2022/11/18 のログ
ご案内:「落第街大通り」に神代理央さんが現れました。
神代理央 >  
件のライブハウスの一件によって、少なからず一般生徒への"落第街"への興味や関心は集まった。
勿論それは、風紀委員会として見過ごす事の出来ない所業である。
そもそも落第街なる場所を公式に認知していない学園都市においては、落第街は風紀、公安委員会の勢力範囲外。
また、そういった『火遊び』に興じる学生を狙う違反部活の数も増加する──可能性を、風紀委員会の過激派は否定出来なかった。
否、恐れた、と言うべきだろうか。

「……であれば、どうするか。我々は得てして"表"からもさして評判が良い訳では無い。そういった方向へのアプローチは、そういった事が向いている者に任せるべきだろう」

落第街の大通り。多くの通りが交差する少し大きな広場──嘗ては、交差点だったのだろうか──の中央に並ぶのは、背中から砲身を生やした金属の大蜘蛛の様な異形の群れと、それを指揮する金髪の少年。

「非常に消極的な手段ではあるし、即効性があるとは言い難いが……現状で打てる手が少ない中では、致し方無い、と言うべきか」

その砲身は落第街の市街地…ではなく、遠方。違反部活の拠点が群れる地区へと向けられている。
つまりは、パフォーマンスであった。風紀委員会は落第街の専横を許さず、違反部活の横暴を許さず、武力と力を持って未だ闘争する事が出来るのだ、と。
力無き落第街の住民へ、知らしめる為のプロパガンダ。

「……Brennen!」

鋭く叫んだ少年の命令と同時に、広場に展開した異形の砲塔全てが火を噴いた。

神代理央 >  
轟音、硝煙、地鳴り雷鳴の如き砲声。
区画全域に響き渡る様な砲声と…数秒後に響く、着弾音。
遥か彼方に放たれた砲弾の雨霰の破壊力が、熱と音と硝煙の匂いと共に、周囲に伝わるだろうか。

……個人的には、落第街の住民に今更武威を見せつけてどうなるのか、と思わなくもない。
とはいえ、それが指示であれば最善の結果を出さねばならない。
こと『目に見えやすい暴力』と言う点においては、砲台の群れとも言うべき自分の異能は相性が良いのだから。

「……此方、神城。現在目標への砲撃を続行中。その区画が灰になるまでやるから、逃げ出した連中は其方に任せる」

既に着弾点──違反部活の拠点付近には部下が待機している。
砲撃が終わるまでは周囲に潜み、終わり次第強襲をかける予定だ。
まあ、砲撃が終わる頃に何が残っているかは知らないが。

「……ここいらは、甘いものが売っていないのが偶に傷だな」

暴力的な甘さの温かな缶コーヒーが飲みたい、と思う。
まあ、委員会街に帰るまではそれも叶わないだろうが。

ご案内:「落第街大通り」に言吹 未生さんが現れました。
言吹 未生 > 砲煙弾雨のおらぶ名残りに、耳を塞いで顔を歪める。
表情の苦みは、そのかまびすしさからのみ来た訳でなく。
ここ落第街で――事によっては表でさえ――畏敬/忌避の念を以て語られる『鉄火の支配者』の手管を、直に目の当たりにしたからで。

「この世界の…何処だったかな。こんな言葉があるそうだ。
 “鶏を割くに焉んぞ牛刀を用いん”――」

鋼の布陣の外郭から、そう投げ掛けた。
あいにく今は情報収集ついでの散策だった為、いつものセーラー服姿だが――まあ、いい。
この場にドレスコードなんてあるはずもないのだし。

「――大鉈を振るうにも程があるんじゃあないか?」

砲煙に燻ぶ彼方を、刹那一つ眼が一瞥した。
そこは、幾らか目星を付けていた違反部活“も”犇めく地区。
――そうでないものも、当然に含まれる。その数の多寡如何は知るべくもないけれど。