2021/01/11 のログ
神代理央 >  
歓楽街に鎮座するホテル『ニューヴェルカ』
観光客向けに島外の大手ホテル企業が出資したリゾートホテルに近い巨大ホテルで、揃うサービスやコンテンツも何方かと言えば成人向け。
生徒が利用するには値段も敷居も高いホテルである。

そんなホテルのパーティ会場。
多くの正装した"大人"達が集う華やかなりし宴の場に、上質な燕尾服を着込んだ少年の姿があった。

「……ええ。おかげ様で風紀委員会の活動も支障なく。此れも、皆様のご支援とご協力あっての事です」

にこやかな笑みを振りまく相手は、常世島に物品を搬入するメーカーの担当者達。
それも、唯の物品では無い。所謂『武器弾薬』や『車両』と言った重工業のメーカーの者達だ。

風紀委員、としてこの立場に立つのは微妙ではあるが『神代家の御曹司』として立つ分には問題ない。
風紀委員過激派と、実家の思惑も相まって。
大人達に混じり、器用に振る舞ってみせていた。

神代理央 >  
特段、こういう事が嫌いな訳では無い。
不慣れな訳でも無い。常世島に来る前は、父親と一緒に夜会に出席したものだ。
唯、何というか。こうやって互いにおべっかを使い合うというのは気疲れするな、と思いはするのだが。

「……余り遅くなるわけにもいかんしな…」

自分が夜仕事で家を空けていれば、それだけ保護している少女を一人にする時間も増えてしまう。
今迄は特段問題を起こさなければ、と思っていたが先日の襲撃を受けて少々考えを改めざるを得ない。

風紀委員でなければ早々襲われる事は無いかも知れないが、それでもあの場所は危険な事に変わりは無いのだ。
なるべく家にいる時間を増やして、目を光らせていた方が良いだろう。
出来れば、早急に彼女の監視役の委員と連絡を取りたいのだが――

神代理央 >  
大人達をおだて、持ち上げ、無垢な少年と大財閥の嫡男としての顔を使い分けながら。
少年の夜は、昏く深く、更けていく――

ご案内:「歓楽街」から神代理央さんが去りました。
ご案内:「歓楽街」に天野創一さんが現れました。
天野創一 > 「うわっはー…楽しそうな場所とは聞いてたけどこれはすっごいなぁ~」

感嘆の声を上げてキョロキョロと見回す。まるで超ド田舎から首都のど真ん中に引っ越してきたかのような反応。実際に山籠もりから比較的都会の街に引っ越してきたのだから間違いはない。
彼に同行する人がいれば恐らく他人のフリをするか注意をするだろう。それほどまでに田舎者の反応で一緒にいたら恥ずかしいだろう。周囲の彼への視線は珍獣を見るような視線で今時こんな奴がいるのかという感じ。それだけならばまだいい方だ。問題はこの少年をカモにうと企む者らがいる事。

比較的風紀委員の目が届いているが決して安全な場所ではない。彼はそれに気づいた様子はなくありのままに振舞う。

天野創一 > 「ゲームセンターって場所とか面白いって言ってたけど何がどう面白いんだろう?
 というかゲームセンターって何処だろう。
 道も建物もなんか同じようなモノに感じられるし…うーん、あのデッカイ建物とかそうかな」

学園のクラスで聞いた話によると普通の学生は友達の家とかゲームセンターとかで遊んでいるとのこと。
別に彼らからすれば珍しい話でも何でもないが山籠もりで世間知らずな創一に取ってみれば未知で心躍る情報でもあった。
なのでクラスメイトからさらに話を聞き、ゲームセンターというものがどこにあるか等詳しく聞いた。彼らが行きつけのゲームセンターは歓楽街の〇〇番地の○○…と事細かに教えてもらったがどこもかしこも同じ建物に見える田舎者の創一にはよく分からず。
よく分からないまま直感で人気がある場所だからデッカイ建物にあるだろうと決めつける。


「何階かよく分からないけど多分あれっぽい?」

見上げんばかりの建物。これに間違いないと根拠のない確信を得ている創一だが中に怪しい組織の建物であることに気が付いていない。

天野創一 > その建物に入ろうとした所で、厳つい男二人組に止められた。
中に犯罪組織らしきものがあるのは明白で入ろうとする創一に対して男達は警戒心と敵意を露わにしてきた。
敵対組織からか、それとも風紀委員が攻めてきたのか。男達の脳裏にはそれらがよぎるが、対する創一は何も考えていないというべきか…

そして創一はと言うと男たちの反応からアポなしで来たのは不味かったか?それとも場所を間違えちゃったのかな?と呑気な事を考えている。
男達の懐に拳銃を隠し持っているのは最早当たり前のように見抜いていて、『あれ?ゲームセンターってこんな厳重なところなんだ』としか思っていない。



「あっ、すみませ~ん。俺、ゲームセンターで遊びたいんですけど、どの辺にあるかわかりませんかぁ~。ここですかぁ~?」

本人は至って真面目かつ失礼ない様に大声で言ってみたものの場違いで空気の読めない言葉に逆に男達は唖然としていた。

ご案内:「歓楽街」に高坂 綾さんが現れました。
高坂 綾 >  
ちょっとした野暮用を済ませて歓楽街から帰っていると。
なんか……こう…明らかに私と同じ田舎育ちな若者がいて…

どう考えても怪しそうなビルに入っていく。
悪いけど道に迷った結果なら、保護しなければならない。
そしてそっと後ろから覗いていると。

ゲ、ゲームセンター? あの?
ゲームセンターと? このビルを間違えてらっしゃる?

覗いていた物陰からダッシュして彼の元へ。

「すみません、その人……私の連れです、失礼しました」

そう言ってペコリと頭を下げて彼の腕を取って歩き出そうと。
厳つい男たちは。どうかな。ダメカナ?
内心すごい冷や汗をかきながら何事もなかったように振る舞う。

天野創一 > 「えっ、俺の連れ?俺、君とは初めましての筈なんだけど?
 …もしかして俺と同じのクラスの人かな。ごめんごめん。俺さ、人の名前覚えるの下手くそみたいだから。
 あれ?なんで俺の腕を掴もうとしてるの。何?俺なんか間違ったそれとも君とどこか遊びに行く予定で俺がその予定を忘れちゃったとか?」

腕を掴まれ、そのまま引っ張られるように出口の方へと向かっていく。
その間に口から出る言葉は空気の読めないもの。彼女がわざわざ助けようとしているにも関わらず状況が全然呑めておらず一生のうちに一度も嘘など吐いた事も無いような馬鹿正直すぎる回答をする。

状況が呑み込めず置いてけぼりの見張りの二人の男達は「何なんだこいつらは…」と呟き、訳が分からないという恐怖に支配されながらも取り合えず、威嚇でも何でもいいから攻撃せんと懐から拳銃を出さんとしている。
その上創一はデッカイ野太刀を背負っているにもかかわらず抜刀すらしない始末

高坂 綾 >  
おああああああああああああ。
わかってないいいいいいいいいいいい。

「少シハ話ヲ合ワセテ!?」

上擦った声(それも自分が発したのが信じられない、聞いたこともない自分の声)で短く絶叫。
ヘアピンを手裏剣の要領で二人組の男たちの影に投げつける。
高坂流忍法、影縫。
相手の動きを数瞬、止めることができる。

通じれば逃げるチャンス!!

「ここは危ない場所なの、ゲームセンターは向こうだけど!!」

身振り手振りで説明する。
もし銃を抜かれたら大ピンチなんだけど!!
早く事情を飲み込んでほしいんだけど!!

天野創一 > 「話を合わせる?うん、意味は分からないけどとりあえず分かったよ!」

とりあえず『分かった』と言っておけばいいと思ってるかなりいい加減な回答。
勿論分かったと言ってるだけで全くもって呑み込めていないのがこの男。しかも適当な回答に限って元気に応える。


「ゲームセンターってあっちなんだ。ありがとう…って何で俺は引っ張られているんだろう…一人で行けるのに。まあ、いっか。
 あ、なんか凄いことしてる。よく分からないけど二人は筋肉が硬直して動けなさそうだね。よく分からないけどお邪魔しました~」

引っ張られているにも関わらず手をひらひらさせて気軽に挨拶。
影を縫い付けられている男達は懐に手を伸ばしたままの状態で動かない。その隙にと逃げる彼女に引っ張られながらも外に出て。
いや、一回戻った一回戻って開けっ放しの扉を閉めた。開けたら閉めようと至極当たり前な事なのだがこの状況に限ってはふざけてるようにしか思えない行動。本人は至って真面目。

「銃で脅かそうとしただけじゃないのかな。大げさだよ。」

相手に引っ張られ、逃げている最中に呑気な声で

高坂 綾 >  
逃げる途中、彼は。ああ、神よ。
律儀に開けっ放しのドアを閉めてきた。
恐らく逃げているという自覚すらあるまい。

                  エマージェンシー
「銃で脅かされそうになっている時点で緊急事態だと気づいて!?」

緊張で息を切らせて。
フルマラソンしてきたような疲労感がある。

「あなた……この辺は風紀の息がかかった場所じゃないところも多いの」
「落第街の次くらいに危ない場所なの………」
「どうして………」

どうして。どうしてだろうね。
多分、私がどうしてと問う意味も必要性もない。
彼は……ただゲームセンターに行きたかっただけなのだから。

「どうして………」

目眩を覚えて電信柱に片手をついた。

天野創一 > 「銃…あれで脅しなのかな?いや、本当に俺達を脅かすつもりなら銃よりも刀とか剣とか斧とか選ぶよ。
 だって銃だと一々狙いを定める必要があるし何より剣とかの方が早いんじゃないかな」

呑気な言葉の中にもしっかりと非常識な言葉が隠れていた。
銃で撃つよりも剣で斬る方が早い。普通の人ならば吐かない言葉である。

自分は勿論の事だが、この息を切らしている女の子もさっきのお粗末な銃程度ではお話にならないのだろう。
彼女の身のこなしから相当修練を積んできた人間であることが分かった。でなければ咄嗟の判断と影縫いの異能、そして的確な投擲能力に説明はつかない。

でもこういう状況で逃げるという事は組織力が高いのだろう、と納得した。



「えー、でもみんなここで遊ぶって言ってたし…。
 まぁまぁ…そんな事よりもあそこの自動販売機でなんか飲んで落ち着こうよ。俺が買ってあげるからさ」

どうどう、と彼女の背を擦って落ち着かせようとする。
近くの自動販売機前まで彼女の手を取って連れて行かせようとする。

高坂 綾 >  
「あんたは英雄のいた時代の生まれかぁ!!」

半泣きツッコミハンド。
銃の怖さを習って、学校で!!
反社会勢力と正面切って向き合うのは怖いってことを習って、学校で!!

 
「そのみんながいるゲームセンターはあっち!」
「あのディスティニーマウスのプライズが新入荷って旗があるトコ!!」

背中を擦られると軽く嗚咽を漏らしながら自販機の前まで行く。
あったかいものでも飲みたいな。

「ああ……ええと…高坂綾です、一年…」

私と同じくらい、いやちょっとセンチ単位で小さいくらいの彼に名乗った。

天野創一 > 「鍛えれば避けれるようになるから大丈夫。」

先ほどの見張りの戦闘力自体はあまり大した事がないと考えるがそれにも関わらず彼女が退いたのには理由がある。
銃はともかく、組織という武器は非常に厄介だろう。
例え一人一人が大したことがなくても組織から狙われて昼夜問わず襲撃されるのは流石に勘弁願いたいところだった。

彼女はそんな窮地から救った恩人とも言えるだろう。
恩人に対しては礼を尽くさねばならない。


「でぃすてぃにー…?ああ、あの鼠っぽいなにかか。」


へんな生き物だよねーと先ほど緊急事態だったにも関わらず呑気な笑顔で接して見せる。
この頃は冷えるから温かい飲み物…この珈琲ブラックというのは面白そうだな、とそちらに指が向く


「あ、俺は天野創一って言うんだ。俺も一年、よろしくね」


背丈は男にしてみれば小さいし何なら背負ってる野太刀の方が大きいまである。
目線を合わせるもほんのわずかだが彼女の方が上だという事が分かる。

高坂 綾 >  
「あんたは英雄の家の生まれかぁ!?」

半狂乱ツッコミハンド。
あの厳つい人たちに顔を覚えられてたらどうしよう!!
今度から煙玉を多めに持ち歩くようにしよう!!

「あー……うん、ディスティニーランドの…マスコットの……」
「変な生き物よね、私はミニカピバラちゃんのほうが好き」

同じマスコットとしてゲームセンターによくあるかわいいげっ歯類のぬいぐるみ。

ガシャコンと落ちてきたジュースを見て顔がひきつる。
ブラックのコーヒー。飲めない。

「ああ、そう天野くん……できれば、次から…」
「もっと安全な、学生通りとかのゲームセンターにね…?」

刀に視線がいって。

「背負いもの、大きいわね」

なんかメンタルの一部が現在進行系で死んでるのか。
初対面の相手の得物に言及してしまった。