものですよ。 日下さん。」


目を細めて嗤う女。

日下 葵 > 「信用しないだなんてそんな。
 あなたが言ったことは”あなたが言ったこと”という事実として記録しますよ。
 事実は事実、内容が正しいか間違っているかは別です」

どうにも胡散臭い。
胡散臭さで言ったら私以上ではないだろうか。

「あなた個人に興味がないと言われればそれは少し嘘ですかねえ。
 でもそれって”貴女も私に興味がある”んじゃないですか?宇津木さん」

同族の女。
興味がないわけではない。
少し”お話を聞く”程度ならしてもいいかな。なんて>

宇津木 紫音 > 「ええ、ええ。 一方的に記録されるのは好みませんので。
 ですが、まあそういった権力側に嫌われるタイプであることは自覚しておりますわ。

 ですから、私はこれ以上は口を閉ざしましょう。」

ころころ、と笑う。

「ええ、ええ、興味はありますよ。
 ですが、私の見立てでは、この島で風紀を守られる方は、強く希望して入られる方が多いはず。
 職務の時間が終わったからプライベートで、聞いた話は胸の内、が出来る方であるとは思えないのです。

 その美しい正義感が貴方にあるかどうかはここでは問題にならず。
 ただただ、私が警戒を解く理由にならないというわけですわ?

 それこそ、秘密を共有できる、利害関係を共有できるような関係でなければ。」

ころころ、と嗤う。

クソ女は、クソ女らしい理論を振りかざす。

日下 葵 > 「おやおや、私もそんな風に”真面目な風紀委員”として見てもらえているとは。
 大変に光栄ですねえ」

ここで、アラームが鳴る。
シフトが終わったのだ。

「ふむ。利害関係ですか。
 そこまで言ってしまってはもはや

『私は風紀委員に言えない秘密があります』

 と白状しているも同然の様に思いますけど……
 どうしたら信用、もしくは利害関係を共有できるでしょうか。
 私の不真面目さはあてにならないみたいですし」

この女、なかなかいい性格をしている。
そうなってくると、次第に加虐心がふつふつとわいてくるものだ。
風紀委員の仕事が終わったとなれば、なおのこと>

宇津木 紫音 > 「それこそ、己の能力、生い立ち。
 そして権力を持っている父親となれば、人に話せないことなど山のようにあります。

 そうでしょう?
 この島にいるならば、わかるはず。
 ええ、ええ、白状しています。 私には己のすべてを晒していくほどの自信はありませんもの。

 そして、それ以上があっても無くても、あるかないかを口にする理由にはならないのです。」

ころり、ころり。
舌で己の唇を舐めて、空を見上げ。

「お互いに口外したらイケナイ秘密の共有があれば、それは別でしょう。
 ですが、そこまでするならば証拠もいる。

 口で言うだけなら、こちらも信用できませんし、貴方も信用できないでしょう。」

日下 葵 > 「まぁ、秘密は誰にでもあるものです。
 貴女の場合はそれが多そうですが」


「口外できないような秘密はたくさんあります。
 それこそ風紀委員のこともそうですし、私個人にもあります。
 ただ証拠と言われるとどれも証拠を出すのが難しい」

私は貴方のことを信用してもいいですけどね?
なんて続ける。
信用などいらないといったほうが正しいだろうか。
これまでおよそ口外できない方法で情報を吐かせてきた身としては、
相手に与えた苦痛が何よりも信用を担保してきたのだから。

「証拠が要るといわれては私にはなにも差し出せませんね。
 今日の所はお暇しましょうか。
 それとも、証拠としてあなたが何かを要求してくるなら一考の余地もありますけど」>

宇津木 紫音 > 「そうでしょう、そうでしょう。
 信用の担保としての情報であれば、証拠は大切ですから。
 心の底から信頼してもらえるならばまた別ですが。

 そうですね。
 まずは自己紹介から、もっとしっかりされると良いでしょう。
 正直、手帳に書かれた名前でしか貴方のことを知りません。

 証拠も何も、まずはそこからでしょう。」

目を細めるだけ。
表情をそう変えて、背中を向ける。

「別に何も要求はしませんわ? 何より、会話のスタートがどちらにあったのか、どちらが知りたがっているのかを考えれば、当然の話。

 ここで私がとんでもないものを求めて、それを録音でもされていたら、怖い怖い。」

振り向いて、そう口にして微笑み。
また背中を向けるお嬢様。

日下 葵 > 「ふむ。自己紹介ですか。
 私について何を知りたいのかに依りますが。
 そうですねえ。実は私、死なないんですよ」

自己紹介から、何て言われるとまあ確かにそういうことかもしれないと納得する。
そして手帳ではわからない自己紹介をするとなると、
やはり私の異能のことだろう。
彼女は異能のことを少しだけ教えてくれたのだから、
それくらいの見返りはしてもいい。

「録音だなんてそんな姑息なことしませんよ。
 必要なら貴女を縛り上げて本部であの手この手で吐かせるまでです」

録音なんていらない。
その場で吐かせる。

この言葉には妙なリアリティが感じられるだろう>

宇津木 紫音 > 「……名前ですよ。 なまえ。
 自分の口で名乗っていないの、気が付いていないのです?」

少し渋い顔をする。

「恐ろしい異能をお持ちのようで。
 これは尻尾を出さない方がよろしい様子。

 それでは、お暇致しますわ?」

ふふ、と笑って、物騒なことを言う風紀委員に背中を向けて、のんびりと。
後ろをつけられることを想定していないくらいの速度で歩いていく女。

日下 葵 > 「……おっと、これは失礼。
 お話に夢中になっていてすっかり忘れていました」

名前。何ということだろう。
本当に失念していた。
普段なら定型文の様にでてくる自己紹介を忘れるほどである。
本当に会話に夢中になっていたのだろう。

「私の名前は日下葵です。
 ”あおい”と書いて”まもる”です。
 以後お見知りおきを」

ようやく出てきたいつもの挨拶。
これは仕事云々ではなく人として不味かった。

「ええ、ええ、下手な動きをすればまた、
 貴女に”お話を聞きに”出向くことになりますから」

そう言って、歩き出した彼女の後姿をしばらく見ていた。
次に会うことがあれば、ぜひともこちらから出向くのではなく、
今日の様に偶然出くわして話に花を咲かせる程度にしたいものである>

ご案内:「歓楽街」から宇津木 紫音さんが去りました。
ご案内:「歓楽街」から日下 葵さんが去りました。