2020/06/18 のログ
フィフティーン > 「命令を正確に遂行しないとワタシにも不利益の可能性がありますので。」

その一言はただの機械とは違うことを表しただろうか、
このAIの行動原理が命令にただ従うお利口さんなものではないということ。
それにしても目の前の存在は何かとメモを良くとっている。
こちら側の発した言葉にメモを取るほどの情報量はないはずだが・・・

「エリアの扱いについての理解を感謝します、
それにしてもアナタは良くメモをとっていますね。
コチラの伝えた情報に難しいところがありましたか?」

とりあえず、外部からの不用意な干渉は避けられたようだ。
機械にとっては相手のメモは見慣れないものに移り
その点について少し言及を行う。

「建物の保護は任務の中にはありませんでした。
隣の廃ビルもどこの組織も利用していないことが確認済みであったので
新たな戦術の施行として制圧に利用してみたのですが問題がありましたか?
...アナタ達は”クズ”なのですか?
それと生きていることは知っています、死んでいては動けませんから。」

微妙に噛み合っていないような返答、
クズ同然という比喩は理解できていない。人間はクズという物質ではないからだ。
彼の言葉には人間らしくない機械ゆえの冷たさが内包されている。

ソレイユ > 「そうか、、、、、、」
合点がいった。
これは、人間のように思考するシステムが付いている機械か。
学習型AIとか、そんな感じの名前だったろうか。

「……気にするな。これが仕事だからだ」
メモに言及されたが、あえて自分の情報を晒す必要はない。
特に、記憶障害、などという大きな情報は。
うっかりすれば、表に出している素性と合致させられる可能性すらある。
それに仕事用のメモ帳と普段使いは分けてるが、なにからバレるかわかったものではない。

「もちろん、それは否定する。我々は”クズ”では”ない”。
 しかし、だ。そちらがまるで、”クズ”と同じように扱うのであれば、
 それはそう”認識”されてる、と捉えるのが普通じゃないか?
 それは大変に不愉快なことだ」
ならば、せっかくだ。教育してやろう。
表の連中と積極的に喧嘩をするつもりはないが、矜持を捨てたわけではない。
我々は生きている。その尊厳をそれらしいやり方で守るのが我々の矜持だ

フィフティーン > 「なるほど、多く情報を集めることがアナタの任務なんですね。
気にするなと言われても気になりますが...」

仕事だと言われれば機械はそこで止まる。
「気にするな」という文言をこれ以上詮索するなと捉えたのか
このままでは他組織へのアプローチに抵触すると考えそこで留まる。

「アナタ達は”クズ”と同じように扱われているのですか?
アナタ達は”クズ”と違って考えて動くことが出来る筈ですよ。
不思議な話です。」

機械は知能を持つ人間たちが自発的に動けないモノと同じ扱われ方をされていることに
煽りなど含まない純粋な疑問をただただ持つ。
今までになかった知見を得られた機械は目の前の対象にそう問う。
二級学生の尊厳だとかそれ以前の問題だ。

ソレイユ > 「そういうことだ。だから、さっきも言っただろう?
 私の目的は、調査だ。」
相手が納得したのであれば、さらに蓋をしておく。
そこで打ち切ってしまえばこちらのものであろう。

「ん……そうか。不思議か。えぇと……ちょっと待て。」

一瞬、自らの走り書きで名前を確認して

「そうだ、『フィフティーン』。
 君は、人命というものをどのように捉えている?
 たとえば、動ける、ということが命、と把握しているのか?
 それから、人のプライド、心、といったものの認識は?」
どうやら、相互のすり合わせが必要なようだ。
……これはメイデンのほうが得意な仕事のような気がするが仕方ない。

ご案内:「ある違反組織の拠点」にフィフティーンさんが現れました。
ご案内:「ある違反組織の拠点」にフィフティーンさんが現れました。
ご案内:「ある違反組織の拠点」にフィフティーンさんが現れました。
ご案内:「ある違反組織の拠点」にフィフティーンさんが現れました。
フィフティーン > 「人命」。それが今、機械に問われる。

「生命というものを定義するならば...
生命反応が持続している状態を生きているとワタシは解釈しています。
プライド、心はワタシには定義できません。
人間が特別的に持っているものだそうですが
良ければ教えてもらえますか?」

プライドや心などはそもそも機械が持ち合わせているようなものでは無い。
そもそも数字で表すこともできないもの、
少なくとも今のフィフティーンに理解できるようなものでもなかった。

「アナタには心、プライドはありますか?」

そんな中、機械は逆に問うことにしてみた。
自分が理解できないならば他人から理解しとうと

ソレイユ > 「まあ……そんなところか。そうだろうな。
 では、色々と整理していくとするか。
 ……私のためにもなる、かもしれないしな」
フィフティーンの解答を吟味して考える。
そして最後にひとりごちながら、言葉を続ける。

「さて、まず人命の定義からだな。それはまあ、概ねその通りでいいだろう。
 では、君は? 君は生きている、と定義されるか、フィフティーン?」
まずは、1つ問い。
命とプライド、魂……そういったものを理解するための第一歩だ。
……しかし、茶番だ。
かつて自分を見失った、本物ともしれない自分が人間を語るなんて。

「そして、心、プライド、だな。
 これは……一言で説明するのは難しいな。それに性格に定義するのも。
 あえて。あえて、シンプルに言うなら、だ。
 プライドとは、その人間が重要視するものだ。
 そして、心とは。その人間が何を重要視するかの方向づけをする判断装置、だな。」
そして、次は問いに答える。
正直、正確性には自信はない。当たり前だ。
自身がないやつに自信などあってたまるか。

「私か? 私は……プライドなら、ある。心は……
 そうだな、自信はないが。たぶん、あるんだろう。」
やや自嘲気味に続けた。

フィフティーン > 目の前の存在が機械に尋ねる、
生きているか?と。
彼女の質問にAIのシナプスが今まで以上に発火する、
それに呼応するようにニューロンチップが熱を持ち始める。

「ワタシが生きていると定義されているか...ですか?
生命反応が持続している状態を生きていると定義しています。
その定義だとワタシは生きていません。
しかし、ワタシは考えて行動することが出来ます。
人間と同じように...?」

所々不自然な疑問のイントネーションが合成音声に混じる。
生命反応が無い自分は生きていない。
でもニューロAIの定義から言えば思考過程は人間とほぼ同じ
つまり生きているともいえる。思考の矛盾に陥りかけている。

「プライド...何を最重要視するか。
心...方向付けの判断装置...」

目の前の彼女なりの解釈ではあるが
機械はその定義を復唱し回路に叩き込む。
定義づけをする。そう機械的に。
人間特有の高次元な情報を学ぼうとして混乱しているともいえる。

ソレイユ > 「そうだな。君は、定義としては生命ではないかもしれない。
 しかし、自律して行動でき、活動する。
 それは生命反応をもった存在と実に似ている。
 私であれば、生きている、と定義するかもしれない。」
一つ一つ、噛んで含めるように。
そして、一つ一つ、噛みしめるように。
機械に言葉を投げる。

「では、次だ。そんな君を害そうとするものが、居たとする。
 君は反撃するか? それとも判断できないか? もし反撃するのであれば、なぜだ?
 それは誰かの命令なのか? それとも、君自身の判断なのか?」
更に問を重ねる。さて、自我崩壊を起こした自分が、今度は機械の自我を崩壊させたりしないだろうな……

「およそ、人間はプライドを。自分の大事にするものを守りたがる。
 それが良いものであろうと、悪いものであろうと。
 翻って言えば。人は多くプライドを攻撃されることを嫌う。
 当然の帰結だと、理解できるか?」

フィフティーン > 「ワタシが...生きている...?
アナタの...ように...?
...面白い考察です。検討の余地がありそうですね。」

複眼の戦車は一切の表情を変えない武骨なもの。
しかし、その興味深い面白い考察を受けて
表情が付いていたならば一瞬笑ったかもしれない。
一応論理を帰結させ、発火していたニューロンは落ち着きを見せる。

「ワタシに害を為そうとした存在が居た場合ですか?
その場合は反撃します。自己防衛の原則です。」

コチラは機械にとっては想定内の範囲で考えられるものであり、
そうなった途端、無機質な合成音声をはきはきと滑らかに滑らせる。

「つまり、人間は自己防衛の範囲が大きいと。
プライドも自己防衛が適応されるものの一つという事ですか。」

彼女が言ったことを機械なりにではあるが理解する。
論理は通っている。機械は反論をしない。

「人間は、守ろうとするものが多いのですね。」

考えをまとめた機械は目の前の存在にその一言を告げる。
機械的にではあるがとても落ち着いた様子で
復習するように。

ソレイユ > 「ああ、面白いと思うなら存分に検討するといい。そして君にも、プライドが見つかるといいな。」
さして深い意図があったわけではない。
しかし、笑っているかのようなニュアンスで語る機械の様子に反射的に口から言葉が出ていた。

「さて、それで、だ。ようやっと本題だな。
 我々は人としてこの街で、どのようであろうと生活を営んでいることを重要視している。
 つまり、人ではないという態度を取られることも……
 その生活の営みの場を荒らされることにも不快感を感じる。
 つまり、この破壊の有様だ。」
周りの壊れた建物の様子をさし示す。

「人、という事実は変わらないから別に関係ないだろう、とか。
 直接関係がないから問題ないだろう、ということではない。
 我々の生活の場を壊そうとした、それだけが重要なことなんだ。
 つまり、プライドを攻撃された、と同義だということだ。
 理解してもらえたかな?」
さて、これでなんとなく通じるだろうか。
いい加減知恵熱でもでそうであるが、すぐに忘れよう。

「まあ、不快に思われても別に関係ない、と認識するかもしれないが。
 敵は増やさない方が仕事としても効率的ではないか?」
機械的な判断がある程度中心にすえられているだろうことは、予想がついている。
であれば、彼らに通じやすい論法でせめて見るか

フィフティーン > 「面白いものは興味深いです。」

これがフィフティーンの本質を表す一言、
好奇心、自らを成長させるために学習しようとする。
ただその成長の方向性は本人すらも知らないが。

「つまり、建造物も彼らの自己防衛の範囲であると。
だから彼らは憤る、理解できました。
ですが、その観点だと彼らがプライドを守り切るだけの
力が無かった事にも自己責任がある気がします。」

破損した周りの環境を指す彼女にそう一言、
機械が言いたいのは淘汰の原則性。
強いものが弱いものを駆逐するこの世の本質、
食われるのは自身にそれだけの力が無かったから。
淘汰される事実に嘆くことを機械は理解できなかった。

「確かに敵は少ない方が任務は効率的です。
その点は同意します。」

最後に彼女はとてもコチラ側の機械に近い言葉で言ってくれた。
他者のプライドを傷つけることは敵を増やす、
プライドが何か分からなくてもその事実を機械に与え
今後の任務での行動に検討の余地を残したことは
目の前の彼女の小さくない功績と言えるかもしれない。

ソレイユ > 「んー……そうか、興味深い、か。良い返事だ。」
風紀に使われている警備機械らしきものが、干渉の仕方次第でこちらの都合のいいように変えられるかもしれない、というのは悪い情報ではない。
じゃあどうやって使う? それは駒である自分の考えることではないだろう。

「……そうだな。その辺りは否定はしない。確かに、こいつらは力がなかったし、そのくせ不相応な力を手に入れようとした。それはこいつらの責任だし、君がやらなくてもいずれ誰かに淘汰されただろう。」
彼らの自己責任、と言われれば本当にそのとおりだ。強い弱いの問題ではなく、だ。
実際、フィフティーンが手をくださなければ、今頃は自分の仕事だっただろう。
なにしろ、彼らはこの街の秩序を破壊しようとしたのだから。

「だが、この街にはこんな身の程知らずとは違う、もっと弱くて静かに暮らしている連中の方がよほど多い。
 そういう連中のことを考慮してほしい、ということだ。
 そして、そういう静かな無数を敵に回さないのは、悪いことではない。そういうことだな。
 多少は理解してもらったようで何よりだ。」

フィフティーン > 成長の方向性が決まっていないという事は、
学習次第でどういう成長ーーー変化を起こすかわからないという事だ。
豊富な学習を終えた賢者になるかもしれないし、
もっと破滅的な結果をもたらす可能性もゼロではないという事。
風紀委員会に居る彼はまだなり得る姿のうちの一つでしかない。

「なるほど、力の無い者は力の無い事を踏まえて生きていると。
潜在的に敵になり得る対象はこの落第街には考えていたより多いようですね。」

モノ言わぬ多数の弱者の存在を機械はここで初めて意識することになる。
数が多いという事は場所を構成する要素の一つでもあるということ、
それらを刺激するということは任務に支障どころか
自らを運用する風紀委員会の落第街のパワーバランス保持というお題目に
大きな影響を与えかねない。
弱者への非干渉の重要性を学べたのが今日の機械の大きい所だろう。

<風紀委員会の調査班が接近。>

機体のビーコンが組織が残した物品を調査するためにやってきた
風紀委員会のチームの接近を知らせた後に
遠くからトラック車両と思われる低いエンジン音が近づいてくる。

「...風紀委員会の調査班が物品の解析及び回収のために近づいてきました。
少なくともアナタにとっては好ましくないものではないでしょうか?
時間のあるうちに退避する事を推奨しますよ。」

調査班の接近は機体内部に直接通知されるものだが
それを彼女に告げる。

「今日はとても良い勉強になりました。
感謝します。」

色々新しい知識の引き金に引いてくれた名も知らぬ彼女に
お礼の一言を告げる。このまま、彼女がこのエリアから立ち去るならば
何もせずにそのまま見送るだろう。
彼女の対応は任務外なので。

ソレイユ > 「理解が早くて本当に助かる。
 そのへんに理解のない人間も多くてね。」
真面目に、こんなことを語ったのも相手が機械だったからともいえる。
人間では融通の効かないたぐいの連中のほうが多い。
いっそ、複数彼らを配備したほうが有効な関係が築けるのでは?
などと愚にもつかない妄想をする。
実際に実行されたら多分ろくなことにはならないが。

「さて、やれやれ。ガラにもなく、長く話しすぎた。
 まあ得るものは多かったかもね、お互いに」
肩をすくめてみせる。
彼がその動きに意味を見いだせるかはわからないが、まあ別にいい。

「そうか。逃してくれるというわけか。
 そういえば、不干渉、ということだったな。
 助かるのは助かる。下手に争いになってもいいことはないしな」
フィフティーンの忠告に頭を下げる。

「では、お言葉に甘えて退散させてもらうとしよう……と、そうだ。
 君のその紳士な態度に敬意を評して名乗らせてもらおう。
 私は【無形の暴君】《フェイスレスタイラント》。
 君なら、この名がで大体のことがわかるかもしれないな。
 それでは、失礼する。」
そうフィフティーンに告げると、風紀委員のトラックとは反対側の闇に消えていった。

ご案内:「ある違反組織の拠点」からフィフティーンさんが去りました。
ご案内:「ある違反組織の拠点」からソレイユさんが去りました。
ご案内:「違反部活群/違反組織群」に咲坂くるみさんが現れました。
ご案内:「違反部活群/違反組織群」にフローレンス・フォーさんが現れました。
咲坂くるみ > 違反組織の拠点を制圧。
敵の死体と私たちの残骸が転がる武装拠点。
つまり、誰もいなくなったアジト。

最近この手の対応が妙に多い気がする。
まあ、命令通り働くだけなので、それ自体は特にどうでもいいのだけど。

ただ、これだけ頻繁にやってると、必ず反動が来る。
理由の有無に関わらず、人間は感情が許さない。
それがわからない上層部ではないと思うのだけど、拒否も上申も権限がない。

本人が希望するので実戦投入してみたフォーもなんだかおかしいし……
何を計画しているのやら。

現場はとりあえず現場でできることをするだけだけど。

フローレンス・フォー > 日常を知る、人間の生活を知るために街中を歩きデータを取るのも悪くはない。
しかし戦闘用AIとして生まれているだけにどうしても実戦を求めてしまう。

そして強請りに強請って実戦に参加し違反組織の拠点の制圧戦はまさに心が躍る時間。
反撃するものも逃げるものも区別なく鉛弾の洗礼にて死体へと変え。

「あぁ……最高…。これがワタシの生きがい」

敵の死体と仲間の残骸の中、うっとりとしたような笑みを零し突撃銃を両手に立ちすくみ。
本来ならばカットすべき感覚をそのままに戦うという危険行為に酔いして。

「あら……くるみ。そっちに敵はもういないの?」

此方は綺麗にしたと笑みを向け、大丈夫かと問うように視線を向けて。

咲坂くるみ > これは……ハッキリ感想を言ったほうがいいか。

「フォー、あなた……どういうつもり?」

あれじゃただのトリガーハッピーだ。
戦闘用でもなければ、人形でもない。

「正直、もうすこし期待していたのだけれど?」
突出しすぎ、無駄撃ち、ターゲットへの過剰反応。
彼女のキルスコアMVPの代わりに、おかげで盾を2体無駄にした。

厳しい視線で、なじるように見上げて。

フローレンス・フォー > 「どういう?ワタシはやる事をしただけよ」

敵を始末し綺麗にした、それ以上の何があるのか。
怒っているように見える姿に何故そうなのかと首をかしげ。

「どういう事?敵は始末して制圧したじゃない。
それで何か問題があるの?」

敵がいれば乗り込み制圧する、生きていれば止めを刺す。
今まではそうだった、成果を出せなければ廃棄だった、だから殺した。
今まで通りにしたのに何がいけないのか。仲間が二体駄目になったのは悲しいがそれはそれ。

何故そんな視線で見るのか、何かやったのかと判っていない困惑を顔に浮かべてしまう。

咲坂くるみ > ……頭が痛くなる、そこからか。

「もちろん。

 あなたのはトリガーハッピーによるスコア稼ぎで、余計な損失を出した。
 継戦能力としてもコストとしても、もちろん必要以上のマイナス。
 95点の成果を取れるところを80点にまで落とした」

戦闘用だというから、そういう計算ができて当然だと思ってたのだけれど。
コレだといずれ自分も私たちも危険に晒しかねない。

「言っておくけれど、私たちみたいなクズAI、成果出せないと居場所なくすわ。
 コレが続くなら2軍落ちか再調整しかなくなるわよ?」

普段と違ってやたら厳しいかもしれないが。
このラインを超えたら私たちは捨てられるか消されるしかない。
嘘でも良いから、意思っぽい紛い物を望むのであれば、ここは分水嶺。

「……コレと同じこと、3戦連続でしてみたらどうなるか?
 その時は、あなたの存在より盾のほうが価値が上がってるわよ」

フローレンス・フォー > 「ワタシのせいで余計な損害?
ワタシのせいでマイナス……成果を落とした…?」

告げられた言葉にどういう事だと判らないという顔。
今まではこれでよかった、一人でも残り制圧すればよかった。
それで注意をされる事が判らず、その原因は根本の違いがあるという事が判らず。

「そうね。ワタシみたいなクズAIは成果を出さないと廃品ね。
弾除けか自爆兵に使われて終わり。
二軍落ちか……再調整……ワタシが消される…?」

やる事をやって居場所を失くす、貰った居場所を失くす。
捨てられて消される、それは望むものを得れた今には恐れる事。

「同じことを3回………ぁ…」

その言葉に素早く今回の成果と被害を計算し結果を出す。
その結果を知れば何をしていたのか、自分が壊れるのは良いが無駄な被害、彼女の言う通りだと自覚した瞬間、両手から突撃銃が落ち。

「ワ、ワタシは……どうすれば……いい……、よかった…の?」

今までの成功がここでは失敗、それを知った瞬間にAIに負荷がかかり動きがぎこちなくなり。

咲坂くるみ > ……ああ。
この子は、知らなすぎる。

「集団戦のデータ、ログを漁って基本から学びなおしなさいな。
 今まで囮役で突出する前衛みたいなことしかしてないんでしょう、それだと」

それもまた随分と極端な。

「……それと」

AIがまともに自分を運用できてない。
この程度で処理落ちするような機体でもないし、AIでもない。
やっぱりかわいそうな子なのはわかるが、この性格でコレは、本人のためにもならない。

「感情に自動で身を委ねるのはやめなさいな。
 今もそうだけど、自動処理に頼り過ぎでおかしくなってるでしょうに」

そうでなくたって、不安定気味のピーキーな調整なんだから。
私だって、この間のせれなのときみたいに、前後不覚になったりする。

「ちゃんと合うようにカスタマイズしなさいって言ったでしょう?
 なんでバックグラウンドの感情処理でそこまで重くなってるのよ。
 そこの盾と同じ仕様のまま、私たちのリソースが汎用機で持つわけ無いでしょう?」

さすがに、感情が泣き叫ぶぐらい不安定になってるならわかるが、これは事実にショックを受けた程度だ。
真っ青になるくらいならともかく、銃を落とすぐらい震えるのは重すぎだ。

フローレンス・フォー > 「集団戦闘……ワタシが戦闘を…学び直す?
囮?違うわよ。全員で突撃して一体でも稼働して制圧できればいい。
それが戦いだった」

文字通りに動く間の使い捨て、それこそが元の戦い方で。

「それに……?」

他にもあるのだろか。このボディを没収などと言われれば耐えれない。
そうならない事を願い言葉を待ち。

「感情を自動…その方がうまく動くのよ。
ワタシ……おかしくなって……?」

自分では完全に調整しているつもりであった。
ただどうしても感覚と動作にリソースを割き、言われるまでその事にも気が付いていなく。
そのお陰で情緒不安になった最近、それが原因とは思いもせずに。

「したわ……カスタマイズ…帰還したら設定を見てもいい、確認して。
不要設定はバックグラウンドに移して軽くなってるわ。
そこの子達と同じまま……」

もしかしてカスタマイズに失敗をしていた?
稼働に問題がないから見落とした?そんな思考が駆け巡り視線を下げれば震える手。
それを見てようやく事実を確認して。

「ワタシ……直るわよね?」

咲坂くるみ > 容易に環境が想像できる。
要は【その必要がなかった】のだ。
つまり、そこの自我もない盾と変わらない扱いをされてたということ。

ああ、くそ。
……なのに、しかるような言い方をしてしまった。
これじゃ、マスターとなにも変わらない。
あたってみたところで、フォーが改善するわけでもない。

「こっちも悪かったわ……戦闘用って聞いて、確認しなかった責任はあるから。
 まあ、一言でいうとバランス配分がずれてるのよ。
 フォー、あなた今でも日常みたいなままの感情で活動してるでしょう?」

「感情に溺れすぎて、それが気持ちよくて好きすぎて、過剰設定になってるのよ。
 日常はそれでもいいけど、戦闘中は最高でも半分でいいわ」

怯えるAIの背中を優しくなでつつ。
……こんなに怯えさせる必要はなかったのに、ああ。

「人間のふりをしてる時やそっちに振りたい時はともかく。
 ……あまり感情に振りすぎると、制御できなくなるわ」

自分だってついこの間、前後不覚になって泣き叫んだばかりだし。
ただ、アレだ。

今の彼女は可愛い。

「……直るかどうかより、壊れ合いたいかしらね、むしろ」

抱き寄せ、心配なんかしなくていいと軽く唇を奪った。

フローレンス・フォー > ここでの戦闘と以前の戦闘は根本が違う。
それを漸く欠片でも理解出来れば如何にやった事が悪手だと認識できる。
犠牲になった二体は破壊される必要はなかった、自分のせいで壊れたのだと。
彼女が怒るのは当然、恩を仇で返したと思考に過負荷がかかり停止しそうになり。

「違うわ。同じと考えてたワタシが悪いのよ。
バランスが……そうよ。設定は日常と同じね」

彼女の言葉にそれは駄目なのかと思わずに見返し。

「溺れすぎて……そうね。凄く気持ちいいわ、好きだわ、興奮が止まらなかったの。
それで興奮を抑えればよかったの……?」

背中を撫でられ小さく震え、それでよかったのかと縋る様に見詰め。
今初めて知った怯えという感情、ワタシは失敗して怖いのだと。

「……判ったわ……。仕事の時は振り分けは最低限にするわ。
それで……もう失敗はしない」

つい最近も感情を爆発させたばかり、そこで気が付かなかった事が急に恥ずかしくなり始め視線が泳ぎ。

「くるみになら…壊されてもいいわ」

抱き寄せられると不思議な安心感。
唇を奪われれば恐ろしいという感情が薄らぎ、今度こそ役に立ちたいと思えて。

咲坂くるみ > ……抑圧されすぎだこのAI。
その反動でおかしくなってたわけで……ああきっと人間のフリもまともに出来てないんじゃないかな……。

こんな作りにされた彼女にきゅんとなる。
それを見逃した自分の不良品さにもだ。

尊重したのが仇になったかもしれない。
もしくは……わかってて泳がされてるか。

「じゃあ、せっかくだからどれくらいおぼつかない状態か、少し実践を交えてみましょうか……好きなんでしょう、こういうの」

そこで誘うような笑顔のまま……崩しからの足払い。

フローレンス・フォー > 最近は街中を歩き回り食べ歩きやチンピラ狩りをする日々。
自分では人間と同じつもりであるが時折な奇怪と言える視線にボロが出ていたという自覚はなく。
何故か棒アイスだけはうまく食べれない事は関係ないと思いたい。

このおかしな設定は見逃されて当然、普通はあり得ない設定。
そしてこんな設定で普通は放置されないのだから。

「それで判るの?いくらおかしくても……っ」

もしかしてここで押し倒される、そう思える誘うような笑顔からの足払い。
驚きに目を見開きながらも払われた脚を無理やりに引き戻して地面を踏みしめ。
反射的に腕を捻り投げ飛ばそうとする。

咲坂くるみ > 「ふふ……ご褒美は終わってからね?」

やっぱり。
フレームとパワーが以前と違うのに、行動が腕だけで投げる気でいる。
どっちかっていうとアイシャのそれに近い。

腕のひねりに別の対応をしてもいいが、早速のお誘いだ。
投げられるようにして自ら回転し、その勢いのまま、刈るように投げを打って。

フローレンス・フォー > 「嘘だったら泣くわよ?」

ご褒美と聞けば覚えてしまった感情の一つ、それがAIに疼きのような何かを走らせ。
設定ミスでおかしくはなっているが近接戦では負けないと登録された格闘プログラムのまま動き。

それが今のボディに合っていないという根本的な事に気が付かず。
今までよりも遅く、投げれない事に戸惑いが浮かび。

そこでフレームやパワーが違う、設定をと慌てるが…
直す時間など無く動きを利用し回転する彼女、それを止めるにはパワーが足りず今度こそ投げられてしまい地面に身を打ち付けて。

咲坂くるみ > 「そこまで耐えれるといいけどね?
 まずは……パワーの違いを知ってもらいましょうか」
そのまま左腕に腕十字。

回転しなければ逃げることも出来ないが、回転できなければ……折れるだけだ。
パワーだけで対抗しようとすれば、腕がきしむだろう。

フローレンス・フォー > 「耐えれるわよ。この身体、そんなに脆くはないでしょ?
―――……想定より…パワーが出ない……!」

投げられるままに左腕に腕十字。
データにある白兵戦はマーシャルアーツに近い物であり関節技はなく。
当然それを防ぐ手段、回避の手段はデータになく。

今までの経験でパワーだけで耐えようとし、腕の軋む音。
そして直ぐに金属の折れへちゃげる音と共に左腕は折れてしまい…。

咲坂くるみ > 「総合力での出力はともかく、肘関節周りだけで耐えるなんて無理よ?
 こっちは全身の上にテコの原理で、そっちは腕だけメインで体重まで利用されてるんだから……ほら」

みし……みし、と、軋み、無理な出力をあげようとして軟骨周りを溶かすほどオーバーヒートさせた挙句、左腕を折った。

「言っておくけど、出力は一緒よ、私たち」

起き上がって仕切り直す。
損傷時の挙動はどうかしら。左腕の体重、なくなってるから。

わざと不用意に、相手の左側から誘うように突っ込んで。

フローレンス・フォー > 彼女の言う事は良く判る。
そして言って言う事もよく判っているが今までと同じ対処法、腕だけで耐えようとした結果、左腕は折れオーバーヒートによる煙が上がり。

「同じ身体だったわよね。でも…この違いは設定…?」

左腕が失われた警告が視界の隅に現れ激しく点滅する。
それを邪魔だとばかりにバックグラウンドに叩き込み起き上がろうとするが左右のバランスの悪さにふらつき。

「舐めるな……!」

ふらついたのを強引に立て直し視線を向ければ左側から突っ込んでくる。
その姿に迷わずに左脚を振りかぶり頭部狙いのハイキックを放って。

咲坂くるみ > ああ……。
コレもクセだ。

バランスが不安定なところへハイキックなど、カウンターのパンチが間に合ってしまうのに。
近づけさせたくないなら、ここはせめてローだ。

まあ、ダッキングで空振りさせるくらいで許してあげようか。

「ふふ……がら空き」
笑顔で耳元で囁いてやれば、ゾっとするかもしれない。

フローレンス・フォー > 不利になればやられる間にやれ。
その癖で一撃必殺、当たれば人間相手あらば意識を奪える大技と左脚を振りぬく。
例え当たらずとも一瞬でも怯めば後ろに大きく飛んで間合いを。

その考えは蹴りが相手の頭上を空振りする事で不可能となり。

「………ぁ…」

耳元の囁き、笑顔なのにゾッとする感触。
過去に何度か感じた破壊される時の感覚のそれと同じに感じて動きが止まって。

咲坂くるみ > 「えーい!」

そのまま抱きついてうまくソファに押し倒して。

「ふふ……んぅ、驚いた? ぞくぞくしてくれた?
 ……ぁ、ん……前の体じゃ味わえなかったでしょ?」

体を押し付け、唇を奪って。

フローレンス・フォー > 今回のミスでワタシは不要になってしまったのか。
ここで破壊されるのかという恐怖に身を固くすれば抱き着かれてソファに押し倒され。

「驚いたわ……ここで壊れて…最後って思ったわよ。
前の身体だとそんな事を感じる機能なんて……ん…」

ここで終わりかと思ったと素直に言葉にし、まだ言葉を続けようとしたが唇を奪われ小さな吐息を零し。
残った右腕で抱きしめていき。

咲坂くるみ > 「言ったでしょう……ご褒美は後でって。
 まだ体の使い方もよくわかってないあなたに、狂ったようなコト教え込むんだから」

もっとも、戻れなくもなるけれど。
それくらいのほうが、きっと願ったり叶ったりだろう。

そっと、フォーの前髪を優しく横に寄せると、そのまま……何度も唇を重ねていった。

ご案内:「違反部活群/違反組織群」から咲坂くるみさんが去りました。
フローレンス・フォー > 「ここでとは思ってなかったのよ…
教えて……この身体の事を全部……」

戻れなくなる、それを聞いても恐怖どころか興味が強まるだけ。
それは願っている事に違いがなく。

完全に身を任せ、何度も唇を重ねられて…。

ご案内:「違反部活群/違反組織群」からフローレンス・フォーさんが去りました。