2020/07/21 のログ
ご案内:「『裏切りの黒』地下拠点」に『拷悶の霧姫』さんが現れました。
ご案内:「『裏切りの黒』地下拠点」に『吸血鬼』さんが現れました。
『拷悶の霧姫』 > そこは、日常からは隔絶された地の底の底。
穢れ者達が集う場所。
逸れ者達が集う場所。

柔らかな赤いソファの上。
人形と見紛う少女が、万年筆を手に細かな文字を刻み込んでいる。
それは何処からか拾ってきた石であったろうか。
何の変哲も無い石だった筈だが、今や赤で書かれた文字がびっしりと
刻まれて、異様な物質と成り果てている。

一筆、また一筆。
書き加える度に、石の上に描かれた文字が淡い紅の光を放っている。

どれだけの時間が経ったことだろうか。
その文字が石を覆い尽くした時、人形はふと手を止めて、闇の向こうを見つめる。

「さて、そろそろ時間でしょうかね。
 始めましょう、我々の集会を」

鋭い氷柱の如きその声を、闇の向こうへと静かに投げかける。
裏切りの黒の集会。此度は、情報の共有と方針の決定の為に開かれている。

「ヴラド、進捗は」

ご案内:「『裏切りの黒』地下拠点」に『無形の暴君』さんが現れました。
『無形の暴君』 >  
「……」

闇の中から、静かに染み出すように現れる影。
長身のその身は、黒い服の下からでは男のものとも
女のもともつかない

「……まったく急なことだな、『拷悶の霧姫』」

漏れ出るその声は小さく、話を阻害しない程度に
その声も、男とも女ともつかない
曖昧に包まれていた

『吸血鬼』 >  
何時からそこにいたのか。
影に、赤い瞳の輝き一つ。

「先ずは『対象』の異能についての情報は手に入れたが、
 それも虫食いだった。
 他、『真理』っていうのが何かっていうのと連中が何を捧げて《窓》とそれをしようとしているのかは……」

 少し思い出しながら、ため息一つ吐いて

「本人から聞いた。
 成功確率は良くない。失敗すれば『良くて』その場の連中だけが死ぬんだそうだ」

―――まとめた情報を『拷悶の霧姫』に渡す。

『真理』とは《窓》の向こう側の『ナニカ』に問いかける事。
そして、過去は対象を除く違反部活の部員全員だったが、今回も同じ規模だと誰も保証出来ちゃいない。
そもそも《窓》が無事開いたとして、それで《窓》の向こうから都合よく『問いの答えだけ』を得られるのか。
そう言っているのは、それを『可能性』だと言っているのは『対象』だけではないか。
不安要素、不確定要素は溢れるほど出る。
だが、ハッキリしていることは、この街にある命が『真理』なんてものに奪われ危険にさらされようとしているという事だ。

『拷悶の霧姫』 > 「フェイスレス」

凍てついた声色はそのままに、彼/彼女へと顔を向ける。
彼女が抱いた感情は、砂上の楼閣であるがゆえに。
目の前の彼/彼女が抱いた記憶もまたきっと、泡沫の夢であるがゆえに。

「急に呼び出してすみません。
 ですが、今回の件。見てみぬふりはできないものですから」

ソファの端に肘をかけた彼女。
その頬に真っ白な手の甲が添えられる。

『無形の暴君』 >  
「……構わない、必要なのであれば」

招集の主に応じる。
そして、もうひとりの同志から齎されたこの話は……
ああ、あの女の

「……『日ノ岡あかね』、か」

ぼそり、と小さくつぶやく
未だ、心に刻まれたその名前

「『良くて』、死ぬ……か。
 ……『吸血鬼』もそう聞いたのなら、間違いはないのだろう、な」

『吸血鬼』 >  
「そう、『良くて』そいつら『だけ』が死ぬ。 前と同じ結果なら。
 俺はそんな楽観は出来ない」

ちゃんと対面して言葉を交わすのは数えるほどしかないな、フェイスレス。
同じ組織として意見を聞かせて貰おう。

『拷悶の霧姫』 > 「ヴラド」

そして闇の中、もう一人。
現れた男に向けて、昏く青みがかった紅の瞳を向けて、
人形は小さく頷いた。

そうして彼の報告を聞けば、
静かに、ただ静かに小さく息を吐くのだった。
そこには、何の色も感じられないのだが。


「『奇跡』を掴むつもりですか。
 何が現れるか分からない、門の向こう側から真理を得ようなどと。
 砂漠から一粒の塩を見つけようとするようなもの。
 何か我々の預かり知らぬ算段があれば話は別だと思いましたが、
 誰も保証できていないということは、なるほど。そういう話でも
 無さそうですね」

ならばやはりあの少女も、我々と同じく幻想を求めていたのだろうか、と。
そのようなことを脳裏に浮かべながら、語を継ぐ。
真実、心の奥底までは分からない。故に、小さく頭を振りつつだ。


「いずれにせよ、我々は門が招いた災いを知っている。
 此度、その『真理』を掴む為に多くの犠牲が出る可能性があるという
 のであれば――」

虚ろな瞳を左右へ動かし、両者へと向ける。
それは意志の確認であった。

「――動くしかありません。止めるしかありません。
 そして、私が思うに、ヴラド。
 今回の件、表舞台に立つのであれば貴方こそが適任だと思っています」

ここまでの情報を手に入れてきたこと。
そして何より、日ノ岡あかねと多く接触してきた実績もある。

手にした石を握りしめながら、彼女はそう口にした。

『吸血鬼』 >  
「言われなくても動くつもりではあったけどよ、ミストメイデン……」

この少女は知っているはずだ。
己に戦闘能力というようなものがあまり無いことを。
それでも、既に決めていた『自分』がいたのだから、これは面白い采配をする。

「了解だが……割と好き勝手動くことになると思う。
 それにいくらか人手を使わせてもらうのと、手助けは頼む」

俺は弱いから、とは流石に口にしないが。

「それでミストメイデンとフェイスレスは?」

どう立ち回っていくのか、と。

『無形の暴君』 > 「……そうか。『拷悶の霧姫』 は、そう考えるか。
 ……いや、確かに。私では不適ではあるかもしれないな」
 
未だに、答えが出ない
むしろ、更に懊悩を抱えてしまった

「アレは……ひどく人間だ。
 己の求めるものをただ只管に追う……ただの、人間だ。
 人たる『己』を持つものこそが、対峙するには相応しいのか……」

訥々と言葉にする

「そして……『真理』。それが如何なるものとしても。
 如何なる結果を招くとしても。
 彼らは、ただ崖に向かって歩くレミングスのようなものだ。
 いや、あかねを先頭としたハメルンの笛吹か。
 それは……自ら死を撒くというそれだけで『悪』ではないか。
 それであれば……私、も、手を出す……べき、なの、か……」

最後は、薄消えていく、声
自分の中に渦巻く答えの出ない問の言葉

なにもかも、不確定の不安定の言葉

『拷悶の霧姫』 > 「落第街全体を危険に晒すという時点で、我々にとっての対象となる『悪』の定義は、
 十分に満たしています。それも門絡みとなれば、切れぬ因縁があります。
しかし、フェイスレス。今回ばかりは、彼女と
 貴方の直接の対峙は……あまり、得策ではないと考えています」

それは、彼女と出会った時の報告を聞けば明らかである。
次に彼女とフェイスレスが出会ってしまった時。
下手すれば、フェイスレスは暴走しかねない。
あの時のように。


「貴方をこちら側の交渉役とするのであれば、私は監視役兼サポート役といった
 ところでしょうか。人手を揃えるのは勿論ですが、いざという時は貴方を
 守る為に手を尽くしましょう」

こくりと頷いて、ヴラドにはそう返す。

「こちらは無理のない範囲で、フェイスレスにも助けていただこうと考えています。
 なるべく『彼女』との直接の遭遇は避けつつ、共にサポートをしていただければ、と」

そう口にして、フェイスレスの方を見やる人形の少女は、
どうでしょう、と小さく首を傾げて。

『吸血鬼』 >  
フェイスレスについては、前に話していた通りか。

交渉、出来る相手だろうか。
否、彼らは目的のために歩みを止めるとは思えない。
あれは、一種の信仰だ。
彼女自身はともかく、他の者達まで『そうしなければ救われない』と考えている。

「了解だ。 交渉が失敗して殴り合いにでもなって俺がダメだったら
 ミストメイデン、あの場所の『後片付け』は頼む」

自分が面倒を見てきた落第街のスラムにある廃施設の始末を。

『無形の暴君』 >  
「……一つだけ。
 交渉、で簡単にどうこうなるなら、彼女は彼処まで成り果てなかっただろう。」

所感を、述べる。
ただ一度だけ、言葉をかわしただけ。
まだ計画も晒していない時のこと。

再び、言葉だけを聞いた。
まだ、計画の途上

それでも感じたこと

「……『吸血鬼』。
 おそらくは、荒事も、彼女の前には無意味……いや、おそらく無価値、だと思う。
 だから……私には、難しい。
 だから……できることは、手伝おう」

アレがどうなろうと、その行く末だけは見なければいけない
見届けなければ行けない、と思う

『拷悶の霧姫』 > 「交渉の失敗も勿論、考慮しています。
 いや寧ろ、二人が懸念している通り、そちらの方が可能性が高い
 とまで言えるでしょう。
 風紀や公安をはじめとした者達の動き次第でもありますが――」

そこまで口にして、拷悶の霧姫は右手を振るった。
袖から現れるのは、黒色の鎖だ。

「――最悪の場合、『手を穢す』ことも躊躇いません」

穢れを背負う。
それが彼らの役割なれば。

「……とはいえ、此度は事が大きすぎます」

そう口にすれば、すぐに鎖を袖へと引き戻す。
ジャラリ、と重々しい音が暗闇に響き渡った。
それはフェイスレスの『荒事は無意味』という言葉を受けてのものだったろうか。
或いは、彼女自身もどこかで、その点に気づいていたか。

「今回の場合、そのように大きく動くのは得策ではないと考えています。
 『理想』を『実行』するほどの精度で立ち回らねば、必ず失敗する。
ですから、『被害を最小限に抑えるのが我々の主な務め』になると思われます。
可能であれば、『真理』への道を閉ざすこと。
それが不可能であればせめて、それを遅らせること。
必要であれば状況次第で風紀をはじめとした他勢力とも協力し、事に当たる。
 今回ばかりは、そういった柔軟かつ積極的な立ち回りが、求められるのでは、と」

ここに来て、彼女は組織としての在り方を、今一度確認する。
一息に語った彼女は、再び二人目を向けた。
そして問いかける。

「以上が私の考えです。どうでしょうか」

こんな時、ロワだったら何と言うのだろう。
そんな考えが彼女の脳裏に浮かぶが、その考えは拭って消し去られた。

『吸血鬼』 >  
「オーケー。 ま、元より荒事は向いてないからな
 『真理』への道、つまり《窓》そのものをどうにかしようとしか考えちゃいないさ」

そう、殴り倒して『はい、お終い』と出来るだけの能力など自身にはない。
かと言って異能で心霊、魔術や色々なことに対応出来るわけでもない。
ただ、やろうっていう事を台無しにして、
彼ら彼女らの願いを否定し、恨まれてやれるくらいが自分に出来ることだ。

「風紀と公安か……
 了解だ。 目的が同じであれば協力し情報共有していく」

彼らは今回も『結果』が出てから動くのか、それとも。

それに、公安といえば『あの男』はどうするのだろうか。

『無形の暴君』 > 「……」

おそらく。
早道は、そう。
『手を穢す』こと、なのだろう。

容易ではないにしても、だ

……私を煽った彼女は、結局断罪されたいのか。
止めて欲しいのか。
『悪』と、定めて欲しかったのか。

……思考が、ブレる

「概ねは、『拷悶の霧姫』 の考えでいいだろう。
 が……『人間』を制しうるのは『人間』だ。
 最後の判断は、現場……『吸血鬼』に任せるべきだ、と私は思う。
 なんとなれば、俺は"近く"で『待機』することもできる。
 必要となれば……全ての"処置"はできる」

ひとまず、自分の考えをまとめる。
ここまでがせいぜい。