2020/07/21 のログ
ご案内:「『裏切りの黒』地下拠点」に『拷悶の霧姫』さんが現れました。
ご案内:「『裏切りの黒』地下拠点」に『吸血鬼』さんが現れました。
■『拷悶の霧姫』 > そこは、日常からは隔絶された地の底の底。
穢れ者達が集う場所。
逸れ者達が集う場所。
柔らかな赤いソファの上。
人形と見紛う少女が、万年筆を手に細かな文字を刻み込んでいる。
それは何処からか拾ってきた石であったろうか。
何の変哲も無い石だった筈だが、今や赤で書かれた文字がびっしりと
刻まれて、異様な物質と成り果てている。
一筆、また一筆。
書き加える度に、石の上に描かれた文字が淡い紅の光を放っている。
どれだけの時間が経ったことだろうか。
その文字が石を覆い尽くした時、人形はふと手を止めて、闇の向こうを見つめる。
「さて、そろそろ時間でしょうかね。
始めましょう、我々の集会を」
鋭い氷柱の如きその声を、闇の向こうへと静かに投げかける。
裏切りの黒の集会。此度は、情報の共有と方針の決定の為に開かれている。
「ヴラド、進捗は」
ご案内:「『裏切りの黒』地下拠点」に『無形の暴君』さんが現れました。
■『無形の暴君』 >
「……」
闇の中から、静かに染み出すように現れる影。
長身のその身は、黒い服の下からでは男のものとも
女のもともつかない
「……まったく急なことだな、『拷悶の霧姫』」
漏れ出るその声は小さく、話を阻害しない程度に
その声も、男とも女ともつかない
曖昧に包まれていた
■『吸血鬼』 >
何時からそこにいたのか。
影に、赤い瞳の輝き一つ。
「先ずは『対象』の異能についての情報は手に入れたが、
それも虫食いだった。
他、『真理』っていうのが何かっていうのと連中が何を捧げて《窓》とそれをしようとしているのかは……」
少し思い出しながら、ため息一つ吐いて
「本人から聞いた。
成功確率は良くない。失敗すれば『良くて』その場の連中だけが死ぬんだそうだ」
―――まとめた情報を『拷悶の霧姫』に渡す。
『真理』とは《窓》の向こう側の『ナニカ』に問いかける事。
そして、過去は対象を除く違反部活の部員全員だったが、今回も同じ規模だと誰も保証出来ちゃいない。
そもそも《窓》が無事開いたとして、それで《窓》の向こうから都合よく『問いの答えだけ』を得られるのか。
そう言っているのは、それを『可能性』だと言っているのは『対象』だけではないか。
不安要素、不確定要素は溢れるほど出る。
だが、ハッキリしていることは、この街にある命が『真理』なんてものに奪われ危険にさらされようとしているという事だ。
■『拷悶の霧姫』 > 「フェイスレス」
凍てついた声色はそのままに、彼/彼女へと顔を向ける。
彼女が抱いた感情は、砂上の楼閣であるがゆえに。
目の前の彼/彼女が抱いた記憶もまたきっと、泡沫の夢であるがゆえに。
「急に呼び出してすみません。
ですが、今回の件。見てみぬふりはできないものですから」
ソファの端に肘をかけた彼女。
その頬に真っ白な手の甲が添えられる。
■『無形の暴君』 >
「……構わない、必要なのであれば」
招集の主に応じる。
そして、もうひとりの同志から齎されたこの話は……
ああ、あの女の
「……『日ノ岡あかね』、か」
ぼそり、と小さくつぶやく
未だ、心に刻まれたその名前
「『良くて』、死ぬ……か。
……『吸血鬼』もそう聞いたのなら、間違いはないのだろう、な」
■『吸血鬼』 >
「そう、『良くて』そいつら『だけ』が死ぬ。 前と同じ結果なら。
俺はそんな楽観は出来ない」
ちゃんと対面して言葉を交わすのは数えるほどしかないな、フェイスレス。
同じ組織として意見を聞かせて貰おう。
■『拷悶の霧姫』 > 「ヴラド」
そして闇の中、もう一人。
現れた男に向けて、昏く青みがかった紅の瞳を向けて、
人形は小さく頷いた。
そうして彼の報告を聞けば、
静かに、ただ静かに小さく息を吐くのだった。
そこには、何の色も感じられないのだが。
「『奇跡』を掴むつもりですか。
何が現れるか分からない、門の向こう側から真理を得ようなどと。
砂漠から一粒の塩を見つけようとするようなもの。
何か我々の預かり知らぬ算段があれば話は別だと思いましたが、
誰も保証できていないということは、なるほど。そういう話でも
無さそうですね」
ならばやはりあの少女も、我々と同じく幻想を求めていたのだろうか、と。
そのようなことを脳裏に浮かべながら、語を継ぐ。
真実、心の奥底までは分からない。故に、小さく頭を振りつつだ。
「いずれにせよ、我々は門が招いた災いを知っている。
此度、その『真理』を掴む為に多くの犠牲が出る可能性があるという
のであれば――」
虚ろな瞳を左右へ動かし、両者へと向ける。
それは意志の確認であった。
「――動くしかありません。止めるしかありません。
そして、私が思うに、ヴラド。
今回の件、表舞台に立つのであれば貴方こそが適任だと思っています」
ここまでの情報を手に入れてきたこと。
そして何より、日ノ岡あかねと多く接触してきた実績もある。
手にした石を握りしめながら、彼女はそう口にした。
■『吸血鬼』 >
「言われなくても動くつもりではあったけどよ、ミストメイデン……」
この少女は知っているはずだ。
己に戦闘能力というようなものがあまり無いことを。
それでも、既に決めていた『自分』がいたのだから、これは面白い采配をする。
「了解だが……割と好き勝手動くことになると思う。
それにいくらか人手を使わせてもらうのと、手助けは頼む」
俺は弱いから、とは流石に口にしないが。
「それでミストメイデンとフェイスレスは?」
どう立ち回っていくのか、と。
■『無形の暴君』 > 「……そうか。『拷悶の霧姫』 は、そう考えるか。
……いや、確かに。私では不適ではあるかもしれないな」
未だに、答えが出ない
むしろ、更に懊悩を抱えてしまった
「アレは……ひどく人間だ。
己の求めるものをただ只管に追う……ただの、人間だ。
人たる『己』を持つものこそが、対峙するには相応しいのか……」
訥々と言葉にする
「そして……『真理』。それが如何なるものとしても。
如何なる結果を招くとしても。
彼らは、ただ崖に向かって歩くレミングスのようなものだ。
いや、あかねを先頭としたハメルンの笛吹か。
それは……自ら死を撒くというそれだけで『悪』ではないか。
それであれば……私、も、手を出す……べき、なの、か……」
最後は、薄消えていく、声
自分の中に渦巻く答えの出ない問の言葉
なにもかも、不確定の不安定の言葉
■『拷悶の霧姫』 > 「落第街全体を危険に晒すという時点で、我々にとっての対象となる『悪』の定義は、
十分に満たしています。それも門絡みとなれば、切れぬ因縁があります。
しかし、フェイスレス。今回ばかりは、彼女と
貴方の直接の対峙は……あまり、得策ではないと考えています」
それは、彼女と出会った時の報告を聞けば明らかである。
次に彼女とフェイスレスが出会ってしまった時。
下手すれば、フェイスレスは暴走しかねない。
あの時のように。
「貴方をこちら側の交渉役とするのであれば、私は監視役兼サポート役といった
ところでしょうか。人手を揃えるのは勿論ですが、いざという時は貴方を
守る為に手を尽くしましょう」
こくりと頷いて、ヴラドにはそう返す。
「こちらは無理のない範囲で、フェイスレスにも助けていただこうと考えています。
なるべく『彼女』との直接の遭遇は避けつつ、共にサポートをしていただければ、と」
そう口にして、フェイスレスの方を見やる人形の少女は、
どうでしょう、と小さく首を傾げて。
■『吸血鬼』 >
フェイスレスについては、前に話していた通りか。
交渉、出来る相手だろうか。
否、彼らは目的のために歩みを止めるとは思えない。
あれは、一種の信仰だ。
彼女自身はともかく、他の者達まで『そうしなければ救われない』と考えている。
「了解だ。 交渉が失敗して殴り合いにでもなって俺がダメだったら
ミストメイデン、あの場所の『後片付け』は頼む」
自分が面倒を見てきた落第街のスラムにある廃施設の始末を。
■『無形の暴君』 >
「……一つだけ。
交渉、で簡単にどうこうなるなら、彼女は彼処まで成り果てなかっただろう。」
所感を、述べる。
ただ一度だけ、言葉をかわしただけ。
まだ計画も晒していない時のこと。
再び、言葉だけを聞いた。
まだ、計画の途上
それでも感じたこと
「……『吸血鬼』。
おそらくは、荒事も、彼女の前には無意味……いや、おそらく無価値、だと思う。
だから……私には、難しい。
だから……できることは、手伝おう」
アレがどうなろうと、その行く末だけは見なければいけない
見届けなければ行けない、と思う
■『拷悶の霧姫』 > 「交渉の失敗も勿論、考慮しています。
いや寧ろ、二人が懸念している通り、そちらの方が可能性が高い
とまで言えるでしょう。
風紀や公安をはじめとした者達の動き次第でもありますが――」
そこまで口にして、拷悶の霧姫は右手を振るった。
袖から現れるのは、黒色の鎖だ。
「――最悪の場合、『手を穢す』ことも躊躇いません」
穢れを背負う。
それが彼らの役割なれば。
「……とはいえ、此度は事が大きすぎます」
そう口にすれば、すぐに鎖を袖へと引き戻す。
ジャラリ、と重々しい音が暗闇に響き渡った。
それはフェイスレスの『荒事は無意味』という言葉を受けてのものだったろうか。
或いは、彼女自身もどこかで、その点に気づいていたか。
「今回の場合、そのように大きく動くのは得策ではないと考えています。
『理想』を『実行』するほどの精度で立ち回らねば、必ず失敗する。
ですから、『被害を最小限に抑えるのが我々の主な務め』になると思われます。
可能であれば、『真理』への道を閉ざすこと。
それが不可能であればせめて、それを遅らせること。
必要であれば状況次第で風紀をはじめとした他勢力とも協力し、事に当たる。
今回ばかりは、そういった柔軟かつ積極的な立ち回りが、求められるのでは、と」
ここに来て、彼女は組織としての在り方を、今一度確認する。
一息に語った彼女は、再び二人目を向けた。
そして問いかける。
「以上が私の考えです。どうでしょうか」
こんな時、ロワだったら何と言うのだろう。
そんな考えが彼女の脳裏に浮かぶが、その考えは拭って消し去られた。
■『吸血鬼』 >
「オーケー。 ま、元より荒事は向いてないからな
『真理』への道、つまり《窓》そのものをどうにかしようとしか考えちゃいないさ」
そう、殴り倒して『はい、お終い』と出来るだけの能力など自身にはない。
かと言って異能で心霊、魔術や色々なことに対応出来るわけでもない。
ただ、やろうっていう事を台無しにして、
彼ら彼女らの願いを否定し、恨まれてやれるくらいが自分に出来ることだ。
「風紀と公安か……
了解だ。 目的が同じであれば協力し情報共有していく」
彼らは今回も『結果』が出てから動くのか、それとも。
それに、公安といえば『あの男』はどうするのだろうか。
■『無形の暴君』 > 「……」
おそらく。
早道は、そう。
『手を穢す』こと、なのだろう。
容易ではないにしても、だ
……私を煽った彼女は、結局断罪されたいのか。
止めて欲しいのか。
『悪』と、定めて欲しかったのか。
……思考が、ブレる
「概ねは、『拷悶の霧姫』 の考えでいいだろう。
が……『人間』を制しうるのは『人間』だ。
最後の判断は、現場……『吸血鬼』に任せるべきだ、と私は思う。
なんとなれば、俺は"近く"で『待機』することもできる。
必要となれば……全ての"処置"はできる」
ひとまず、自分の考えをまとめる。
ここまでがせいぜい。