2020/11/10 のログ
■雨見風菜 > そんな、場にそぐわない風菜。
すぐに視線には気付いた。
「……」
横目で視線の先を見てみれば、隠れてるつもりなのか物陰からこちらを見ている。
ここの住民たちのように堂々と下心全開で見る目ではない。
視線を戻し、まるで探し人が来たかのような笑みを無意識に浮かべる。
──歩みを進め、角を曲がる。
相手が追いかけて角を曲がればぶつかるように、『糸』を垂らしながら角の先で身体を反転させて待つ。
『糸』は極細、地面の色とほぼ同じ……優良な視力でも視認は難しい。
■ユラ > (え、やっば……)
バレた。のはわかった。
が、どうも誘われてる感じがしてる。気がする。
イヤな予感はするものの大きめの好奇心、そしてこんな場所にいる女性を放っておけないという爪の先ほどの正義感が勝った。
一応警戒しつつ、とことこ歩いて後を追う。
角を曲がったので、見失わないように近付く。
隠れるのが下手な動きのまま、ちらっと片目だけ覗かせるように先を見る。
もちろん仕掛けられたものになんて気付くことはなく。
■雨見風菜 > 『糸』が彼?の挙動を伝えてくる。
あくまでおおっぴらに追いかけてこないようだ。
自分でも、壁から目を覗かせるならこう動くだろうという動き方。
偶然を装ってぶつかるには無理があるだろう。
相手が片目を覗かせたのとほぼ同時、いや少し遅いくらいか。
「私に、なにかご用事でしょうか?」
風菜から、相手に声をかけた。
■ユラ > 「うわびっくりした」
顔を出した直後のことで、割と驚いたらしい。
体がちょっと跳ねた。あと髪がちょっと逆立った。
「んーいや、なんかここで見るタイプの人じゃないなと思って気になったんで……
えっ、もしかしてこれアレ? 罠の類? ハニトラってやつ?」
あたりをきょろきょろ見渡しつつ尋ねた。
罠だったら相手が正直に答えるわけがない……なんて考えてない。
そしてその割に余裕がある。
■雨見風菜 > 彼を脅かし、反応を楽しみながら仕掛けた『糸』を切断。
面と向かっている以上、もう不要だ。
「そうですね、私はここの住民ではありません。
単に火遊びをしているだけの馬鹿な女ですよ」
くすくすと、自嘲めいた笑みを浮かべながら、相手の質問に応える。
風菜自身、罠を仕掛けているわけではないわけだし。
■ユラ > 「ふーん……オレみたいに迷ってここに来たわけでもなさそうだし……
火遊びって、別に煙の臭いもしないし。
あ、危ないことしてますよってことか」
ぽん、と手を叩いた。
別に悪い人ではなさそうだという判断のもと、こちらも近距離の警戒心を解いた。
「じゃあ何してたの?」
逆立った髪をちょいちょいと整えながら訪ねた。
■雨見風菜 > 「あら、迷われたんです?
でしたら、お送りしましょうか」
今いる辺りなら歓楽街にまで出るルートは大体覚えている。
まあ、万が一迷ったとしても上から帰れるのだが。
「何をしていたか、ということならば。
私がしていたのは散歩でしかないんですよね」
そう、散歩でしか無い。
……この危険地帯を、ミニスカートで。
誰かが下卑た目線でついてくるなら、わざと行き止まりに向かったりはするが。
■ユラ > 「いや、いいよ。最悪そこらの屋根上って帰るし。
こういう場所、ちょっと好きだし探検しようとしてたから」
こともなげに答えた。
自分にはそういう身体能力があることを知っていた。
相手の返答を聞いて、ちょっと首を傾げる。
そして目を覗き込む。
「嘘っぽ。でも本当っぽい。
綺麗な女の子がこんなとこ散歩って、んなわけねーでしょ。
まあ火遊びって自分で言ってるし、全部正直には言わないよな」
自分で納得したものの、なんとなくはぐらかされたなーと思って不満そうな顔になった。
■雨見風菜 > 屋根に上る、つまりは自分とは違う方法なのは直感的に理解した。
「こういうとき、上から帰れるのは良いですよね。
地上なら迷っても屋根の上や空中なら迷う心配はないですし」
異能でも、魔術でも、身体能力でも。
便利ですよねと言わんばかりの笑顔で。
「あら、嘘は言ってませんよ。
やってることは、ですもの」
はぐらかしであることは論を待たないが。
不満そうな顔に、ふふっと笑いかける。
■ユラ > 「方角さえ合ってれば、どこでも行けるしね。
合ってなくても、海沿いにどこか探せば帰れるし」
うんうん、と頷いた。
多分彼女も空を飛べたりするんだろう。
「ふーん……ふん。散歩は嘘じゃないんだ。
じゃあ……危ないことを探して散歩してるか、危ない目に会いたくて散歩してるって感じ?」
ちょっとずつ答え合わせをしようとしている。
■雨見風菜 > 「建物の屋根とかの特徴を覚えてたりすれば、そちらを目指せばいいですしね」
そう言ってる風菜自身、最初は付近の建物を目安にしていた。
だが、何度も空中から帰るようになり、その中で覚えていっている。
「ええ、そのとおりです」
ちょっとずつ、どころかそのものズバリであるのだが。
返答する時に、胸の下で腕を組んで、その腕で乳房を軽く持ち上げた。
■ユラ > 「それはオレにはまだ……キミ、慣れてるね……」
さすがに屋根の特徴やらは実家付近ぐらいしか覚えていない。
こんな出先の屋根のまでは全然覚えてなかった。
「ふーん。いい趣味してるね、スリルジャンキー。
うちの兄みたい」
相手の動作に合わせて、今ようやく初めて胸元を見た。
巨乳。ちょっと苦手。
だが相手の体を見て不快な顔をするなど、あまりに無作法なので我慢した。
「……失礼……まあでも、それなら何かあったら大変だなとか考えてたけど、要らない世話だったかな」
■雨見風菜 > 「便利ですからね、方向を見失うことも……逆さまにならなければあんまりないですし」
調子に乗って一度上下逆さまになって跳んでみたが、それはそれでやり慣れていなかったから失敗したものだ。
「ええ、流石に命の危険があるなら逃げますが」
逃げるにも、上方向はとても都合が良い。
一般的な異能も持たない人間なら、間違いなく振り切れる。
胸を見た相手が、少々取り繕う感じの反応。
肯定的には見られていないかも、と直感的に感じる。
「ええ、ご心配ありがとうございました」
■ユラ > そういえば天地逆になると、普段方向感覚が狂うものだった……と思い出した。
訓練で感覚が歪みつつある。
「命の危険……からは逃げるの?
じゃあ喧嘩に巻き込まれたいとかじゃないんだ。
えっ、じゃあ何?
通報したりしないから教えてよ」
好奇心が強い。とうとう答えを求めてきた。
それこそこの場にそぐわない、少年の輝く瞳。
■雨見風菜 > 「ええ、流石に命の危険は困るんですよ。
異能が使えるだけ、戦いには全く向いてないですし」
異能も、そして魔術も戦闘には全く向いていない。
喧嘩や、巻いて刃傷沙汰なんて真っ平御免だ。
……一部、例外を除くが。
「あら、何を求めてるか、ですか。
エッチなこと、ですね……♡」
顔を赤らめながら、彼に見えるようにスカートを捲りあげてやる。
縄で縛られ、きちんと手入れされている秘部が丸出しだった。
■ユラ > 「ああまあ……それもそうか……
危ないことって、戦いを求めてるわけじゃないんだ」
ふーん、と納得した。
ちょっと面白いなとか思ってる。
兄とはまた違うタイプだ。
「うわびっくり……」
かなり驚いた顔。ついでにあまり慣れてない女性の性器で、顔を軽く赤らめた。
痴女というやつか、と納得した。危ない目の意味もようやくわかった。
「しかし……エッチなことねぇ……
それってこんなとこ来ないと得られないもん?
キミくらい綺麗なら、わざわざこんな薄暗いとこ来なくても引く手あまたでしょ」
あんまりまじまじと見るのも悪いので、すぐに目線は顔に戻した。
相手の顔を見て、自分も同じくらい顔が赤いんだろうなと思ってる。
■雨見風菜 > 「そう、危ないことっていうのは戦闘行為だけじゃないんですよ。
チキンレースなんかも、そういった戦闘行為じゃないスリルですしね」
風菜にはそういう趣味はないが、気持ちはなんとなく分かる。
何事もなかったかのようにスカートを戻して。
「そうなんですけどね。
やっぱり私は、組み伏せられたりするほうが興奮するんですよ。
いわゆる『マゾ』という性癖ですね。
……もっと見たかったり、します?」
顔の赤らみが抜けないまま、彼に問いかける。
普段なら上も、と言ったところだが、どうにも苦手そうな気はするし自重しておく。
■ユラ > 「組み伏せられると興奮……
うちの母みてえ」
ぼそっと呟いた。頭が痛い言葉だ。
まさか自分がそういう趣味の女性と出会うとは思わなかった。
どうしても出会う女性の傾向は父に似てしまうのだろうか。
「んーーー……まあ見たいかな。
同じくらいの年の女の子の体って、何年も見たこと無いし」
一応の興味を示しているが、年頃の男子よりは欲求が少なそうである。
改めて綺麗な子だな、と体を上から下まで見てみた。
胸がこれだけ大きくなければ、それこそタイプだったかもしれない。
■雨見風菜 > 「あら……」
彼のつぶやきが聞こえてしまった。
自分が言われる分には良いが、まさか相手の地雷だったとは。
「じゃあ、どうぞ……♡」
『糸』を使ってスカートをたくし上げた状態で固定する。
今度は極細なことには変わらないが、銀色。
目を凝らせば見えるくらいだ。
なお、風菜自身は自分の胸の大きさは好きである。
他人の胸は『その本人が納得しているならそれでいいじゃない』という見方だが。
■ユラ > 「んん、じゃあ失礼しまー……
え、この糸何。すげえ」
魔力を感じないので、異能のものだと判断した。
美しい女体より、先に糸に目が奪われた。
数秒糸に目を奪われたが、頭を振って気を取り直す。
その場にしゃがみ込み、じっと見つめる。
「……なんか子供の頃見た女の子の股とはちょっと違う気がするなぁ。
成長すると結構見た目変わるんだ」
慣れてきたらしく、顔の紅潮が収まってきた。
首を傾げて、ちょっと見える角度を変えてみたりしつつ観察が続く。
■雨見風菜 > 「ああ、この『糸』は私の異能です。
色々と便利なんですよね」
ただし戦闘には向いていない。
戦闘に使うには重量物にくくりつけて殴りつけたり投げたりが関の山だ。
「ええ、そうなんですよ」
慣れてきた彼に対して、『見られている』ために興奮が収まらない風菜。
秘部は愛液で少し湿っている。
だが、それが溢れることは今はない。
■ユラ > 「……オレもこういう便利な異能がよかったな……」
良さそうな異能を見ると、どうにも憧れが先に立つ。
「ふんふん……うーん。
いいもの見れた気がする」
うーん、と満足げな様子。
立ち上がり、再び顔に目を向ける。
「……すげー楽しそうじゃん、キミ」
マゾはともかく、露出趣味にはあまり理解が無かった。
■雨見風菜 > 「まあ、異能は人の才能みたいなものですしね……」
異能が所有者自身に悪影響を及ぼしている例を知っているばかりに、どうにも端切れが悪くなる。
いや、自分だって同じようなもの。
『糸』は兎も角として、ある意味で都合がいいから受け入れてはいるが、そういう異能ばかりではないことはわかる。
「そうですか、それは良かった……♡」
満足げに彼が立ち上がれば、『糸』を切断してスカートを下ろす。
こちらも愉しんでいることを指摘されれば。
「見られるのも、好きなんですよね……♡」
■ユラ > 「才能ねえ……」
呪いの間違いじゃないだろうか。
父はこれを『祝福』と呼んだが。
「……もっかい聞くけどさ、別にこんな場所じゃなくてもよくない?
キミなら引く手あまたでしょ、そういうの。
危なくない場所で見られたり襲われたりしたほうが安心しない?
オレは安心する」
スリルジャンキーの考えがどういうものかわからないが、場所は選んでいいんじゃないかなと思っている。
しかし嬉しそうな顔にはなかなか強く言えない気がした。
■雨見風菜 > 「微妙な顔になるのはわかります」
多分、呪いといいたいんだろうなぁとは思いつつ。
だが制御できて利点だらけの異能もあれば、持ち主に害を成す異能もあるわけで。
十把一絡げに語るのが間違いなのかもしれない。
「危なくない場所だとすぐ風紀の方を呼ばれるんですよね……
まあ、してないわけじゃないんですけど。
身の安全、という面では安心なのは間違いないですし」
表側は、痴女には厳しい。
至極当然では有る。
■ユラ > 「すぐ風紀を呼ばれるのはさすがに面白いけど」
うっかり笑ってしまった。
そりゃ当然のことだなと思っている。
「それならこれから呼んでくれたら、ヒマな時なら上で護衛役として待機するよ。
危ないとこに綺麗な子が居るの考えると、胃がキリキリする」
再び体を見る。素敵な女の子。
女の子くらい守れるようにと鍛えられた体、少しくらい使ってもいい。
■雨見風菜 > 「追い回されると、割と笑い事じゃないんですけどね」
まあ仕方のないことでは有る。
彼らだって自分の職責を全うしようとしているだけなんだし。
「まあ、そうですね……気が向いたら、お呼びしますね」
だが呼ばないのが風菜である。
自分の趣味に他人を付き合わせる気はないのだから。
とはいえ、別件で頼ったり頼られるようなことが有るのならば……
「……そう言えば名乗っていませんでしたね。
雨見風菜、一年生です」
■ユラ > 「それ絶対呼ばないやつじゃん。
まあいいや、別に呼ばなくても。
本当に気を付けてねって意味だから」
強制も矯正も無理だなと感じていた。
でも言わないよりはだいぶマシ。
「あー、そういえば。
オレはユラ。ユラ・リィヤ。同じく一年。
名前より素肌見るのが先ってなかなかの出会いだったよ、風菜」
眼福ではあったが、これ以上無いショッキングな出会いだった。
■雨見風菜 > 「バレちゃいましたか。
ええ、気をつけるのは気をつけますよ」
くすくすと笑って。
「そうですね、こんな初遭遇する女って、私くらいでしょう。
……あら、もうこんな時間。
ユラくん、私はそろそろ帰りますが……探検されるんでしたっけ?」
ユラも帰るというのなら彼の分かる道、もしくは寮まで案内するだろう。
そうでないなら、一人で帰ることに変わりはない。
■ユラ > 「……風菜くらいのもんだといいんだけどな……
なんかそういう出会いからは逃れられない気がするんだよな……」
どうもそういう予感がする。
これほどの衝撃ではないにしても。
「んんーまあ帰るか……ある意味大冒険だったしな。
なんかセックスするより恥ずかしい体験した気がする。
あ、今度また見せてね。それこそ気が向いたら」
んーっと伸びをして、あたりを見渡す。
本当に一度上に行かないと帰れなさそうなので、彼女について帰るつもりだ。
■雨見風菜 > 「……流石に私ほど開けっぴろげな子は知らないですね。
ハーフサキュバスの子は居ますが……」
とは言え、学園の生徒を知り尽くしているわけでもない。
もしかしたら、そうなってしまうかもしれない……
「あはは、たしかに大冒険ですね。
見せるのも構いませんし、何ならするのも構いませんが」
そう言いながら。
二人でおしゃべりをしながら寮への帰路につくのであった。
ご案内:「落第街 路地裏」から雨見風菜さんが去りました。
ご案内:「落第街 路地裏」からユラさんが去りました。