2022/01/18 のログ
ご案内:「落第街 路地裏」に紅龍さんが現れました。
■紅龍 >
【前回までの紅龍おじさん!】
違反部活『蟠桃会』の用心棒、元軍人の紅龍は。
『斬奪怪盗ダスクスレイ』の情報を集めるために探偵の『ノア』に仕事を依頼する。
そんな探偵からの情報を得て、『怪盗』との遭遇に備えるため、風紀委員『芥子風菖蒲』が行った戦闘を分析していた。
そうした日々の中、懐かしさを覚える少女、『マヤ』と知り合う。
そして路地裏では探していた『ガスマスク』を目撃、言葉を交わした。
探偵の調べた情報からは『知のゆびさき』という製薬会社の存在を知り、『マヤ』の血液から精製された薬を手に入れる。
さらには違反部活の武器職人に依頼し、装備を充実させた。
落第街の都市伝説と化していた『裏切りの黒』『拷悶の霧姫』との対面を果たす。
ただ安穏と暮らしたいだけの龍だったが、なぜかそうならない。
今日も今日とて、雑用めいた仕事をしながら、一服入れるのであった。
ご案内:「落第街 路地裏」にリスティさんが現れました。
■紅龍 >
「――まったく、今日も後始末ばかりさせやがって」
路地裏で、転がっていたプラ箱をひっくり返して腰を下ろす。
閉鎖区画が思いのほか賑わっているおかげで、オレの出番は外側だけで済んでいるが。
『閉鎖から抜け出した』奴らも、ほんの僅かだが存在している。
それを探して、被害を出す前に処理する、まさに掃除屋だ。
「まあそれも、ようやく片付いたしな。
後は働き者に任せて、おじさんはゆっくりさせてもらうとするか」
『タバコ』を咥えて火をつけた。
路地裏に柔らかなハーブの香りが漂っていく。
今日はこのまま、何事もなく終われればいいんだが。
■リスティ >
機会に恵まれず、偽造の学生証未だ作れずにいる。
路地裏をあてもなくうろうろとしていれば。
「ん、煙」
量的にはタバコのものだ。近くに人がいるのだろう。
それも嗜好品を手に入れられる程度の生活レベル。
興味半分、空腹感半分にその方向へふわふわと浮遊しながら向かっていく。
路地裏の角から出てきて、目の前で止まる。
落第街の少女にしては、髪も服装も綺麗である。
「おにーさん、休憩中?」
■紅龍 >
「ん、お?」
曲がり角の向こうから何かがやってきた。
敵意もなければ、足音もない。
一瞬だけ身構えたが、見えたのは身の丈の小さいガキだった。
なんだ、浮いてるから足音がなかったのか。
「おう、休憩中よ。
おにーさん、最近忙しくて疲れちゃってな」
初対面で『おじさん』でなく『おにーさん』とはよくわかってる。
しかし、落第街のガキにしちゃ、身形が小奇麗――
「こらこら、年頃の娘がそんな服装で浮くんじゃありません。
裾が捲れたらどーすんの」
最近のガキってのは、そういうの気にしないもんなんかねえ。
■リスティ >
おじさんだろうがおじいさんだろうが、
リスティからすれば坊やみたいなものだが、それはさておき。
「あ、一応見えないようには気を使ってるよ?
見ようとしたら見えると思うけど」
気にはしているらしい。
相手は座っていて目線的に自分も話しづらいので、浮くのをやめる。
トンっとブーツの音がする。
「暇してたし、よかったらお話しない?
なんだか物騒な装備もちょっと気になるし」
だぼだぼでワンピースサイズになっているジャケットのポケットに
手をつっこんで、正面に堂々と立つ。
■紅龍 >
「あ、そうなの。
――いや、見えるんじゃだめでしょ。
浮くんならちゃんと見えないもの着なさいよ」
おにーさんとしては、そういう所が気になっちまうのだ。
なんでこう、年頃の娘ってのは、見えるの気にする癖に短いもんを着るんだろうなあ。
「お話しね、別に構わねえが」
足先で転がっていたポリバケツをひっくり返し、底面をとんとん、と叩く。
だべるんなら、座っててくれた方が気楽だ。
「物騒な装備してんのわねえ、物騒なお仕事してるからだなぁ。
なんだ、こういうの好きなタイプか?」
肩に掛けていたライフルを膝の上に横たえる。
こうしてあらためてみると、確かにごつくてでけえな。
『タバコ』の煙を吐き出して――あ。
「――と、お前、これ大丈夫か?
一応子供にも無害だが、煙が嫌いだったら悪いしな」
■リスティ >
「んー、まあ、これぐらいがちょうどいいの」
別に見られたくないわけでもない。
見せないようにしたほうがウケがいいぐらいの美意識。
別にウケたいわけでもないが……まぁそういうもの。
「ん、ありがと。退屈してた」
バケツをひっくり返した様子を見て、一度首をかしげたが、すぐに理解して。
底をバシバシとはたいてから座った。
相変わらず堂々としている。
「好き嫌いというよりは、珍しいものを見たって感じ?
あ、煙は大丈夫。お構いなく」
その煙が退魔系の儀式的な意味を持っていなければ、基本的には大丈夫だ。
ハーブの類の香りであれば、むしろ好むぐらいある。
■紅龍 >
「ちょうどいいのか――年頃の娘はわかんねえなあ」
これが自分の娘だったらしっかりお説教もしてしまう所だろうな。
世の中のお父さんたちは大変だこった。
「いいねえ、退屈。
おにーさんは羨ましいよ」
なんて話しながら、ライフルから弾を抜いて見せる。
「あ、そうなの?
んじゃあ遠慮なく」
タバコを咥えながら、ライフルを軽く点検して。
「たしかにこの島だと、案外見る事少ないかもな」
ガキのほうからもよく見えるようライフルを差し出してみるが。
「少し見てみるか?
触ってもいいぞ」
■リスティ >
「特にやること無いってのも辛いもんだよ。
ま、今日はいいお相手さん見つけたからいいけど」
すこし妖しく微笑む。
「というか、銃自体あんまり見たことないかな。
古いやつぐらいしか……結構複雑な形してるね?」
知っているのは…なんとかニコフとかそのレベルだ。
近代的なものは本当に初めて見るため、興味深そうに眺める。
触っていいと言われれば、遠慮なく触る。警戒心はない。
「へぇ……結構"重そう"だね…何に使うの?
人に向けて撃つようなものじゃない…よね?」
先程抜いた弾を思い浮かべながら、聞いた。
■紅龍 >
「そりゃあどうも。
暇つぶしになってやれりゃあいいけどなあ」
――ふうむ。
退屈に飽きたような言葉、見た目にそぐわない表情。
物怖じしないところは――まあそういうガキもいるが。
多分こいつ、長命種のなんかだな。
「おう、まあこいつは一応最新式だからなあ。
機構がかなり自動化されてる分、整備も複雑で手間がかかる。
とはいえ、使ってる素材も1から10までコスト度外視の設計だからな、それなりに丈夫なんだぜ」
随分と遠慮なく触ってくんなあ。
別に気にする性分でもねえが。
「おう、鋭いな。
かなり重いし――弾もコレだからな」
直径およそ1.8㎝、薬莢込みの長さおよそ10cmもある弾薬。
ライフル弾というよりは、もはや小さな砲弾と言った所だろう。
「オレの専門は、本来は対人じゃなくて対『バケモン』だからな。
まあ人間大の相手もよくするが、象よりもでけえやつらも相手にしてたからな」
持ってみるか? と、ガキの手くらいにデカい実包を差し出してみる。
■リスティ >
「ふーん?仕組みはよくわからないけど、特別製ってことね。
知ってる銃は結構単純だったし……」
変なボタンとか触ったら良くないので、ほどほどにしておく。
「ん、大きい……」
差し出された実包を手に取る。文字通り手にあまる大きさだ。
やっぱりべたべたと触る。警戒もしていない。
……思ったよりも重量がある。これを受けたら自分も平気では無さそうだ。
多分、死にもしないだろうけど……こういうものがあると把握しておくのは大事。
「象よりも大きい『バケモン』か……そういうのもこの島にいるんだ。
異能で簡単に~っともいかないんだね」
弾を返しながら、少し思案顔。
それにしても、まだまだ知らないことは多いようだ。
とんでもない時代に起きてしまった。
自分もバケモノの範疇な気もするが、それは置いておく。