2021/11/14 のログ
■羅刹 > 「―――――――…」
この女としては、珍しい長口上
それを、喉が燃える様な安酒と共に聞く
全て、聞いた後
もう、いいだろう。
今更隠すことも無い
「――…後悔と、憎しみ。」
「俺の大元は、それだ
内容は…まあ、チープなことだ。
…小説家に言えば、笑われる程度のモンでしかねえが…な。
…だが。…この現状を変えなけりゃ、それが晴れることはねえ」
そのためだ、と
"存在しないこと"にされて消された者への、思いを果たすために
「…それにな。
目的を隠しても、それでも賛同して、付いてきた奴らが居る
俺の能力ありきでも…賛同しようとする意志が少しでもなきゃ、ついては来ねぇ
…そんな"身内"になった奴らを何の感慨も無く捨てる、使い潰せば
俺の憎悪の対象と、同じになる」
先にあった捨てられないものと、それに続いてきた捨てられないもの
どうしても、というならその2つ…根本的には1つが、捨てきれないもの
だから男はいつも、『その場面で出来得る限り取れる手段で』安全なルートを確保する
「――それだけだ。
…お前が何度心配しようと、そこは変わらなかっただろ」
長口上に対しては短い答え
■O RLY >
「……分かってるよ。
そんなの分かってる。
考えたって結局アタシ達は何も変わらないんだよ」
左手が傍らの人物に向かって伸びる。
ネクタイを握り、引き寄せて、押し殺した声で吐き出した。
「判ってる。……わかってるんだけどさぁ」
我ながら喋りすぎている自覚はある。
想いなんて本当に小さな違いに過ぎない。
あたしたちがアタシ達である以上、今のあたし達であることを辞められない。
だから、きっとこの人も同じように他者を犠牲にしてその度に奥歯をかみしめて酒を煽る。
……そんなことわかってんだよ畜生。
判っててもそれでも苦しいんだ。
「……せめてアタシ達には”選択”したって言ってよ。
どうしても譲れないものを守るために、アンタがアンタでいるのに必要な事に
それ以外を秤にかけても選んだんだって言ってよ。
じゃないとさ、アンタに賭けたもの、本当に無駄になっちゃうんだよ。」
残酷な事を言っているのはわかってる。
けど、生きていくのに百の真実より一つの噓が必要な事もあって……
「……くっそ」
目元から雫がこぼれた。
■羅刹 > 「…。お前は心配性だ」
ボスがボスであればいい
それを求められてきたから、そうしてきた
目的のために利用し、使い潰し、弔い
自己満足を繰り返した
だから、もう遅く。嘘だと理解されていても、言う
もう既に、真実は伝えてしまった
だがそれでも
「――ああ。
…俺の選択に、譲れないモノのために。
…最低限、捨てられねえのは、言った通り…2つだ
お前も大概なじゃじゃ馬だが、身内には変わりねえ。
それだけだ。必要なのはな。俺にとっての最低限は、それだ」
強欲に思われようと
その2つは関連するもの
いくら詰められても、結局は捨てられなかった
■O RLY >
「判ってたつもりだった。
見えてた落とし穴だった。
アンタが嵌るのも見えてた。
……ただそれを見ているだけのつもりだった」
嵌った後に、背中を押すだけでよかった。
少なくともアタシの中にはこの結末は見えてたはず。
掴んだ腕を引き、顔が見えないよう胸元に額を押し付ける。
「……なんでよ」
アタシが期待しちゃった事。
アタシも期待しちゃった事。
そんなの全部無駄だったこと。
……そしてそれでただの協力者が傷ついている事。
そんなのが全部、苦しい。どうでも良いけど、やっぱり苦しい。
慣れてるけど、苦しくない訳じゃない。
「……なんてね。
はい、”ちゃんと負ける”のはこんなところで良いでしょ。
しっかり負けるのも大事な事だしさぁ。ここまでが”部下のあたし”ってとこで。
ま、アンタもそういう側面もあるってことで覚えといてよ。
実際アタシにはそんな噓いらないからさ、心配しないでいーよ。
そんじゃま、別のお話しよっか―?」
体を離しながらネクタイを離し、へらッと笑う。
ああ、首元がしわになってしまった。両手を伸ばし、しわを整える。
良し、まただいぶ綺麗になった。
■羅刹 > 「――ったく。…役者にでもなったらどうだ」
気を抜いた、訳でもないが
動きについては、好きにさせる
別にスーツ程度、しわになったところで今更、と言うところだが
終わりだと言うなら
掘り返すつもりも、ない
無理するな、などと言えばそれは侮辱だろう
「で。次が本題か?
被害については計上するまでもねえが…」
この相手に、本題も何もないのかもしれないが
場の体を良くするために、そう促そう
■O RLY >
「あたし良い女だからさぁ。多少の演技は嗜んでおりますよっと」
軽薄に笑いながらひらひらと手を振る。
全く、似合わないことこの上ない。
「見てきたところ構成員の半数以上が使い物にならないか、居なくなってるねぇ。
まぁそこは想定通りってとこかな。
でもまぁそれに関しては多少でも残った事に満足するべきだね。
そもそもで言うとほぼ全員切り捨てる予定ではあったわけだし。」
指折りながら軽くまとめていく。
実際にターゲットを爆破していればもしくは、といったところだけれど、
その場合構成員の気性の割合が多少変わるだけで結果としてはあまり変わらなかっただろう。
「経済面ではまぁ打撃だねぇ。
結構な出費だったけど、扱う人間も扱う道具も足りない。
しかも今うちらはっきり言ってかなり舐められてるからさぁ。
買い物するのも楽じゃない。
……ああ、一応言っておくけど買い物相手に関しては再考してね。
もう使えないパイプがあるのは武力面だけじゃないから。」
巣自体はいくつか残っているけれど、蜥蜴自体は半空中分解。
ボスの異能で繋がっている奴以外は大体が有象無象だし
乗っ取れると思ている奴が今回多く出てきた。
内部に仮想敵が多すぎる以上、それらは使えないものと想定する。
「梟自体はあんまり減ってない。元々アタシが居るし。
だけどまぁ成熟するにはもう少し時間がいるねぇ。
ライフライン含めで機材が吹っ飛んでるし。
どっか制圧してその施設を丸々貰う方が手っ取り早いねこれ。」
■羅刹 > 「わざわざ、言葉に出してくれてありがとうよ」
頭の痛い事をはっきり告げる部下、というのは
貴重でもあるし、厄介でもある
「どこも、強くアテにはできねえな
経済面は蜂と蜘蛛を更に細分化して、取引相手に『俺ら以外』だと思わせて潤すか……
人が減ったからこそ、まあ維持費は少なくなっちゃいるが…収支は微妙な所だな」
武器はほとんどが買い付け…というより召喚物ではあったが…
それを引いても、諸々の費用は掛かる
「…梟が生きてんのはまだいい材料だ。
だがどちらにしても…また情報の収集から、か。」
簡単な情報の確認を続けていく
どちらにしても、時間はかかる、と
都合のいい施設があるかも、またわからないが。
「だが、逆に言えば…俺らが暴れねえなら。
奴らが行うのは散歩程度であることは確認が取れてる
後は…そうだな。重要な人物が死んだ、とでもすりゃあ目くらましにはいいか」
回り切っていない頭ではあるが
まだ、進むための手段を。
■O RLY >
「ちゃんと責めてあげたじゃん。
だいじっしょ?そういう役」
わりとそっちが本題になっていたのが癪なので肩を竦めて嗤って見せる。
正直他の奴がそこまでするとは思えないし、まぁ必要な事をやっただけ。
他意はない。無いったらない。
「収支は基本マイナスだと考えたほうが良いね。
とはいえそも”表向きには被害は出してない”からさぁ
とやかくうるさいのは多少は無視できるね。」
一応あちらにも存在しない被害を出しているのはある。
素早い追撃が出来る程の能力もないし、やったところで無意味。
そちらに関してはひとまずスルー出来るだろう。
まぁそれでも時間が必要というか、組織としては潜伏が主になりそう。
個々が暴れる分には、まぁ制御しないけど。
「今回の交戦で情報は多少仕入れたからさぁ。
……内側の馬鹿も含めでね?
一部に対しては良い訓練になったんじゃない?
目くらましねぇ。目の前でやんないと意味ないかなとは思うよ。
今回で分かったと思うけどあいつらは在る意味個としてアタシらを認識してない。
これで増長してお散歩を繰り返すのは確かにあるかもね。」
■羅刹 > 「副官は反抗的なくらいが丁度いい、か。
…その通りだ。
そのマイナス分を取り返していって。
ようやくスタートのかなり後ろまで戻れる、ってぇところか」
負債分を取り返して、まだ後ろ
それくらいが、妥当な所だろう
「ああ。そっちに気を配る必要はない。今のところは、だが。
…それもそうか。
…ん、あれを生き残った奴らにしてみれば、そうだな
だが、散歩程度ならやり過ごし方も…ここの連中ならわかってるだろう
それで満足させて時間を稼ぐ、か」
あれで、壊滅的な打撃を負った
ただしまだ、首領は顔と名前以外不明
幸いなことに、異能も、新しい異能も知られていない可能性も高い
「結局は現状、大人しくする、のが妥当か
施設についちゃ、目星がついたらまた計画を練るしかねえな」
色々言いはしたが、結局は潜伏に落ち着く
何かをしようとするなら、また準備が居る事は間違いないのだから
「――流石に俺も疲れたとこだ。
酒も入ったしな。目星付けんのは梟に投げておく。お前も休めよ」
■O RLY >
「あたしは遊びに来ただけだからさ。適当にやるよ。
ボスが期待通りのうちはさぁ。あっは」
ソファから立ち上がり歩き回りながら笑う。
まぁ他に面白そうな組織がある訳でもなし。
亀の歩みでも歩かないよりはまし。
「んじゃまぁ、運が悪かったってことで。
しばらく放置だねー。」
相手にしてたらきりがないし。
そもそもアタシの目的はあいつらにないことが今回判ってしまった。
だったら興味ない。
……やらかしさえしなければ。
「そ、つう訳でボスも大人しくしなよ。
……詳しくは知らないけど、反応できない程度には怠いんだろうからさ。
気のせいであることを願ってるけど。まーゆっくり寝なよ。
……あ、そだ。一つ確認」
机の明かりをともし、部屋を出かかりながら扉の所で立ち止まる。
半身で振り向いて
「アタシってあの後立場に変更有?」
そういや一応事を起こすまでの間の話だったわけで。
居場所を掴まれたくない分、暫く蜂候補に集まられても困る。
■羅刹 > 「ああ。それでいい。そういう契約だ」
契約、約束
身内になるにもそれらはある
歓楽街で店を構える調香師なども、それにあたる
「何。俺ぁただの人間だからな。
疲れるぐらいはするさ。人外じゃあねえからな」
どうあがいても、ただの人間。
確認がこれ以上無いなら、それでよかったが
…確認が来れば、く、といつもの調子の笑い声
「そうだな。もう欺瞞を撒く意味もねえ人材しか残ってねえ
デメリットの方が大きいなら、適当な理由つけて撒いて構わねえよ
…鳴かされてえなら別だが?」
などと言って、揶揄い返す
小悪党なのだから、これくらいの締めが丁度いいだろうと
■O RLY >
「りょ」
暫くあの店にも行けそうにはない。
というよりコンタクトを取るのも難しいなぁと思いながらも……まぁいっか。
あれはあれで元気にやるでしょ。
「それならいいんだけどさぁ。
ま、大したことないならそれでいいけど……
ってばっかじゃな……」
口を開いて文句を言いかけてふと思いを巡らす。
そうかぁ。なら好きにさせてもらおう。
「……」
そのまま無言でくすっと笑い肩を竦める。
そうして部屋の外で振り返ると
「(おやすみ)」
そう口の形だけで優しく囁いて扉を閉めた。
■羅刹 > 「―――――――――…」
梟が出ていった後
また、部屋は闇に包まれる
その中で、疲労して、更に考え事をしなければ眠れない蜥蜴は
しばらく、闇を見つめてから眠りに就いた
ご案内:「違反部活群/違反組織群」からO RLYさんが去りました。
ご案内:「違反部活群/違反組織群」から羅刹さんが去りました。