2022/10/12 のログ
ご案内:「廃ビル」に言吹 未生さんが現れました。
言吹 未生 > 去る夜の迷走の果て。
あの不可解で不愉快な男の残滓を振り払うように、闇雲に駆け続けたその終わりに、ここへとたどり着いていた。

「――――」

打ち捨てられたビルの屋上。そこに鎮座する、もはやただのオブジェ以外の用を成さない給水塔の上。
死体の如く横臥する少女の、やはり死体じみた白面の一つ眼が、すうと開いた――。

ご案内:「廃ビル」に黒岩 孝志さんが現れました。
ご案内:「廃ビル」にノーフェイスさんが現れました。
黒岩 孝志 >  
こつ、こつ、こつという階段を上る足音の後、さびた扉がギイときしむ音を立て、扉が開き、男が屋上に現れる。

「まったく、こういうことは地域課に任せればいいことだろうに……」

こういった持ち主不在の放棄された廃ビルは治安が悪い上、構造上の問題があることも多く、倒壊の危険もあることから定期的に風紀委員が施設点検も兼ねて巡回している。

とはいえ男は刑事部組織犯罪対策課、本来こういった巡回任務に当たる人間ではないのだが、最近は風紀委員の死傷者も多く巡回任務を担当する地域課全体がピリピリしている……というか、人手不足のようだ。

そういうわけで、組対にもお鉢が回ってきたのである。黒岩はくじ引きに負けた人間だった。

「――ん? そこにいるのはヒトか? 大丈夫か、生きてるか?」

と、上を向いて割と無警戒に話しかける。