2021/11/06 のログ
ご案内:「落第街 路地裏」にリスティさんが現れました。
リスティ >  
「なんだか騒がしいな……」

学生街をうろついて、改めて落第街へとやってきてみれば、
以前やってきた時との空気の違いを感じ取る。

埃が舞い、焼けるような臭いが混ざった血の匂い。
前来たときは、ただただ治安の悪い街……程度だったのだが……。

「これじゃ……戦地じゃないか……」

思っていたのと違う。この島はこんな場所だったのか……?
顔を顰めながら裏道をふわふわと浮遊して進んでいく。

リスティ >  
今日の目的は、偽造学生証を作れる技術者を探すこと。
……だったのだが、この有様だ。人に尋ねて回れるような状況ではない。

「困ったな……」

前に得た情報によれば、おそらく、風紀でも公安でも、怪異として
どこかしらに行けば正規の学生として入る話はつけられるだろう。
ただ、それはここの法…つまり校則に縛られることになる。

何も考えずにそれに従おうとは思えない。
主な理由は不信であるが、それはそれとして、
吸血行為を取り上げられる可能性もある。それはとても困る。

とにかく。
この島の学生になるには、実情がわからなすぎる。
もう少し、"裏"を知ってから付き合いたいところだ。

変わらず、路地裏を進む。

ご案内:「落第街 路地裏」にフィーナさんが現れました。
フィーナ > 「えっほ、えっほ」
混乱した大通りを抜け、路地裏で走る少女の姿。
それに見合わない大きさのバックパックを背負っている。

スライムの住処を焼き払い、目標を入手し、あとは安全圏への離脱。

ちょくちょく情報端末から保護している者へのメールを送るが…返信がまだない。

つまり…前方不注意で、リスティの前に出てくるだろう。

リスティ >  
「ん」

大きな荷物で走っていれば、足音も響くもので。
吸血鬼故に夜目も効き、そちらの存在には気付く。

声をかけるか少し考えていれば、どんどん近寄ってくる。

「おおっと」

こちらは浮遊して移動してるのもあり、相手はこちらに気づいていないようで。
ぶつかられそうになり、声を上げてふわりと横に避ける。

「……そんなに急いでどうした……いや、ある程度は予想できるけど」

フィーナ > 「っと、ごめんなさい…って。貴方、確か新入りの…」
足を止め、振り向く。見知った顔だった。

「貴方こそ、こんなところで何やってるんです。風紀委員の殲滅作戦が起きてるっていうのに」
そんな事を言う少女も、大概である。命が惜しいのならそんな人が一人入りそうな…実際人が入っているバックパックを捨てて走ったほうが良いだろう。

「道、わからなくなりましたか?」

リスティ >  
「ちょっと探しものだね。こっちの方しかないから」

こちらは周りの雰囲気にも動じず、悠々としている。

「道は大丈夫。頭に入ってるから。
 けど……殲滅作戦ねえ……」

思ったより風紀も物騒な組織のようだ。困ったものだ。

「ああ、えーと……邪魔しちゃったかな?」

大きな荷物。人間は欲深いものだが……、
なんとなく、欲張っている…ようには見えない。必要なものなのだろう。

フィーナ > 「都合よく過激派の口実を作っちゃったからねぇ、『蜥蜴』が。あぁ、でも…」
此処に来るまで、風紀の活動を見た。違反部活員も、二級学生も、何もかもを関係なく、殺害していた。

「どっちかっていうと焦土作戦に近いかな。砲撃まで入ってるし。」
違反部活はスラム及び落第街の者達を下地に活動している。勿論違反部活は地上を蹂躙されれば地下へ潜る。しかし住民はそうはいかない。
落第街やスラムを離れ、戻ることが出来ないようになれば…違反部活は基盤を失い、簡単に瓦解していくことになる。

「あぁ、構わないよ。一応、こっちも探しものしてる感じだから」
一人は確保した。しかし、もう一人の安否を確認できない。
情報端末を確認し、未だ返信が無いことを確認する。

リスティ >  
「蜥蜴……ああ、部活とやらの名前か」

こちらは現場までは見ていない。
来てみたらなんだか騒がしいなと言う状態だ。

「ふーん……風紀も一枚岩じゃないって感じ。
 じゃあ私の捜し物は日を改めたほうが良さそうだ」

地下に潜られたら探せるものも探せない。
仕方のないことだし、また今度にすべきだろう。

「……して、そっちも探しものねえ。この状況でも探さなきゃいけないんだ?」

フィーナ > 「この状況だからこそ、かな。命は一つしか無いから。」
探し人であることを暗に示して。しかしこの状況下で人を探すのは難しいだろう。
避難場所になっているスラムへ繰り出した方が、まだ見つかる可能性は高い。

「あの子、危ないことに結構首突っ込む子だからさ。見つけて、安全な場所に行かせないと」
フィーナは知らない。その子は既に落第街にはいないことに。

リスティ > 「そういうこと」

荷物の大きさの理由もなんとなく分かった。
これは……なかなか強引な方法だ。

「んー……特徴でも聞いとこうか?
 見かけたら探してたって伝えるぐらいならしてあげるよ」

積極的に探すつもりはないが。
別にそこまでしてあげる義理はないと考えている。
あくまでついでだ。

フィーナ > 「あぁ、それなら助かる。ついでに『とっとと落第街から脱出しろ』って言っておいてくれない?」
ぼやきを入れつつ、探している人物…黛薫という少女について話すだろう。

「貴方は、これからどうするの?」

リスティ >  
「まぁ、それぐらいならいいよ」

会えるともわからないが。
聞いた情報は頭に入れておく。

「私は……せっかくだし、もう少しこの騒動を見てみるよ。
 いろいろ知りたいこともあるし……そうそう死なないしね」

ただの野次馬ではない。見極めるため、だ。

フィーナ > 「…なら、高いところをおすすめするよ。見晴らしは良いし…砲撃の様子も見れる。地上を歩く風紀委員にも見つかりづらいだろうし。
ただ、ヘリが巡回してる時は気をつけてね」
こんな路地裏では一角しか見れないだろう。
高いところへ上り、全体を俯瞰したほうが…彼女の知見への助けにもなるだろう。

「見知った程度の間柄だけど…一応。ご無事で。」

そう言って、駆け出す。探し人を求めて。

リスティ >  
「あー、確かにそうだね。
 探しものも出来ないし、そうしてみる」

ヘリは流石に面倒だなとは思いながら、頷いた。

「そっちこそ、気をつけてね」

走り去る姿をその場で眺める。

ご案内:「落第街 路地裏」からフィーナさんが去りました。
リスティ >  
「さて」

姿が見えなくなったのを確認して、上を見上げる。
ふわりと飛び上がると、そのまま屋根に上がり、路地裏からは居なくなった。

ご案内:「落第街 路地裏」からリスティさんが去りました。
ご案内:「落第街 路地裏」に東山 正治さんが現れました。
東山 正治 >  
薄暗い路地裏を闊歩する一人の中年男性。
気だるげな足取りに、覇気のない目線。
やる気のない猫背のまま、慣れた歩調で影を進む。
すっかり冷え込んだ空気が、中年の肌にはよく染みる。

「きっつ……」

これなら大人しく、本庁で事務仕事していればよかった。
溜息と共に後悔を吐き出しながらも、側面に備え付けられた非常階段を登っていく。
カツ、カツ、錆びた鉄を踏み鳴らし、錆びを散らして上へ、上へ。
この歳になると、ちょっとした階段でさえキツく感じてしまうのが二度目の溜息だ。
ようやっと登り切れば、どこぞの建物の屋上へと出た。

「……さっむ」

今日はよく、風が吹く。
吹き抜ける寒風が衣服を揺らし、錆びかけの給水塔がガタガタ音を立てていた。
随分と立て付けが悪そうだが、その内落ちてしまいそうだ。
たいして高くも無い屋上の上で、一人静かに夜の落第街を一望する。

出だしよりは落ち着いたと言えど、残火は未だ冷めやらず。
どこもかしこも忙しない。東山から見れば、そう。
特務も違反組織の連中も、因縁の付け合い、チンピラ同士の喧嘩にしか見えなかった。

「そりゃ、落第街も冷え込むワケだ」

東山 正治 >  
当然だが、そんな事に介入する暇も眺める趣味も無い。
東山からしてみれば、実に"くだらない"事だ。
この島じゃ、よくある抗争。ちょっと油断した所に、風紀の馬鹿が火付けをし
これに乗じた軽いボヤ騒ぎ。如何にも若者は、火遊びが好きらしい。

「けどまァ、頼まれちゃ断れねェよなァ」

肩を竦めると同時に、背後から突風が吹きすさんだ。
勢いでぎしぎしと揺れる、給水塔。
夜空を切り裂くのは、同じくして夜に溶け込む漆黒の鉄鳥。
煌々と赤いライトを点滅させ、ボディに『Heldenjagd』のロゴマーク。
特務広告部のドローンだ。夜空でもよく目立つその音と光は、"広告"としての役割を良く果たしている。

「……ウルセ……」

但し、音ばかりは煩い。
まぁ、威圧目的。喧伝効果を考えれば十分すぎる。
だからこそ、"これを借りた"。上空を飛び回るドローンが地上に降らすのは、機銃でも爆薬でもない。
ひらひらと雪の様に落ちていく、無数の紙吹雪だ。

その紙に写されたのは、一人の男と女の写真。
女は150cm程度の白髪、男はガタいのいい金髪と、一目で分かる情報や特徴も書かれている。
所謂『手配書』だ。ご丁寧に、"生け捕り"を条件に高額の懸賞金まで懸けてある。

「けど、デザインのセンスは今一だなァ」

足元に落ちた手配書を一瞥すれば、思わず苦笑した。

東山 正治 >  
これらの手配書は、落第街中にばら撒く予定だ。
とは言え、皆が皆見るかと言われればそうでもない。
寧ろ、興味の無い連中の方が多いかもしれない。
効力自体は何処まであるか、定かではない。

これ自体は要するに、『目に留まればいい』
"誰が風紀の目の敵にされているか、誰のせいで惨事を引き起こしたか"。
目の敵にされている連中が誰なのか、それを知らしめるためのものだ。
ちょっとでも興味があれば、嫌でも記憶に残るだろう。
此処は確かに、はみ出し者の吹き溜まり。
だからこそ、そこには不文律も存在する。
一度鼻摘み者になってしまえば、それこそ奴さんはなりふり構っていられないだろう。

「……蜥蜴、だっけ?お前等の方から売った喧嘩じゃなかったっけ?
 まァ、俺はどっちでもいいんだけど、さ。そろそろ本腰入れないとマズいんじゃない?」

未だ水面下で、表に出ずに静寂を保っているマトの違反組織。
風紀の方は過激派の連中が痺れを切らして火を放った。
このまま黙っているようなら、それこそいい笑いものだ。
笑わらば笑え、なんて通用するはずも無い。
此処で動かなければ、"驚異など無い唯のこけおどし組織"に成り下がるのだから。

「勝敗なんかどっちでもいいからさァ、早く終わらせてくれよ。
 こっちは事後処理とか残ってんの。まったく、生徒に顎で使われる身にもなってくれや……」

何はともあれ、火遊びは火遊び。
火付け役はある程度締め付けておかねば調子づく。
自浄作用とまではいかないが、違反者共々、そう言うのにも目を光らせておかないと"二つの均衡"を崩しかねない。
これからの事を考えると、やる事が山積みだ。あーあー、とぼやきながらジャケットから一枚の紙を取り出した。

東山 正治 >  
「理央ちゃん達が結局お仕置きされるも良し
 蜥蜴連中が腰抜けになるも良し。懸賞金目当ての馬鹿が頑張るも良し、と」

ともかく、これは早期終結に向けた後押しだ。
効果があるかどうかは、これからわかる。
ドローンも特務広告部のものを使っている以上、行動も責任も全て向こうがおっ被ってくれる。

「ま、理央ちゃんも神宮司ちゃんもわかってるっしょ」

敢えてある程度説明は省いたが、向こうも承知の上で貸したはずだ。
視線を落とし、取り出した紙に綴られた文字を見返せば、くつくつと苦笑いを浮かべた。

「……貸し一つだな。なァ……──────」

呼んだ名前は、通り過ぎるドローンの音にかき消された。
ふ、と力なく鼻で笑い飛ばせばポケットから取り出した安物のライター。

「それに、さ」

カチッ。火打石が鳴り、それは瞬く間に手紙を燃やしていく。

「"嘘吐き"は、お互いサマってね」

燃える紙は、瞬く間に塵芥と成り夜風に運ばれてしまった。

東山 正治 >  
「……さァて、帰るか」

ドローン自体は問題なく動いているようだし、これ以上此処に用は無い。
効果はその内現れるだろう。現れなかったら、それまでだ。
今はもう、用は無い。まだまだ仕事が山積みだ。
教師としても、公安としても。今日もきっと眠りは浅い。
灰は灰に、塵は塵に。事が起きなければ動くのは自分ではない。
必要とあれば、神罰の雷が落ちるだろう。
吹き荒れる夜風に煽られながら、一人暗がりへと消えていった。

ご案内:「落第街 路地裏」から東山 正治さんが去りました。
ご案内:「落第街 路地裏」に雪景勇成さんが現れました。
雪景勇成 > 「――あ?…何だこりゃ。」

路地裏を私服姿で気だるそうに歩いていた時。
頭上から飛来する紙吹雪の一枚が男の白髪に引っ掛かるように舞い落ちた。
煩わしげに片手でそれを引っ掴んで軽く一瞥する。

「―――…ふぅん。」

ざっと流し読みしてこれは『手配書』の類かと。
しかし、直ぐに興味が失せたようにその紙を無造作に投げ捨てる。

そんな事よりも、贔屓にしていた雑貨屋がしばらく身を隠した方が問題だ。
――あそこでしか買えない銘柄の煙草がある。存外気に入っていたのだが。

そもそも、私服姿とはいえわざわざここに出向いているのもその煙草を纏め買いしておこうという魂胆。
まぁ、結果は見事に空振りだが。まだ部屋にストックはあるが心許ない。

「…どっか別の穴場を開拓するしかねーか…。ま、面倒なごたごたが終わってからだが。」

派手に暴れている当事者の一人だが、他人事のように呟いて路地裏を再び歩く。

雪景勇成 > 仕事だからドンパチ派手にやっているが――別に殺戮や破壊が好きでも酔っている訳でもない。
単に仕事だからそうしているだけで、どちらかといえば面倒臭い事はなるべく避けたがるタイプだ。

別に自分の行いを正当化する気もサラサラ無いし、大義も思想も糞も無い。

(――”着地点”が何処になるにしろ、さっさと終わって欲しいもんだが。)

盤面で踊り狂うのは別に良いが、骨折り損は割に合わない。
――どのみち、既に骨折り損になりそうな気もしているが。

頭を潰せば終わる――かもしれないが、結局の所、またどうせ似たような連中が出るような気もする。
同じ事の繰り返し、繰り返し、繰り返し――やってらんねぇ、と投げ遣りな気分も正直あるが。

殆ど明かりの類が無い路地裏を、さして迷いもせずに悠々と歩き続ける。
ちょっと”地形が変わっている”所もあるが、まぁそれはそれだ。

「――まぁ、馬鹿らしく踊ってやるかね…面倒だが。」

単細胞にはそれがお似合いだ。謀事はどっかの糞野郎やボスに任せる事にする。

雪景勇成 > 時々、歩いていると例の『手配書』が地面やあちこちに散らばっている。
それなりの数がばら撒かれたようだ――さっき見た感じからすると…。

「――要するに、”さっさと終わらせろよてめぇら”って思う奴らもそりゃ多い訳だ。」

地面に落ちた『手配書』を無造作に踏みつけて歩く。
先ほど一度見たものをわざわざまた目を通す気も無い。

時々思う――世界は広いらしいが、この島の世界は狭いのだと。
外に出る気は全く持って無いが――偶に巨大な監獄のように感じる事もある。
思えば、ガキの頃からそうだったか――いや、記憶を”削っている”ので思い出せないが。

「――盤面の外に居る連中はどう見てんのかね、これは。」

ただの思惑に塗れた戦争か、滑稽なチンピラの喧嘩か、取るに足らない人形劇か。

ご案内:「落第街 路地裏」にO RLYさんが現れました。