2020/07/01 のログ
伊都波 凛霞 >  
わからないことは悪いことじゃない
その間にやってしまったことは…償いもできるし、取り戻すこともきっとできる
悪いことよりも、まずは前向きに───

「異邦人の人はたまに見るけど…勇者様ははじめてだなー…」

他の二人の風紀委員と共に、宙に光の翼を広げて飛びだつ少年を見上げて…ややその光景は神々しくも見えた

「うん、それじゃあそっちのビルに逃げ遅れてる人がいないか探してもらって──」

───……そんなこんなで、保全作業が終わる頃

「…それじゃ、ほんとは一緒に連れて行かなきゃいけないんだけど…私、今回は君のことは見なかったことにする」

僅かな時間の人払い
伝えることは、現行犯で強制連行はしない、ということ
──もちろんそれは、犠牲者が出ている以上はバレたら怒られることだけど……

「一つだけ。この世界の人は悪だと思えてもそこから立ち直ることができることがある。それだけ、覚えておいて。
 それでもっとたくさん、知りたいことがあったら…学園を訪ねてみて。
 異邦人は君だけじゃなくて、たくさんいるから…教えてくれる人は私以外にも、きっとたくさんいるから」

そう言葉を残して、お手伝いありがとうね、と言葉を残して踵を返す
そのまま、呼び止められたりしなければ一度の別れ、となるだろう──

アルン=マコーク > 三人の風紀委員の指示に従って、アルンは素早く飛んで回った。
瓦礫を撤去する際の僅かな切り傷、疲労の溜まった四肢、そういう些細な不都合を、神聖治癒魔法で強引に握りつぶして。
そして、仮の作業としては及第点、といったところで告げられた言葉に、目を丸くした。

『見なかったことにする』。
それはアルンが信を置いていない『法』による裁定を保留する、ということなのだろう。

「……ありがとう。異なる勇者」

それはアルンが、少女が『悪』であるかどうかを保留したように。
与えて、受け取る。受け取れば、与える。
『アシェを分かち合う』とはつまるところそういうことなのだが……
目の前の少女は、それを理解してくれていたのだろうか?
アルンは小さく頭を振って、それから三人の風紀委員に改めて向き直った。

「あなた達の信を裏切らないよう、善処する。学園に行けるかどうかは、研究室の許可を取ってみよう。こちらの世界に置ける『悪』についても……学ぶことにするよ」

そうして、何度目になるだろうか、深々と頭を下げた。

「多くを教えてくれて本当にありがとう。助かったよ」

それから少年は、今思い出したとばかりに辺りを見回し、ぼろぼろになったちりとりを拾い上げ、小さくため息をついた。
今日は掃除する場所を増やしてしまったな。

「それでは、よい夜を」

そして振り返ることなく、学生寮の方角へと立ち去っていった。

ご案内:「落第街大通り」から伊都波 凛霞さんが去りました。
ご案内:「落第街大通り」からアルン=マコークさんが去りました。
ご案内:「落第街大通り」にメアさんが現れました。
メア > 「ふんふんふーん」
ステップ、スキップ、一回転。
陽気に踊りながら大通りを進むヒトガタ。
豪奢なドレスは街には似合わず…浮いたそれが、まるで舞台に立つ一人であるかのように、注目を集めている。

ご案内:「落第街大通り」に赤坂桜子さんが現れました。
ご案内:「落第街大通り」から赤坂桜子さんが去りました。
メア > 「?」
誰かが、来たような気がして、後ろを振り向く。

誰もいない。

メア > 「……♪~」
気の所為だったことにして、また鼻歌を歌いながら、踊るように通りを通っていく。
時折、店に顔を覗かせて、適当に買い物をしながら。

メア > 「♪~」
寄る店はいつもなにかしらおまけをつけてくれる。
それで気をよくしてこっちも少しだけサービスしてあげる。

もらった分は返してあげる。

メア > 「んー、なにか刺激的なことないかしら」
まるで、刺そうかのように、踊りながら、呟く。

メア > 「んー、そろそろ帰りましょうかね」
そのまま、大通りを抜けて。
歓楽街の自分の住処へ帰っていく。

ご案内:「落第街大通り」からメアさんが去りました。