2019/05/09 のログ
ご案内:「落第街大通り」に金剛経太郎さんが現れました。
金剛経太郎 > 「さて。これで小遣いが手に入るのだから儲けものだな。」

落第街の大通りを、黒い甲冑を身にまとった騎士が歩く。
特に何か目的があるようには見えず、ただ幽鬼の如くに往来を闊歩するだけだが、その異様さからこの辺りの住人達も一瞥をくれるだけだ。
その様子を離れたところから物蔭に潜み見つめている少年の姿がある。

金剛経太郎だ。
騎士に……ではなく、周囲の二級学生たちに気付かれないよう、気配を殺し瓦礫の陰に隠れている。

「何もわざわざ俺が往来に出ていく必要なんか無かったわけだ。
 もっと早く気付くべきだった。」

金剛経太郎 > どうして経太郎が落第街に来たのか。
それは落第街の調査を依頼されたからである。
様々な事情から自ら動けない人間の依頼を受け、その依頼を遂行し代金を貰う。
探偵まがいの便利屋を始めたのだが、これが案外うまく行ってしまった。

最初の内こそ高所作業や探し物などの雑用めいた依頼が多かったが、ついに落第街の調査が舞い込んできたのだった。

「以前一度派手に暴れた事がある所為か、警戒されているな。」

周囲に漂う緊張感を感じ取ってか、経太郎の頬を汗が伝う。
まあ、いざとなれば騎士を囮に自分は全力で逃げ出せば良いのだけれど。
せめてもう少し自律行動が可能であれば、と騎士を見つつ思う。

ご案内:「落第街大通り」にクラリッサさんが現れました。