2021/12/01 のログ
ご案内:「落第街大通り」にダスクスレイさんが現れました。
ダスクスレイ >  
仮面についた返り血を拭う。
血溜まりを汚そうに避けて歩き出す。

こんなことで私の憤懣は消えたりはしない。
あの刀を使う風紀委員にしてやられた記憶が蘇る。

今は入院している風紀……恐らく、芥子風菖蒲という男だ。
次に会えば必ず殺してくれる……

奴に穿たれた額が今も痛む気がする。
幻覚だ。既に大枚を払って魔術的処置を受けて傷は完全に塞がっている。
ヤツは今も入院中。私は娑婆で殺しを楽しんでいる。
私は。負けて。いない。

ダスクスレイ >  
返り血を浴びた状態で大通りに出た私に驚く薄汚い裏の住民ども。
フン、何の役にも立たないゴミが。
せいぜい私の恐怖の伝説を語るがいい。

「なんだ、私がここにいてはおかしいかね」
「お前たちも後を追わせてやってもいいんだぞ」

クソどもが視線を外して顔を背ける。
そうだ、恐れろ!!
私を!! 私が切り開く惨劇の道を!!

体調は万全。なら、またくだらん金持ちの家に盗みに入るか。
何か割の良い獲物でもあれば、わかりやすく怪盗らしさが演出できるのだが。

ダスクスレイ >  
フン……何の価値もないクズどもが。
今に常世の表も私の闇で覆ってくれる。
その頃には表も裏もない、混沌の中で王として君臨するも悪くはない。

我が力を恐れろ。
我が刃を、我が闇を……私そのものを恐怖しろ!!

私がいることを察して静かになる落第街。
早々に店のシャッターを閉める店主までいる。

ダスクスレイ >  
店を閉めた店舗のシャッターを斬る。
驚いた顔で硬直している店主に詰め寄る。

「まだ宵の口だ………」
「そう焦って店を閉めなくてもいいだろう……?」

へたり込む、店主の男。

「なんだ、私の顔に何かついているかね」

脳内麻薬が迸る。
怯えろ。怯懦を恥じろ。
私のことを恐れるんだ、この役に立たないクソども!!

ご案内:「落第街大通り」にノアさんが現れました。
ご案内:「落第街大通り」に八ツ墓千獄さんが現れました。
ノア > 聞こえたのは金属同士をこすり合わせたような音。
数瞬遅れて、背にしていたシャッターが爆ぜるように崩れる。

カウンター席の隅、脂っぽいラーメンを啜る手をようやく止める。
店主に詰め寄るのはいつぞやに見た仮面の男。

「眼ぇ閉じろ、おっちゃん!」

言うが早いか、ピンを抜くのは手の平サイズの閃光手榴弾。
暗闇を閃光が包むや否や、歳の行った店主の首根っこを指先に引っ掛けるようにして店の奥へと追いやる。

まともに食らえば視界は勿論、同時に発生する強烈な音は聴覚と三半規管をも狂わせる。
――相手がまともな人間であれば、だが。

八ツ墓千獄 >  
人通りがとたんに少なくなる大通り
ゆったりと歩みを進めていた女はおや…と不思議そうに視線を巡らせる

と…なるほど騒ぎの中心になっているであろう人物を見つける
落第街においても奇をてらったような格好、しかしそれよりも目を引かれたのは、その刃

何らかの店であろう店舗のシャッターを切り裂いたその煌めきに、遠目から目を奪われる

自然と、その足先をその男に向けていた
ゆっくりと、コツコツと足音を立てながら

ダスクスレイ >  
店内から放られてくるのは。
グレネード。男の声。
声の内容からしてフラッシュバンか。
くだらない時間稼ぎだ。

店を出て後方に大きく跳躍し、電線がまともに絡みついていない電柱の上に立つ。
その上で光を手で遮る。

「その装備………風紀のものではないか」
「ん……?」

紫銀の長い髪が月光に煌めく。
血のように朱い瞳がこちらを見ている。
黒い服。ゆったりとした足並み、それはこちらを苛立たせる。

「なんだ…お前は」

片足で傾いた電柱に乗ったまま問いかける。

ノア > 店の奥、トタンを張っただけの部分を蹴り破って店外に離脱する。
開かれた店主の瞳は目の前で手を動かしてやればそれを追っている。
視力に大きく問題はないようだが、かけた言葉に対しては首を振るばかり。

(まぁ、耳塞げとまでは言わなかったしな)

それでも、神経を苛立たせるような濃い血の匂いを纏っていた刃が、
その胸を刺し貫く事はなかったのを今は良しとするしか無いだろう。

『このまま逃げろ』

端末に表示させた文字を見せたなら、店主は慌てて大通りの中心に向かって走り出していく。

「さて、後は追ってくるかだな……」

関節技や銃器の類が通用する相手ならば良いのだが。
言いつつ、コートの内のハンドガンのセーフティを外して、
仮面の男の姿を探す。

八ツ墓千獄 >  
襲われた店から出ていく人影を横目に、女は視線を仮面の男へと向ける

"なんだ"
"お前は"



仮面の奥から向けられた言葉に、女はそのゆったりとした歩みを止める
大通りに吹き込む冬風が、女の髮と黒衣の裾を揺らす

「──女性に名を聞く時は、まず殿方のほうから名乗るのがマナーで御座いますねえ」

大きくはないが、よく通る透き通った女の声
喧騒と不穏の風の中にあって、落ち着き払った声色はむしろ浮いてすら聞こえる

「八ツ墓千獄…と申します。まぁ…此処の住人で御座いますよ
 ええと…仮面の殿方、貴方の刃のお名前を伺ってもよろしいでしょうか──」

礼儀正しく一礼し、名を名乗った女は再び視線を仮面の男へと
その名を問い返す…ではなく、その振るった、刃の名を問うた

ダスクスレイ >  
男のほうは逃げの一手か。
冷静な男だ。
フラッシュバンで時間を稼いで一般人を逃がすことを最優先。
なるほど、最善手だ……このダスクスレイが相手でなければな。

「フン、私に……このダスクスレイに興味がなく」
「名を知りたいのは私の閃刀・虚空だけと」

            ナメ
「礼儀を弁えた動作で人を無礼た言動」

「これは血で贖ってもらわんとなぁ?」

飛び降りながら白刃が煌めく。
異常な切れ味を誇る刃は電柱を輪切りに斬り飛ばし、
そのまま紫銀の髪の女に向けて電柱だったものが吹き飛ぶ!!

その数、3!!

ノア > 額を流れる冷や汗を拭う余裕も無いまま、早鐘のようになる心臓の鼓動を抑え込む。

(……来ないか?)

逃げる背中があれば、嬉々としてそれを刈り取るような男。
それが自分の中にあったダスクスレイの人物像と現実に乖離があったのか、
逃げる弱者を追う獣の姿は路地には見えず。

(風紀の奴らが間に合ったか?)

彼の意識を逸らすような存在があるとすれば常世の警察組織、風紀の手の物だろうか。
以前対峙していた蒼の稲妻は、今はまだ表の床の上だろう。

様子を伺おうと動き出した刹那、夜の帳の闇を照らしていた街灯がプツリとその光を失う。
辛うじて月明かりの中に視界で捉えたのは、電柱だったものの吹き飛ぶ様。

八ツ墓千獄 >  
──残念ながら。探偵の想定は空風のように虚しく消えることだろう

「閃刀…虚空……」

仮面の男の口から出た名を呟く
まるで一目惚れの男性の名を知った乙女のように、染み入るように

「血で償う…?
 嗚呼。私の血の一滴を与えれば、その美しい彼ノ刃、譲っていただけます?」

その言葉から僅か数瞬
煌めく剣閃、美しく分断された電柱だったモノが、飛来した

「──、フフ。ククッ──」

口の端がいびつに、同時にその眼も紅い三日月のように、歪んだ

女の手が撫でるようにその腰元に携えられた白鞘の柄に滑り…刹那
甲高い音と共に、電柱だったモノは女を中心とした球形の空間に"削り取られ"
塵となって女の背後へと散り消える

「…これ、正当防衛になります?」

愉しげに浮ついた声色で、女は一歩、前へ出る

ダスクスレイ >  
「馬鹿がッ!!」

誰の血であっても買えるものか。
私の虚空は、私だけのものだ………
全てを制圧する私だけの力なんだ!!

 
瞬間。
 

電柱の輪切りは女に到達する前に消える。
消滅? いや、違う。
斬れたんだ。塵が残っている。
何かしらの異能か、それともそういう剣術か。

面白い。

鞘に刀を納めて姿勢を低く駆ける。
距離を詰める。鞘走る。
相手の攻撃の正体がわからない以上、刀身を最大限に使い、遠間にて斬る。

抜刀居合。
この虚空の切れ味を持ってすれば、ただの斬撃も。
空間を裂き、闇を絶ち、今、万物を斬る。

ノア > "馬鹿がっ"

静かになった落第街に、仮面の男の声は良く響いた。
風紀の戦闘向きの人員と言えど、彼と相対できる者は少ない。

(無理して戦うようなら、横やりくらいは出すか)

対峙者の姿を視認するためにも建物の陰から相対する二人を視界に映す。

街の姿は銀に溶け、やがて視界は二人の姿だけを映し出す。

<<執行対象――万策を持って対象を排除して下さい>>

脳裏に響く機械的な声は二つ。

「……は?」

目前の仮面の男だけならず、女性も女性で根っからの危険人物だと、異能が告げる。
鎮圧行動ではなく、排除基準の危険性。

「妖怪大戦争かよ……」

風紀どころの騒ぎではない。
面白半分に覗き込めば、彼らにとっては巻き込むつもりすらない
斬撃の余波ですら命を落としかねない。

引くなら、今ここだろう。
興味本位で首を突っ込もうとする落第街の住人たちを引き連れて、
現場から離脱を目論むだろう。

ご案内:「落第街大通り」からノアさんが去りました。
八ツ墓千獄 >  
「あまりお吠えにならないでくださいませ。──その子の音(こえ)が聞こえないでじゃないですか──」

万物を断たんと放たれた居合いの一刀
それはまるで──鏡写しのように放たれた女の一閃によって雷撃の如き閃光と戟音を生む
瞬間発生した熱によって発生したオゾン香が衝撃波によって吹き飛ばされ、路上の塵を巻き上げた

空風がその薄いカーテンを吹き攫えば、その向こうには愉しげに嗤う女の貌
奇しくも──両者が放った刃の質は同じものだった

「──素晴らしいですね。最高です」

「"彼"を辿って…此の場に来れて良かった」

まるで自己に語りかけるように、自身の刀の鞘を愛しげに撫でる女

「こんな出会いもある───」

「…その刃、傷つけたくありませんねえ。
 ──打ち合いは避けたくありませんか?…お互いに」

空間を、万物を
斬り捨てる力を共に持っているならば──
互いの刃に傷がつく可能性もある

女としては最も避けたい事態でも、あった

「持ち主に気にいられなさそうなことが少々残念でしょうか?」

頬に手をあて、にこりと微笑む

ダスクスレイ >  
「………ッ!!」

相手と拮抗する刃。
熱。そして、巻き上がる砂塵。
同じ力……同じ質の刃ッ!!

そして相手が気にするのは。
あくまで虚空のことのみ。
それは、己の……ダスクスレイに対する非礼ッ!!

「では受け太刀をせずお前が斬られろ!!」

信じるものは。信じられるものは。
この刀のみ。虚空のみ!!
逆袈裟と袈裟斬りを交互に繰り出す。
瞬撃六連閃、ファフニィル・グレイシア。

サイコロステーキになれ、女ぁ!!

八ツ墓千獄 >  
「それは御免被りますねぇ」

苛烈な怒気と共に放たれた、瞬きの六閃
小さく息を吐いた女の手は、白鞘の柄に添えられたまま──

女は、打ち合いを良しとしなかった
故に…相手の死角から死角へと沈むようなポイントを選び後方へ転身する
軽やかに、そして鋭く、それこそ瞬く間に、女はダスクスレイの斬撃の射程外──遠間へと
受け太刀はせず、しかし逃げるなとは言われていない

「男性のヒステリーは嫌われますよ。……嗚呼、是非…"受けないで"くださいね」

遠間にて、女は構えた
姿勢を低く、大きく腰を切る構え──

「──"間合千畳"」

ぽつりと女の唇から言葉が溢れ、鯉口を切る
白光が瞬き──女の斬撃はダスクスレイの眼前から、放たれた

仮面の男と、女自身
その間の"距離"を斬り裂いて

ダスクスレイ >  
見てから後方に跳ぶか!!
逃げ足の速いッ!!
だが、それではこのダスクスレイは倒せん!!

その時、構えを取る女。
そうか、こいつも………
芥子風菖蒲と同じ技をッ!!

瞬間、走る思考。相手と剣の質が同じなら。
同じ技で相殺できるはずだ。

同じモーション、同じ速さ。
二人の間の空間が弾けた。

静寂。
熱を感じると、胸から血が薄く出ていた。

相殺しきれなかった……だと!?
この薄皮一枚分、私があの女に劣っているのか!!

「認められる……かぁ!!」

近くの建物を切り崩す。
計算された倒壊方向は、女めがけて。
家一軒分の質量攻撃。

八ツ墓千獄 >  
「! …初見で対応するとは、やりますね?」

嬉しくなってしまいます、と女は嘲笑う
女は男、ダスクスレイが過去に似た技と遭遇していることなど知る由もない
だからこそ、その対応を褒める
その刃に"見合う"力の持ち主であるならば、それは素直に喜ばしいことなのだ

パチン、と女は納刀する

そして無遠慮に、無作法に
一度開いた間合いを、ゆったりと歩いてゆく

轟音を立てて自身に降りかかる大質量のことなど気にも留めず

大通りに大きな土煙が立ち昇る
建物の倒壊は地響きと共に、女に降りかかり押し潰す

───………

"そんなモノばかり斬らせては、可哀想でございますね"

パラパラと小さな瓦礫が落ちる中、女の悠長な声

表れる女の周囲
まるでシャボン玉のような虹色の球の形に、砂埃が、土煙が、そして瓦礫が
侵入した瞬間に鞘鳴りの音と共に斬り飛ばされ、塵となり外側へと弾け跳んでゆく
歩みを進める女は刃に手をかけてすらもいない、異常な光景

「…閃刀・虚空」

「私に委ねてくだされば、心から愛し…愛で…──存分に血を吸わせてあげるとお約束するのですが」

如何でしょう?と、足を止め仮面の男へと問いかけた
女の服には汚れ一つついていなかった──が

「…おや」

ふ、と
女を覆っていた虹色の球が掻き消える

「……最初の一撃で思った以上に消耗してましたか。斬界の範囲も維持も…異界とはままならないものですね」

少しだけ悔しげな声色
眉を潜め、そう零すと女は男へと背を向けるように踵を返す

「今宵はこれ迄。また斬り結んでいただけますか。虚空の主様。
 ……もっと沢山、刃と技を見せていただきたいので…ふふ、次は日の出ている時間に、是非──」

ダスクスレイ >  
舐めるな女。私にこの程度の傷をつけたくらいで。
いや、違う。
この女は本気で思っている。
本気で私の剣力を……いや、違う。

虚空を見事だと見ている。
それが私を再現なく腹立たせる。

建築物が相手を押し潰した頃。
声が響いてくる。
馬鹿な。直撃のはず。回避はしていない…はず。

女を中心に球形に抉られ、切り取られる世界。
心の底でそれを感心し、畏怖した。
馬鹿な。馬鹿な馬鹿な馬鹿な。
このダスクスレイの心に。一片たりとも恐怖は存在してはならない。

「貴様………!!」

あくまで求めるのは虚空。
それがプライドをひどく傷つけていた。

「……八ツ墓千獄…!!」

去っていく背に向け、初めてその名を呼ぶ。
この女は危険だ。

そう確認するように、名を呼んで。

月夜の建物の間を跳躍し、去っていった。

ご案内:「落第街大通り」からダスクスレイさんが去りました。
ご案内:「落第街大通り」から八ツ墓千獄さんが去りました。