2020/06/24 のログ
ご案内:「落第街大通り」にエインヘリヤルさんが現れました。
ご案内:「落第街大通り」に神鳴 壬さんが現れました。
エインヘリヤル > 「ここかしら」
落第街にもスイーツはある。

確かに、落第街のが出店は楽だ。
なにせ、営業許可があってないようなもの。手続きなどがいい加減でいいぶん、縄張り争いなどに巻き込まれることはあるかもしれないが。

そういう意味で、落第街にもそうした店がないわけではない。

休みを利用して、視察を兼ねてココまでやってきた

神鳴 壬 > 今日も今日とて落第街大通りは適度に賑わい、適度に荒れている。
とはいえ大通りでそんな風に目立つような事をするものはおらず、自分はというと珍しくブツの買い手もおらず気まぐれに出店のスイーツ店にいる。

「こういうとこのってなんで美味しいんだかな。」

少し古そうな外見の屋台ながら、店先にテーブルがいくつか並びすべてに人が座って賑わっている。
どうやら、ドリンク類はともかくスイーツ系は座って食べる場所のようでそれなりの人気があるようだ。

テーブルの一つに座って大きくふんわりとしたパンケーキを食べようとしている自分のテーブルだけが席が一つ空いているようなそんな状態で。

エインヘリヤル > 「……相席よろしいかしら?」
周りにならって相席を申し出る
そもそも、特定の席に座っていけないという決まりもないところではあるのだけれども。

ただ、格好からしてどう見ても落第街には似つかわしくないタイプ。
それも、先日、鳴り物入りでやってきたとかいう特殊異能調査機構の特別顧問。
赤いツインテールに常世では上等すぎてやたら目立つ格好のため、情報さえ知っていれば特定は難しくもない。

悪びれもせずににこやかに微笑んで、チョコミントパンケーキの乗ったトレーを持っている。

神鳴 壬 > 「あー…、どうぞ。」

のんびりと切り分け食べていると頭上から掛けられた声に少し驚く。
こんな場所に、あまりにも上等すぎる。少し裏路地に入ってしまえば襲ってくれと言わんばかりに目立つ格好格好をしている少女に声を掛けられ一瞬迷うも断る理由もなく。
自分の食べているパンケーキの皿をズラして相手のトレーを置く居場所を作ってやり。

「こんな場所にアンタみたいなのが来るんだな。なんか悪巧みでもしてるのか?」

特徴のある見た目や雰囲気から判断出来る程に少しネットを探れば話題に出てくる人物だ。
深くはまだ未確定だがアンドロイドと戦闘をしていたなどという情報も流れている。

そんな相手がこんな場所でただのんびりとパンケーキを食べに来たなどと思っておらず、ついつい初対面だというのにも関わらず失礼にも取れるような話題を振ってみてしまい。

エインヘリヤル > 「ありがとう」

屈託のない笑顔。
もしかすれば社交辞令かもしれないが。

そういう読めない表情で席について、水色のパンケーキにナイフを入れる。

「ふふ……そういう甘い話を、パンケーキのお供にしたいなら話してもいいわよ?」

さらっと。
別に知られているのはどうとも思っていない、そんな受け答え。

「もっとも、あなたが何を話してくれるか次第でもあるけれど」

明るく爽やかで、そして相手を確かめるまではなにもさらさないといった、そういう声で。

神鳴 壬 > 「そうだな、落第街でのアンタの評価でも話そうか?」

見た目は派手だが、容姿としては悪くないドコロか極上の部類に入る。
さすがに下衆な視線を向けることはないが一瞬、眼を細めて品定めするように見つめる。
しかしそれも、瞬く間の時間でしかない。

パンケーキを切り分けフォークに刺して持ち上げるが直ぐには食べず少し揺らして軽口を叩いてみる。
何を話して欲しいかはわからないが、聞きたいことが相手の口から出ない以上、下手なことを言うつもりもないため。
そこはやはり相手の評価だろうかと、からかうように言っているだけで。

エインヘリヤル > 「どうせ最悪か、風紀と公安以外に面倒が一つ増えた程度でしょう
 興味もないわ?」

特に連中に役立つようなことをした覚えもない。
とりあえずはファミリアを使い、徐々に把握して絞っていくだけでいいし。
あとは適宜、現場の確認程度で構わない。

どうせ、いい噂など出るはずもない。
そういうことしかしていない。

そして、すまし顔をするでもなく、ナチュラルに微笑しつつ。
パンケーキを切り分け、優雅に食べ進めるが。

「……コレは、当たりね」

突然、真剣な顔で言い放つ。

「一つ間違えば重くなりそうなパンケーキに、爽やかなミントの色合いと香り。
 甘さは別添のチョコレートソースを好みで調整しつつ、見た目的にもアクセントを」

どう見てもスイーツマニアだった。

神鳴 壬 > 「それと泣かせたいとか、エインたんハァハァとかもあるぞ。意外と人気だな?」

役立つような事はしていないが目立つ外見である以上、変な趣味を持ってる奴らから目をつけられるのも当たり前で。
からかうついでに相手の言葉に付け加えておいてやる。

「なんか、スイーツ好きなんだな。」

何か思惑があって来たんだと思っていたのだが、スイーツを食べている姿をみてしまえばそれがなんとなくの杞憂だったようにも思えて。

少し張り詰めていた空気が抜けて肩から力を抜いてしまえば挑発的な態度も収めて自分のパンケーキを口に放り込んで。

「うん、美味い。やっぱネットの評価4.0以上なだけはあるな。」

こちらもスイーツは嫌いではないのだ、今は味を楽しむことにして。

エインヘリヤル > 「まあそれもお約束ね。どちらも当然すぎて」

良くも悪くも目立つのは便利でもある。
放っておいても知ってもらいやすい以上、いい宣伝にもなる。

とはいえ、年頃の娘が平然とそれを流すというのは、当然ながらだいぶ自信家でもあるように見えるが。

「ええまあ。甘いものは世界を幸せにするから、こんなに広まるわけでしょう?」

確かにスイーツが好きでもなければ、視察か何かだとしたところでこんなものを食べないだろうというのはあるけれども。

「……で。なにか後ろめたいようなことでもあるの?
 顔に出てたわよ」

世間話になりかけたところで、サラッと不意打ちした。

神鳴 壬 > 「意外と気にしてないんだな。」

こういった情報は良くも悪くも気持ち悪がられるものだと思っていたのだが、さも平然に流す相手の自信に少し拍子抜けする。

とはいえ、スイーツを食べているだけならばかわいいものだと毒気も抜かれ始めているのも確かで、油断していた矢先。

「……後ろめたいこと?さ、さぁな。こんな所を拠点にしているんだ、後ろめたい事なんていっぱいある。」

食べようとしていたフォークの手が一瞬ピタリと止まる。
鋭く切り込むように投げられた言葉に少し吃ってしまう。
とはいえ、相手は風紀でも無ければ公安でも無いことはわかっている。
いるはずなのだが、えも言われぬ不安感が胸を過る。

こういうのは良くないと、感が告げているが不自然に逃げ出して余計に不審に思われて厄介だと、最もらしい言葉を並べて言い訳をし。

エインヘリヤル > 「意外もなにも、その程度は察しなさいな。
 そんなもの気にするようなら、わざわざこの格好で出歩いたりしないでしょう?」

見せつけて威圧するように歩いているのに何を今更。
それとも、か弱く見られていたのかしら。ふふ、小賢しい。
……髪をすこしかき上げて直し。

試すなら丁度いいかもしれない。

「……色々聞き出したかったんでしょう?
 それとも値踏み?

 どちらでも構わないわ。ほしいのは何? 情報? 力?
 もし、私の必要そうな人間なら融通してあげてもいいし、そうでなければ」

誘うでもなく見下すでもなく、興味をなくしたような態度で。

「地面の苦さを知ってもらうことになるかもね?」

そのときは、挑発というより侮蔑以下のそういう「なかったものとして扱う」と。
ハッキリそういった。

神鳴 壬 > 「確かに…、それもそうか。」

態度からしてもそうだろうな、と結論付ける。
そういうことを気にするタイプでないのはわかっていたことでこちらがこれ以上とやかく言うものでもないのだろう。

「なんだよ…。雑談くらい、もうちょっと和やかに話そう、ぜっ!」

相手の目を知っている。
こういう相手には話した所で意味が無いことを本能的に察するくらいの危機感はある。

壬はただの一般人だ。ちょっと異能が使えるからと持ち上げられて学園に入学する事の出来たただの一般人で、少しだけ要領が良く、これまで運良く生き永らえて来ただけの一般人。
そんなただの人間が侮蔑されるでもなく挑発されるでもなく、こちらをただモノとして見る目に堪えられるはずもなく。
結果として彼が選ぶのは最悪の選択だろう。卓に付き続ける勇気も根性もない彼は相手との力量差など考えも及ばず、目くらましに閃光を放つと同時にテーブルを彼女へと向かってひっくり返し、この場から一秒でも早く逃げ出したい一心に駆られて、一番近い路地に向かい逃走しようと走り出す。