2021/01/17 のログ
■雪景勇成 > (…別のルートで引き上げるべきだったな…ったく。)
爺さんに続いて少女も部下たちになにやらわざとらしく悲観的に語り掛けており。
…まぁ、連中は無表情どころかノーリアクションだ。話を理解できているのだろうか?分からん。
「――そういうのは愛想の良いお節介な連中に頼めよ。俺はさっき仕事終わったばっかなんだよ。
…あと、都合よくただ働きさせるつもりだろうが。」
無表情のまま少女に突っ込みを漏らしながら、続いて爺さんへと一瞥する。
「――爺、『情報』幾らかこっちに寄越せ。それで手は打ってやる。只で面倒見る気はねーぞ。」
『…やれやれ、風紀様が対価を要求とは泣けてくるのぉ。…望みの情報は?』
「……ここ最近のここらの情勢、特に水面下で活発な連中、あるいは――黒街とか歓楽街、落第街に接してる地域で”静かな連中”が居たら教えろ。」
『――場合によってはこちらが請求させて貰うが?』
「ああ、じゃあ特務広報部に言え。有益な情報ならうちのボスが即決で高く買い取ってくれんだろーよ。」
と、そんな会話をしてから交渉が纏まったのか、露骨に面倒臭そうに溜息を漏らしてから。
「――つー訳で、掃除するならさっさと終わらせてくれ。それまでは護衛の真似事はしてやる。」
彼女へと改めて顔を向けて肩を竦めつつそう述べようか。
■冬城 レイ > 「そんなに嫌なの? 私を通して、学園内で君の評価は上がる。君はお爺さんから情報を頂く機会を得た。私は無賃で護衛が付いた。 これはwin-winって言うんじゃないの?」
嫌々な表情をハッキリ見せた相手に、惚けた質問を交わた。
まあ、一番得しているのは間違いなく自身で、分かった上で話を振っているのだが。
「と言うか、この清掃業務って、本来は君達風紀委員の仕事だったりしないの? だとしたら、実は私達は煙たがられるより、寧ろ感謝される立ち位置じゃないかな?」
まるで、彼を便利屋の如く扱おうとし、更には揚げ足まで取って、逆に労って貰おうと彼女は考え始めて。
「はい。と言うわけで、労働力を増やします。お前達はあるだけ掃除用具を準備して。 そして…」
今いるイエティ達に、倉庫に向かうように指示を仰いだ後、彼女は目の前で複数の魔法陣を作り出し、更に新規のイエティ達を生み出した。
「さて、仕上げまでささっと行くよ」
戻って来た彼らを含めれば、頭数は約6体ほどか、最早業者に匹敵する人数である。
ご案内:「落第街大通り」に雪景勇成さんが現れました。
■雪景勇成 > 「嫌だし評価とか興味ねーし。爺の情報くらいか得たモンは」
淡々と真顔できっぱりと言い切る。どっちにしろ一番得しているのはこの少女だろう。
こちとら、情報を得られるとしてもその確度がこの時点では不鮮明だ。
つまり外れ――ガセネタを掴まされる可能性もあると考えれば、まぁそうなろう。
「しらねーよ。俺の仕事は違反組織や部活を”潰す”事だ。そういうのはもっと正義感とか義務感ある別の風紀に言え。」
彼女が煙たがられようが感謝されようが知った事じゃない、とばかりに淡々と答えつつ。
ただ、引き受けた”仕事”は律儀にこなすタイプでもあるのか、彼女をカバー出来る位置に陣取り。
「つーか、楯はむしろ邪魔だから全部労働力に回せ。引き受けた以上は仕事はこなしてやる。」
彼女が作り出した魔法陣、そして再び出現した新たな部下達を一瞥する。
――見た事が無いタイプの陣だが、まぁそこは考えなくていい。仕事を果たそう。
とはいえ、ただ面倒臭そうに突っ立っているだけにしか周囲からは見えないかもしれないが。
(――さて、何事もなけりゃそれでいい。ちょっかい出す連中が居たらそれはそれで都合が良いが)
この少年も少年で打算は勿論ある。とはいえそこは顔には出さずに彼女たちの仕事ぶりを眺める。
周囲に視線を走らせていないが、現状は大体把握している。
■冬城 レイ > 「やだ、冷たいんだね。 風紀委員の人と接触した事って、実はあまりないんだけど、思ったより過激で冷めてるんだね。 この水より冷たいんじゃないかな?」
ゴミ拾い全般はイエティ達に任せるとして、自身はその一体と共に、蛇口にホースを繋ぎ、店周辺の石床に水を巻いた。
手洗いついでに噴射した水に手を当ててジョークを交えた後、ブラシで床にへばり付いた汚れや泥を力強く擦り落としていく。
ゴミ拾い班も、見た目に反してキッチリと統率が取れているみたいだ。細かな指示を与えずとも、またコミュニケーションを取らずとも、彼等なりに自身の役割を把握しながら業務をこなしていく。
「一応、ちゃんと見てくれてるんだね。…お爺ちゃんが目を話した隙にトンズラするものかと思ったけど」
浮き出た汚れは、水で浮き出て混じり合い、忽ち黒く濁り始めた。掃除をした最終日から大分時間が経過していたか。
自身と作業していたイエティも、ゴミ拾いに回り、最後に水で汚れを流しながら、彼に話しかけた。
何やかんや、一番集中していないのは彼女である。
■雪景勇成 > 「俺以外の連中がどうだかは知らねーよ。少なくとももっと愛想の良い連中は他に幾らでもいるだろーよ。」
イエティな部下達がゴミを拾い集め、彼女はというとホースで水を撒いている。
それを気だるそうに細長い布包みを肩に担ぐようにして持ちながら淡々と眺めて。
(見た目は兎も角、きちんと統制が取れてやがるな…少なくとも、指示を理解して正確にこなす知能と動きはある訳だ)
そんな事をぼんやりと思いながらも、周囲を同時に探ってもいる。
今の所、変にちょっかいや襲撃してくる連中は居ないようだ。
「――正直面倒臭いが、仕事なら終わるまではきっちりこなす。そんだけだ。」
無愛想ここに極まれり。とはいえちゃんと会話はしているし護衛もサボってはいない。
少なくとも、そういう所は意外ときっちりしているというか律儀?らしい。
『おぅ、小僧。掃除が終わったら彼女を無事に送り届けるのも追加じゃ。何、情報は仕入れておいてやる。安心するんじゃな。』
と、何かちゃっかり帰り道の護衛もしろと追加注文してきやがった。
物凄く冷めた赤い瞳を爺さんに向けるが、あちらも食わせ物と年の功、動じた様子は無い。
「……ハァ~…わーったよ、情報追加きちんとやっとけよ爺。……あー…雪景勇成だ。アンタは?」
溜息と共に渋々追加護衛を引き受けつつ、取り敢えず名前くらいは名乗っておく。
■冬城 レイ > 「他を知らないから君に頼るしかないんだよ。そう暗い顔しないでさぁ、頼むよ」
言い分ごもっともだが、人との交流する機会は中々無いので、突き放す様な相手の意見に眉を下げて、しかし業務でやり慣れた笑顔を見せながらお願いする。
「お陰で、私たちもこうやって清掃に集中出来たよ。まあ、風紀委員の人間が、怪しい物担いで微動だにしなかったら、近づく人間も近づけないでしょ?」
周囲に神経を使ってやっていたら、こうも捗る事は無かっただろう。
改めて、相手が布で包んでいる棒状の物に視線を向けながら、そう質問を投げかける。
不届き者と言えど、明らかに武装を隠している様な人物を目の前に、悪事を働くほど馬鹿な筈はないだろうと。
「はい、小僧君のお陰で……、うん、こちらは作業が終了したみたいですねぇ」
依頼人の老人に微笑みながら、会釈をした後に、イエティ達の状況を見れば、ゴミを詰めた袋の口を締めている上に、空いた者は掃除用具を回収している。どうやら向こうも終わったみたいだ。
「雪景君ね。ふふ、良い名前じゃあないか。 良ければ、君の住まい、住所を教えてくれないかな? 私からもお礼の品を送らせて欲しい」
相手の名前をメモしながら、続いて住所を聞き出そうとしている。散々雑に扱ったが、細やかながら礼をしたいらしい。
■雪景勇成 > 「暗いも何も普段からこんなだが?…つーか、俺に愛想は期待すんな。自分で言うのもなんだが気持ち悪ぃ。」
自分がニコニコ笑顔で愛想良く、なんて想像しただけで吐き気がするくらいに違和感しかない。
無表情を僅かに嫌そうに歪めている辺り、完全に無表情男子という訳ではないらしい。
「怪しいは否定しねーけどな。仕掛けてくる輩もゼロではねーんだよ。そういう場所だ。」
直接的なり間接的なり。そういう経験は身を持って体験している。
まぁ、仕掛けてくるなら叩き潰すまでだ。そこに遠慮も情けも無い。
ともあれ、彼女の方の掃除は一段落したらしい。本来ならやっとこれで解放される筈だったのだが…。
「――そりゃ何より。ったく情報まともじゃねーと割に合わねーからな爺。きちんと仕入れとけよ。」
軽く己の肩をダルそうに回しつつ、イエティ達が後片付けをしているのを一瞥して。
ついでに、ちゃっかりしている爺さんにも念押しというか釘を刺しておく。
「そうかい、そりゃどーも。…は?礼?別にいらねーよ、んなモン。」
さっきまでの雑な扱いと思えばこれだ。訳が判らん、とばかりに怪訝そうにするが。
「――常世学園の男子寮、○○○号室。寮の住所は――」
と、結局面倒臭そうにしつつも教えている辺りが何とも言えない。まぁ最悪別の部屋に移動すればいいだけだ。
「んで、俺は爺から帰り道の護衛をしろと追加注文されてんだが、そっちはいいのかよ?
あと、礼はいいから取り敢えず名前名乗れ。アンタばかりじゃアレだろう。」
■冬城 レイ > 「いや、そんな事は、…そんな事は。………。」
否定しようにも出来なかったらしい。
口元も目元も、緩む素振りが一切無かったので、想像できなかったみたいだ。
「それは凄いね。なら、私みたいな人間は格好の獲物だったわけだ。…いや、仕掛けられても金銭も何も出せないんだけどなあ」
蛮勇と言うべきか。しかし、風紀委員と分かった途端に始末しようとする輩がいる可能性も否定は出来ない。
事実として、彼等は反社会組織の撲滅が第一みたいだからだ。
とは言っても、金も名誉も何もないただの生徒である自身は、仮に襲われてもメリットは無いのでは?と。まあ、足掻く手段と逃げる手段は十二分にあるのだが、予想外のトラブルだけは避けたいものだ。
彼が老人とやりとりをしている間に、用具を片付けて、ゴミ袋は処分しやすい様に一箇所に纏め、帰り支度を済ませる。
イエティ達の頭数を数えて確認した後、彼等は空気に溶ける様に消滅し、大気に消えていくのだった。
「あ、私ね。冬城レイって言うんだ。苗字かレイでいいよ」
なんて、軽い口調で名乗って
「それじゃあ、引き続き頼むよ」
と、ちゃっかり先程まで話に挙がっていた、帰路までの護衛を、ごく自然に依頼する。
■雪景勇成 > 「――その間はなんだオイ。…なんてな。自分でも気持ち悪ぃと思ってんだから、そうなるだろうよ。」
彼女の言葉と態度から、まぁそうだよな、と肩を竦めてみせる。
なまじ自覚が大いにあるだけに怒る気なんてサラサラ無いのである。
「――どうかな。相手次第だろうが、そこらのチンピラに毛が生えた程度じゃアンタは楽勝だろうよ。」
少なくとも自衛と逃げる算段くらいは確保していそうな、そんな抜け目の無さと余裕を彼女からは感じた。
とはいえ、誰も予定外のトラブルなんて望んでいないのは当たり前だ。自分だってそうだ。
『そんじゃ頼むぞ小僧。送り狼になら「ならねーよ、頭かち割るぞエロボケ爺」…なんじゃつまらん。』
と、爺さんに呆れたように突っ込みを入れておいてから、大気に溶けるように消えていくイエティ達を見送り。
「――そうかい。んじゃ、そういう訳でさっさと行くぞレイ。…つーかどの辺りまで送りゃいーんだよ?」
考えたら彼女の居住場所を聞いていない。一度仕事として受けた以上は投げ出しはしないが。
どうにも彼女のペースに巻き込まれている感じしかしないが、ここまで来たらさっさと送り届けよう。
■冬城 レイ > 「うん、私はクールな君の方が素敵だと思うよ」
少し感情が薄れている。表情の変化も薄い、辛うじて想像したら、形容し難い姿が浮かんだらしい。
「そうじゃないと色々マズイよ。まあ、言う通り簡単に狩られるつもりは無いんだけどもさぁ」
彼の力量は不明だが、平然と武器を所持しているのだから、相手も当然一筋縄ではいかないのだろう。
思い返した時や危険な場所に行く際に、今後はあらかじめ自身の力の使い方を振り返ってみるとしよう。
「雪景君、その時は痛くしないで欲しいな…。ってね、取り敢えず、この落第街を出られれば大丈夫なんじゃないかな?それまでは引き続きお願い」
結構な迷惑かけている事を、実は自覚しているのか、この街を出るまでだけで良いと伝える。
出た後に暫く歩いてしまえば、いつもの道である。その道までに厄介ごとに遭遇したのなら、その際は自力でどうにかしよう。
■雪景勇成 > 「クールっつーか単に俺みたいなのは無愛想でいーんだよ。」
実際、人様に比べたら感情はやや磨耗している感は否めないし。
ついでに言えば表情変化も多少はあるが劇的では無い。
「…だろうな。幾ら何でもある程度の備えや腕前がなけりゃ、ここで掃除なんて暢気に出来やしねーよ。」
釣られる相手は居なかった――”連中”が釣れると思っていたが、流石に都合が良すぎるか。
せいぜい、遠目からこちらを観察くらいはしていてくれると、逆にやりやすいのだが。
――まぁ、どちらにしろ予定外のトラブルは無かった。それが結果だ。
「爺のエロボケに便乗してんじゃねーよ。…あいよ、んじゃ行くか。」
ともあれ、そんなこんなで落第街を出るまではきちんと護衛を努めたであろう。
時々会話をしたりしつつも、きっちり周囲の警戒などは怠らず仕事は果たした。
勿論、彼女の言葉に応じてあくまで街を出たらそこであっさりと別れて帰路に就く事になったのだが――…
「……どうにも調子が狂うな。」
頭を掻きつつ、さっさと帰って寝るかぁ、と彼女と別れた場所を一瞥してから、少年も気だるそうに今度こそ帰るとしよう。
■冬城 レイ > 「おや、知らないのかい?かなり良かったんだよ、ここのバイト代。まあ、薄々理由は分かってたけどね」
彼と違い、特に目を付けられる行動はしていなかったし、事前に情報くらいは収集していた為、自分なりに警戒していたつもりだ。
しかし、彼の話を聞けば、収集した内容より数倍物騒であると分かってしまったわけだが…。
とは言っても、多少の好奇心が湧いて来たらしく、恐らく次回もふらりと足を踏み入れている事だろう。人生のスパイスだと、都合良く解釈しておくとする。
「いや、面白いかなーって。怒ってる?冗談だよ?」
冗談には冗談を。そして、そんなやり取りにも何だかんだ付き合ってくれる、彼の人の良さが少しずつ分かってきたみたいだ。
この街を出て別れの時、彼女は先程とは違い、丁寧に頭を下げた後、感謝の言葉を述べた。
そして、お礼の件だが、後日に彼から伺った住所に、クーラーボックスの宅配を依頼した。中身は…袋詰めされた大量のアイスクリームや氷菓子だった。
中身が解けないようにと、ドライアイスでは無く氷が敷き詰められていたが、不思議な事に、これは数日間放置しても、溶ける様子が全く無かったとか…。
ご案内:「落第街大通り」から冬城 レイさんが去りました。
ご案内:「落第街大通り」から雪景勇成さんが去りました。