2020/08/25 のログ
■池垣 あくる > 「だって、不満なんですもの……」
ぷっくー。
あくるは情操教育が不足しているところがあり、子供っぽいところがある。
割と率直にこういうムーブをしているのである。肢体は寧ろ成長しすぎているのだが。
そうやってむくれていたが、その後の提案には、目を見開く。
「ええと……そのぉ……いいんでしょうか?」
実際、楽しそうだ。魅力的でもある。合法的に『出稽古』が出来るというのも、強者と戦えるというのも。
しかし、自覚はある。自分は前科持ちだ。快く思わない者もいるだろう。
「蛮勇は転がして、ツワモノとは楽しませていただく……私の場合は、そうなるでしょうけれど。魅力的、です。とぉっても。でも……」
いいのだろうか、という疑問で首を傾げる。
■神代理央 >
「……その不満を、もう少し他の趣味で発散させて欲しいものだが」
部活とか、スポーツとか、何でも。
まあ、違法な事をしなければ何でも良いのだが。
少女の容姿なら、さぞ男子生徒の気を引くだろうから、良い出会いを探しても良いのかなとは思う。ライバルは槍になるんだろうか。
「…興味が、あるかね?」
拒絶の言葉は出てこなかった。
立ち止まり、彼女に視線を向ける。それは、彼女の反応を探りながら、その決意を見図る様に、じっと。
「……風紀委員を襲った事を危惧しているのなら、それこそそれが理由になる。被害届は出ていないとはいえ、罪は罪。それを自覚したからこそ、風紀委員会において罪を償い、社会に奉仕する。
――という、カバーストーリーくらいは、私が用立ててやるさ。勧誘したのは私だ。面倒は、見てやるとも」
その気があれば、だが。と付け加えて、柔らかく微笑んだ。
勿論、強制はしない。此処で彼女が断っても、別に逮捕だの連行だのする訳でもない。
ただ、彼女にその気があれば――その手を引いてやるくらいは、してやろうと。
■池垣 あくる > 「生憎、趣味がこれしかありませんので……」
むすー。槍以上に楽しいものなんてない。だから、槍に全てを捧げたのだ。
しかし。
「興味は、あります。もし叶うなら、それはきっと、私に『合って』いますから」
言いながら理央を見る目は真剣であり、それ故に一つ注釈を入れる。
「――でも私、じゃじゃ馬ですので。ええ、優等生ではございませんもの。ちゃんと手綱を握ってくださいましね?そうでないと、ふとした時、縛りから飛び出てしまいそう」
それは、つまりは『受諾』。
もし叶うというのならば……その槍を、風紀として振るうこと、やぶさかではないという表明だ。
■神代理央 >
「…構わぬさ。鋼鉄の異形を操る私が、今更貴様――いや、池垣の手綱を握れぬと思うのかね?」
少女が告げた受諾の言葉を、静かに頷いて聞き入れながら。
『貴様』と呼ぶ槍使いの問題児は、未来の同僚へ。名前を呼ぶに相応しい少女へと、変貌したのだ。
「詳細な事務処理は本庁に戻ってからになるが…歓迎しよう、池垣あくる。
その力、その槍。それは此れから、人々を守る為に振るうが良い。そして、その為に槍を振るう事を、風紀委員会は咎めない。
法を犯す強者を。人々を脅かす者達を。正義の名を借りたその槍で、天下無双を目指して薙ぎ払うが良いさ」
クスリ、と笑みを浮かべて。
受諾の意志を示した彼女に右手を差し出す。
握手を求める為に、差し出された右手。
■池垣 あくる > 「あらあら、ならばじゃじゃ馬らしく精一杯暴れてごらんに入れましょう。きっと手綱、握りこなしてくださるのでしょうから」
ニコ、と。穏やかな笑みを浮かべ、差し出された手を取る。
そして。
「――霜月四神槍が一、霜月一天流池垣あくる。風紀の槍となりましょう。
ふふ、ふふふ。なんでしょう、なんだかとっても、嬉しいです。よろしくお願いしますね?」
言って、ぱっと、そのまま抱き着こうとする。
情操教育レベルが小学生未満なので、感じた喜びの表現、発露がそのような形で出たのである。
■神代理央 >
「任せておけ。とはいえ、私を含め、先輩諸氏は厳しいぞ?精々気張って、ついて来ることだな」
まあ、優しい委員の方が多いだろうが、其処はこう、敢えて厳しめに。
気を引き締めて欲しいなあ、という先輩心。
「…やりがいを感じて貰えているなら、私も嬉しく思――っと、と」
握手を求めたら抱き着かれました。取り敢えず、其の侭受け止める。己も存外華奢な類なので、態勢を崩さなかっただけ褒めて欲しい。誰にとは言わないが。
「……あのな、池垣。むやみやたらに異性に抱き着くものじゃない。そういうのは、こう。色々と誤解を招きかねない行為である事を自覚して欲しいんだが」
最初からやたらと距離感が近い少女だとは思っていたが、同僚になるのならきちんと注意しておくべきだろう。
ぽんぽん、と背中をあやす様に撫でた後、よいしょ、と少女から身を話してちょっとお説教めいた小言。
■池垣 あくる > 「大丈夫です。ええ、そこそこ強い自信はありますから」
そうじゃねぇ、というツッコミを誘発しかねないが、まだまだ武狂いである。
精神性はまだ幼女のそれなのだ。
「えー……せっかく嬉しくて、衝動的に出た行動ですのに……」
その大きな胸の前で指をツンツンしつつ、ぷくーっと頬を膨らませる。
本気で、その観念……異性どうこうに関しての知識も認識も足りていないのだ。
「強い弱いは興味ありますけど、別に男の人女の人なんて、どうでもいいですし……むー」
■神代理央 >
「報告書を見る限り、お前の戦闘能力に疑問を挟む余地は無い。とはいえ、不安が無いとも言わない。
より強く、より多くの人を救える様に、鍛錬に励み、実戦に挑むと良い」
まだ、少女の精神性に気付いていないが故に。
うんうんと頷きながら、先輩風を吹かして言葉を紡いでいたが――
「……うん、うん?…何というか、お前は、その。男女の差異というか、異性に対する知識や意識が随分と低い…様な気がするが…」
そして、此処で少女の精神性が幼女に近いものである可能性に思い至る。
微妙に嫌な予感を抱えながら、それでも一縷の望みを抱いて。
取り敢えず、小学校高等教育レベルの保健体育くらいは履修しているだろうと信じて。恐る恐る、尋ねて、みた。
■池垣 あくる > 「ええ、より強くなりましょう。そのために入るのでもありますし」
頷き、ぎゅ、と槍を握る。
だがそのあとの言葉には首を傾げて。
「だって、どうでもいいじゃありませんか。私は、槍さえ極められれば良いのです。それでいいのか、という悩みを最近得ましたけれど……ずっとそうしてきましたし。そんなことを考える暇があれば、槍を扱くのに時間を使っていましたし……」
ちょっと唇を尖らせて抗議する。
咎められたように感じたようだ。
■神代理央 >
「いやまあ…強さを求める事は間違いでは無いんだが……。
……念の為、念の為に聞きたい。不快に思ったら謝罪する。
その、男女が子を成す為にはどうするのかくらいは、知っている、よな?」
寧ろ、知っていて欲しい。
知っていたうえで、その発言はセクハラだと責めて欲しい。
もしかして情操教育から必要なんだろうかという悩みの種を芽吹かせながら、深い溜息を吐き出した後、首を傾げて少女に尋ねるだろうか。
■池垣 あくる > 「コウノトリさんが運んでくるのでしょう?」
現実は非情である。
小首を可愛らしく傾げながら、それだけを口にした。
■神代理央 >
「………………」
頭を抱えた。此れがまだ、同性だったりもう少し幼い少女であれば特段深く悩む事も無かったのだが。
何せ、身体付きはそこいらの男子生徒の目を引くに十二分過ぎる。そんな少女の所謂『保健体育』の知識がコウノトリでは、ちょっと真面目に悩んでしまう。
「……取り敢えず…風紀委員の女子から色々と学んでくれ。あと、子どもはコウノトリが運んでくる訳じゃない」
誰が適任かな…伊都波先輩かな……織機はちょっと逮捕状を請求しそうになるからダメだな。園刃は意外と面倒見が良さそうではあるが…。
――と、脳内で思案しつつ。
結構真面目かつ真剣な表情で、コウノトリは否定しておいた。
■池垣 あくる > 「えっ……そうなの、ですか……?」
今日一の目の見開きを見せてくらっとふら付く。
今まで信じ切っていたことが、根本から崩れ去る感覚。おかしいな少し前に同じようなの味わったぞ。
「では、何故お父様もお母様も、そんなことを……まさか、槍を持つ前から嫌われて……?」
泣きそうになっている。
■神代理央 >
「冷静になって考えて欲しいんだが。旧世紀でも21世紀初頭には世界人口は70億を超えたそうだ。世界中のコウノトリを集めても、70億人は瘤のは大変だと思わないか?」
まあ、これはちょっと極論だが。
先ずはコウノトリをやんわりと、やんわりと否定してはみるが。
「ああ、いや、そう言う事では無いと思う。子を成すという事はな。デリケートな教育が必要なんだ。敢えてそういう知識を成人近くなるまで教えない、という主義の家庭もあると聞く。
決して、池垣のご両親がお前を嫌っていたという訳じゃないさ。
……だから泣くな。落ち着け。その程度で泣いていては、お前の槍とて泣きたくなるだろうさ」
泣きそうな表情の少女に、小さく吐息を吐き出してツカツカと歩み寄り。ぽんぽんとその頭を撫でてあやすだろうか。
こういうのは柄じゃないんだが、と内心溜息を零しつつ。
■池垣 あくる > 「あ、あう……確かに、確かにそうです……コウノトリさんが頑張ってくださっていたのでは、ないのですね……」
ふらふら。足元が覚束ない。ここにはちゃんと地面はあるのだろうか。流砂の中ではないのだろうか。ここはどこ、わたしはだれ。
「うう……槍、槍のためなら、我慢、します……」
ぐす、と半泣きで止まりつつ、頭を撫でられる。
その様子は、完全に子供のそれだ。
■神代理央 >
寧ろ、コウノトリであって欲しかった。そうであれば、こんな悩みを抱かずに済んだのだが。
空を埋め尽くす70億のコウノトリ……やっぱり駄目だな。怪異の類だ。
「…よしよし、良い子良い子。我慢できて偉いぞ、池垣。それに、泣いてしまったらお前の可愛い顔が台無しだろう?」
「……落ち着いたら、今日は家まで送ってやるから。明日以降で構わないから、準備が出来たら風紀委員会の本庁を訪れると良い。私が居れば対応してやるし、出払っていれば私の名前を出せば、書類審査と面接くらいは直ぐに段取りしてくれる筈だから」
よしよし、と頭を撫で続けながら、子どもをあやす様に穏やかな声色で言葉を紡ぐ。
知り合いに見られたら絶対笑われるよな、とは。自覚があった。
■池垣 あくる > 「うう……はい、わかりました……ぐすっ。可愛い顔、はよくわかりませんけど……うう、ううー……」
槍を片手に持ったまま、もう片方の手で理央の袖をつまむ。
連れて行ってください、という意思表示のようだ。
「おねがい、します……帰れそうにないです……」
■神代理央 >
「…分かった。家は学生寮か?それとも何処かに借りてるのか?道案内だけは、ちゃんとしてくれよ。頼りにしてるから」
自信をつけさせる必要があるだろうか、と。家に送るだけだが頼りにしている、なんて言葉を選んで。
己の袖を掴む少女の手を拒むことなく、寧ろその手をそっと握ろうとして。
「……じゃ、帰ろうか。今日はゆっくり休め。私も悪かった。色んな話は、また今度ゆっくりしような」
――そうして、少女が拒まなければ。その手を引いて落第街から抜け出し、己の車で少女を家まで送り届けるのだろうか。
移動中の車内でも、なるべく少女を気遣って。風紀委員会の強者の話や、是迄の活動記録などを、読み聞かせするかの様に語って聞かせたのだろう。
■池垣 あくる > 「学生寮です……普段は普通に学生、してますから……」
すん、すん、と軽くすすり泣きながら、しがみつくようにして送り届けられるであろう。
帰りしなに話を聞いている姿は、絵本の読み聞かせを聞く子供のようであった。
ご案内:「落第街大通り」から池垣 あくるさんが去りました。
ご案内:「落第街大通り」から神代理央さんが去りました。