2020/06/07 のログ
アーヴァリティ > 「ん?今声がしたよねえ...?何処かなあ?」

迫る銃弾を掴み、薙、返し、躱し、繰り返し。
そんな人外じみたー実際人外なのだがー事を繰り返していればこんな空間に合わない声が耳に届く。
そう、例えば好奇心で裏道を通って僕に見つかって首をはねられたり細切れにされたり締め殺されたりする学生みたいな...
まあいつもそうしているわけではないが、それに今日もそうする予定はない。
無闇に生徒を殺すものではない。無闇に殺して風紀に目をつけられたりすれば死ぬのは自分だ。
それに、今は化ける姿のストックも余裕がある。
となれば、たまには会話による退屈凌ぎも良いだろう。
未だに攻撃を続ける野蛮で空気の読めないモブ共を魔術の斬撃を乱発して一層し、足元から這わせた触手で潜む者を探し出しておそう。
足をつかんで振り回したり鋼鉄並みの耐久を生かして頭を潰しても良いだろう。
そして、あたりを一掃し終えれば、声の聞こえた方ー竜一の方へとあゆみをすすめだし。

「出ておいでえ」

できるだけ怖がらせないように、優しく声を掛けるが、その姿は返り血を浴びた女学生の姿をした化け物である。

鈴木竜一 > 貴女の囁きは,銃声や悲鳴に紛れてこの男にとどかなかった。
そのまま息を潜めていられれば,何事もなくこの嵐をやり過ごす事ができたかもしれない。
けれど,この状況は,それほど甘くなかった。

“化け物め!”

叫びながら銃を乱射していた男が一人,同じ車の影に飛び込んでくる。
そして次の瞬間には,車を貫通してきた触手にその頭を貫かれ,動かぬ死体へと変わった。

「………う…うわあぁぁぁぁあああああっ……!!」

悲鳴。貴女が声をかけるまでもなく,男は飛び退くように車の影から飛び出した。
ちょうど貴女が,そこに立っているなんて,知る由もない。
貴女の眼前に飛び出すか,もっと間が悪ければ貴女にぶつかってしまうかもしれない。

アーヴァリティ > 「あっ見ーつけたっ」

何に驚いているのか、絶叫しながら飛び出してきた少年を両手で優しく受け止めて純粋で明るい笑みを浮かべて少年の顔を見つめる。

「こんばんは!僕はアーヴァリティって言うんだ!君の名前は何かな?」

先ほどの笑顔のまま、少年の顔に自分の顔を近づけて問いかける。
少年を捕まえる腕は締め殺すほどの強さではないが、並大抵の人間では抜け出すことはできない力で少年を捕まえており、逃す気はないようだが、それと同時に殺意や狂気もロクに感じられず、質問にも特に含みはない。
純粋に少年との会話を楽しもうとしているようで、笑みにも特に恐怖を感じるような部分はないだろう。
返り血がついてる事を思い出せば、触手で素早く拭き取って仕舞えば笑顔は落第街など似合わない何処にでもいる女学生の平和的なものと遜色なくなり。

鈴木竜一 > 「……っ!!!」

前を見てすらいなかった男は,貴女の両腕にその自由を奪われた。
恐怖に引きつった顔は,返り血を浴びた貴女を見れば一層青ざめて,言葉を失う。
反射的にその両腕を振り払おうと力を込めるも,びくともしなかった。

「…………え……?」

けれど,貴女が発する言葉はあまりにも“普通”で,近づけられた貴女の表情は,それこそ,こんな場所には似合わないような……笑顔。
返り血も拭われてしまえば,もうそこには,この惨状を齎らした怪異の面影は少しもない。
…恐怖のあまり,貴女の姿を“見ていなかった”こともあって,男は貴女こそが怪異だと,まだ気付くことができなかった。
貴女の腕に包まれて……徐々に落ち着きを取り戻す。

「……俺は…竜一っていうんだけど……。」

それでもまだ,理解が追いついていない。
貴女は一体何者なのか,この惨状を引き起こした怪物は何処へ行ったのか。

アーヴァリティ > 「へえ竜一って言うんだ!よろしくね!」

何処にでもある平和な表情で話しかけただけあったのか、少年の様子は飛び出してきたときのような慌てたものではなく、落ち着いたものとなっている。
それか、もしかするとこの少年はバケモノやら超常的な事象に溢れたこの島についてまだよく知らないのかもしれない。
もしそうなら、今ここで自分の顔の半分を崩して人外である事を教えたらどうなるのか、どういった反応をするか気になるところではあるが、せっかく捕まえたのだ、楽しくお話ししようではないか。

「こんな時間になんでここにいるの?ここは危ないよ?迷子にでもなったの?」

何が危ないって、主に僕とか僕とか僕とか...
少年の身を案じており、少年が何故このような場所にいるのか興味があると言わんばかりの表情で少年に問いかける。
近づけた顔を離し、両手での拘束も解けば少年が隠れていた車の屋根の上に腰掛けて隣に座れ、と手で軽く自分の横を叩いて少年にニコッと微笑んで見せて。

鈴木竜一 > 「……よろしく,ってか……。」

何でこの状況で,貴女はこんなに落ち着いているのだろう。心が一瞬ざわつき,背筋がふわりと寒くなった気がした。
この島に渡ってきて,そう時間が経っているわけでもない。
怪異の存在はもちろん知ってはいるが,平和な表の空間にいる限り,こうして遭遇する機会は無かったのだ。

とは言え,その身体が解放されても,走って逃げ出すようなことはしなかった。
貴女は優しく声をかけてくれて…微笑んでくれる。

「バイトで遅れちったから,近道しようとして迷っちまって……。」

そんな風に答えながら,“そう言う君はどうしてここに?”と,続ける言葉を,男は発することができなかった。

「……………。」

隣に座るよう促されても,男はすぐには動けない。
けれど貴女の笑顔に背中を押されてか,それとも,逆らえない何かを感じ取ってか,その隣に,腰を下ろす。

「……危ないならさ,君も,早く帰ったほうがいいんじゃ?」

…必死に絞り出した言葉。

アーヴァリティ > 「そう、よろしく。僕も君も学生なんだしまた何処かで合うかもしれないでしょ?」

伊達に長く生きているわけではない。相手の表情を読み取るのは誰よりも秀でているというわけではないが、そこらへんの十数年や数十年生きている存在よりは優れている自信がある。
少年が恐怖や不安を感じている事を察知すれば、自分は少年と同じ立場であることを伝え、少年に安心を与えようとするだろう。
とって食おうというわけではなくとも、無闇に逃げられたくはないのだ。

「へ〜大変だね。バイトって大変?」

実は何度かバイトした経験はあるのだが。
バイトの経験が薄いことには間違いない。少年がどのようなバイトをしているか知らないし、ここは彼のバイト話について聞いてみたいと思う。

「僕?風紀委員会ってあるじゃん?僕は風紀なんだ。それにほら、僕は強いから大丈夫!」

指先に魔術の風を巻き付かせ、自分は戦う手段がある事を提示する。
きっと少年は自分のことを怪しんでいる。となればこんな時間にこんな場所にいても問題ない理由を提示する必要があるわけで。
風紀であればいつ何処にいてもおかしくないし、先ほど暴れていた姿を見られていたとしても、最悪風紀としての仕事、で済ませられるだろう。
これで彼が納得してくれればいいのだが。

鈴木竜一 > 「風紀!そっかそういうコトか!そしたら俺もしかして助けて貰っちった感じ?」

貴女を怪しむ気持ちや,背筋を凍らせた嫌な予感は,貴女の言葉で容易く払拭された。
元々明るい性格なのだろうこの男は貴女の言葉にやっと笑顔を見せて…

「…やー,絶対風紀の方が大変だと思うわ。俺なんかピザ焼いたり配達したりしてるだけだし。
学生街にあるピザ屋なんだけどさ,まかないでピザ食えっから良いけどバイト代安いんだよなー。」

これまでの不安の裏返しのように,ペラペラと喋り出した。
貴女は風紀委員で,自分と同じ学生で,命の恩人。貴女の目論見通りに,貴女を信用しているのだろう。

アーヴァリティ > 「むしろ巻き込むかもしれなかったから危なかったかな。叫んでくれて助かったよ」

あはは、と巻き込むかもしれなかったかもしれないことへの苦笑、 のうらで想像以上にたやすく自分の嘘を信じた少年への苦笑を見せる。
ここまで簡単に信じられるとむしろ罪悪感を感じるとも言えるかもしれない。
まあともかく、安心してもらえたのであれば外部の妨害さえなければ平和に話せそうである。

「確かに大変だけどやりがいがあるから僕は好きだよ!
へーピザ屋なんだ!まかないでピザ食べられるなんていいなー。今度少しだけバイトしに行けないかなー」

店の名前教えてよ、と笑いながら。
本当に信じてくれているようで、ぺらぺらと知らない世界を話してくれる少年との会話に花を咲かせる。
怪異という立場上、学生とまともに会話できる機会は少ない。
その上、ここまでぺらぺら話してくれる少年にさらなる興味を抱いて。

「ところで君はどうしてこの島にきたの?何か異能を持ってるとか?異邦人だったりするの?」

自分からみた少年は明らかに人間だが、この島にいる以上何かしらの特異性を持っていてもなんらおかしくはない。
が、彼には今のところ特におかしな部分はない。
であれば、尋ねてみれば良いのだ。好奇心旺盛なバケモノは少年の過去など知らず、好奇心にのみ基づいて尋ねる。
その表情には作りではない楽しみからの笑みが浮かんでおり。

鈴木竜一 > 叫んだ。貴女にそれを言われたことで,ふと,自分のすぐ隣で頭を貫かれた男の,その最期の光景が思い出される。
きっと,今もすぐ後ろに転がっているであろう死体。
彼は確か“化け物”と叫んでいた。その化け物は,貴女に倒されたのだろうか?

「……すげーよなぁ…風紀ってさ,こういうの,よくある感じなん?
何が出たのか知らないけど……みんな死んでるし……。」

意識してしまうと,血の匂いが充満していることに気付いてしまう。
吐き気がしたが,それをどうにか飲み込みつつ…

「ピッツァリアとかって名前だったっけかな…あぁ,バイト募集してたと思うけど…今度で良ければ,店長に聞いてくるわ。」

なんて,普段通りの会話をすることで,なんとか,この状況を考えないようにしていたのかもしれない。
貴女に異能のことを聞かれれば,苦笑して…

「そ,一応異能者ってヤツ。でも別にすごい異能じゃなくて,死んでも生き返るってだけ。
事故って親が2人とも死んじゃってさ,俺だけ生き返ったから住むトコも無くて,ここに流れてきたって感じ。」

決して楽しい過去ではないが,もう乗り越えた過去であり,隠しているわけでもなかった。
死んでも生き返る。それが“すごい”のか“そうでもない”のかは,見方によるかも知れないが…。

アーヴァリティ > 「じょ、冗談だよ。ちゃんと悪いやつだけやっつけてるから大丈夫だよ!」

ころっと騙された時点で察するべきだっただろうか。少年のメンタルは思っているより遥かに弱いようで。半分本気であるのだがジョークであると慌てて弁明する。

「うーん...まあそうだね。すごく物騒ではあるかなー」

自分は風紀委員会ではないが、時折戦う相手でもあり、裏世界に流れる情報の何割かは風紀の摘発の情報だ。
大抵の察しはつく。
きっと彼には風紀は向かないだろうしこの場所自体向かないであろう。
精神に限らず、弱者がこの島の裏側に関わるべきではないのだ。

「本当?ありがとう!
それと、今度注文するからサービスしてね!」

店長に話を通してもらえると言われれば、素直に喜び、感謝の意を伝えながらも、二度とないであろう再会を予約する。

「あー...ごめんね、考えなしに聞いちゃって。
でも、すごい異能だね。死なないってことでしょ?」

普段の自分なら特に何も思わないし今もなんとも思わないが、今の自分は彼と同じ立場である学園の生徒だ。
となれば彼の身を案じるべきである。
そして、そろそろ彼の感情も限界かもしれない。
この場所は彼に優しくない。
それに彼は確かー

「そういえば、バイトに遅刻しそうなんじゃなかったっけ?送って行ってあげようか?」

案じるような、不安げな苦笑を少年に向け、掴んでとでもいうようにその手を少年へと伸ばす。
少年がバイトに遅刻することは確定事項であろうが、今から自分が彼をバイト先に届ければ遅刻は最小限に抑えられるだろうし、後からピザを食べるために彼のバイト先を調べる手間も省ける。
今度は別の姿で訪ねて、次は別の話を聞こうじゃないか。

鈴木竜一 > 「ははは,そうだよな…!」

貴女の弁明にはそう笑っていたが,どうしても,引っかかることがある。
ここに倒れている死体,全てが貴女の言う“悪いやつ”なのだろうか。
無論,それを問いただすことはできない。
少なくとも,こうして自分が生きているのは事実で……もしかしたら,後ろに倒れている死体は,自分だったかも知れない,ということ。
もっとも,そうなってもベッドで目覚めるだけの話ではあるのだが…

「…死なないって言ってもさ,一度は死ぬんだし…あんまり気持ちいいもんじゃないよ。」

…その記憶が消えるわけではない。
何度死んでも死ねない,というのは,ある意味で死ぬよりも恐ろしいことである可能性さえあった。

「オッケーオッケー,来てくれたらサービスすっから,声かけてくれよ?
ぁー,もう完全に遅刻だし………」

…正直,この後働ける気がしない。
それでも,貴女が送ると言ってくれれば,それを断るのも悪い気がして…

「んじゃ,せっかくだしお願いしようかな。
学生街の西側の学校寄りのあたりなんだけども,行けばけっこーデカい看板あっからさ!」

言いつつ,貴女の伸ばした手を取った。

アーヴァリティ > 「うーん...僕は死んだことないからわからないけど...辛そうっていうのはわかるかな...」

これまで、覚えていられないほどの年月、それこそ数百年、数千年"生きてきた"。
だからこそ死だけは知らない。
彼の苦しみを理解することはできないが、死への恐怖はわかる。
それを味わうのは恐ろしいことである。
そう、とても。

「サービスしてくれるの?嬉しい!」

夢を見せる、というわけではないが今の自分は一般的な女学生である。彼に突然、ガバッと抱きついて。

「わかった!それじゃ行くね!落ちないでよ!」

彼が手をつかめば、風の魔術を発動し、高く飛び上がり、少年が言った場所へと彼を連れて行くだろう。
そして、目的の場所へつけば「それじゃあまたね!」と少年にとってはもう二度とない「また」を笑顔で告げスラムの方へと飛び去って行った。

このわずか数分、久々に会話で暇を潰したアーヴァだが、会話への欲求を満たせたようだ。
その後裏世界で何か起きれば彼女は即座に戦闘面の欲求を満たすべく動き出すであろう。

鈴木竜一 > 初め,貴女に抱きとめられた時と同じように,貴女に抱きつかれればもちろん,抵抗することはできない。
そうしているうちに,身体が宙を舞う感覚と…地面へと,降り立つ感覚。

「……うん,またどっかで。」

それは,あまりにも壮絶な経験だった。
貴女にそうとだけ告げて別れてからも,バイトに身が入るわけもなく。
この後この男は,遅刻と,それから職務怠慢,二つの理由で怒られることになる。

それからバイトの度に,この男は貴女を思い出すことだろう。
もう二度と会うことのない,二度と見ることはできないだろう,その姿を。

ご案内:「落第街大通り」からアーヴァリティさんが去りました。
ご案内:「落第街大通り」から鈴木竜一さんが去りました。
ご案内:「落第街大通り」にデザイア・ハートさんが現れました。
デザイア・ハート > 「~♪」

落第街の大通り、一人の小柄な少女のような人物が、無防備にも鼻歌を歌いながら闊歩する。だが、それでありながらも周囲はそれを見慣れた光景かのように、気に止める事は無い。

ご案内:「落第街大通り」にエルピスさんが現れました。
エルピス > その向かい、金属の右腕を2本生やした少女のような少年が猫を抱えて歩いている。

両手に猫を抱えた上で余った腕で買い物袋をぶら下げている。中々便利そうだ。

……ふと、デザイアの姿を認めれば見知った誰かを見る様に目を合わせ、声を掛ける。

「あ、デザイア。」

ご案内:「落第街大通り」からデザイア・ハートさんが去りました。
ご案内:「落第街大通り」にデザイア・ハートさんが現れました。
デザイア・ハート > 「んぁ…、なんだキミかい。エルピス、買い物帰り?」

青く透き通った長い髪と、ふんわりとしたスカートをなびかせて”彼”はそちらに振り返ろ、一瞬怪訝そうな表情を向けつつも、見知った相手に話しかけるように気安い言葉を投げかける。

エルピス > 「そんな所。猫の捕獲のついでだけどね。
 思ったより早く捕まえちゃってさ。」

抱えた猫がこにゃーんと鳴く。
茶色くて太り気味の猫だ。

「デザイアは?」

気安い言葉のやり取り。
緩やかな空気は続く。

何をしているのだろう、と。
世間話のような気楽さで尋ねた。

デザイア・ハート > 「なるほど、今日の仕事は猫の迷子探しとか、そんなとこかぁ。」

抱えた猫にちょっと背伸びをしながらふるふると手を振ってやりつつ言葉を返し。

「ボクも似たようなもんだよ。
買い物帰り、仕事はこれからだけどね。」

エルピス > 「フリーの便利屋だし、こんなものだよ。
平和なのは良い事なんだけれどね。……ってここで言うのも変な話かな。」

周囲を見渡す。
ここは落第街の大通りだ。

表向きには歓楽街の一部であり存在しない地区とまで言われるような、普通の学生が訪れるような場所ではない。

……良くも悪くも"慣れている"、あるいは別の理由でそのような言葉が出るのだろう。

「そっか。デザイアも頑張ってね。
 ……お隣さんが同業者だったのはちょっとびっくりしたけれど、仲良くなれてよかったかも。」

デザイア・ハート > 「あっはっは、平和、うんうん、ここで平和はチトアレだけど、まあ実際平和なのはいいことさ。」

からからとどこか少年らしい笑顔を浮かべて、そんな軽口を気楽に返す。話だけ聞いていれば、きっと場に不釣合いな普通の学生同士の会話だろう。

「ありがと、まあしばらくどうせ店番だけどさ。
びっくりしたのはボクの方もだよ、他も同意しとく。
…ま、お客が奪われるのは見過ごせないんだけどさー。」

エルピス > 「そうだね。……少なくとも公安委員会に居た時よりは気楽だよ。
 委員会同士とか、委員会内部の抗争には巻き込まれ辛いし。」

苦笑と共に吹っ切れたように言ってみせる。

「あはは、そこはしょうがないよ。
 ……それに一人二人増えたところで、多分誤差だし。
 こんな場所だしね。」

改めて周囲を見渡す。
大通りには怪しげな商店や施設が立ち並んでいるし、物騒な人間も数多く見える。少し遠くを見渡せば揉め事のような騒ぎも見える。

デザイア・ハート > 「公安委員ねぇ、どういう事してたのか気にはなるけど、とりあえず面倒で忙しそうなのは間違いなさそうだ。」

冗談めかした苦笑を浮かべ、くるりと周囲を見渡す。

「そりゃー、まあそうかぁ。
ただでさえ供給過多っぽそうだもんなぁ。」

ここは”そういう場所”。そこに集中してあるのだから実際のところはちょっとで歩けば、他にもライバル店はいくらでもあるのだから。

エルピス > 「だからこそ、デザイアが気の合う隣人さんで嬉しかったかな。
 気の合わない、反りの合わない隣人さんだったら色々大変だし。商売的にも、生活的にも。」

 向き直って微笑みかける。
 少なくとも嘘ではなさそうな、本音が漏れたような柔らかさだ。
 
「それじゃ、僕はそろそろ行くね。
 ──これ以上長居すると難癖付けられるかもしれないし、猫も届けなきゃいけないしね。」

ゆっくりと歩きだす。
目指すは──歓楽街の方だろう。

「またね、デザイア。」

ご案内:「落第街大通り」からエルピスさんが去りました。
デザイア・ハート > 「そこはボクも難癖つけられる相手じゃなくてよかったと思ってるよ。
…っと、そういや捕獲の途中だったっけけ。」

苦笑した顔ながらも涼しい様子で両手を横に開くようにあげて。

「じゃ、またねエルピス。」

彼とは反対方向の路地裏に、少年は歩き出した。

ご案内:「落第街大通り」からデザイア・ハートさんが去りました。
ご案内:「落第街大通り」にルギウスさんが現れました。
ルギウス > 治安の悪い落第街の大通り。
そこに、さも最初からありましたが何か?と言った風情の屋台が一つ。
箱は使い古されたソレだが、妙に綺麗なカード。
音が出ないようにちょっとだけ小綺麗なマットを引いてあるザル。
横には幾つものカラフルな多面体。

果ては、駒やメンコさらには麻雀牌まで置いてある。
おもちゃ屋に見えなくもない。

ルギウス > 「さぁ、いらっしゃい。手に取って見てもらっても結構ですよ。
 なんなら私とゲームをして勝ったなら無料で差し上げましょう。
 負けたら……まぁ、ちょっと愉快な事をしていたきますけれど」

万引き?
やってみるといい。きっと楽しい楽しい鬼ごっこが開催されるだろうから。

「どうですか、そこのヤンチャしてヤムチャしそうなお兄さん。
 ……ここだけの話ですが、とても素晴らしいアイテムがあるんですよ」

魔術の素養のある人間がこの店の商品を見たら、卒倒しかねないかもしれない。
何せ全てがマジックアイテムなのに、値段は二束三文。捨て値もいいところなのだ。

ルギウス > 「ムカつくアイツや、殺したいソイツ。
 もしくは人間を超える力なんて欲しかったりしませんか?
 右も左も異能異能と肩身の狭い思いをしていませんか?」

肩身が狭くない人は、この落第街に少ないと思うけれど。
そんなのは知ったことじゃない。

「そんな貴方に、この賽子です。
 異能なんて関係ない、マジックアイテムの類です。
 シェイプチェンジやポルモリフといった魔法はご存じですか?
 
 ご存じない?
 端的に言えば、魔物や超人に変身できる魔法です。

 この賽子、振った目に寄ってランダムで変身できちゃうんですよ。
 ムカつくやつを殴っても、人間が殴った痕にならないんですから、風紀から逃げるのも楽ですよ。
 突然現れた魔物の仕業になるでしょうからねぇ?」

ニヤニヤと笑って客の様子を伺う。

ルギウス > 「ああ、元に戻れないのを心配なさってます?
 ご安心ください。出目にもよりますが、賽子一個なら平均で10分前後で戻りますよ。

 ……おや、お気づきになられました?
 ええ。そうです。一緒に振った出目は合算されますよ。
 お客さん、知恵が回りますねぇ?
 一度振ったら効果が切れるまでは同じ賽子で追加振りはできませんから注意してくださいね?」

ルギウス > 「おっと、お試しはご遠慮くださいねぇ。
 ほらいきなり変身したら周囲がパニックになっちゃうでしょう?」

それはそれで楽しそうではあるんだけれど。

「いまなら、ちょっとサービスしておきますよ。
 一個200円のところ、150円でいかがでしょう?」

値段が、異常に安いのだ。

ルギウス > 「ええ、お買い上げありがとうございます。
 しばらくはこの辺りで屋台でも出していますので追加で購入されるときはお気軽にお願いしますね。
 ……特別割引は今回だけですよ?」

笑いながらとりあえず、と買っていった六面体を10個を手渡す。

「機会があれば、こちらの10面体や100面体も遊んでみてくださいね」

もちろん、伝えていない事がある。
出目の累積合計が100になれば人に戻れなくなる だとか。
魔法ではあるが、その性質は呪いであるからディスペルマジックが効かない だとか。
だって、聞かれていないから。

ルギウス > そんな調子であちらこちらに『異形の賽子』を売りさばいていく。

ついでに、かならず6が出るダイス3個セットや裏側が透けて見える麻雀牌も売れていったが。
ちょっと顎が尖ったお客さんとか、薬中っぽい目力が強いお客さん大丈夫だろうか。

ルギウス > 「私の元に辿り着いてもよし、売ったものを全部回収して事態を鎮静化してもよし……舞台を楽しませていただきましょうか」

くつくつと笑いながら、雑誌片手にダラダラと店番を行っている。

「そのミニ四駆、走らせると真空の刃が出るので気を付けてくださいねぇー」

ルギウス > 「パチものが出たとして、私が困るわけでなし。
 ……そもそも、普通の人間が作れるかどうかも疑問です。研究すれば作れるのでしょうけれどねぇ」

何より。この島では神聖に属する技術はあまり聞かない。
あくまで個人の資質に依るのではないかと推測している。

「リムーブカース、いったい何人が使える事でしょうか……実に楽しみですよねぇ

 ……ああ、失礼。独り言ですよ。
 異形の賽子のお買い上げですか。20面体を一つと。はいどうぞ。
 呼び声とか聞こえないように気を付けてくださいねぇ」

ルギウス > 効果に気が付いたゴロツキ達が、変身して事件を起こすのも そう遠い未来ではないだろう。
ご案内:「落第街大通り」からルギウスさんが去りました。
ご案内:「落第街大通り」にアーヴァリティさんが現れました。
ご案内:「落第街大通り」にルギウスさんが現れました。
アーヴァリティ > 「風紀の腕章は外してきた方が良かったかなあやっぱり。
みんな逃げてくや。
僕と戦ってくれる人はいないのかなあ...はあ」

風紀の腕章を着けた背の高い女性が両手で見たことがない奇妙な形状をした銃を構えながら、真面目な表情で荒れた道の真ん中を征く。
昨日、ここ最近不足していた好奇心を満たした為、強者と戦いたいという欲望がいつにも増して強くなっている。
その為、わざわざ雑魚避けに拾い物ー殺して奪ったというべきかーを着用してきたのだが、雑魚避け以上の効果を発揮し、自分を中心にほとんどの気配が遠のいて行く。
別に苦戦するような相手でなくてもいいから、多少は腕の立つ相手と戦いたい。
願望とは裏腹に一向に現れない強者に対して愚痴の一つでも溢せばそこら辺に積まれた箱に座ってため息をつき、暗くなった空を見上げようと顔を上げるであろう。

ルギウス > 「いらっしゃいませー いらっしゃいませー。
 冷やかしでも何でも結構ですよ」

まぁ、そろそろ店仕舞いかと思っていたのだけれど。

「ちょっと、そこのお嬢さん。
 この辺りで遊ぶなら、腕章なんて邪魔なだけだと思いますよ?」

屋台から声をかける。
いやはや、なんとも『面白そうな役者』を見つけたものだ。

アーヴァリティ > 「...あれ?面白そうな人いるね」

気づかなかったが、正面に脇道の入り口があったようだ。
この通りほどではないが、屋台があっても人が数人並べそうなその通りで屋台を出す謎の男に声をかけられ、しかも自分が風紀の見回りをしているわけではなく遊ぶ相手を探していると見破られているのであれば、その興味は加速する。
普段ならこのような相手には「殺し合いたい」ではなく「とことん話してみたい」と言った欲求が湧き出るのだが、今日は生憎そんな気分ではないのだ。
楽しそうな調子の彼に、嬉しそうな表情で歩み寄って行こうか。

「こんばんは!こんなところで屋台出してるなんて珍しいね!」

彼の方へと速くも遅くもない歩調で寄って行けば、演技もない、普段の調子でそう話しかけるであろう。
その表情は楽しみでたまらないといった風であろう。
この手の相手は力を持っていなくとも退屈しないものだ。

ルギウス > 「趣味でやってますからねぇ。儲けを度外視しているので珍しいでしょう?」

ははは と笑いながら屋台から全身が見えるように姿を現す。
長い黒髪に、丸くて大きなサングラス。しかも身に着けているのは真っ白で汚れ一つついていない司祭服。

「貴方もこんなところに遊びに来るなんて相当な変わり者……とは言えませんか。
 たまーに来ますからね、貴女のような方」

何か御用でしょうか? なんて舞台上の役者のように大袈裟に両手を広げて。

ご案内:「落第街大通り」にアーヴァリティさんが現れました。
ご案内:「落第街大通り」にアーヴァリティさんが現れました。
ご案内:「落第街大通り」にアーヴァリティさんが現れました。
ご案内:「落第街大通り」にアーヴァリティさんが現れました。
アーヴァリティ > 「へえ...確かに安いね。それに、面白い品揃えな気もするね
いい趣味だと思うよ僕は」

屋台の前で屈み、並べられた品々を興味深そうに眺めながら感嘆の意と歓喜を込めてそう呟く。
伊達に長く生きてない。その品揃えが少なくとも真っ当な品ではないことは分かる。
そんな物を"格安"で販売する彼は一体どのような趣味でこの屋台を出しているのか。
そしてどのような神に仕えているのか。
興味深い、知りたい。
しかし、今はそれよりもー

「それで、変わり者っていうのは、こういう人って意味であってるかな?」

屈んだまま、屋台から出てきた彼とは反対にある手で、片手で持つ物ではないであろう歪な銃を彼に向ける。
純粋な戦闘への欲望が爆発するまで、銃口が彼に向けられて1秒もあれば十分だろう。
銃口が向いてから1秒後、超現実的の名を授けた愛銃が彼に向けて連続的に火を吹くであろう。

ルギウス > 「ええ、概ねはその通りかと。
 随分と人に慣れたモノですねぇ、貴女」

ああ、やれやれ とわざとらしく首を振る。
近くにあった屋台はボロボロだし、右手だって吹き飛んでいるし、真っ白な服も赤く染まって。

「ああ、こんなにボロボロだ。
 苦労して組み立てたんですよ、あの屋台」

ため息をついてから、足先でタン♪タン♪タン♪とリズムを取る。
周囲にフワフワと光る弾が浮かんでリズムに乗って回り始めた。

「一曲、ダンスを願えますかレディ?
 なにぶつかったら痛いだけですよ……普通の方なら意識が飛ぶ程度です」

光弾が縦横無尽に踊り始めた!

アーヴァリティ > 「...躱すとか防御すると思ったんだけど受けきるとは思わなかったよ」

この手の相手は基本的に耐久性に欠けており見極めだったり搦手で戦うと経験上思い込んでいたのだが、考え直さなくてはいけないだろう。
彼は明らかに強い。このぶっ飛んだ銃の攻撃を受けて無傷とは行かずとも、踊り出せる余裕が残っているなど、思いもしなかった。
冷静さは失われていないが、予想を大きく外れ、想定外の事態となっていることに驚き、言葉を失っている間に彼はわざとらしく落胆し、踊り出す。
そして、光弾があたりを舞い始めれば、本能的に察した。

「君強いね!!!!!!」

なんなら自分よりも。
これまでに出会った中で同格ではなく、数少ない格上の相手。
狂ったような歓喜に染まる笑顔で両手を広げて空を見上げれば異空間へと銃を投げ込み、両手を崩して無くして仕舞えばその場所に黒い粘液を纏わせた銀色の触手が何本も現れる。
そして、笑顔のまま、彼の言ったように踊るように光弾を回避し、避けきれない物に関しては触手で受けるであろう。
攻撃できるタイミングがあるようであれば彼を締め上げようと触手が彼の方へと伸びるであろう。

ルギウス > 「呪いは効かない、ないし効果が薄い……と。
 さて、そろそろ治療しましょうか。痛いのは慣れてますし、死ぬラインも知っていますが恰好がつきません」

ヒーリング と 呟けば、失った右手が生えてくる。
回復魔法ではなく再生魔法。
少なくとも動きに支障はあまりなさそうだ。

「強いだけの自負はありますよ。
 面倒なんであまり戦闘はしないんですけれどねぇ。知恵比べの方が楽しくないですか?」

呪いの効果が薄いと見るや、炎、冷気、雷、疾風、大地 と色々な属性を当てて確かめていく。

「さて……本命はコレですが、どうでしょうかね?」

一本、わざと見逃して。
絡む直前で使用する 異能『剽窃』 外付けのモノであるなら一時的にでも操作に干渉できるはずだが……

ご案内:「落第街大通り」にアーヴァリティさんが現れました。
アーヴァリティ > 「戦いって楽しくない?その中でさらに知恵比べするのが楽しいんじゃないか!」

彼は戦いに関してそこまでそこまで好意的に思っていないようだが、自分は大好きである。
三度の食事よりーそもそも必要ないのだがー大好きだ。
彼にとっては戦いは面倒ごとであるようだが、そんなことは知ったことはないようで嬉々として語っており。

触手は彼女にとって本体であり、操作以外を遮断した器官である。
如何なる攻撃も触手で受けきれさえすれば、本体へと影響はない。
炎や直接的な攻撃は全て受け切れるだろうが、雷のみは違い、触手の半分ほどを黒こげにし、直撃した部分は黒くなって崩れ落ちた。

雷に触れた触手が明らかにダメージを受けているのを見れば複数の種類の攻撃を操っているであろうことを予想しており、

「捕まえた!」

にたあ、と狂気じみた笑みを浮かべる。嗜虐的という笑みではなく、捕まえられた彼がどう動くか興味があるようで。
彼女の触手は彼女が生まれた時から持っている数少ない特徴であり器官である。もしその異能があくまでも外付けのものしか操作を奪えないのであれば、操作を奪われることなく、彼を締め上げて地面から2mほど持ち上げようとするであろう。

ルギウス > 「それが必要であるなら、盛り上げる細工や演出も吝かではないのですがねぇ。
 闘争そのものは否定しませんよ。スタンスの違いです」

卵の調理法や調味料の差、みたいなものですよ と笑いながら2m程の高さまで持ち上げられて。
しかし、巻き付いたはずのソレは薄皮一枚のところで薄く伸ばすように張られた結界に遮られているようで。

「やはり間近で観察するのがいいですねぇ。
 なるほど、理解してきました。
 感覚の遮断はいけませんねぇ……異常があっても気が付きにくい。
           触手  貰い
 便利そうですし……『ソレ』『剽窃』ますねぇ」

三日月のような笑みを浮かぶ。
ルギウスの指先から、まったく同じような触手がズルリズルリと這い出し、アーヴァーリティの触手を辿るように絡みついて遡っていく。
取り込まれようがお構いなしに、伸びて絡んで……いきなり内側から電撃を発して諸共を巻き込んで自爆した。