2022/01/03 のログ
■エボルバー > 広がる落第街では人々が生き残りを賭けて生きている。
全てを失うものの、灯る一つの炎に希望を託して暖を取る人間。
明日を生きるために、自分より弱い人間から奪う人間。
少ないながらも蓄え、落第街の影でひっそりと暮らす人間。
抱いた夢を達成するために、手段を択ばない人間。
自分の未来と引き換えに、飼い犬となり守られる人間。
あらゆる人間が適応するために様々な生存戦略を取っていた。
落第街は変わってゆくものかもしれない。
しかし、この女は、機械の在り方は変わらない。
落第街の街並みを映している虚ろに輝く深緑色の瞳。
静かに吐息を吐く唇が妖しく歪む。
「この場所は、美しい。」
漏れたその声は異様な程に透き通るようなものだった。
直後にまるで身投げするかの如く、立っていた鉄骨から女は飛び降りる。
その後、地面に何かがぶつかった痕跡などは無く
最初から何もなかったように女の姿は忽然と消失していた。
ヒトの本質が剥き出しになるこの街には尚も雪が降りしきるのみ。
ご案内:「違反部活群/違反組織群」からエボルバーさんが去りました。