2019/05/10 のログ
■クラリッサ > 「ふひひ……暴れる人は珍しくないからそんなに気にしなくても良いんじゃないかな」
その背中に唐突に言葉が投げつけられる。
振り返ればまるで降って湧いたような
小柄で怪しげな雰囲気を漂わせた……シーツお化けのような何かが至近距離で目に入るだろう。
座っていると思しきそれは上半身だけの謎の踊り(本人は挨拶をしているつもり)を
小さな動きで踊りながら少年の様子をじっと伺って……
いるようだが顔が見えないので何とも言えないかもしれない。
因みに謎の踊りはしいて言うなら盆踊りに似ていた。
■金剛経太郎 > 「ひ……っ!?」
背後からの声に思わず悲鳴を上げかけて辛うじて踏み止まる。
慌てて振り返れば、何時の間に居たのか人の姿があった。
(背後に気を遣ってはいなかったが……気配なんてほぼ無かったぞ……?)
突如現れた人物に、訝しげに視線を送り、警戒しながら経太郎は注意深く相手を観察した。
声だけ聴く限りでは、少女の様であるが、果たしてそれだけで断定してよいものか、と。
「そ、そっか……それならいい……けど。」
どの様に対応すればよいか悩みつつ、見た目相応の子供の仮面を引っ張り出す。
とはいえ独り言を聞かれている以上、素の対応ではないと見抜かれてしまうだろうか、と心配しつつ。
■クラリッサ > 「えっ、あっ、ごめんなさい」
その謎の物体Aは目に見える様なあわってっぷりを見せると
何だか咄嗟にといった様子で謝罪の言葉を口にした
どうやら驚かれたのは予想外だったのだろう。
「違うんです気配さんが勝手に死んでるだけで
ボクは驚かせるつもりはなかったんです本当です。
ミニオン君だって音が鳴るやつですしほら」
若干パニックになっているのか手に持っていた奇怪な熊の人形を掲げ
お腹を押すとぷひー……と間の抜けた音が侘しい路地裏に響いた。
……若干冷たい風が吹いたような気がしたかもしれない。
「あ、だから邪魔するつもりは全然なくてどうぞそのまま続けてください」
一体どこの誰がこの状態から何もなかった顔をできるというのか。
■金剛経太郎 > 「………」
と、目の前の少女(仮)は言っているが、はたして信用してよいものか。
これが騎士の方へ関わりに来たのであれば適当にあしらう事も出来たが、まさか本体の方へ来るとは。
そんな風に悩みつつも、経太郎はにっこりと笑みを浮かべる。
「ええと、ううん、僕は大丈夫。
お姉さんこそ、こんなところに何をしに来たの?まいご?」
こんな物騒なところに来る迷子が居るか、と自分で自分にツッコみつつ訊ねる。
そのままそっくり返って来そうな問いだという事に気付いたのは、口から出た後だった。
■クラリッサ > 「いや、その、足で稼ぐタイプの調査ってちょっと見てみたいなって思って……
ボクは自分で見に行く事ってそんなにないから……」
いやあるいみじぶんでみにいってるけどなんだかなー。と一人で悩みつつ
完全に興味本位とけろっと答える。
どこの誰が調査に来るか……なんてみんな知っていると思っているので
当たり前のように調査中でしょう?と首を傾げて。
「この辺りの地形はぱーぺきぃ!ですから迷子ではないです大丈夫です。
調査の邪魔はしない(つもりな)のでボクノコトは気にせず調査どうぞ―」
ここで敬礼らしきポーズをとるのは
ある意味大物メンタルかもしれない。
■金剛経太郎 > (………っ。)
こちらの目的も看破されているらしい。
とすればこちらの素性も知られている、と見るべきか。
あるいはシラを切ってみるか。
無邪気そうな顔で小首を傾けながら、経太郎は逡巡する。
「その、調査って……お姉さん何のコト?
僕、あのおっきな人が怖くて隠れてただけだけど。」
シラを切ることにした。
話の最中も往来を歩いている騎士を指さして、経太郎はじいっと少女を見つめる。
■クラリッサ > 「えーっと…」
数秒首を傾げて固まる。
一瞬もしかして無関係な人に話しかけたかな?と思いつつ、
色々一致してるし本人だよねと数秒困った後
「あ、そういう感じの設定ってことですね」
ひとりでほむりと納得する。
調査中に調査中ですなんて大手を振って歩き回る訳はない。
「ボクは居合わせた一般人ということでお願いします。
ふひひ……新鮮……」
勝手に納得した謎物体Aは完全に覆面調査中の探偵気分。
■金剛経太郎 > 「………」
偏頭痛を覚えて経太郎の表情が固まる。
目の前の珍客はこちらの事情はどうやら知っている様だ。
ネットにはこちらの素性は上げたつもりは無かったが、このご時世どこからでも足はつくらしい。
舌打ちしたいのをぐっと堪えながら、さてこのまま立ち話を続けていては嫌でも人目に着く。
「ええっと……と、とりあえずお姉さんもこっちに!
こんなとこで立ってたら見つかっちゃうかも!」
小柄であろう少女よりもさらに頭一つ分低い背丈の経太郎は、勿論腕力も女子に劣る。
しかしそれでも目の前の少女の袖を掴んで、自分のいる瓦礫の陰へと引き込もうとする。がんばってみる。
■クラリッサ > 「電信柱……アンパン、牛丼……ふひひ……」
一昔前の刑事ドラマに嵌まっているヒトのような発言をしつつ
それは微塵も抵抗する様子を見せず
もうあっさりと物陰に引っ張り込まれた。
「わ、わ……」
瓦礫の間の狭い空間に入り込みながら足元の不確かさに少しだけふらつく。
相手が素性の悪い人だったらどうするんだと
知り合いが居たらこっぴどく怒られるくらい全く疑っていない様子。
■金剛経太郎 > (何言ってるんだこの女……)
表情に出ない様細心の注意を払いつつ内心で大きく嘆息を零す。
ただ落第街の大通りを異変が無いか調べるだけの取るに足らない調査だった筈が、妙な物と遭遇してしまった。
一度、騎士の様子を確認してから、小さく息を吐く。
瓦礫の隙間は小柄で華奢な経太郎が身を隠せる程度しかなかったが、そこに半ば詰め込む様に少女も入れば。
(……ぐ、せ、狭い……)
思いの外、定員オーバーの様相を呈した。
瓦礫と少女の間に挟まる様になりながら、経太郎は眉根を寄せる。
■クラリッサ > こう見えて一応情報屋なのだから
世間というのは当てにならない。
それはともかく、大体この辺りに何が来る……程度であれば
”見に”行けば把握できる。
「最近は蜘蛛さんとか物騒なこと多いですもんね、こわいですね」
ちょっと違うのだけれど驚きのマイペースさで納得しつつ少年の視線の先を辿る。
普通よりも幾分か背の高い”それ”をみると幾分か生暖かい雰囲気を漂わせ
密着に近い姿勢でも気にせずそれを熱心に眺める。
「電信柱裏はこんな気分なんですね……新鮮……ふひひ」
吐息が触れる距離にも関わらずなんだかすごく楽しそう。
この距離ならぼんやりと光る紅色の瞳が見えるかもしれない。
■金剛経太郎 > 「……蜘蛛、さん。やっぱりこの辺に……!」
出現したのか、と目を瞠る。
今回の調査は巷を騒がせる化物の探索も含まれている。
生憎とその姿を見つけることは叶わなかったが、少女の口振りからすれば、それが居る事は間違いなさそうだ。
その情報だけでも今回の調査の目的は達成したようなものである。
(が、それはそれとして……)
大変柔らかい。
少女の身体に密着しているような状況で、何だか甘い果実の様な香りもしてきて。
男として離れがたく思う様な、そんな感情にじわじわと侵され始めつつあった。
■クラリッサ > 「大まかな位置把握ですけどね。
最近は怖い事増えたらしいですし、その筆頭が蜘蛛さんですけど……」
感染性のアレは完全に放っておくわけにもいかず、住人としても悩みの種。
それの調査ともなれば尚更邪魔しないようにしないといけないが……
「成程これがハリコミスターイル……
ふひひ」
流石にこの距離だと色々能ったり当てられたりするわけだけれど
距離感と同じく危機感もほぼ0で
色々触れている事がまるでないかのよう。
■金剛経太郎 > 「ふ、ふむふむ……」
近頃落第街を中心に見受けられる生ける屍と化した生物の一件は、普通に学生生活を送っている中でも耳にするほどに噂になっている。
目下、風紀委員や彼らに協力する者たちが対処に当たっている、とは経太郎も聞き及んでいるし、
今回の依頼主も個人情報は一切不問ではあるため詮索もしなかったが、その関係者ではないかと経太郎は目星を付けている。
だからこうして大人しく危険な場所へと赴いているのだ。売り込める名は売り込んでおく。
(それにしてもこの女……一体何者……)
ローブに身を包んでいて居たため外見では判断できなかったが、声の通り女子である事は間違いなさそうだ。
それに前髪の合間から覗く赤い瞳。ぼんやりと輝くそれは普通の人間の物とは思えない。
何より、気配を消して接近してきたこと(本人いわく不可抗力らしい)が彼女の異質さを物語っている。
(……あとさっきから顔に当たるの……やっぱり、そう、だよな……)
そして中々に立派なものをおもちの様だ。二重の意味で。
■クラリッサ > 「やっぱりみんな大好きですよね。幽霊話や怪談とか。
都市伝説は事実に違いない!吸血鬼は現実にいるんだー!って言われても
……困っちゃいます……けど」
顧客の多くがそういったふわっとした半分オカルトに足を踏み入れた情報を知りたがる。
いわゆる噂に該当する部分の情報だが
正確な位置や状況などを把握するというのは
お仕事の観点から見るとかなり重要な部類の範疇に入っている。
何故ならお求めになる方が多くて高く売れるからです。
「……くわばらくわばらー」
とは言えそれらの情報は鮮度もさることながら
安全を確保しながら入手する事が難しいという前提がある。
大体において確認しづらいというのは危険と同義。
となれば自分の身は自分で守れるよう注意しないといけない訳なのだけれど
「ん―……みえない」
ほぼ密着の姿勢であるにもかかわらず無頓着というべきか
全く気にした様子を見せず、瓦礫で陰になった部分に目を向けようと小さく背伸びをする。
何かこう色々当たっているのは残念ながら意識の範疇には含まれていなかった。
■金剛経太郎 > 「そ、そう……だね。
僕はそれほどでも、ない、けど……」
そもそもが経太郎自身ゲームの中に囚われて何とか帰還したという都市伝説めいた経歴の持ち主である。
そんな経験をしていれば幽霊や吸血鬼など居る事もまああるだろうな、くらいにしか思わなくなる。
だからこそ、こんな調査を請け負えているようなところがあるが。
「わぷ。」
どいん、と効果音が付きそうなくらい重厚な塊が経太郎の顔面を襲う!
いっそわざとやってるのかと思うほどの無防備さに苦言の一つでも呈してやろうと思わない事も無かったが、が。
悲しいかな、小学生じみた容姿でも中身はしっかり高校生。思春期真っ盛りである。
(ま、まあ。気にされていないなら状況を甘んじて受け入れなくも……ないな……)
あっさりと顔に当たる柔らかさに屈するのであった。
なんだか前にもこんな事あった気がする、と頭の隅で記憶がチカチカしているが、過去は過去、今は今。
■クラリッサ > 「この島自体が小説や物語の中の世界が可愛く見えるほどの不思議ですのに」
そういう意味で此方に来てからの日々は楽しい事ばかり。
自由に空想の世界のような場所を見て回れるのだから
楽しさも一入だ。
……まぁそれは彼女の経歴を知らなければ思い至りもしないことかもしれないけれど。
「あ、動いた。
……?
どしました?行きますよ?」
そもそも人間自体が不思議です。
当たっている柔らかさを堪能している少年に不思議そうに声をかけて。
半分抱きしめるような姿勢だが哀しいかな、抱擁力的な
母性は微塵も感じられなかった。
■金剛経太郎 > 「不思議……うん、不思議。そう、だね……。」
どうしてこんなに柔らかく、抗い難い魔力な様なものを持つのだろう、この塊は。
不思議と言えば不思議である。そんな場違いな事を考えていたが、声を掛けられてハッと我に返る。
母性が無くても、まあそれ自体に抱擁ちからは存在しているのだ、と後に経太郎は語ったという。
べ、べつにむっつりスケベなんかじゃないんだからねっ
「あっ、う、うん。
行くって……え?どこへ?」
今の今まで意識はお胸様へ向けられていたので当然の様に状況が分かっていない。
そもそも騎士を見張っていた訳で、そしてその騎士は経太郎が操っていた訳で。
であれば、経太郎の異能が効果を発揮できる範囲を超えれば自動で騎士の動きは停まるし、そのまま時間が経てば消えてしまうだろう。
■クラリッサ > 「ファンタジーですぅ‥…」
身長の小ささや見た目、その他もろもろが基本幼いということもあり
基本的には年下にみられることが多い。
その分気が楽ではあるが…なんというか、大人の魅力は皆無である。
胸だって現状何だか妙に育ってしまって困っているのである。
本人曰く、なんだか育ちすぎて辺って思われてないかなと不安なくらいなのだから。
とは言え今の関心は全く別の場所にある訳で
「何処って勿論ホシを挙げに。
あの子が何か見つけたから動いてるんですよね?」
当たり前のように言葉にして首を傾げて。
■金剛経太郎 > 「でも現実なんだよなこれが……」
少なくともゲームじゃ体感できない触感だった。
こういう時、生身に戻る事が出来て良かったと思う。
そんな事をだらだらと考えているうちに思考も何とか正常に戻ってくる。
「あの、僕、別にそういうつもりじゃ……」
犯人を確保する様な権限は持ち合わせていない。
騎士も何かを見つけたわけではなく、頭の中がおっぱいでいっぱいになってしまった経太郎の指示を受けられなくなり、
自動徘徊に切り替わっただけである。5分もすれば引き返して来るだろう。
「と、とにかくまだじっとしてた方が……」
此方としては大変よろしく大変ありがたいのですが、と言いかけたがギリギリで堪える。
代わりにキュッ、と少女の服の裾を小さく握り締めた。
ご案内:「落第街大通り」から金剛経太郎さんが去りました。
ご案内:「落第街大通り」からクラリッサさんが去りました。