2022/02/27 のログ
ご案内:「落第街大通り」に伊都波 凛霞さんが現れました。
伊都波 凛霞 >  
「はい、じゃあ此処で一旦解散して、それぞれの持場を見回ります。
 連絡はそれぞれ定時が決まってるからメモ通りに、何かあったらすぐに緊急連絡、いい?」

緊張した面持ちで凛霞の前に佇む二人の風紀委員
基本的な教育を終えて、落第街の警らに今日から加わる新人達だ

念押し念押しで丁寧に確認をさせて、送り出す
相当に気をつけないと──ううん、気をつけていても、危険なお仕事
緊張をほぐすように笑いかけて、その背を見送ってから──

「──…やれやれ」

とんとん、と自分の肩を叩く
新人さんの前だとつい肩肘張っちゃう
教える側として責任も当然あるし、間違ったことを教えてもいけないし

何も風紀委員にはこういった環境に慣れた生徒ばかりが入るわけじゃない
戦闘に激しく向いた異能を持っていても、本人の性格が向いていなければ意味がないし、その逆も然り
その適正を見るのは、机の上だけではなかなか難しいところもあったりして

「(何にも起こりませんよーに)」

見送ってから、そう念じるのだった

伊都波 凛霞 >  
さて、それはそれとして自分も自分のお仕事をしなければならない
まぁここは見通しも良い大通り、大きな犯罪組織だとか、異能犯罪者なんかはそうそう現れない
たまに、暴れるのがいたりはするけど

「遅くなるまでに家に帰るんだよー」

落第街の住人にこう声をかけると、割と『何だアイツ』みたいな目線を投げかけられる
二級学生の心配をする風紀委員が珍しいのか、そうやって注意喚起する人間自体珍しいのか

常世の運営母体はこの街の存在も、二級学生の存在も認めていないけれど
凛霞は凛霞として自分のスタンスでそれを良しとせず、こうやって声をかけてまわっている
命は等価、そして明日の可能性は平等にあって良いもの
実際に二級学生から正規の学生になって学園で生活している人だっているのだ

「ん?」

そんなことを考えながら歩いていると──

伊都波 凛霞 >  
小走りに駆け出す、その先に

「だ、大丈夫?」

顔を薄く腫らした、チンピラ風の彼
鼻血を拭った痕もあるし、何かトラブルかなとも思いつつ声をかけると、彼は鬱陶しそうな顔をして背を向けて歩き出す

「ねぇー、手当てくらいできるよー。その顔だと目立っちゃうよー」

背中に向けて声をかけてみたけれど、彼は無視して歩き去っていった
うーん、取り付く島もなし

まぁ…此処じゃ珍しい光景でもないんだろうけど
大した怪我じゃなさそうだし余計なお世話までは焼かなくていいのかな、と納得はしたものの

まだ夜明けて間もない時間だっていうのに、また何かヘンな争いの種かなにかが燻っていないといいなあ、と思ってしまう

伊都波 凛霞 >  
「(喧嘩とか小さないざこざなんかは日常茶飯事なんだろうけどさ)」

それに隠れて何か大事が動いてる
なんてことも過去のことを考えるとあんまり油断できないわけで

なにか火種があるなら燃え広がる前に消化にかからないと
──また、以前みたいに犠牲者が沢山出ることになりかねない

たとえそれが非正規の生徒や不法入島者の命だったとしても自分にとっては同じことで
自分一人、例え沢山の人間が頑張ったとしてもどうにもならないこともあるかもしれないけど

「(まぁ、やらない理由にはならないわけで)」

自己満足自己満足、なんならそれでいいやと思う

そんなことを考えつつも目ぼしいところはしっかりチェックしつつ、落第街の入り口に到着
他の風紀委員達はまだ姿が見えない
定時連絡は入っているから、少し遅れているだけ、だろう

ご案内:「落第街大通り」に清水千里さんが現れました。
清水千里 >  
「ふふふ、大変だね君も……」

 彼女の姿を見ていた女性が、物陰から顔を覗かせる。

「あの男なら心配いらないよ、ああいう顔は明け方になるとどっと増えるから……」

 そういってにやりと笑った。

「風紀の見回りだろう? いまどき、随分殊勝な人物がいたもんだねえ」

伊都波 凛霞 >  
「お仕事ですので」

お構いなく、と
特に突然投げかけられた声に驚いた様子も見せず、視線を合わせそう答える
誰かが自分を見ていることには薄々気づいていたようで

「貴女はこんな時間に何を?」

清水千里 >  
「おやおや」

 此方の呼びかけに驚いた様子もなく平然としている彼女を見て、
 やれやれと肩をすくませながら。

「こんな時間にここにいちゃ悪いかい? 
 君たちは見回りをしていて、私はここに偶然用事があっただけだよ」

 そう言って苦笑いをして。

「ほかの風紀委員たちはまだ来ないらしいね?
 混沌とした街だ、来る途中で何があってもおかしくはない。
 もめごとの仲裁やら、頼まれごとやらね」

 と、まるで見てきたように話す。

「せっかくだから少し私と話をしないかい、お嬢さん」

伊都波 凛霞 >  
「んー、私個人としては別に構わないと思うんですけど」

よっと袖の風紀委員腕章の位置を直して

「風紀委員としてはこういう時間にこういった場所にいると危ないので、注意しなきゃいけないということで」

まだ夜明けて間もない時間、日も高くはなく薄暗い
夜ほどではないにしても、危険はあちこちに存在する
にこりと笑ってそう言葉を返しつつ、まぁこんな場所に用事があると言う女性
何かしら自分自身を守る術はあるのだろうと口酸っぱく言うこともせず

「そうですね。合流するまでで構わなければ」

時間を確認。何かあれば連絡もあるだろうし、定刻を過ぎるまでは良いだろう

清水千里 >  
「いいとも、そうこなくっちゃね」

 そう言って、ミネラルウォーターのボトルを彼女の方にポイっと投げて。

「話に付き合ってくれるお礼だ、飲むといいよ。
 さて、何について話そうか? 自己紹介でもしてみようか?
 それとも、最近のここの治安とか、私が何をしているかとかに興味があるかな?」

「でも、とりあえずは自己紹介からしようか。
 私は清水千里。一応、図書委員をしているよ」

伊都波 凛霞 >  
「あんまり長い時間はとれませんけど」

苦笑しつつ、どうも、と
投げられたペットボトルを受け取って

「伊都波凛霞、3年の風紀委員です」

とりあえず自己紹介を返して、さて何を話そうかと振られれば

「じゃあ、何をしていたのかは気になるかな?
 一般生徒は一応近づかないようにって言われてるはずなので」

清水千里 >  
「うん、そうだね」

 と、うなづいて。

「ここにきたのは、まあ、伊都波さん、キミと同じ。
 委員会活動で、見回りのためだよ。
 でも正直なところ、キミ自身にも興味があってね。実のところ、会う機会を窺っていたんだ」

 正確に言えば、有力な情報提供者との接触のため。
 それも清水自身が出向く必要があるぐらいの。

「そしたら、ちょうどいいところにいるじゃないか?」

 と、うなづいた。

「色々話には聞いていたからね。しかし、書類で見るだけじゃ、真のところの人となりは分からないものだろう?
 どんな人物なのか、実際に話してみれば分かると思って」

 

伊都波 凛霞 >  
「図書委員のお仕事とはあんまり関わりがないようにも思えますけど?」

首を傾げる
無論、図書委員の活動に明るいわけでもないので色々あるのかもしれないが

もらったお水に関しては、少し悪いと思いつつもこっそり異能の力を使わせてもらう
初対面の相手からもらったものにすぐに口をつけるわけにはいかないのだった
ペットボトルに残留する思念を少し遡れば、安全かどうかはすぐにわかる

「ちょうどいいところに、って言いますけど、一応業務中ですよ?」

どうやら相手はこちらのことを知った上で、機会を伺っていた様子
視線や気配をなんとなしに感じていたため声に驚くこともしなかったけれど
さてそういう話となれば

「なぜ私に?」

興味がある、というのはやや広義に過ぎる
どういうことだろうと問いかけて

清水千里 >  
「とんでもない! むしろこういうところにこそ我々の仕事が潜んでいるものだよ。
 そこら中――とは言わないが、危険な魔術書やら遺物やらが露店に流通することがあるのさ。
 風紀委員は人や怪異を相手にするのは慣れているかもしれないが、
 そういう得体のしれないオブジェクトには我々の専門的知識が役に立つこともあるからね」

 ミネラルウォーターの栓は空いていないし、穴も見当たらない。
 もちろん何か細工をした様子も見受けられないだろう。
 図書委員会本庁ロビーの自販機で買ったものをそのまま持ってきたのだ。

「業務中だからいいんじゃないか、君も私も時間を無駄にしないで済むからね」

 と、あっけらかんと笑い。

「ふむ、それはいい問題だな。いい問題には、それに見合った回答をするべきだろう」
 
「君も知っての通りこの島には多くの人間がいるが、実際のところ本当に重要な人間は一握りだ。
 しかしそれには、地位であるとか、富であるとか、名誉とか、
 あるいは魔術の知識や、異能の強さであるとか、そんなものは関係ない。
 私はそういう人間の見分けには自信があるんだ。物語の流れを作る人間、その中心というものがね。
 事実キミは、そういう事件に巻き込まれたことがあるようだしね?」

「だから重要なのだよ、私にとっては。そういう人間は面白いのだ
 ――いや、君のこれまでの経験を嗤っているのではないよ?
 ただ単に、きっとこれからも、流れの中で重要な存在になるということなんだ」

伊都波 凛霞 >  
成程、そういった活動も範疇に入るらしい
今後のためにも覚えておこう
いただきますね、と前置きして、ペットボトルのキャップを空けて口につけさせてもらう
濁りのない水の味、ちょっとした疲労なんかは洗い流してくれそうだ

「じっくりは話せませんが、ということですけどね」

苦笑を交えつつ

「それは───」

「買い被りすぎ、ですね。
 たまたま巻き込まれるだけ、の人なんて沢山いますよ。
 貴女のいう"流れ"の中に身を置けば、きっと誰だって同じじゃないかなあ」

ご案内:「落第街大通り」に史乃上空真咬八さんが現れました。
史乃上空真咬八 > ひとつ。
小さく潜ませたような足音が、話を交わす二人の元へ近づいてくる。
……歩幅は小さめに、何か警戒するようなそれは、次第に暗闇の向こう、紅く揺れる眼。

暗闇に紛れた輪郭が、朧に溶けだすように結ばれて、現れる。


「……、伊都波さン。
……それから」


――黒衣の外套と、風紀委員の腕章。
伸びた黒髪を揺らし、褐色肌の青年が、眠たげに細まった瞳を、その場にいる二人へと巡らせる。

「……話途中でありやしたか、失礼」

開口一番の謝罪。といっても首に巻かれた黒布が口を隠しているので、声量はくぐもって小さく響いたが。
……外套の下、鉄の音がちゃらりと響いていた。

清水千里 >  
「別に特別な存在だと言っているわけじゃないさ」

 と、つぶやく。

「英雄はお呼びじゃないんだ。目立つ人間、目立とうとする人間ならいくらでもいる。
 だが奇妙なことがある。本当に奇妙なことなのだが――時間の結束点、世界の分岐点には、
 ときにそういう平凡極まりない人間が、極めて重要な役割を持って関わっていることがあるのさ」

 ふむ、と。
 朝焼け時に朧げな境を纏って現れた、黒衣の青年の方に目を向けて。

「仲間の方がいらっしゃったようだね?
 いやキミ、全然いいんだ。私が彼女に無理を言って話しかけていただけだからね」

 と、身を引く素振りを示し。

伊都波 凛霞 >  
「あれ?カミヤくん、なんでこんなところに…」

聞き慣れた声に視線を向ける
はて、と例の一見から復学して以降は学業を取り戻すのに精を出していた、と思っていた
なのでこんな時間にこんな場所で出会うのは、少し驚いた

「あっ、えっと…彼は連れ立ってきた風紀委員というわけではなくて…」

ええと、と、説明が難しい
とりあえず先の言葉に対しては…

「英雄も、目立つ人も目立ちたがる人も重要ですよ?
 貴女の言い方を借りるなら、特別じゃない人なんていませんから──」

笑顔でそう答えて

史乃上空真咬八 > 「…………一応、"副業"、ス」

眠。
――言葉に覇気がなく、細めた瞳の揺れること、かなり眠たそうだが。
気の抜けた炭酸とも形容できる彼の姿。しかし、不思議な程に隙もない。

「……えェ。誤解を解きやスと、自分は"風紀委員のお手伝い"、スから。それで朝の仕事に無理やり連れ出されたもので。
……寝てない故、多少応えの無さには、勘弁を」

そう告げて、清水のほうへは会釈を告げつつ、歩幅広めに伊都波の傍らに寄り、一度だけ鼻をすん、と。

「…………疑問には後程答えやす。今の言葉、嘘偽りは、ありやせン」

――くぐもらせきった、極小の囁き声だった。

清水千里 >  
「”お手伝い”は我々の仕事にもたくさんいるよ――」

 と、青年の立ち振る舞いを見て。

「言葉のあやさ、もちろんね……」

 そう、伊都波さんには返す。


「私はお邪魔かもしれないね。なんにせよ、今日は挨拶に来ただけなんだ。
  伊都波さん、また会おう。”いつでも君を見ているからね”」

 最後の言葉だけが、妙に気にかかるかもしれない。だが、そこに悪意はない。
 言葉の奥から読み取れるのは、不気味なほどの無機質さだけだ。

伊都波 凛霞 >  
「───大丈夫。信用してるから」

くぐもった囁きにそう返して、そっと肩をぽんっと叩く
彼の性格はよく知っている。それこそ子供の頃からだ

向き直り、図書委員の彼女へと

「はい、また。 ………」

別れを告げる彼女
最後の言葉に妙な感覚だけを覚えながら、去ってゆくならばそれを見送る

なんだか妙な言い回しの人だったなあ、なんて思いつつ

史乃上空真咬八 > 「……そうスか。
…………くれぐれも、明け方に、徹夜勉強をしている奴などは、その手伝いには向かわせぬように。
――機嫌がとても、悪くなりやスから」


ほんの最後のみ、眠気に吞まれそうな声が低く震えて、
別れを告げる相手に、一礼を深く向けていた。

……遠くなり、気配が場と呼べる範囲から外れる頃、
ゆっくり上げた頭が横にぶんっと一度大きく揺れ、たたらを踏んだ。

「……勉強は、とっくに追い付いていたンです。ただ、副業――風紀委員の"護衛"の任が、ついかた最近まで解かれていたもので。
それが今朝方、復帰になった次第で」

顔をあげたとき、たれ目気味の眼が凛霞を捉える。
ぽやぽや、なんて効果音が聴こえそうな程、それはもう眠そうにしている。

「……復帰の話は構いやせンでした。ただ……徹夜を気張る夜過ぎの明け方に、足を運べと、告げられると……は、思わず」

ご案内:「落第街大通り」から清水千里さんが去りました。
伊都波 凛霞 >  
「もー…そういう時はちゃんとそういう事情も話してから話を受けなきゃダメでしょ」

どこまでも眠たげなその姿に眉を垂れる
律儀というか、なんというか
言い方は兎も角、忠犬という言葉のよく似合う青年
責任感が強いというよりは、愚直すぎる

「そういう時にヘンなことに巻き込まれなくてよかったよ、ほんと」

話を一通り聞けばまったくもって危険な話
何もなかったのであれば安堵したように胸を撫で下ろして

史乃上空真咬八 > 「……面目次第も、御座いやせン」

眉まで垂れる。随分表情筋が柔らかくなったらしい。
もう一度鼻をすん、と鳴らす。――眉間に寄る皺。

「……その台詞は、鸚鵡返しさせて頂きやス。
――妙な事に、"まだ"巻き込まれていなくて、何よりです。伊都波さン」

ずい、と動いた瞳。眠気に隠れて尚、獣的な勘はめぐるらしい。
ともすれば、そんなことを言われる側でありつつも、それ以上のことが目の前で予兆を起していたのだと。

「この場所に伊都波さンがいる理由は……言葉より腕章が語ることでしょう。
まして、俺よりも貴女は強い。決して油断をされる御方でもない。
しかし……心配は、しやスから」

伊都波 凛霞 >  
「ありがと。わかってるよー」

にこりと、笑顔を返す
彼が心配する理由もよくわかる
風紀委員という立場、何かに巻き込まれることなどいくらもあり得る
でも

「心配ご無用。とはいかないけど」

「手の届く範囲だけでも、傷つく人に減ってほしいから、やっぱりね」

色々あったり、経験しても
やっぱり現場に戻ってくるのは、そういうこと
落第街の住人に、手を差し伸べられる風紀委員でありたいと思うのである

「心配をかけたいわけじゃないから…うん、ちゃんと気をつけてるよ。大丈夫!」

史乃上空真咬八 > 「…………その御人柄があるからこそ、慕う方も多いでしょう。
その手の届く範囲の後ろ、伊都波さンにもまた、手を伸ばす方が多いことを、どうか」

言葉はやや厳しめに、それでもと諫めるものだが。告げる顔の緩さが優しさを孕ませている。
……が、ぐらりとまた頭を降って、目を閉じる。
当然だが、今この場においては彼は本当に偶然の通りかかり。
それもかなりの眠気に苛まれている姿は、とてもじゃないが前線向きのコンディションではない。

「……なら、結構ですが。…………しかし、何時に引き上げたものか。何時までも連絡がない、の……も」

やや苛立ちもあるだろうが、色々まじめな彼が黒衣の下から出した左腕。光るスマホの画面に照らしだされた彼の……眼の下の隈。皺。
が、

「……連絡……とっくに撤収……?……あァ、バイブレーション、切……」

ぐらり。その場でいよいよ卒倒せんとばかりに後ろにふらついた。

伊都波 凛霞 >  
「わかってるってば」

心配性で眠たげな彼に微笑みかけて、大丈夫?と声をかける

「そんなに連絡がないわけないと思うんだけど…
 一応定時連絡なんかは逐一あるはずだし──」

そこまで言ったところで、なんとも間の抜けた彼の醜態
しっかり者で優しくて心配性、だけどどこか抜けているので放っておけない
あー、なんかそれって…
と彼が自分を心配する理由もよくわかってしまう

と、こちらもようやく道路の彼方に手をふる同僚の姿が見えて…

「一緒に撤収しよっか」

苦笑を浮かべながら、支えるようにその背中をぽんぽんと叩いて