2019/05/26 のログ
ご案内:「路地裏」にクローデットさんが現れました。
■クローデット > 夕焼けのオレンジと夜の闇の狭間に潜むように、黒いワンピース姿の女性が路地裏を歩く。
表と裏、あるいは裏同士の諍いが絶えないこの地域。それでも、間隙を縫うかのように、彼女の周辺は静かだ。…少なくとも、今のところは。
「………。」
女性…クローデットは、路地の交差する地点に立ち止まると、スッと手を前方に差し伸べた。
小指の指輪から魔力が放たれ、探査術式を発動させる。
「異世界由来の質量の動いた形跡」を、クローデットの脳内に展開するようにして…
「………ッ」
情報量の多さによろめくように、クローデットが息を詰めた。
■クローデット > クローデットの素の情報処理能力は、悪くはないかもしれないが常人のそれを逸脱するほどではない。
様々な魔術を習得出来たのも幼い頃からの積み重ねの結果でしかないのだ。「異世界由来の」と探査の条件をつけることである程度絞り込めたが、それでも、「質量の移動の軌跡」の洪水めいた情報量に苦悶し、わずかに表情を歪める。
(どこかで正規の輸送ルートに乗っているのですから、尻尾は出ているはず…
出発点さえ探り当てられれば、それが手掛かりに…)
一応、委員会に提供する事も考えて術式の探り当てた情報は記録しているが…一旦帰宅して丁寧に読み取る手間と時間は、省けるならば省きたかった。クローデットは、今は委員会に所属していないし…時間を割いて公的に得られるものはないのだ。
…それに、「被害者」がいるならばその解放は早いに越したことはない。