2021/01/17 のログ
ご案内:「違反部活群/違反組織群」に角鹿建悟さんが現れました。
角鹿建悟 > 「―――…成程、この辺りも派手に破壊されたもんだな…。」

そう呟くのは、黒っぽい厚手仕様の作業着に片手に工具箱を携えた無表情の少年。
落第街方面から仕事の依頼を受け、今しがたまで数件の建物や器具の修復・修繕依頼をこなしてきた所だ。

己は生活委員会なので他の委員会の情報には疎いのだが、最近は風紀の特務広報部、という所が派手にやっているらしい。
この惨状の爪痕もその連中がやったのだ、と修繕作業をしている合間の世間話に住人の一人が教えてくれた。
目の上のタンコブ、奇特な奴、意味の無い愚行扱いされる事も多いが…同時にそれなりに感謝もされる。
表も裏も問わず、きちんとした依頼ならばきっちり”直す”。
それが自分の仕事であり誇りだ。勿論、以前のように視野狭窄にならないように戒めながら、だが。

(直しても直してもキリが無い――…が、今更か)

そもそも最初からきっと分かっていた事。だけど止める事は出来ない。

「―――”約束”を破る訳にはいかないからな。俺なりのささやかな矜持もあるし。」

角鹿建悟 > 正直な所、風紀の暴れっぷりにも、落第街に蠢く連中の動きにも興味は無い。
表裏問わず、依頼されればそこに赴いてきちんと直す。だからどちらかといえば中立に近い。
勿論、仮にも表側の学生で生活委員会に所属している以上、立場だけ見れば矢張りあちら側だ。

足元に転がる瓦礫を避けながら道の様相を最早呈していないそこをゆっくりと歩く。
彼個人の気持ちとしては、こういう瓦礫の山を見ると発作的に直さずにはいられないが…。

(…以前と違って能力が制限されている以上、手当たり次第には直せないからな…。)

どうしても取捨選択をする必要が出てきてしまう。正直言うなら口惜しいが。
一度”挫折”した事で少しはマシになったが、壊れた物を放置するのはどうにも我慢なら無い。

が、それを押し殺してゆっくりと吐息を零す。無茶をすれば以前の自分に逆戻りだ。

ご案内:「違反部活群/違反組織群」に角鹿建悟さんが現れました。
角鹿建悟 > むしろ、最近は能力で建物を丸ごと修復、よりも器具や道具の修復に比重が傾いている気がする。

「……工具箱の有り難さが改めて身に染みるな。」

以前も使っていたが、矢張り異能のほうが広範囲、かつ正確に確実に直せた。
その能力に制限が出来た以上、矢張り工具箱は以前に比べて必要になっている。

「……そもそも、生活委員会でわざわざこっちまで物を直しに来る馬鹿は俺とか一部の連中くらいなんだろうが。」

生活委員会の仕事はインフラ整備などが主で、それは主に表側であってこちらではない。
瓦礫の山を通り過ぎ、何処ともつかぬ道を歩きながら一息。

「――俺には誰も救えない。物を直す事で誰かが間接的にでも助かるなら御の字だが。」

己の原点は思い出せても、そこに至るには未だに遠い気がしてならない。

角鹿建悟 > 「…まぁ、気長にやっていこう。今までが急ぎ過ぎたからな。きっと。」

一度折れた事は結果的に見れば自身の成長に繋がっている。
とはいえ、能力の制限や未だ到達できない己の原点。
焦っても生き急いでも辿り付けるものではないし、また無茶をして自滅は笑い話にもならない。

「――…さて、明日の仕事の確認もしておかないとな。」

直す以来は常にある。仕事には困らない。ちらり、と己の辿ってきた道と光景を一瞥してからその足で立ち去ろう。

ご案内:「違反部活群/違反組織群」から角鹿建悟さんが去りました。