2020/08/23 のログ
■アールズアーズアース >
「……わたしは、その。
ニンゲンって、どうしたらなれるんだろうなあって。
【友達】にも、すごく憧れてたんですよ。
だから、その友達が、私のことを見てないまま、友達であることだけしか見てないって知ったとき。
浮かれてたのは私だけで、見捨てられた気がしてたんです」
けれど、童男がニンゲンでいながらニンゲンでいられないと知ってしまえば、それも仕方ないと思う。
単に、ニンゲンをそれなりに研究している私よりも【友達】ということについて知らないだけなので。
代わりに、ヒーローという「ニンゲンに必要とされる存在」にすがることで、ニンゲンになろうとしている。
逆に言えば、それしかアプローチをもってない。
だから。
私に対しても、ヒーローになりたかっただけなのだ。
ただ、それを友達であることより、ヒーローを優先してしまっただけ。
「だから、これからは……ヒーローよりも友達でいてくださいね?」
笑顔で言った。
必要なのはきっと、誰かに必要とされることじだと思ったので。
■持流 童男 > 「うん・・・・うん・・・・」
両手を握って、かしずくように涙を流して
了承する。
あったかい、すっごい。あったかい
「あった、かいなぁ。」
思わず口に出てしまっていた。
「僕は・・・君の・・・友達・・で・・い・るよ」
初めてアールさんに弱い自分を見せる。
それでも笑顔で素直に笑ってから、アールさんに笑う。
顔は涙とよだれでぐちゃぐちゃだ。それでも
笑って見せた
■アールズアーズアース >
「そう言われると、照れます……」
あったかいというより、温度が合うようにしているので。
……そういうことではないとわかってはいるのだけれど。
それでも、少しだけニンゲンに近づけた気がするのは、嬉しい。
「……はい、ぜひ!」
この、ヒーローでない姿の童男さん。
きっと。
コレが、私にとっての自分の元の姿みたいなもの。
そうわかってしまえば、お互いどうしていいかわからなかったのは必然だったのだ。
■持流 童男 > 「じゃ、じゃあ、アール殿。せっかくだ・・し・・友達・・らしいことしないかでござる・・」
泣きながらぐちゃぐちゃになりながらも
それでも笑いながら
「・・・今、バッグ持ってないか・・ら。また後・・日になるけど・・・花火や、・・夏らしいことをしたいで・・ござる」
そう持ち掛けた。
「友・・達らしいこと・・したいで・・ござる」
■アールズアーズアース > 「しましょう!」
即答した。
「ただ、その……ええと」
言いにくいけど、言うしかない。
だから、しどろもどろになりながら、言った。
「この姿なんですが……じつはかなり無理してるので。
まだ……3時間しか持たないんです。
だから……あまり遠くにはいけないんです……」
ニンゲンじゃないと、そう宣言するのは、つらい。
でも、さらけ出してくれたら……私も言うしかない
■持流 童男 > アールさんにぐちゃぐちゃになりながら笑って
「・・・うおお、そ、それならば、花火は、ここでしようでござる。アール殿のその姿が・・・3時間以上になったならば、
もっといっぱいいろんなところに・・いっぱい行こうでござる。」
そう言ってから
「・・・お主と・・いろんなところに行けるの・・すごく楽しみにするでござるよ。・・だから、それまでは・・ゲームとかいろんな娯楽で一緒にあそぼ?」
そう、少しだけ弱弱しく言いながらも
■アールズアーズアース >
「はい……ニンゲンらしいこと、たくさんしたいです」
正直なところ、誰かとニンゲンらしいことをしたことは、ない。
だってつい最近まで、話をするのもなかなか難しかったのだから。
かなり無茶してるとはあまり言いたくはないのだが、言わないわけにもいかない。
師匠にも言われた通り、コレが普通にならないといけないので。
何事も日常にしていかないと。
魔力の糸で縫えるようになれば、もう少し楽にはなるかもしれない。
「ええ……これからは一人じゃ、ないんですね……!」
■持流 童男 > 「うん!!!!」
そういって泣き顔からやっと、いい笑顔になってから
時間を見る、もう深夜だ。
そろそろ帰らないと、うちの子も心配だ。
「・・・アール殿、某そろそろお暇させていただくでござるよ。
またスラムか落第街で見かけたらまた遊びにいくでござるから。
絶対に!・・こう、廃ビルとかでゲームしようでござろ?」
そう友達に話しかけるように言ってから
「おぬしと遊べるの、花火できるのすっごい楽しみでござるよ!バッグに花火とゲーム機携帯しとくでござる!」
そういってから、かなり体に無茶してるのだろう、一緒に帰れないのはわかっているから一緒に帰ろうとは言わない。
「またな!!」
といって帰ろうとする。
ご案内:「落第街の廃ビル」から持流 童男さんが去りました。
■アールズアーズアース >
「ええ……また」
嬉しそうに微笑む。
自分にとっても、友人はだいじなので。
当然だ。
初めて、友人になったのだから。
彼を見送ったあと、彼女も闇に消えた。
ご案内:「落第街の廃ビル」からアールズアーズアースさんが去りました。
ご案内:「落第街大通り」に園刃 華霧さんが現れました。
■園刃 華霧 >
さて、最近りおちーがやられたりだとか風紀の方もちょっとした事件があって。
其の割に、逆にこっちをしっかり荒らし回っているヤツがいるという。
其の名も――
「『黒い灰被り姫』……一体、なにリンなんダろな?」
けら、と笑う。
なんとなれば、自分が昔を思い出して……とも思わないでもなかったが。
どうやら他に頑張っている人間が居るとすれば、自分の仕事はそこじゃない。
……正直、一度はやけっぱちになって暴れる選択肢もなくはなかった。
けれど、それは今のことも考えたらちょっと気が引けた。
だから
「よ、おヒさ。確か、ン―……アレ、おまえ。
よかッタなー、なンか急に違反部活のヤつがぶっ倒さレたロ?
これデ、迷いなく正規上がり、でキるンじゃネ」
そう、声をかけていくことだ。
昔なつかし、今までと同じ仕事。
"ドブさらい"
ご案内:「落第街大通り」に修世 光奈さんが現れました。
■男 > 「……そりゃ、なれるなら……うまい具合に、連中も黙らされたし、な。」
男は戸惑いながらも言葉をつなぐ。
「……なあ、例のアレ。『黒い灰被り姫』ってアンタなのか?」
■園刃 華霧 >
「え? 『黒い灰被り姫』?
まッサか! アタシなわけナいでしょ!
そーンな、ヤばそーナやつに見えル?」
けらけらと笑う。
もちろん自分の仕業なわけがない。
この調子だとシンデレラ様はご自分の正体をお隠しあそばされているようだし、
まあ色々と秘密のほうが都合のいいこともあるだろう。
だから、笑って笑い飛ばしておく。
「ま、さテおき。
あったリ前だけド、書類とかいるシ。
他にも……オマエさんが殺人とか、シてないコトが条件だヨ?」
わかってる?と、改めて相手を見る。
■男 > 「あ、当たり前だ! そりゃ……奴らの片棒担いで、悪いことはしたさ。
それでも……!人を手に掛ける、なんて恐ろしいこと、出来るわけ……ないだろ……」
男はなんとも言えない表情で訴える。
■園刃 華霧 >
「ひひ、そりゃソーだ。それガまっとーッテもんダよな!
そレが良い。それデいいッテもンだ。」
へらっと笑う。
偽造でも、一応学生は学生。
本当であれば、こんなところに住まないでもいい可能性はある。
けれど、やはり偽造は偽造。
それを作った違反部活にこき使われて、結局こんなところに済むハメに、とな。
まあ典型的な二級学生ってやつだ。
さんざん目にしてきているから知っている。
こういうのは、ずっと奪われ続けて生きてきてるんだよな……
「で、書類は? 書くノ? 書かナいの?」
まあアタシが書いたっていいんだけど。
そこまでしてやる気はない。
■男 > 「も、もちろん書くさ! 書かせてくれ!!」
慌てて男は答える。
必死の顔で。
■園刃 華霧 >
「よーシ、いい『選択』ダ。
オマエは、それヲ自分で『選ん』だ。
いーカ、それ忘れンな?」
相手の目を睨めつけるように見る。
負け犬をすくい上げるつもりはない。
「正規学生になルってのは? 書類を書イて、はいオシマイ!
じゃ、ナいかンな? むシろそっかラだかンな。
しっかリやれヨ! やンなかったラ、アタシが此処に連れ返してヤっかラな」
ニタリ、と笑ってみせた。
ご案内:「落第街大通り」に羽月 柊さんが現れました。
■男 > 「う、ぐ……わ、わかってる! 俺だって、本当だったらちゃんとやっていきたかったんだ。本気でやるよ」
男は真剣な目で少女を見返した。
■園刃 華霧 >
「ひひ、なラしっかりナ。
書類はコイツ。これ、書いてナ。
風紀委員本庁まデもってケ。アタシの名前、出しテおけバ。
まー、なンとかなルでしょ。
ダメだったら……アー……山本英治、とか言っテおけバなんとかナる」
へら、と笑って答える。
……一回謹慎をやらかしてるけれど大丈夫だよね?
いや、うん。今までこれずっとやってきたし、平気平気。
……平気、だよね。
と思ったので一人犠牲になってもらう。
……退院してなかったら笑うな?
「んじゃ、まタな。
今度は向こウで……いヤ。会わン方が幸せカ。
ま、上手くヤれよ。」
そう言って、手を振って……
■羽月 柊 >
カツン、と、音が鳴った。
「……………。」
落第街。
かつて、出逢った場所で。
かつて、対峙した場所で。
かつて、会話した場所で。
白を二匹連れた男は、再び、名も知らぬ彼女の所に。
…知り合いの名前が聞こえた気がした。
いいや、それよりも、何よりも、聞いた覚えのある声だ。
己が走る要因を作った声だ。
やっていることそのものがあっけに取られたのもあるが、
なんといえば良いのか言葉を一瞬忘れてしまった。
余りにも、互いに変わったことが多すぎて。
■園刃 華霧 >
「……ン」
音がする。
人一倍、気配や音には敏感だ。
特に此処に居る時は、研ぎ澄まされる。
これは獣の警戒心と似たようなもので……
身に染み付いたものだ。
「誰……」
誰だ、と言いかけて
見覚えのある顔を見つける。
あの時に会った名も知らぬ男。
其の時には欠片も気に留めてはいなかった、が。
「……」
奇妙な邂逅。
しかし、何と言葉をかけていいか。
ひさしぶり? いや、違う。
誰だ? 間違ってはいないが何か間が抜ける。
なにしにきた? それも違うだろう。
「……よォ」
結局、なんだか微妙な言葉が口から出た。
■羽月 柊 >
「………あぁ。」
互いになんと声をかけるべきか迷った。
口元に指を宛がい、思案した結果、出て来たのはそうだった。
久しぶりという程に時間は経っていないのかもしれないのだが…。
男はそのまま、仮面に手をかけて外す。
以前には外さなかった仮面を。晒すことの無かった顔を。
そこにあったのは、仮面越しに見えていた桃眼と、歳を重ねた顔。
右耳に光る金色のピアス。
「さて、そうだな………。」
頭の中で言葉を転がして、口から出てきたのは。
『おかえり』
生きる側へ、戻って来た。
だから迎えよう、僅かばかりの熱を取り戻した男はそう紡ぐ。
「君は…"こちら側"に戻って来たんだな。」
■園刃 華霧 >
正直、あの時は自分もだいぶ尖っていたし
あまりいい会話をした記憶もない。
喧嘩腰なことになるかとも思ったが
「おヤ、今日は素顔の公開ショー?
どンな気まグれ……」
突然のことで、思わず戸惑いつつも
へらりと笑って……
「……」
あまり良く知った仲ではない。
さらには、平行線だ、口を出すな、と言わんばかりの対応をした相手。
其の口から出た、祝福。
「そりゃ、マた……どうイう風の吹き回シ?」
■羽月 柊 >
一度は決裂し、失敗した間柄だった。
落第街ということもあり、
すぐにでも仮面を着け直せるようにはしている。
以前の時は自分も冷えた目で相手を見ていた。
だから今日、相手が生きている事そのものに
相手がやっていることに驚いた訳で。
「いいや、なに、
その調子なら、無理にデバイスを壊されたという訳でもないのだろう。
『どういう風の吹き回し』かはこちらが聞きたいぐらいではあるが、
ひとまず、君は"命が惜しくなった"のだなとな。」
だから言うのだ。おかえりと。
祝福という訳ではない。
むしろこれから歩くのは祝いよりも呪いなのかもしれない。
■園刃 華霧 >
「ああ、そウいう?
アンタにとッテは、皮肉りタくもナるかイ?
惨めに生き恥サらしに戻って来たカって。」
相手の口調からすれば、そういうことではない、のはよく分かる。
分かってはいるが、それでも憎まれ口の一つも叩きたくなる。
まだ測りかねているのだから。
「ま、アタシの場合は……"命が惜しい"ってより。
"命"より"大事"な、別のモンが見つカったってトコだけドな。
生き恥サらしテんのハ、変わらンね。」
今でも、必要とあれば命を賭すことは変わらないだろう。
ただ、それよりも大事ななにか、がある。
たったそれだけのことだ。
■羽月 柊 >
「さぁ、皮肉に聞こえたか?
……いかんな。全く。
売り言葉に買い言葉をする気は無いんだがな。」
教師になったというのに、
制服を着ているような相手にこんな態度を取るモノじゃない。
ふう、と息を一つ吐いて。
「…そうか、なら随分良かったじゃあないか。
少なくとも、あの時君に問うた俺よりも、生きる事に意義を見出せている。
俺ではまず叶わなかった君を止める理由が、
その大事なモノにはあったんだろう。
……3人か。
全て落ちるかと思っていたが、存外多く残ってくれた。」
『トゥルーバイツ』に出逢ってから更に二転三転をし、男はここにいる。
僅かでも見知った顔が命を選択したことに、安堵せざるを得ない。
それ以上に取りこぼした彼らは多いモノではあるのだが。
■園刃 華霧 >
「ふ、ん?」
憎まれ口、皮肉、からかい。
此の手のものに対する相手の態度というのは、わかりやすいことが多い。
今回は……
「そウいうアンタは……あの時と、違うノかい?」
おそらく、違うのだろう。
そうでなければ、こんな会話は成立するはずもない。
なにしろ
「三人……ね。
わザわざ、走って回ったノ?
アレからタイムリミットまで、随分短かったハズだケど。」
なんとなく、言葉の端から意味を察して面白そうに相手を眺める。
此の男は、どうやらあの邂逅からトゥルーバイツの連中を救いに走ったようだ。
あのときの会話を考えれば、ありえない話。
「それコそ、『どういう風の吹き回し』、だゾ?」
■羽月 柊 >
「…まぁ、君が変わったようにこちらもな。色々あった。
風紀委員に出村の死体やらを届けようとすれば、
君らを"違反部活"と切り捨てを喰らったりな。
とはいえ、"友人"が背を押してくれなければ…あんな僅かな時間で"今更"と、
走って回ることはなかったのだろうな。」
あの時の男には華霧たちを止めるような熱意はなかったはずだ。
そんな『願い』を持つことは出来なかったはずだ。
だからさっさと舞台を降りるはずだった……本来ならば。
走り出したことに後悔はしていないが、
何故それが出来たかというのは、今でも疑問でならない。
それでもと走った男の物語が、そこにあって、
今再び、華霧と出逢った頃の男とは全く違う姿をして立っている。
「一歩どこかで道が違っていても、
この場に『教師』となった俺は居なかったのかもしれん。
俺が知り合った顔で残った『トゥルーバイツ』は三人。
一人は君。一人は日ノ岡あかね。
最後の一人は、葛木一郎。彼は…俺の手で拾い上げた。」
■園刃 華霧 >
「へェ……?」
面白そうに話を聞いた。
紆余曲折、色々あったにしても……つまり、それは
「つマり。アンタは、『願い』を持って。
それヲ『選択』シたわけ、ダ?
はハ。そイつは……」
『おめでとう』
トゥルーバイツが目指したもの。
それはただ、真理を求めただけではない。
己の真実を選び取る……それだ。
だから、称賛と祝福を贈ろう。
トゥルーバイツの一員として。
「で。『教師』、なノ?
そりゃマた、突拍子もナ……く、もナいの、カ?
人を『導く』のガ、アンタの『願い』?」
なんとなく……思ったことを無遠慮に聞いてみた。
■羽月 柊 >
「……君におめでとうを言われるとは。」
全くもって、それこそ、祝福だ。
「…随分と他人に関心を持つようになったのだな、君も。」
空っぽだと言っていた。
互いに理解が出来なかった。
それが今はどうだ、互いに祝福の言葉を贈ることになるなんて。
本当に、本当に…人生とは何があるか分からない。
「君が葛木を知るかは分からんが、俺と良く似ていた。
彼を通して己を見た。そこに、『願い』を見た。
…だからかは分からん。
命すら捨て兼ねない状況で、約束をしてしまった。
彼の物語に己が登場すると宣言してしまった。」
それは間違いなく転機。
男が『選択』をしたという事実。
華霧の言葉にゆるゆると首を横に振る。
その後に向けられた瞳に宿る桜は、凛と咲き誇る。
「…『導く』? いいや、そんな大それたことは俺には出来はせんさ。
俺に出来るのは、『共に歩む』ことだ。
友人が……ヨキが同僚にと言ってくれたのも大きいがな。」
■園刃 華霧 >
「ドっちかっテーと、コッチがホントのアタシさ。
あンときは、だいぶオかしかッタからネ。」
恥ずかしながらのお話だ。
あの時期の自分は、間違いなく本気だったし間違いなく正気ではあった。
けれども、狂気でもあった。
だから、普段とは何処か、歯車の狂ったことをしていた。
……焦っていたのだろう、という気もする。
「葛木……まあ、アタシだってさ。ご覧のように風紀委員サ。
流石に知ってル。だいぶクソ真面目を拗ラせ…… あァ」
そこで目の前の男の顔をまじまじと眺め、
なんだかすごく納得した顔をした。
ある意味とても失礼な納得の仕方であった。
「なるほど、ひひ。
その『約束』も。まア、真面目ダね。
そうイうの、嫌いじゃないヨ。」
けらけらと、面白そうに笑う。
『物語』、か。あかねちんも好物そうな話だ。
できれば語って聞かせてあげたいくらい。
「……で、アー……
そこデ、ヨッキー、ナのな。
ハー……あのセンセ、トゥルーバイツどこロか
別のトコにまデ、手を出しテたのナー。
ホント、お忙しいコって」
何を思ったのか、いつもの生意気な笑顔はなく実に楽しそうに笑っていた。
■羽月 柊 >
「なんだ。そんなに見て。
三十路の人間の顔を見ても楽しいことはあるまい。」
よくよく真面目だの善人だのと言われるのだが、
この男はそうそうそれを受け入れようとはしない。
「……あの時は俺も過去を思い出して動転していた。
互いに言葉で斬り合っていたのかもしれん。
全くもって対話には程遠い……平行線だったが、それでも、
俺を、羽月 柊(はづき しゅう)を君は動かした。
それには…感謝しているよ。」
漸く男の名前が告げられた。
柊、ヒイラギの花言葉は『保護』『用心深さ』『先見の明』
または、魔除けとして扱われる。
「…ヨキの教え子か。
彼自身も個人で『トゥルーバイツ』の面々と接触を繰り返していたな。
君もそうした彼に逢ったという訳か。
……妙に共通の知人が多いな。
先ほど山本英治というのも聞こえた気がしたが。」
■園刃 華霧 >
「ァ―……ま、あの時は……うん、だいぶヒねてたケど。
アンタ……や。はづっちを動かセてタんなら、マ。
悪くはなカったンかナ。」
そうか、とやや満足気にする。
失敗だらけの選択の中でも、まだ何かができていたのなら
それは嬉しいことだ。
それはそれとして、勝手に渾名は着けていく。
「っと。名乗らレて答えナいのもアレだネ。
アタシは園刃 華霧(そのば かぎり)。
ま、いちお風紀委員シてる。」
貰った分はとりあえず、返しておく。
それは大事なことだ。
「ヨッキー、駆け回ってタかンな……
『ヨキがついている』とか言って、サー。
ったく、ホント敵わないワ、アレ……」
わざわざ声を低くして、それっぽく口にした。
知っているものなら、なんとなく通じるところもあるだろう。
「……ん。何、エイジとも知りアいなノ?
そりゃ……アー、まあ風紀委員だシ、アイツも。
知っテるのハまあ、当然ってイうか……」
まさか、向こうから其の人物の名が飛び出るとは思わなかった。
同じ風紀なのも間違いないが、トゥルーバイツの時からこっち、だいぶ"色々と"縁のある男ではある。
まあ、そこまで話す義理は流石に、ない