2021/11/13 のログ
ご案内:「違反部活群/違反組織群」に羅刹さんが現れました。
ご案内:「違反部活群/違反組織群」にO RLYさんが現れました。
羅刹 > 新しくつくられた穴蔵
その中で、ささやかに…弔いの意味も込めて
いくつかの酒、グラスをテーブルに並べて男は佇む

(――――――…)

ふ、と暗い部屋の中息を吐く
部屋を照らすのは同じくガラステーブルに並べられた
いくつかの…人工的な火

――死体すら残らなかった者への火だ

さて
報告を受けてはいるが…今回も結果を見れば大敗

頭が生き残りはしたものの、与えた損害は軽微
こちらは残った貴重な人員を失い、またライフラインをほぼ断たれ
その復旧を行っている状態である

…飾り気のないスーツの胸元にはブローチを付け
一瞬、浮かれているのではないかと思われるであろうが、男なりの見送り
被害を冷静に計上する思考があるのが、どこか恨めしい

「さ、て」

どうするか、と揺れる火を見つめ、呟く

――既に意味も無いからか部屋の扉は空いている
来客があるなら、何の障害も無く入れるだろう

O RLY >  
騒めきの収まらない道を梟は歩む。
新しい場所とはいえ、随分と寂しくなった。当然だ。
今回の騒動で怯懦に震えたものもいる。
身の危険を嗅ぎ取り姿を隠したものもいる。
漂う狂気に気が付いたもの、そして……散っていったものもいる。

「死んだのと逃げたのが……まぁ後者がわりと多めってとこか。
 ま、そんなもんだよね」

元より強い結束があった場所でもない。仲間意識があったわけでもない。
……所詮偶然こちら側に落ちてきた者たちの掃き溜めなのだから。

いつもとは違う真っ黒な意匠に身を包み、それでも笑みを絶やさず
カツ、カツと音を響かせて開いている扉の前へ。
そうして壁にもたれつつゆっくりと4つ、扉を鳴らして。

「今、良い?」

珍しく柔和な笑みを浮かべて薄暗がりの中、沈む部屋の主へ声をかける。

羅刹 > 準備をしていたとはいえ…拠点の数も減り、寂しくなったと言えばそうだ
雑多とはいえ、人は多かったものの、今は見る影もない

「ああ」

死人が何も残らずにただ死んだ、としかわからないのはいつものことだ。
殊更に深く沈んでいる…というわけでもない
顔は向けないが、ノックの主には了承の意を示そう

「珍しいじゃあねえか。ンな顔するのは」

作戦が終われば、偽装工作も意味はない
勝手に適当な場所に座るのだろうし、座れとは言わず
グラスに軽い酒を入れ、呷る

O RLY >  
「そう?
 まぁそうかもね。」

肩を小さく竦めながら返す。
併せて壁を這った指先が換気扇のスイッチを押すと、扉を閉めながらゆっくりと部屋の中へ。
部屋の外の小さなざわめきが遠のき、部屋の中に氷とグラスのなる小さな音が響いて。

「落ち込んでるだろうと思ってさぁ」

トスっと隣に腰掛けると人口の明かりを見つめる。
ああ、全く不器用が過ぎるなぁ。
グラスを一つとると、幾枚かの紙とを手に取る。
暫く机の上にかがみこんで……
身を起こした手元には簡易なアルコールランプの灯が揺れていた。

「……お酒は勝手に貰うしすぐ消えちゃうけどさ」

そう笑いながら机の上の人口の明かりを消していく。

羅刹 > 「捨てた駒にも情くらいはある」

攻撃をするために、前に出した人員
それらは…犠牲を前提とした命令であった

ただしそれも敵の戦力を増やすだけに終わったが
結局、大した華は上げられなかった。それが全てである

「――なんだ。上等な酒はねえぞ」

無意味な行動をする相手ではない
だから、その意味を問う
明かりを消していけば、残るのは換気扇の音と闇だけ
その闇の中で声をあげる

酒目的ではないだろうが、ふ、と笑いながら

O RLY >  
「知ってる。」

だから毎回落ち込んでいるのだこのボスは。
”犠牲を出す”以外の方法を選べないから。
たとえ勝っても負けても、同じように暗闇で一人、奥歯をかみしめて。

「良い酒飲んでる連中だったっけ?
 あいつらの弔いなんでしょ?だったら安酒でちょうどいいっしょ。
 強くて不味くて、アルコール度数だけ高い工業用みたいなさ」

ぽつぽつと小さな音を立てながら揺れる小さな焔を見つめながら
ゆっくりとしたトーンで話す。
グラスに僅かに反射する薄いその光は、
透明で酷く頼りなく、今にも消えてしまいそうで

「全く、お似合いの明かりって所だよね」

羅刹 > それが、男にとっての限界
手を凝ろうとも結局は正面から当たるしかなく
犠牲を強いることしかできない

「…は。そうだな。
酔えりゃあそれでいい、そんな酒だ」

痛いところを突いてくる
糧食に関しては表に比べればそれほどいいとは言えない状況だっただろう
これでは、祟られても仕方がない

「元々、明るいところは好きじゃあねえ奴らだ
…確かに、このくらいが弔うには丁度いいだろうよ
…言わずとも好きにするだろうが…お前も好きにしろよ。こっちもどうせ動けやしねえ」

盛大に弔うなどということはできないし、しない
明かりが調節された部屋で呟く

一人では何もできず、全ては他人の力だ
それがまた整うまでは、どうにもできない
梟にはさぞ退屈だろうと、低い声で。

O RLY >  
「ほんっと、むいてないよねぇ」

これが表の世界であればあるいは美談だったかもしれない。
これが命のやり取りではなかったら、誰かと共有できたかもしれない。
そう、やり方としては間違っていない。
……この舞台とこの場所でなければ。

「……敗因はわかってる?」

ゆっくりとソファに凭れ掛かり、暗い天井を見上げる。
互いの身じろぎと焔の音すら聞こえるような静寂の中で。
此処が此処でなかったなら、アタシ達がアタシ達でなかったなら、
……きっとここは暖かい言葉を投げるべき場所なのだろう。けれど

「状況の把握、ちゃんとしてるよね?」

穏やかながらも吐き出す言葉は堅く、冷たい。

羅刹 > 「―――ああ」

頷く
言われずとも。
――手段を、選んでしまった事。

更に言えば戦いとなっても。
スシーラに対しての要求も、もっと深くあるべきであった
少なくとも、あれと相対するのなら。

「把握しなけりゃ、どうしようもねぇ
言われずとも、だ。…全てを失う覚悟つっても、まだ俺自身は死ねてねえが
生きてる以上は、続けるさ」

コネクションも、内部の信頼もこれで一度地に堕ちただろう
後は死ぬくらいか、と自嘲しつつも
それほど簡単に、止められるわけもない

O RLY >  
「……それ、やめない?」

僅かに首を傾げて呟く。
ああ、言わない方が良いかなぁ?アタシにはまだ、曇って見えるって。
これはまだ”戻れる”余裕ともいえるかもしれないけど。
それでも口は勝手に言葉を紡いでいく。

「アタシ言ったよね?最初に聞いたよね?
 全てを喪う覚悟はある?って。
 その時どう答えたか、忘れてないよね?」

せめているでもなく、淡々とした口調は変わらない。
アタシは覚えている。
あの時の不機嫌そうな声も、その時の周りの期待の視線も。
今はあの時とはだいぶ違う環境になったけど

「もう一回聞くよ。
 本当に、”全てを喪う覚悟”があるの?」

僅かに笑みを浮かべて、横に座る”ヒト”に問いかける。

羅刹 > 「…。」

また、選んだ
それはわかっている
説得力がないことも、わかっているとも

…これで、終わりだ。何もかも

「ああ。」

繰り返す
それ以上の言葉は付け加えない
未だ、自分はヒトであったから。

O RLY >  
「じゃあ今すぐ”悪役”なんかやめて表に帰りなよ。
 向いてないよ。貴方の哀しみも、苦しみも”こちら側”には向いてない。
 その能力ならそれこそ風紀委員辺りで重宝されるでしょ。
 度々二級生徒の部隊作ってるみたいだし。
 ……全部を捨てられるんだよね?なら”逆らう意思”も捨てられるよね?」

にこやかな笑みを浮かべたまま言い放つ。
やっぱり判ってない。
そしてそんな相手にアタシは敵味方を問わない。

「効率的に生きるなら、
 全てを忘れ、噛み殺して
 商事でも立ち上げればいいじゃん。
 過去にしがみ付く必要も、他者に依存する必要もないよね?
 失う人も、物も、ずっと少なく居られる。
 ワルイコトなんかしないでいられるよ?」

こんな風に誰かを死なせ、それを弔うなんてこともしなくていい。

羅刹 > 「そうだろうよ。」

ああ、そうだろう
自分の能力を活かすならそれこそ表側

望んだ相手との距離無制限の通信
"全てを捨てるなら"
それが役立つ場所はいくらでもある

だがそれでも、理屈の通っていないことでも
敢えて、屁理屈を言う

「だが、お前の言葉には…"捨てる"と"喪う"の違いがあんだろ
――わかってるだろうが。俺は、捨てられねえ。自分じゃあな。
…嗤うなら笑え」

だからこそ
喪う者の方が多いとわかっていても、出来るだけ捨てずに進むことを今も選んでいる

傲慢だと感じながら
目的のために必要ならば悪徳を是として、変えようとする

「…てめぇこそ、協調性さえありゃ、大人気だっただろうよ」

く、と代わりに笑う、乾いた笑み

O RLY >  
「捨てられない?
 それを理由に死者を増やして弔い続けるの?
 こうやってお酒を無駄にする?
 それってただの自作自演じゃん。
 その遺された人ごっこ、楽しい?」

笑顔を張り付けたまま、舌鋒は衰えない。
アタシはどちらを望んでいるんだろ。
……多分どっちも望んでる。
そのどっちも、アタシの望み。

「無理。アタシはアタシを嫌えないし嫌いたくない。
 知ってる?ヒトってさ、
 許さない事よりも赦すことを許さないんだよ。
 そのくせ自分達は赦されたがるんだ」

そうして、間違って、傷つけて、
そうして許されないと泣き叫んで……
もう十分。十分じゃないか。

「敗因はね、手段を選ばない事じゃない。
 勿論それも敗因の一つ。
 けど、本当の理由はもっともっと、別の事」

人形のような笑みを浮かべたまま
下手な笑い方をする男を見上げ、少しだけ体を寄せる。
サングラス越しにじっと目を合わせるように。
言葉をすり込もうとするように。

「……今回の”敗因”は、甘さだよ。
 相手を、傷ついている仲間を、”ヒト”として扱ってしまった。
 相手はアタシ達を”踏みつぶしていい都合の良いナニカ”としか見ていないのに
 相手を人として見てしまった。同じ舞台に立てる存在と考えてしまった。
 それを信じようとしてしまった。
 ……相手もヒトだって、信じちゃったんだ。
 そして縋っちゃったんだ。その優しさと、都合の良い物語に。」

その優しさを持ってしまうから、世界に優しさを見てしまう。
誰しもの中にでも、その芽があるんじゃないかって。
隙あらばそう信じてしまう。

「……でもね?違うんだよ。
 アタシ達はまず、踏みつけるものなんだよ。
 だってあたし達はヒトじゃないんだから。
 踏みつぶすための玩具なんだから
 ……忘れちゃったの?ずーっと言われてるじゃない。
 アタシ達はさ、最初から”命”だなんて思われてないって。
 ”存在しない、数で数えうるものですらない何か”なんだって。」

苦く吐き出す。
言葉に哀しみと、どうしようもない苛立ちが乗っている事には自覚がある。
そう、最初からアタシ達はそういわれていたし、そう扱われていた。
そして、この場所に住まう者同士すら、そう思っている。
そうして上から殴りつけられる奴が生き残り、のさばってる。
立場も種族も関係ない。アタシ含めてみんな我儘で傲慢なクズばっかりだ。

「信頼も、対話も、協調も、ましてや自治も
 ”悪役としてのアタシ達”は期待なんかしちゃいけなかった。
 どれだけ内心でそれを信じたくてもね?
 そこを見誤った時点でアタシ達は”勝ちようがなかった”んだよ。
 だって相手は正義の名の下に全てを許されるのに
 それに対抗しなきゃいけないアタシ達は手段を選べないんだから」

マイノリティが譲歩して、その上を正義の棒を振り回す神輿を担いだ”大勢”が我が物顔で踏みつけ歩く。
そんなの、”体制”に従って生活する構図そのままじゃない。
だったら、こんな風に抗う意味なんかない。
最初から”その枠組み”の中で大人しくしていればいい。

「そんなの戦う前からもう、”終わってる”
 …笑えないよ。
 アタシ達は捨てない何かを選ばなきゃいけなかった。
 それ以外は踏みにじらせても
 それだけを守り抜かなきゃいけなかった。
 最低限守るものを選択しなきゃいけなかったんだよ。
 ……だから簡単に全てを捨てるなんて言うやつを信用しちゃダメなんだよ。
 そいつは”選択”してないんだから。
 そんな奴らと同じこと言わないでよ。」

すとんと言葉から圧が抜けた。
そうして寄せた体を再びソファに預け、天井を見上げて呟く。

「……何で貴方は戦うの。
 本当に捨てられないなら思い出してよ。聞かせてよ。
 他全部踏みつぶしても、それ捨てらんないんでしょ
 思い出にしておぼろげにしないでよ。」