2020/11/29 のログ
F.U.R.Y >  
「気に入らない事を許すつもりねェだけだ。
 自分も他人もな」

曲がった事が嫌い…ま、そうなんだろうな。
しょうがねェと呑み込むのはもうヤメた。
生き辛そうだとか言われもするが、もう決めたことだ。
そうで在るとテメェで選んだモンだ。
だからそれでいい。

「あァ、そういうことか……

 ……何十って違法部活の縄張りになってるビル街が落第街の一角にあんだろ。
 そこの一つ……ま、詳しい場所までは案内してやる。
 そこに…20かそこら集まってやがる。

 ガキに女もいりまぜだ、マトモに戦える奴は今ん所オレしかいねェ。
 飯も…今は逃げるときにかき集めたのを分け合って食いつないでやがる。
 偶にオレが仕入れるが、カネも殆どねェからな。
 シゴトもねェから、それもどんどん減っていってやがる。

 …正直言ってかなり面倒くせェぞ、頼んでる身でなんだが…本当に受ける気か?」

20人そこらの人間を守って、ソイツらが生活できるようになるまでの面倒を見る。
自分で言っていて何だが、随分とまァ……厄介事だ。
見返りみねェ。
それを受ける意味なんて、ほぼ無いと言ってもいい。

「……そーだなァ。

 テメェは、ナニモンだ?
 普段は何してんだ。落第街の人間……っつっても、身綺麗な奴はソレナリに何かしら理由があんだろ。
 
 ツラも整ってやがるが身売りしてるっつゥ雰囲気でもねェ。
 となりゃ‥‥ま、気になりもすらァ」

こんな事を引き受けるのも、落第街の人間としちゃ珍しい。
素性を疑っている訳でもねェが、単純に目の前のオンナに少しだけ、興味が出て来た。
変わりモンもいるもんだ、と。

ソレイユ >  
「なるほど、わかりやすい。
 君のそういうところは、実に評価できる」

ふむ、とメモ帳に何事かを書きつける
この街で何事か起こしそうな人物については、記録しておいて損はない。


「20人、か……微妙な数だな。
 しかも、あのあたりか……動かすにも少々厄介ではあるな。
 なるほど、誰かに頼りたくもなる」

妙に納得する。
まあ、こんな性格の男が人に頼るとすればだいぶ危機的なのだろう、とは思ったが。
そうはいってもまだどうにでもしようがあるのも確かだ。

「ちなみに、半分は興味で聞くのだけれど。
 君は、働く気はないのか?」

まあ、仕事などしてハイなさそうだな、とは確かに思っていた。
しかし、養うために仕事をする、という方向は……いや、ないのかもしれないが
まあ聞くだけ聞いてみよう


「ん、私か? そうだな……
 普段は調査をしている。ソレこそ、いろいろなものを、ね。
 何のために?
 それは、秘密だよ」

F.U.R.Y >  
「オレみてェな爪弾きモンがつける仕事があるかよ。
 何せバクダン持ちだ」

いつ暴れるか分からない火薬庫のようなもの。
用心棒にしても使い悪すぎるだろう。
何より、気に入らない奴につく気もない。

「結局できることと言や、襲い掛かってくるバカ共ぶちのめして金やら食料巻き上げる程度だ。
 それも20人養う分にゃ全くもって足りねェ。
 デケェ獣でも出るんなら、足しにでもなんだろうけどな。

 …つまるところ、結局スラムの難民共からしてもオレは近いうちに厄介者以上にはならねェって事だ」

何より、もう一定の集落に身を寄せる気はない。
これが終わればまた一人、どの勢力にもつかず、一人で生きる。
それが一番性に合っていやがる。

「…調査、ねェ。
 落第街の調査する奴なんざ学園の手先か、落第街にいやがる……なんつったか。
 ネロ…なんちゃらっつう眉唾モンの違法部活だとか位なモンだと思ってっけどな。

 まさか……
 いャ、んな訳ねェか」

ハッ、と一度浮かんだ想像を一笑する。
落第街の秩序の為に暗躍するだとかなんとかぬかす輩が、こんな所で安請け合いする訳もねェか。
20人そこらの難民なんぞ、どうせヤツらにとっちゃ目を向けるモンでもねェ。

そんな事を思いながら、治療を受ける。
傷は深いが、それも普通なら考えられない速度で癒えていっている。
腹から出た臓物を無理矢理押し込み、傷口を縫い付ければ……どうにかこうにか見た目もマシになる。
普通なら潰れて二度と治りはしない眼球も、もう既に大分元の形へと戻りつつあるだろう。
他も…出血は多いが、それでも男が失血死する様子はない。
傷さえ塞げば後は時間が治すだろう。
それほどの、生命力だ。

「…で、テメェは何をご所望だ?
 借りもあるんだ……何でも言いな。
 道理が通る事ならやってやるよ。

 …何なら飼い犬にでもするか? ククク」

ま、こんな奴に首輪をつけてもいつ襲いかかるか分からねェんだ。
そんなのを欲しがる酔狂もの、そうはいねェだろ。

ソレイユ >  
「ふむ、ふむ。
 なかなかしっかりした考察だな。」

自分のことも、周りのことも見えている
馬鹿は馬鹿だったが、それでも大事な一線は守れているようだ

とはいえ、その分、なかなかに難儀でもあるようだ
しかし、そこまで干渉するのもどうかと思う
所詮、私のような存在に人の生き方をどうこう言う資格もありはしない


「ははは、君はなかなかに想像たくましいようだ。
 悪くない。面白いじゃないか。」

一瞬思い当たりかけた正解を笑って受け流す。
動揺などはない

「うん? 君へ求める対価か?
 ふーむ……そうだな……
 確かに、首輪をつけてペットに、というのは面白そうではあるが。
 別に、それは本意ではないな」

どちらかといえば、文字通りの意味で想像して笑う


「まあ、実のところ。
 今は、何も考えては居ない。
 強いて言うなら、自分のことも多少は気を使ったらどうか、と言った辺りか」

そういって満身創痍の体を見回す
だいぶ再生のような挙動は進んでいるようだが、
すべて元通り、とするにはまだ時間が掛かりそうだ

F.U.R.Y >  
「ハッ
 美人のペットね‥‥…そういうシュミのヤツもいんだろうがオレも御免だ」

くくく、と笑う。
こっちも本気で言っている訳でもないのだから。

「ま、テメェが何者かはこの際置いといてやる。
 テメェがそれなりにタフでオヒトヨシなのは分かってるし、何より……外道はしねェんだろう?
 その言葉反故にするってんならブッ潰すだけだからな」

それなりに相手を気に入ってるから、頼みに向かったのもある。
信用に足ると判断したから、頭を下げにいった。
…その判断が間違ってたなら、どうせ自分の目が節穴だっただけだ。

「…だが、何も考えてねェ?
 そんなんで引き受けやがんのか? ッハー……つくづくわかんねェな、テメェは。
 テメェの代理にも言われたがな、片隅に置きはするが期待はすんな。

 結局オレはフツウに生きれりゃしねェ。
 自分の身かわいさ優先して生きれるなら、そうするさ。
 死にたがりって訳でもねェからな。
 だが……

 ”こうだ”ってオレが決めた。
 オレが決めたことをオレが曲げんなら、それはもうオレじゃねェ。

 オレは、オレであるためにこうしてる。
 
 …テメェはどうだ?自分…って奴の為に曲げねェもん、あるか?」

オンナの目を見て、問う。
つくづく変わったオンナ。
殴ってもケロリとして、見返りなしに頼まれごとを引き受けて。
で、こんな奴に気をかける。
ま……成り行きだが。

それが何の為か、どうしてそうしたのか、目の前のオンナの考えを、根っこを、知ってみたかった。
単純な興味だ、意味はねェ。

ソレイユ >  
「潰されては敵わないな。気をつけるとしよう。」

変わらず、冗談とも本気ともつかない様子で応える。
顔は真顔だ。


「実のところ、期待、という意味では半々だ。
 君の性格……というより、性質かな? 
 それは、今までの会話でもだいぶわかってきたからね。
 とはいえ。僅かでも可能性があるのであれば、まあ楔くらい打ってもいいかな、と。
 その程度のことだよ」

あっさりと返事をする。
何も考えていない請負と同じく、そこまで深く考えているわけでもない。
もちろん、打算がないわけでもないのだが……

そして、もう一つの問いかけ

「ふむ……自分の為に、曲げないもの、か……
 一言で言うなら、矜持……かな。
 君も察する通り、私はまあ真っ当ではないからね。
 だからせめて、それくらいは守りたい、と思っているよ。」

少し考えて、それだけ応える

F.U.R.Y >  
「矜持…ね」

落第街にルールはない。
だからこそ自分の中に絶対を持っている必要がある。
それが落第街で”生きる”って事だ。
そうじゃねェヤツは、ただ死なないだけ。
死に怯えて、自分も迷子にして、ただクズとしてあるだけ。

そう言う奴は信用しねェ。
わが身可愛さにいつでも裏切る。

そうじゃないってんなら……それ次第じゃぶつかり合う事もあろうが、それでもソイツは”生きて”やがる。
その方が百倍マシだ。

「ハッ。
 嫌いにゃなりそうにねェな、取り合えず、今のテメェは。
 少なくとも落第街で”生きようと”はしてやがる。
 そういう奴は嫌いじゃねェよ。

 ……ま、その矜持とやらとオレの生き方がぶつかる事もあるかもしんねェけどな。
 それもアリだろ……」

互いに道理が通ってんなら、それはそれで、構いはしねェ。
落第街は一つのルールで存在する訳じゃねェ。
他よりも自由で、だからこそ他よりも色んな奴がいる。
だから、それでいいだろ。

「なら、ソイツだけは守んだな。
 それができねェと感じたら……オレを呼びな。
 テメェブン殴ってでも、叩きなおしてぶっとい芯を通してやるよ。

 借りもあるし、な」

随分…怒りが静まっている気がする。
苛立ちがここまで収まるのはそれこそ、いつぶりか。
妙な事もあるもんだ。

ソレイユ >  
「そうだね。いつか君とぶつかり合う時が来るかも知れないな。
 ……まあ、今のところその可能性は低そうだ。
 それこそ、君自身が君の言う『外道』にでもなれば別だけれど。」

もし、そうなれば――
たとえ、何者であろうと『裏切りの黒』は『ソレイユ』は
決して許すことはないだろう


「ふむ、頼もしいことだね。
 それでは、そのときは頼むとしよう
 まあ、私としてはその必要がないことを祈りたいけどね。
 その逆も、だ。できれば平穏な方がいい」

『悪』が『悪』だからこそ『悪』を行う――
しかし、その『悪』には出番などないほうがいい。

この落第街の無秩序なる秩序を大きく揺るがすようなことなど、
起きなければ起きないほうがいい


「さて、君もだいぶ落ち着いたようだ。
 様子を見て、頃合であれば例の場所も案内してもらいたいところだね。
 話なら道中でもできるだろうし」

F.U.R.Y >  
「あァ、そだな……」

外道になれば、話は別。
望む所だ。
オレが外道になったら、そん時はすぱっと殺す奴が現れた方が”今の”オレにとっては有難い限りだ。
それが爆弾抱えた自分にとっての、道理の…筋の通し方だ。

「じゃ…ついてきな。
 そんな遠くはねェよ、多分な。

 もし寝床が居るなら、オレが使ってた所使いな。
 汚ェが夜風は凌げら」

まだふらつく体を持ち上げ、二つの足でしっかりと立ち。
そのまま少し引き摺るようにしながら、彼女を難民たちのアジトまで案内するだろう……

ソレイユ >  
案内されるままにおとなしくついていく。
その道中、ふと考える


「ふむ……」


この男の反応を見るに、"その"可能性がないわけでもない、ということか。
最初に会ったように正気を失って帰ってこられない、とか……
困ったものだ。どうしたものか。


「うん、そうだ」


いいことを思いついた、とばかりに手を打つ


「さっきの話だけどな、F.U.R.Y。
 もう一つ、所望しよう。
 なに、さっきの頼みも保証がないのなら一個くらい増えても問題なかろう。」

そういって勝手に話を進めていく

「いつか……そう、いつかだ。
 この落第街を揺るがしてしまうような、巨悪が現れたとき。
 そのときは、それらと戦うために力を貸してもらおうか」

今度ばかりは、やや冗談じみた調子で口にする。
ただ、顔は真顔のままであった。

「さて、そうと決まればまずは此方の依頼を済まさないとだな。
 さあ、案内してもらおうか」

F.U.R.Y >  
「ァ…?」

急な提案。
それもいつか、もしも、なんていう、ぼんやりした内容。
巨悪が出た時、ねェ……

それがそのとき、何を指すのかなんて分かりもしねェが。
しかし、そうだな……

「…いィぜ。
 ならその時が来るまで…テメェに借りを返すまでは、オレもおちおちくたばらねェように踏ん張ってやるか」

借り、は返す。
それが必要だとこのオンナが言うなら……手を貸してやろうじゃねェか。


「じゃァ、オレからも一つだ。

 





 もっと愛想良いツラしろ、もったいねェ」

カカ、と冗談には冗談で返した。

ソレイユ >  
「ふむ……似たようなことはかつて言われたな。
 どうも普段遣いだと不要と考えてしまう辺り、問題なのだろうな。」

なるほど、と指摘にうなずく


「わかった、善処するとしよう。
 約束まではできかねるが」

なにしろ、忘れっぽいのが自分だし
まあ善処するだけ良しとしてもらおう

F.U.R.Y >  
「別に、折角ツラ良くしてるからもったいねェと思っただけだ」

それ以上でもそれ以下でもない。
少なくとも不愛想なツラだからイラつく、なんてことも、このオンナ相手にはねェんだから。

「んじゃ……いくかァ」

そうして、共に……
未だ生活すらままならぬスラムの難民たちが暮らすビルへと、向かうだろう……

ご案内:「落第街 路地裏」からF.U.R.Yさんが去りました。
ご案内:「落第街 路地裏」からソレイユさんが去りました。