2023/07/03 のログ
ご案内:「歓楽街」にエボルバーさんが現れました。
ご案内:「歓楽街」からエボルバーさんが去りました。
ご案内:「歓楽街」にエボルバーさんが現れました。
■エボルバー > 歓楽街の中でも深く、あの悪名高い落第街に近い区画。
妖しげ色のライトに照らされた街路で
男女問わず美麗とされる容姿の者達が余所者を誘う。
欲望が売り買いされる街。
夏の夜特有のじっとりとした湿気が人間達の色欲を駆り立てていた。
人間達の赤裸々な欲望に”ソレ”は誘われる。
そんな中、異様な人影が一つ。
いや、整ったスーツ姿はむしろこの街に似合っているものかもしれないが。
その男は、通りの人々を誘う艶やかな容姿の美女たちには目もくれず
ただただこの街の風景、雰囲気、人間達の活動そのものを
ゆっくりと首を振りながら見渡していた。
歩幅は均等に。全てが規則正しく。
■エボルバー > >周囲の言語音声を取得中...
>『あそこの店、値段の割にビミョーだったよな~』
>『あの女、俺以外にも愛してる愛してるって!
ぜってーゆるさねー!』
>『ちょっと前に、可愛いコ見つけてさー。
誘おうとしたら逃げられて風紀委員に見つかってー』
欲望に駆られた人間達の何気ない会話の断片が
街路を歩いているソレに伝わっていく。
欲望は力を生み出す。ヒトは何かを求める時に思考し、
自らにとって最善の行動を行う。
ソレは知っている。だからこそソレはこの街を歩く。
ご案内:「歓楽街」にノーフェイスさんが現れました。
■ノーフェイス >
「人探し?」
ちょうど彼の進行方向とは逆側から。
人並みをすれ違う瞬間に、黄金の双眸を向けるとともに問いかけた。
薄っすらとした、なにが楽しいのか上機嫌そうな微笑みとともに。
「タンテーさんか何か?
贔屓がひとり引退しちゃったって話でね、そうだったら顔を繋いでおきたいんだケド」
周囲に気を配っている。
そんな雰囲気を、波のただなかで見て取ったようだ。
馴れ馴れしい女はそうして、あなたを見据えた。
面白いことを探して。
■エボルバー > 声が掛けられる。
一定の速度で歩いていたその逆から。
ソレは足を止める。ソレはゆっくりと振り返る。
そこに居たのは一人の女性。
「違う。僕は人を見ている。」
ソレが探しているのは人ではなく可能性。
人の欲望の中に変化への可能性は眠っている。
だからこそソレは人を観る。
その中で、声をかけてきたこの女性は些か奇妙だ。
端的に言うなら只者ではない。
男はじっと彼女を見つめる。上から下までじっと見定めるように。
>対象をロック
>遠隔マルチスキャン実行...
>結果:複数の項目で特異性検出
「はじめまして。神秘的なお嬢さんだ。」
貴方の顔を虚ろな瞳でまっすぐ見つめそう一言。
■ノーフェイス >
「見て……へええ、ニンゲンカンサツってヤツ?
ここらへんでも変わったヒトがたくさんいるもんな。
でもさ、見るだけが楽しいってワケじゃないだろ?――っと、ごめん」
ぼっ立ちになっていたからか、背後から近づいてきた者をするりとよけた。
そちらを見ていないのにも関わらず、背に目でもついていたかのように。
「そうじゃないならもっと楽しそうにするもんだ。
だからボクはてっきりキミが"仕事"してるもんだと――」
見られた瞬間に一瞬だけ言葉が途切れた。
口元は笑んだまま、ぎらつくネオンの中でもやけに際立つ黄金が、
見開かれたままじっと男を観察する。
「――思ってた。
たとえばボクは見るではたまらない。
話したり触れたりしたい。"観る"に値するヤツならともかく。
―――まァそれで、かわいいコに声かけたら風紀委員に、
ってさっきも話して、あー……行っちゃったか、注意力散漫でいけない」
直前まで誰かと話していたらしいが、男に興味を示したことで袖にされたらしい。
欲望の塊。太陽のような熱量。探した瞳がふたたび向いた。
「そうだろ? キミの目的は果たせそうか?
――キミが視る神秘っていうのはどういうものだい。
絶世の美女のパーソナリティ?あるいは秘めたる謎や罪。
あるいはもっと別の――ああ、暇になっちゃったから、聞かせてくれってコトさ」
■エボルバー > 「楽しいという感情は、ヒト特有のものだ。
僕には、その感情を定義できない。」
人の流れの中で、切り取られたかのように立ち止まり
向かい合う女性とソレ。
妖しい街明かりを反射し、魅惑的な笑みを浮かべる女性と違い
光を吸い込むような翡翠色の瞳を向ける男は何処か人間味に欠けている。
「僕の目的は、可能性を探ることだ。
僕自身が、変化する為に。」
無機質で淡々と言葉は機械的に紡がれる。
そしてその後、一拍置いてから一歩とその女性の方向へ近付こうとするだろう。
背丈が高い彼女に対し、拒まないならば触れ合える距離まで。