2022/01/02 のログ
ご案内:「違反部活群/違反組織群」にエボルバーさんが現れました。
エボルバー > 夜空の下に冷えた空気が満ちる。
暗雲から降り注ぐ雪が落第街の無法地帯を白く彩る。
雪景色が奏でる静寂はこの地域で頻発する抗争を少し抑え込んでいるようであった。
怒号や悲鳴も、銃声も普段に比べれば聞こえてはこない。
ただしんしんと雪が落第街の一角を染め上げてゆく。

その中で、ある所に聳え立つのは特筆するべきこともない
只の寂れた廃ビル。屋上に備えられたクレーンは
乾いた金属音と共に錆びた鉄骨を延々と吊るし続けている。

そしてそこに奇妙な人影のようなもの。

ゆらゆらと揺り籠のように揺れる鉄骨の上に
一人の女性が夜空を向いて横たわっていた。
漆黒と形容できる深い黒色のロングワンピース一枚は
この寒空の下には似つかわしく。
不気味な様相ながらも、整っている顔立ちで目を閉じている様は
さながら王子様のキスを待っているお姫様のよう。

エボルバー > >Reboot


それは朝の心地よい日差しを受けて、ベッドから起き上がるように。
眼を開けた女は、翡翠色に灯る瞳に夜空の星々を映し上半身を起こす。
0度を下回る気温に対して、何の反応を示さず寡黙なままのその女は
正に不可解という表現が適切だ。
出来すぎているくらいに整っている女にはどこか人間味が欠けていた。

「・・・。」

女はやがて揺れる鉄骨の上に立ち
下に広がる落第街を虚ろな瞳で見下ろしていた。
艶やかな唇から白銀の吐息が漏れる。
夜風が女の髪と身に纏うワンピースを揺らす。