2019/08/03 のログ
ご案内:「落第街大通り」に金剛経太郎さんが現れました。
金剛経太郎 > 「結局ここに戻って来る事になる、と。」

嫌になる、と悪態を吐きながら少年は物陰に身を潜める。
息を殺し、身を縮こまらせ、自分の気配を極限まで希薄にしながらも視線はせわしなく周囲を見回している。
実に数週間ぶりの落第街への潜入で、色々と勝手を忘れていたと思っていたのだが、一歩足を踏み入れれば緊張感が嫌でも思い起こさせる。
この街の異質さと、同時に自分自身こそが異物であるという事を。

「……いい加減別の小遣い稼ぎをしたいもんだ。」

むくれっつらのままで辺りを見渡し、異常らしい異常がない事を確認すると小さく溜息を零した。

金剛経太郎 > 「……よし、今回も確認は出来なかったか。」

注意深く辺りを見回しながら、物陰から這い出る様に姿を現す。
今回の報告書もこれまで通りのものと同じ内容になるのかと思うと、作成の面倒臭さに顔を顰めたりしつつ。

「まあいい……ひとまず帰ろう。」

身を屈めて、なるべく人目につかない様に気を払いながら。
経太郎は足早に落第街を後にするのだった。

ご案内:「落第街大通り」から金剛経太郎さんが去りました。