2021/12/07 のログ
ご案内:「落第街大通り」に飛鷹与一さんが現れました。
■飛鷹与一 > 今日は何時もの後方支援――遠距離からの狙撃でのバックアップや連絡係、ではなく。
ごく普通の巡回警邏のお仕事である。背中に細長い銀色のガンケースを背負いつつ大通りをただいま巡回中。
「―この前の『戦争』のゴタゴタが少し落ち着いてきたと思ったら、今度は辻斬り騒ぎかぁ。
…本当、刺激と話題に事欠かないなぁ、こっちは…。」
呟きながら、時々入る同僚からの無線報告に耳を傾ける。今の所異常は無い様子。
本当なら前衛を努める相方ポジションの同僚が欲しい所だが、現在は一人で巡回中だ。
ご案内:「落第街大通り」に赤城ヒカリさんが現れました。
■赤城ヒカリ > 「ふん、どいつもこいつもロクデナシ共だな。」
鋭い紅眼を炎のように激しくあちらこちらを睨み付けていた。
まだ中学生にしか見えない子供で風紀委員でも違法な組織の人間でもない。
ただの悪党狩りをしている正義感に狂った子供なのだが何故か誰も手出しはしない。
いささか凄みに欠けた子犬のような男だがぶらぶらと着崩した制服のポケットに手を突っ込んでうろついていた。
そこに風紀委員の制服の男が前の方から歩いてくるのが見える。
「ち、風紀か…」
面白くない、と言うようにあからさまに苦い顔をしながら小さく吐き捨てた。
■飛鷹与一 > (――何か、露骨に睨まれてるというか嫌悪されてる感じが……あ。)
視線というか気配というか。勿論、先の特務広報部がやらかした派手な戦火のお陰で風紀の風当たりは強い。
元々、そんな良い感情はもたれていないだろうが、それでもある程度のバランスで成り立っていた。
「――普通に職務をこなしてるだけの俺達には良い迷惑なんだけどなぁ。」
溜息の一つでも毀れようというもの。彼らの行動で風紀全体をそう見て欲しくは無い。
…だが、彼らの暴れっぷりがなまじ目立つからこそ注目されて恨みも買う。
それは当然、一般の風紀委員達にも大なり小なり波紋として広がるのだ。
ともあれ、視線と気配の主は目星が付く。前方から歩いてくる一人の少年だ。
着崩した制服に鋭い雰囲気。――が、場数を踏んだ凄みが少々足りない気もする。
(さて、どうしたものかな――…)
そう思いつつ、彼との距離はもう数メートル程度。このまま行けば普通にすれ違うコースだが…。
■赤城ヒカリ > 風紀にもそして落第街に住み違反学生やならず者たちその全てに睨みを利かせる。
この場全てが敵であるというように。
全方位に喧嘩を売るような無謀すぎる態度だ。
ヒカリは視力1.5~2.0の超健康児であり聴覚も健常。
むしろ地獄耳に等しい聴力は目の前の風紀委員のボヤキを見逃していない。
「はん、気に入らねえもんは気に入らねえんだ…」
笑う。
そもそも組織などチームで動くことに向いていない。その上制約など縛られるが故にどこまでも合わない。
ヒカリがそう返す頃にはすれ違っていた。
そして振り向く、その時にちょうど風が緩く吹き着崩した上着を煽る。
その際に腰に、なんというかカラフルな、玩具のような色をした"ベルト"のような物を装備していた。ニチアサのヒーローがするような如何にもなアイテムだ。
■飛鷹与一 > 敵意や害意を隠すのも放つのも構わない。負うべき負債は自分自身だ。
ただ、ここまで露骨な――自分以外は全て敵、とまで思える苛烈さは少々行き過ぎだとは思う。
(――なんて、上から目線で偉そうに。)
自分自身を心の中で嘲りつつも、態度にはおくびにも出さない――が、少し目を丸くする。
どうやら、小さな呟きなれど彼にはバッチリ聞こえていたらしい。
中々に地獄耳である。これは迂闊な事は言えないなぁ、と内心で苦笑いを零して。
「ああ、その言葉は”よく知ってるよ”。俺たちはこっちでは歓迎されないからね。」
やんわりと笑みを浮かべて答えつつも互いにすれ違うが――ふと、何か違和を覚えて足を止めて振り返る。
――一陣の風が大通りを吹き抜ける。僅かに目を細めたのは少年――その腰に巻かれた、やたらカラフルな玩具じみた”ベルト”らしき物。
まるで、ヒーロー物に出てくる変身ベルトみたい、な――
「――ちょっと前に、マフィアの組織が単身で3つ短時間で潰された。
…そいつが派手に暴れたからか、痕跡は殆ど無くて――でも、目撃証言があってね。
…”変身ヒーロー”みたいだった、と。……もしかして君がやったのかな?」
単なる連想からの当てずっぽうだ。具体的な根拠がある訳でもない。
彼の”ベルト”がもし、そういうアイテムなら…重要参考人が目と鼻の先に居る事になる。
■赤城ヒカリ > 「じゃあ、天下の風紀委員サマがどうしてこんなトコに来てるか聞きたいな?」
すれ違い振り向いたヒカリの姿はやはりポケットに手を突っ込んだままだった。
ガラは悪いが何故か赤いマフラーを巻いて風にたなびく。
かなりの敵対心を抱いているが彼に対しては先制攻撃をするような真似はしない。
まだ彼が"ヒカリ自身が悪いと思ってる"コトを行っていないからだ。
落第街の人間に対してもそう。ただ、一度手を出せば容赦はしないつもりだ。
「3つじゃねえよ。2つだ。」
恐らくはカマをかけたのかそれとも間違えたのか
ともあれカマをかけられたとしても敢えてかけられる。そもそも隠し事は得意ではない、今のうちに素直に話す。
「全員再起不能だ。死んではいねえだろうが骨折やらで動けねえぜ。後遺症も残るんだと。ざまあみろ。」
その変身ヒーローの正体が自分である事を裏付けるために更なる事実を告げる。
彼らは所詮は小悪党で命を取るに値はしないが後遺症が残っていることには心底嬉しそうに嘲笑ってた。
■飛鷹与一 > 「いや、普通に巡回警邏なんだけど…。」
歓迎されなかろうが、敵視されようが風紀委員会の職務は最低限きちんと全うする。
そもそも、治安維持をするのが風紀の役目だ。少々一部の風紀がやり過ぎているのは先の戦火を見るとおりだが。
――だからといって、風紀だと纏めて一括りされて同じように破壊の権化と見られるのは”気に食わない”。
少なくとも、彼が攻撃の挙動を見せなければこちらからも仕掛けるつもりはない。
証拠に、未だに左右の腰に提げた銃や、背負ったガンケースに手を掛ける素振りも見せない。
「あぁ、御免御免。まぁどのみち君がやったのは間違いなさそうだね…。」
苦笑いを浮かべて素直に謝りつつも、参ったなぁ、と内心で一息。
任意同行を求めてもまぁ無理だろうし、だからといって力ずくで、というのもあまりしたくない。
「あぁ、そこはもううちの同僚が現場を検分したから把握してるよ。
よくもまぁ、死者が出なかったもんだと逆にそっちに感心するけどね、俺は。」
まぁ、嘲笑っている少年の素振りやその言動から見るに――殺すに値しない、と判断したのだろう。
溜息と共に、そちらへと困ったような笑顔を向けて。
「まぁ、どちらにしろ君には事情を聞かないと行けないんだけどさ。
出来れば来て欲しい、と言っても無駄だよな、その調子だと…。」
■赤城ヒカリ > 「巡回ねぇ…へぇへぇ、そいつはご苦労さん。
大方、一回派手にぶち壊してから反逆する連中がいないかの監視だろうが…」
ヒカリなど風紀委員の組織をあまりよく知らない人間からすれば彼の巡回は戦火を上げてからの監視に見えたのだろう。
風紀も一枚岩ではないのだがそこを理解せずよく分からないままに目の敵にしている。
ただし、目の前の彼は風紀の中でも過激派というわけではなさそうだ。
どちらかと言えば穏健派にみえる。
穏健派だからといって味方という訳ではないがまず言葉で対話を試みる相手には手はあげない、よっぽどの事が無い限り。
「(おじいちゃんも会話をする人間にはちゃんと会話で返しなさいって言ってたな)」
暴走気味だがギリギリのバランスで冷静になる。
「一緒に来い?ヤダよ。俺がお前らに迷惑かけたかよ。不甲斐ないお前らの為に悪を一つぶっ潰してやったんだぜ。」
だから拒絶しながらも拳や武器を振り上げたりはしない。
変身ベルトにも手を伸ばさずポケットに手を突っ込んだままガラ悪く答えるだけだ。
■飛鷹与一 > 「あはは…まぁ、そう勘繰られるのも無理はないよなぁ。
…ほんと、身内同士でギスギスしてたら世話無いってのに。」
彼の皮肉ともストレートとも取れる意見を聞いても、怒るでも悲しむでもなく。
むしろ、そう取られるのも仕方ないといった感じで穏やかな態度は崩れない。
勿論、この少年は過激派などではなく、穏健派、とも違う。そういう派閥に興味は無い。
強いて言うなら、ただの一般的な風紀委員の一人だ。それ以上でも以下でもない。
正直、痺れを切らすかイラついた彼から仕掛けてくるかとも危惧したが、それは案外無さそうだ。
つまり、ちゃんとブレーキはあるし、理性的に話は出来る。それだけ分かれば十分だ。
「…確かに俺”は”不甲斐ないのは否定しないけどさ。
…あんまり無作為に暴れると、風紀だけじゃなくてこっちの組織やら何やら両方敵に回すことになるけど。
別に君が弱いとかそういう話じゃないよ?君も腕っ節は自信あるんだろうさ。
けど――誰も信用せず、後先考えない、ただ敵を潰すだけなら――そこらのチンピラだって出来るよ。」
笑顔のまま静かに口にする。彼は強いかもしれない。
悪を潰したいなら大いに結構。彼の考えや信念に口を挟む気もないが。
――その行いが、いずれ関係ない誰かを巻き込まないと誰が言えるのか?
自身が常に誰かを巻き込みかねない異能を抱えているからか、この男はそこだけは見過ごせない。
「気に食わない悪(てき)を潰すのはいいけどさ?その調子だと関係ない民間人まで絶対に巻き込むよ君は。
―――それは”ヒーロー”って言えるのかな?」
■赤城ヒカリ > 「内輪揉めか…救えねえな。少なくとも風紀に入らなくてよかったぜ。」
暴力でモノを言わすのなら良いが複雑な人間関係と派閥が渦巻く巨大組織には向いていないのは自分でも分かる。
命令違反や独断専行は当たり前。
拳と拳で分かり合うヤンキー思想なのでまだヤンキーや暴走族と相性が良かったりする。
相手個人はともかくとして風紀委員全体を気に食わないと思っているので目の前の男にはそっけない態度だ。
ただし、彼自身は非道な行いをしていないので拳を振るうときではない。
「ふん、上等だ。過激派風紀委員だろうがマフィアヤクザだろうがかかってこいってんだ。ヒーローは一人で良い。
ヒーローは常に一人で良い、一人で戦い、一人で勝つ。味方なんていない必要ない。」
ドラマかニチアサの影響だろうか。兎に角、変身ヒーローというのは孤立したがるし一人で戦いたがるお約束がある。
それは彼も例外ではない。
「その時はその時で考えるさ。悪は許せない、ぶっ潰す…!」
一度ブレーキがぶっ壊れれば民間人も巻き込みかねない危険な思想が見え隠れする。
やはり民間人を守るよりも"悪"を倒す側面が強い。攻撃的だ。
どう動くかも経験不足から割と行き当たりばったりな考えだ。漠然とその時はその時で考えると難しい事は後回しだ。