2021/02/22 のログ
■ユラ > 「絶対流行ると思うけど……雷鳥の絶叫プレイ……」
残念そうな顔になった。
結構自信のある提案だったようだ。
「気を付けて帰れよー。
食事はどっちでもいいけど、甘いものでいいものあったら教えて」
ばいばいと手を振って、その背中を見送る。
世界は今日も平和である。
平和を享受できるのは、彼のような凡人の特権だろう。
落第街の奥に目を向ける。
見えないけれど、抗争があるらしい。
彼はきっとあの世界を知らないままでいいのだろう。
気が抜けたユラも、そのまま帰ることにする。
今日もまた平和を享受できる立場に戻るために。
ご案内:「落第街大通り」からユラさんが去りました。
ご案内:「落第街大通り」から火光雷鳥さんが去りました。
ご案内:「落第街大通り」にふぇんりるさんさんが現れました。
■ふぇんりるさん >
今朝の目覚めは最悪だったのである。
昨日、夜に動いたからすやすや道の横で寝てたら、屋台のジジイに
『おぃ、ダケン。起きやがれ』とアイアンクロ―をくらったのである。
ダケンとはふぇんりるさんの愛称らしい。
名誉ある呼び名ときいて誇りに思ってる。
ともかく、昨日、騒がしかった奴がいたから叱ってやったことを伝えようとすると
口に肉串を遠慮なくずぼっと差し込まれた。
素早く引き抜かれるが、ガシッと噛んで串ごと食いちぎる。
もぎゅもぎゅもぎゅ。
まあ、些細な事なのでふぇんりるさん、もう忘れた。
ふぇんりるさんに何の用かといぶかし気な目を向けると、
がれき撤去をしろということだ。
なんだ、そんなことで起こし――10本だな?、よしやろう!
■ふぇんりるさん >
ジジイの代わりに屋台を引いて、言われる場所に行くと。
なんと、昨日の騒がしい奴らがじゃれ合っていた場所じゃないか。
なんだあいつら、片付けもしてかなかったのか。
中に乗り込んで走る屋台(クルマ)を引きながら、色々と壊れた建物を見る。
ひどいやつらだ、許さん。
だが肉串10本分許してやる。10発ぐらい軽く殴ってやるつもりだったから・・(指折り折り)・・2発ぐらい殴ればいいのか?
ふぇんりるさん、細かいのは判らん。
■ふぇんりるさん >
全部壊せばいいのか?
――なんだ、壊していいのがあるのか。
全部じゃだめか?、そっちの方がすっきりするだろう?
ダメらしい。
あと、パンチやキックや頭突きは駄目だと言われた。
めんどくさい。
いや、ちょっとまてジジイ!、アイアンクロ―はぎぶぎぶぎぶっ!
はぁはぁ、前に軽くパンチしたとき、その後ろと後ろと後ろの建物まで壊れたのぐらい覚えている。
この世界の建物が柔らかすぎるのだ!
――ほうほうほう、中の柱をしずかーに壊して全部内側に倒す。
ギコー派だな、うむ、ふぇんりるさんギコー派だから簡単だ!
串10本忘れるなよ!
■ふぇんりるさん >
崩れそうなぼろい建物――もう修繕は難しいと判断された建物――の中にふぇんりるさんのこのこ。
中心とか太いのとか言ってたな?
こいつとこいつとこいつぐらいか?
うーん、パンチもキックも頭突きもダメか。
爪でざっくりも怒られそうだな。
……口とか目から炎出せるけど、それもダメかな?
ダメそうだな。
どう倒すか思案顔。
すぐ考えを放棄したふぇんりるさん、口をがぱっとあけて柱にがぶりっ!
もぐもぐもぐ……あんまり旨くないな。
だがこれが手っ取り早い。
柱に取り付いてがぶがぶと食べていく。
お~・・指二本分で支えてるぞ!
最後のひと齧り、っと。
食べると同時に、建物が揺れだす。
そして崩れだす。
中に居たふぇんりるさんの上に。
■ふぇんりるさん >
崩れ去った瓦礫の山。
委員会の現場調査も終えていないというのに、建物を崩し切るふぇんりるさん。
肉串の為だから仕方がない。
そもそも、そんなことなんて考えてないふぇんりるさんである。
瓦礫の山の中央がもぞもぞ動く。
超常の大きな瓦礫が動き、持ち上がる。
ひょこっと顔を出したのは、そんな瓦礫を頭に乗せたふぇんりるさん。
ぶるるっと頭を振ると、瓦礫が転がり落ちてった。
ジジイ、次はどれだ?
何度も岩に貼り付けにされて谷底に落とされたふぇんりるさんにとって、
気にするほどのこともないのだ。
そんなこんなで、被害の大きい建物、もう利用できなかったり危険がある建物など。
ふぇんりるさんは順番に壊していくのだ。
肉串10本手に入れられて、ふぇんりるさんもご満悦。
……なになに?
瓦礫を隅に全部寄せたらもう10本?
瓦礫を細かくしたら更に10本?
地面を平らにしたらついでに10本?
――やるぞ!
■ふぇんりるさん >
瓦礫を一番大きな広場にまず山積みだ!
無理矢理両手で押し込んで集めていく。
細かいのを面倒だと投げたら、アイアンクロ―くらった。
高さがふぇんりるさんの3倍ぐらいしかなかったのに、細かくないらしい。
仕方がないので、比較的無事な壁の一部を使ってかき集めて寄せる。
――こんなものか。
ジジイに見て貰って肉串10本貰ったら、次は細かくする作業だ。
大きいと撤去が大変らしい。
燃やしたらダメか?、地獄の業火なら地面ごとよく燃えるぞ?
だめか。
仕方がないので、滅びの詩を鼻歌で肉球手袋でべしべしっ。
ふれるだけでさらさらと崩れ去っていく瓦礫だ。
埃も残らなければ文句あるまい。
ただ、加減が大事だ。
定命の者がこの詩を聞けば魂が滅びるからな!
少し時間がかかったが、昼前には瓦礫を綺麗に滅び去れた。
これなら文句あるまい。
ジジイを呼んで確認してもらう。
どうだ、早く10本渡せ!
あきれ顔っぽい感じはしたが、肉串10本の前には些細なことだ。
あとは地面をならせばいいのだな!
その日の昼前、震度1程度の地震が周辺地域に暫く続く。
震源地は落第街の建物があった場所。
ふぇんりるさんが加減しながら地面をふみふみしたのだ。
……足首分ぐらい地面が下がったが、全体的にまあまあ平らだ。
これぐらいでいいだろう。
ジジイを呼んで確認してもらう。
なんか溜息をつかれたが、肉串10本くれたから別にいい!
じゃあな、ジジイ!
今日は昼から、昨日手に入れた肉を子分とわけてから。
土か高いとこで昼寝する予定なのだ!
ふぇんりるさんは忙しいのだ!
手を挙げてからばびゅんっと駆けていくふぇんりるさんなのであった。
ご案内:「落第街大通り」からふぇんりるさんさんが去りました。