2021/01/16 のログ
ご案内:「落第街大通り」に冬城 レイさんが現れました。
冬城 レイ > 街灯に加えて、店看板が立ち並び、良かれ悪かれ賑わいを見せる場所。落第街とでも呼ばれていたか。
とある店内の、胡散臭い年老いた老人の話を黙々と聞いていたかと思えば、話が終わったのか、頭を下げた後に裏の倉庫へ、そこから一部の道具を取り出した。

「さあ、お前達。出てくるんだ」

軽い呼びかけに応じて、突如出現した魔法陣から現れたのは、小型の魔物であるイエティであった。

「今日、君たちを呼んだのは他でもない。私の片腕として、今日はボロ雑巾になるまで働いてもらうよ。」

そう簡潔に伝えれば、ぽいぽいと道具を彼等に投げ渡していく、今日の任務は…

「それじゃあ、街を綺麗にしよう計画。行こうじゃないか」

気合いを入れるつもりで、バンダナをキツく巻いて、手元の道具、箒や塵取り、そして火バサミ等を借りて、店の外へ飛び出した。

ご案内:「落第街大通り」に雪景勇成さんが現れました。
冬城 レイ > さて、どのような経緯で彼女が態々出向いて清掃しているのか。理由は至極単純で、単発にしては破格と呼べるバイト代だからである。
学園の委員会は不正者の取り締まりに力を入れているみたいだが、当然治安に伴って街も汚れていき、此処までは中々手に回らないと言った所か。
清掃業者に依頼する…にも、危険地帯に出向く業者はごく僅か。ここに通う人手が不足しているらしい。
加えて業務時間は夜間、並の人間は益々寄り付く筈がない。

「いい?もし、私が危険な目にあったら、お前達は身体を張ってー…まあ、どうにかして。その間に、私が適当に掃除を仕上げておくから」

火バサミで潰れた缶を、タバコの吸い殻を、拾っては只管袋の中へ、中腰でゴミと格闘したまま、自身の呼び出した忠実な僕に酷な指示を送っている。
彼らを信用した落ち着いた声色、に対して下を向き隠れた表情からは不敵な笑みが溢れていた。

雪景勇成 > 上司に申請した単独任務の件は一応受理され、本日はその単独行動で”任務”を終えた帰り道。
風紀の制服、というだけで周囲から様々な負の視線で見られるが気にした様子も無く気だるそうに大通りを歩く。
既に任務は終えたので、気分的にはすっかりオフモードだ。
何だかんだ落第街はかつて暮らしていた古巣でもあるので、時々堂々と店を物色したりも…。

「………あ?」

丁度、胡散臭い顔見知りの老人が営んでいる店の前を通り掛かった辺りだろうか?
飛び出してきた小柄な少女――の格好に思わず怪訝そうな声が漏れる。
…いや、格好というか装備を見れば何を目的としているかは分かるのだが、この場所で?

(…物好きな奴も居たもんだな…。)

と、そんな事を思いながらもこのままだとぶつかりそうなので一度足を止めておこうか。

「……なんだありゃ。つーか体を張ってとかさりげなくブラック要求されてんな。」

と、彼女の指示を距離が近いから自然と聞いていたのだが、思わずぼそりとそんな独り言を漏らしてしまう。

冬城 レイ > 「そりゃ、部下が主人を守るのは当然の務めですからね。誰のお陰でメシが食えてるのかって話だよ」

大きいゴミをある程度拾ったら、ハサミで摘めない小さなビニールや紙屑は、小箒でかき集め砂利と共に別の袋へ。イエティ達も同じ手順でせっせと作業を進めている。尚、先程の命令を聞いているかは分からない模様。
そこへ、誰か男の呟きが聞こえた。塵取りにかき集めている途中なので、今は顔こそ見えないが、声色からしてどのような感情を乗せているのか、大体想像が付く。
呟いた男に対する言い分は、まるで亭主関白のよう。自身がイエティ達を使役している本体なのだから、もし偉そうと思うのならば、それで結構だと。何故なら本当に彼らより偉いから。

「おっ、…んーー?ああ、これは…。お前達、多分盾になる心配はないよ。風紀委員様だ。見守ってくれるのかい?」

さて、と腰を上げて、改めて男の方へ顔を向けた。
見慣れた服装にして、此処では非常に貴重な人材。間違いない、風紀委員だと。
ただ、今の彼女からすると、ボディガードとしか彼を見ていないみたいだが…。

雪景勇成 > 「…また珍妙っつーか風変わりな部下だな。」

召喚術の類?なのは何となく分かるのだが、詳しい事は流石に見ただけでは何とも言えない。
少女の掃除…表側では当たり前の、ここではむしろ異質な行為を無感情に眺めており。
しかし、まぁ自分がいちいち懸念を抱いても仕方あるまい。主人と部下らしいし野暮はこれ以上言うまいと決め込みつつ。

「……あ?仕事を終えた帰りなんだが。…つーか偶然通り掛かっただけだ。見守りする気はねーぞ。」

風紀委員ではあるが、この通り仕事を除けば基本的に面倒臭がりだ。
何で初対面の相手に、しかも暢気に掃除してる女の護衛じみた事をしなきゃならんのだ。

「つー訳で、他所を当たるんだな。それかさっさと掃除を切り上げた方がいい。」

そう、口にしてから少女やその”部下”達を避けるように大回りで歩いて立ち去る――筈だったのだが。

『何じゃ、覚えがある声かと思えばお偉い風紀様に鞍替えした【暴嵐】じゃったか。
相変わらずつまらん顔をしてるのぉ、小僧』

どうやら、店の主たる老人が会話に気付いて様子を見に外に出てきたらしい。
そちらを無表情で一瞥してから、「生きてたかクソ爺。早く棺桶歯入れよ」と返すも。

『どうせその態度じゃからお仕事は終わってんじゃろ?ならか弱い女子のナイト役ぐらいこなさんか。』

などと言ってくる。「うわ、面倒臭ぇ…。」と、露骨に声を漏らして爺さんと少女を交互に眺めた。

ご案内:「落第街大通り」に雪景勇成さんが現れました。
冬城 レイ > 「聞いた?【暴嵐】だって。ほら、やっぱり普通じゃないじゃん。そんな肩書き持ちが、この少女を、お前達を見捨てるんだと。やだねぇ」

その一連の会話を横でイエティ達と聞いた後に、ふっと静かに笑った。そして、口元を覆い隠しながら、そばのイエティに言い聞かせる。
わざと悲観的に伝えているが、それを聞いているイエティはノーリアクションで無表情。話を理解しているか怪しい。

「お爺さんの言う通り。風紀委員ってそれが仕事でしょ?困ってる生徒に手を差し伸べるくらい寛容じゃないと」

老人に続いて畳み掛ける彼女。
細部までは分からないが、風紀の仕事は一通り把握している上に、警備においては義務だろうと解釈している。

そう、彼女は護衛を無賃でやらせるつもりである。