2020/07/31 のログ
ご案内:「落第街 路地裏」にナインさんが現れました。
ご案内:「落第街 路地裏」に角鹿建悟さんが現れました。
■ナイン > 落第街の路地裏、以前に迷子になったその場所を大きなものを抱えて走る3人組。
以前は迷った路地も既にマップに記録をして目的地目掛けての全力疾走。
時折にこの辺りに巣食う二級生徒の一団に遭遇をする事もあるが先頭が体当たりで吹き飛ばし、後続が踏みつけて足も止めないという容赦のない排除。
そうしてどれだけ走ったのか建物が半ば倒壊しているような場所にと到着すれば足を止めて。
「到着です!」
「つきました」
「予定通りです」
口々に言葉を発すれば担いでいた大荷物、縛り上げて猿轡までした想念を地面に降ろして縄を解き。
「「「よろしくお願いします!!!」」」
そう一斉に声をかけて頭を下げる。
■角鹿建悟 > それは落第街へと、何時も通り依頼により建物の修繕や修復を行ったその帰り道。
――いきなり変な三人組…三つ子?に襲撃され、縛り上げられた上に猿轡まで噛まされた。
また、以前のように拉致されるパターン、かと思いきや…いや、実際に拉致はされたのだけど…。
「……状況が全く分からないんだが…せめて普通に連れて来て欲しかったな…。」
軽く縛られていた体の調子を確かめつつ嘆息を一度零しつつ、その三つ子?を無表情で見遣る。
金髪ショートカット、猫耳に尻尾…あと、よく分からないが独特の服装をしている。
が、特にそれらには動じずに三人組を一瞥した後に視線を倒壊しかけている建物へと向けて。
「――で、この建物を直せばいいのか?」
と、一言。既に拉致されたあれこれなどは完全に蚊帳の外。切り替えが恐ろしく早い。
「――あと、別に頭をいちいち下げなくていい。これは”依頼”という事でいいんだな?」
と、淡々と落ち着いた声色で三人組へと問い掛けて。
■ナイン > 「普通?………あ」
「説明より行動です」
「説明したらきっと逃げちゃう」
無表情な少年の言葉に口々に、今普通でないと気が付い他り、説明を忘れたりと反応は様々。
しかし少年を見る顔は笑顔ではあるが表情は真面目で。
「違うのです」
「それは関係ありません」
「直すのはこっちです」
一斉に首を横に振ると左右から腕を取り、背中を押して瓦礫に隠れるようになったものの傍に押していき。
「直してほしいのはこれです」
「依頼で良いです、だから直して」
「報酬はバナナ沢山上げるから」
問いかけには一斉に頭を縦に振り、そして肝心の直してほしいもの。
建物の瓦礫に埋もれるように擱座した多脚戦車を一斉に指さして。
■角鹿建悟 > 「――聞き捨てならんな。俺が仕事の依頼から逃げる訳がないだろう」
と、別に怒ってはいないのだが一言ぼそり、と三人目の発言に突っ込みを。
仕事人間と言うか職人気質が多分に強い為、基本的に依頼はきっちりこなす。
とはいえ、彼女達の行動は突飛で破天荒だが”依頼”ならばそれはもう気にしない。
「――この建物じゃないのか?なら、一体何を直――って、おい?」
そのまま。左右の腕を取られた上に背中もグイグイと推されるようにして瓦礫に隠れるように鎮座していた”それ”へと案内される。
「――何だこれは。…あと、別にバナナはいらん」
と、初めて見る多脚戦車に銀色の瞳を細めつつそれを凝視している。
既に思考はその損傷具合と修復手順へと向けられている。ただ、バナナは特にいらないらしい。
(――これは流石に構造を把握しないと厳しいか?)
少し迷った末に、三人組へと顔を向けて尋ねる。彼女たちの持ち物ならその許可は取るべきだろう。
「――悪いが直す前に状態を調べたりしてもいいか?」
■ナイン > 「だって人間でいう面倒事です」
「普通の人間は逃げます」
「逃げないと尊敬するかもです」
少年の突っ込みにそれぞれわいわいと言い返し。
そもそもに何でも直せる人という以外は情報はない。
なのでそう判断している様子。
そして万が一にも逃がさないようにしつつ直してほしい物の元にとご案内して。
「私の元の身体です」
「修理が出来ません」
「パーツもないのです」
凝視しての少年の質問にやはりわちゃわちゃと口々に答え。
そこには瓦礫に潰され、何度もの爆発に晒されて大破した多脚戦車が一両。
後バナナがいらないと言われ地味に落ち込み。
「いいですよ」
「優しくしてください」
「エッチは駄目です」
そう口々に答えて。
■角鹿建悟 > 「――面倒ごとは嫌いだが、直す依頼なら話は別だ。――むしろ最優先だ」
真顔で断言する。青春を、人生を、そして己を削ってまで直す事に傾けるソレは狂人と変わらない。
わいわい賑やかな三人組が只者ではないのはとっくに理解しているが…。
相手が神だろうが悪魔だろうが怪異だろうが何だろうが。直す依頼なら男に断る道理は無い。
「――元の体?…パーツが無い…成る程な」
このよく分からないモノが彼女たちの”本体”という事らしい。正直さっぱり分からん。
――が、そんなのは些細な事だ。大事なのはどう直すか、どう元に戻すかのみ。
「――いや、する訳がないだろう。お前たちは何を言っているんだ」
本体だからこその丁重に扱って欲しい意味合いなのだろうが、男は真顔で三人組に突っ込みを。
ともあれ、一息と共に思考を完全に修復作業へと切り替えて壊れた多脚戦車へと歩み寄る。
軽く右手で触れつつ、更に銀色の瞳でじっと全体像を見渡すように眺めていく。
「――構造材質…把握。
――基本性能…把握。
――損傷具合――把握。
――行けるな」
呟いた男の右手から、時計盤のような幾何学模様が浮かび上がり――それが時を刻み始める。
暫くそうやって確認作業をしていたが、時計の針が止まれば、三人組へと振り向いて。
「――6分47秒掛かるが直せるぞ。ただ、機能確認とかはそちらに任せていいか?俺は直すくらいしか出来ないんでな」
と、淡々と告げて。
■ナイン > 「そうだったのですか?」
「知ってれば普通に頼みました」
「やっぱり情報収集は必要です」
まさかの言葉に完全に思い違いをしていたと目を丸くして。
今度はごめんなさいと言うように頭を下げて。
「私の身体なのです」
「ボロボロなのです」
「遺棄されたのです」
理解されるとは思っていないが精いっぱいの説明。
それは兎も角直してほしいという意欲を見せて。
「信じています」
「言っただけです」
「機械フェチじゃないです?」
最後は少々ひどくはあるが悪気はない。
そして多脚戦車に向かっていく姿を後ろから見詰めて。
そして時計板のような物が浮かび上がればあれで直るのと揃って首を傾げ。
「「「本当ですか!お願いします!!!確認はやりますから!!!」」」
淡々とした言葉、しかし直ると聞けば3人でハイタッチをくりかえりて大騒ぎになる。
■角鹿建悟 > 「――と、いうかそもそも何で俺を探し当てたんだか…他に腕の良い先輩とかも居るんだがな」
例えば、こういう機械に強い人が居る。異世界由来の物に強い人が居る。自分より優れた直し屋など珍しくも無い。
――強いて言うなら、その狂人の如き直す執念と意志だけは誰にも負けない。
…何故なら、角鹿建悟にはそれしか無くて、それ以外の全部を既に諦めているのだから。
「――分かっている。いや、理屈は分からんがアンタ等の話を疑ってる訳じゃない」
だからこうして依頼を受けている。目の前に壊れたモノがある。生命ではない、心でもない、魂でもない。言ってしまえばそれはガラクタで、残骸で、ただの鉄くずだ。
だからこそ――直す。完全に、徹底的に、出来ぬという選択肢は無い。”やる”か”死ぬ”かだ。
「――機械フェチの先輩は居るが、俺は別にそういうのはないな」
同じチームの先輩に居るけど、アレはフェチというか結婚でもしそうな勢いだ。つまり変態というやつだろう。
こちらの返答にワイワイしている3人組を一瞥してから、右手の時計盤の針が今度は反時計回りに時を刻み始める。
――すると、まるで時間を巻き戻したかのように損傷箇所が元の状態へと巻き戻されていく。
パーツが無い?修理が出来ない?だからどうした。俺が直すと決めたら”必ず直す”。
(――だからこれも必ず直す。俺に直せないモノはない)
敢えて断言しよう。命を、心を、魂を癒せない己はだからこそ”コレ”だけは必ず達成しなければいけない。
■ナイン > 「調べました」
「ネットワークです」
「後の人は逃げました」
つまりは調べて同様に拉致して連れてきたうえで逃げられた。
少年が何人目かは判らないがちゃんと調べ腕が良いという評判だけを選んでいると。
そしてついに直せるという人を見つける事が出来て嬉しくて仕方なく。
「でしたらいいです」
「信じる事は良い事です」
「貴方もいい人認定です」
少々考えが浅いかもしれないが少年は自分たちが求める人。
魂の、心の抜けてしまった抜け殻と言える身体を直してくれるならいい人。
しかしフェチでないという言葉には首を傾げ、逃げないのだから好きなのでしょ?という考えをもって。
そして3人で大騒ぎしていれば不思議な光景が始まる。
壊れた部分が巻き戻る様に直っていく光景は不思議と言えない光景。
その光景に騒ぐことも忘れて見入ってしまって。
■角鹿建悟 > 「――何か変な知名度とか無いといいんだけどな…。」
仕事と信念と”約束”の為にこうして直し続けているが、どうも一部ではそれなりに評判が良いらしい。
――まぁ、それが依頼に結びつくなら願っても無いが、この前みたいな拉致のパターンも有り得るわけで。
ともあれ、どうやら他の”候補者”は須らく逃げられたらしい…普通はそうだろう。
「――別に良い人なつもりもないぞ。直せるのに直さないのは論外だし、これが俺の仕事だからな」
淡々と言いながらも修復作業の手は止めない。
残念ながら、この男にユーモアや明るいノリというのはほぼ皆無である。
そういうのは彼の悪友のほうが得意分野だろう。男は”コレ”しかないのだから。
ともあれ、きっちり6分と47秒後、修復を完全に終えたようでゆっくりと息を吐き出す。
右手を修復された戦車から引っ込めれば、時計盤も宙に溶け込むように消えていく。
「――依頼完了だ。動作確認や機能確認はさっきも言ったがそちらに任せる」
そして、三人組のほうへと向き直り、軽く親指でクイっと多脚戦車を示して。
■ナイン > 「凄いって噂です」
「愛想がないって噂です」
「不愛想って噂です」
修理とは全く関係のない噂であるが有名であると口々に。
当人たちにはそういう噂はどうでもよく直せるか直せないか。
そしてようやく逃げないので直してもらおうと必死。
「「「でも今までは逃げました!!」」」
淡々としながらも逃げずに直してくれる。
例え愛想がなくても言葉数が少なくても直してくれればうれしい。
だから気が付けば瞳は輝いていて。
そして言われた時間が立てば大破していた多脚戦車は綺麗に修理されている。
少年の右手は引っ込めば不思議な時計盤も消えてしまうがそれよりもと戦車に駆け寄り。
「ありがとうございます」
「勿論です」
「早速です」
示された多脚戦車に早速ナインが這いあがってハッチを開けて中に入る。
一人だけ座れる狭いスペースの椅子に座れば直ぐにリンクをはじめて各種の確認し…低音を立て立ち上がれば後の二人、ノインとノーヴェは黄色い声を上げて大はしゃぎをしてしまう。
■角鹿建悟 > 「――愛想とかは俺には必要無いからな」
切り捨てて来たものの中には己の愛想も当然含まれている。
故に、無愛想なのは当然で…だからこそ愛想を振りまく必要性は何も感じない。
もっとも、噂など結局尾鰭がつくものと相場が決まっている。自分の噂とてどうせ誇張か曲解されているに違いない。
「――まぁ、拉致同然に連れて来られたのは不服だが、別に依頼なら逃げる必要性は感じられないしな…。」
或る意味で職人気質だからこそか。直すべき物を前にして逃げる?諦める?そんな軟弱は己には不要だ。
ただ、きらきらと輝く瞳で見つめられるのはどうにも慣れないので、若干視線を逸らしつつ。
「――しかし、これは…どういう兵器なんだ?戦車?っぽくもあるが脚が沢山あるのは初めて見るが」
彼女たちの一人がハッチを開けて中に入る。そのまま、試運転や確認作業を行う彼女たちを眺めながら一息。
――少し、立ち眩みがした。が、直ぐに持ち直す。自分を削るというのは比喩表現ではない。
■ナイン > 「愛想は必要です」
「私はそれを学びました」
「笑顔は皆を幸せにします」
必要ないという少年に必要だと押す3人。
元々そういう物が全くなかった訳ではあるが学び必要だと知って。
噂は何処まで正しいかは判らないがこの人はいい人認定を完全にしてしまい。
「だって説明が手間でした」
「信じないと思いました」
「手っ取り早くいきました」
もう何度目かですっかりと交渉を諦めているという雰囲気の言葉。
しかし無事に直してくれた少年を見ては話せばよかったと少しだけの後悔。
『これは対異能使い用の試作兵器です』
「でも負けちゃったの」
「それで破棄されました」
性格には異能使い相手ではないのだが連続した敗北についには開発陣に放棄され。
最後はここで朽ちる筈であったが自分を倒した相手に従う事で今を得て。
ナインが行う確認や試運転は全く問題はなく、完全に修理されていると確認も出来。
「「大丈夫です」」
少年がふらついたように見えノインとノーヴェが同時に声をかけて
■角鹿建悟 > 「――そうか。」
笑顔は皆を幸せにする――じゃあ、周りの誰にも笑顔が無かったら?…嫌なことを思い出した。
眉間に僅かに皺が寄っているのに気付けば、一息零してから軽く目元を解すように揉んでおきつつ。
「…手っ取り早いが色々と端折りすぎだろうと俺は思うぞ…完全に事後承諾みたいな感じだからな」
まぁ、そりゃ逃げられるのも無理は無いか…と、思うが。
ただ、自分は直す依頼を優先しただけだ。そもそも戦う力は己には無い。直すことしか出来ない。
「――対異能用の試作兵器か…普通になんかの機密レベルとかじゃないか?」
緩く首を傾げるが、負けたというのは本当だろう。実際損傷していたのだから。
立ち眩みについては「問題ない」と短く答える。気遣いは有り難いが同時に不要だ。
――命を削ってでも必ず直す。既にその覚悟も何もかもは完了している。
「さて…と、じゃあ依頼はこれで達成という事でいいな。…で、報酬だが――まぁ、特に必要ない。
強いて言うなら、そうだな――俺は落第街にも依頼でよく足を運ぶから、見かけたら護衛でもしてくれると助かる。
――俺は弱いからな」
■ナイン > 笑顔は自分たちが最初にならった事。
何故か眉間に皴を寄るのが見えて何々と首を傾げ。
「そうですか?」
「早いのは良い事です」
事後だろうとうまくいけばそれで良いという突撃精神。
そもそもにこの3人は言葉を交わさなくても解りあえるのでその辺りが少々抜けている。
しかしながらそれでも直してくれた少年には感謝をして。
『所属主はもういません』
「大丈夫です」
「エイン様に話しちゃ駄目って言われてないです」
今も機密なら回収はされている筈、それがされていないという事はつまり…。
それに口止めもさえていなければぺらぺらとしゃべって。
少年は心配ないというがとてもそうは見えず…リンクをして情報交換し。
『そうなります。助かりました』
「報酬はうけとってください」
「判りました、護衛します」
『「「では、お礼に送ります」」』
これでも戦闘兵器だった3人、護衛ならお手の物と胸を叩いて任せてと。
そして早速護衛の一環だと、戦車が姿勢を下げれば強引に少年を上部に押し上げ。
その後に二人も戦車の上に這い上り、3人が乗ったのを確認すれば修理されたばかりの多脚戦車は繁華街表通りに向けて進み出す。
■角鹿建悟 > 少年は笑顔を浮かべない。時々、笑う事もあるがそれもぎこちないもので自然な笑顔とは程遠い。
――そういえば、大きな声を出して最後に笑ったのは何時だっただろうか?もう思い出せすらしない。
「――やれやれ、まぁ俺から口煩くどうこう言うつもりは無いが、程々にしておいたほうがいいぞ」
男から言えるのはそのくらいであり、同時にそれ以上あれこれ言うつもりも無い。
「――エイン様というのが誰かは知らないが、まぁそちらにも事情が何やらあるのは分かった」
急に知らない名前が出てきたが、今の彼女達のボスのような人物なのだろうと勝手に納得しておく。
「いや、そこまでしてくれなくてもこの辺りなら何度か来た事もあるから、自力で戻れるつもりだが…。」
少なくともある程度の土地勘はあるつもりなのだが、どうやら彼女達が送る流れになりそうで。
それに反発するつもりも無いので、問題なければ戦車の上に乗せて貰う事にしようか。
と、いうより半ば強引に戦車の上部に押し上げられて。
そのまま多脚戦車に揺られながら歓楽街辺りまで送り届けられるのであった。
■ナイン > 普段から騒いで笑っての大騒ぎ。
それで何度も注意をされるも騒ぎが落ち着くことはなく。
『「「はい、わかりました」」』
これからも交渉と言えばこういうやり方がメイン。
しかし何時かは普通に交渉も出来るようになるはず…。
そしてついポロリと零してしまうも問われなかったために気は付かず。
『駄目です。恩には恩を返します』
ナインが代表でそう言えば少年が落ちないように気を付けて路地を進み。
やがて歓楽街に付けば3人でもう一度礼を言い別れることとなるだろうか…。
盛大な大騒ぎと共に…。