2022/01/19 のログ
■紅龍 >
「単純な構造は、それはそれで頑丈で信頼できるんだけどな。
オレはどっちかってえと、そういうシンプルな方が好みではある」
とはいえ、ライフルの方が運用できる幅が広い。
そうなると、やっぱり使い馴染んだこいつが、多少不便でも信頼できるってわけでな。
「お前、ほんと遠慮ねえなぁ」
怖いもの知らずか。
わりと好奇心そのままに触ってるような様子を見て、苦笑が漏れた。
返された弾を受け取りながら、『ああ』と唸る。
「いや、この島ではまだ見た事ねえな。
これはなんだ、オレの故郷で使ってた軍装なんだよ」
軍から逃げるときに、色々とくすねて来たわけだ。
装備がないと、オレみたいなヤツはクソの役にも立ちやしねえからな。
「異能なぁ、ありゃあよかったんだが。
生憎無能でな。
魔術の素質もからっきし。
昔から、『これ』しか能がねえんだよ」
ライフルに弾を込めなおして、肩に背負う。
さすがにあまり遊ばせすぎるわけにもいかんだろう。
残念ながら、玩具としてはあんまりいいもんじゃねえ。
「お前の方はどうなんだ?
この街でそんだけ小奇麗にしてられるって事ぁ、それなりの異能でもあんだろ。
それとも、種族からして違うタイプか?」
雑談ついでに、ガキの方の身の上も聞いておこう。
どうも害意があるようなタイプにゃ見えねえし、お手てを繋いでおいた方がよさそうだしな。
■リスティ >
「あー、道具はシンプルのほうがいいよね。剣とかわかりやすい」
シンプルで頑丈。なんとかニコフもたしかそういう銃だった。
「遠慮しても特に得られるもの無いしね」
けらけらと笑った。
「……あ、外の話なんだ。
ここが特別ってわけじゃないんだ……」
世界自体が変わってしまったのは資料で理解していたが。
こうして話を聞けば、目分の生まれの地も無事では無さそうだな…とすこし実感する。
「へー、無能で魔術も無し。
ん?ってことは"純"人間?」
目つきが少し変わったことに気づくかもしれない。
もう、背負われていくライフルには視界に入っていない。
「そ、私は吸血鬼。異能の類はないけど」
隠そうともしない。なぜなら。
「って聞いてさ、私が今何考えてるか、わかるかな?」
考えてることを伝えるのが簡単だから。
■紅龍 >
「そうそ、お外の話。
まあこの島は特別に特別だけどな。
お外も大概ってなもんよ」
なにせ、この島と違って秩序がない。
バケモノと人間はやりあってるし、異能者と無能者で差別しあうし、魔術が使えるかで待遇も変わる。
世界の有り方が変わっちまった中で――まだまだ人間の精神はその変化についていけてねえわけだ。
「――ははぁん、吸血鬼」
なるほど、そりゃあこれだけ自信満々に堂々としていられるわけだ。
怪異と言われる存在の中でも、知名度も含めて格別の上位存在だ。
もちろん――殺した数もその分多いが。
「んだよ、腹減ってんのか?
あんまり節制してっと、吸血鬼ったって弱るだろうに」
言いながら、少し考える。
さて、ただ献血してやってもいいんだが――。
■リスティ > 「……んー、そっか」
故郷を尋ねるのは、当分先の話になりそうだ。
もう少し色々と知らねばなるまい。
昔ほど特別ではなくなってしまっているのだ。
「それも結構高位の方」
それにしては、かなりフレンドリーである。自称なので聞き流して良い。
ただ、風格はあるように見えるかもしれない。
「んー、まぁ少し減ってるかな。
結構燃費はいいんだけどね、2ヶ月近くは……ちょっときつい」
正直に言う。視線も正直に首筋を見ている。
多分脅すとかよりも、こうしたほうがいいと理解しているのだろう。
「あ、眷属化とか感染とかそういう心配はないよ。
むしろちょっと心地いいぐらいあると思う」
■紅龍 >
「――おう、食う気満々だな?」
今まで殺してきた吸血鬼に比べて、随分と親し気だ。
まあ友好的でいてくれる分には大層ありがたい話なんだが。
「別にその辺心配はしてねえよ。
それなり以上の吸血鬼ならその辺のコントロールは出来るもんだ。
血を吸われるのも――まあ、経験はそこそこあるしな」
なんせ、吸血鬼を半年かけて篭絡させられた事もある。
最後は――まあ殺したんだが。
「んー、食わしてやるのは構わねえが。
オレがここで血をやっても、お前、また腹減るんじゃねえか?」
落第街でうろうろしてるって事は、残念ながら財団による支援も受けられてないだろう。
となれば――無差別に襲うでもなけりゃ、また飢えるのが目に見えてる。
■リスティ >
「まあね」
けらけらと笑う。
共存を考えられない吸血鬼は、20世紀でかなり淘汰されてきた。
と、リスティは考えている。
「知ってるなら話は早いね。
……そりゃまあ、お腹は減るものだよ。
不死とはいえ、生きてるわけだし」
指を口に添えて考える。
「その時はまた人から貰えばいいし、問題ないんじゃない?
最悪普通に食事とってもいいし。効率悪いけど」
■紅龍 >
「まあ――それでも何とかなるんだろうけどよ。
どうせなら、保険とかかけておきたくねえか?」
防護スーツの襟を緩めて、首筋を出す。
どうやら御多分に漏れず、首筋からの吸血が好みなんだろう。
まあ視線が飛んできてたからってだけで、別にどこでもいいのかもしれんが。
「献血するのは構わねえよ。
まあ貧血にならん程度にしてほしいが」
健康に関しちゃ、妹のおかげでかなり管理されている。
血液の状態も、栄養状態も悪くはないはずだ。
それに、『タバコ』吸ってたからな。
オレの血液は、吸血鬼に取っちゃかなり美味いらしい――まあこれは昔の経験からの推測だが。
「お前、オレの手伝いしねえか?
そしたら寝床と――定期的にオレの血を分けてやるぜ」
懐から鍵を一つ取り出して、提案をしてみる、が。
さて、なんて答えてくれるかね。
■リスティ >
「貧血は多分大丈夫だよ。"普通の"人間の程度はわかってるから」
ここまでそれが通用しなかったのだから困った。
特別飢えているわけではないので、顕になった首筋に視線が釘付けになったりはしない。
「それで……それはつまり、私を……吸血鬼を飼おうって事?
ふふ、残念だけど、そうはいかないよ」
にやりと笑う。怒ってはいない。
掴みをするりと躱すような感じだ。
「ま、お手伝いするのはいいんだけど。
血の対価にお金になる物は渡すつもりだったし、どうせ暇だし、ね」
■紅龍 >
「くく、飼おうなんざ、大それた事考えてねえよ。
単純にさ、お前さんをほっぽり出すのも気が引けたって話だ」
ぽい、と鍵を投げ渡す。
鍵に記されているのは、落第街の中でもまともに運営されてる、上等なホテルの部屋番号だ。
「別に使っても使わなくても構わねえよ。
手伝いをしてくれるってんなら、それだけでオレは十分だ」
ほらよ、と首筋を指先で叩く。
「安心しろ、吸った後で無理難題を頼むなんてことはしねえからよ。
本当に、ちょっとした手伝いをしてもらう程度だからよ」
好きに吸いな、と首筋を見せる。
さて、オレの血はお気に召してもらえるかね。
■リスティ >
「別に心配されるような存在でもないでしょ」
そういう子供の外見に威厳はあんまりないが。
「おっと……まぁ、それじゃ預かってる」
放られたらキャッチせざるを得ない、片手でパシっと受け取った。
現状、学生証がないのだから、大体のところは利用も出来ないか、あるいは変な所かだ。
後日部屋に入った形跡はあることだろう。
「……それじゃ、いただきます」
すうっと滑るように近寄ってきて、首筋に手を添え、優しく口付けの感触。
実際は牙が突き立てられているが、痛みはないだろう。
あるとすれば、血の抜ける感覚と、嚥下に伴う振動だ。
■紅龍 >
「おう、貰えるもんは、貰っときな」
そして、首に感じる柔らかな感触。
痛みがないどころか、確かにこれは――ちょいと心地いいな。
自分で高位の吸血鬼を名乗るだけあって、食事の仕方も上品なもんだ。
「――しかし、小せえ体だな」
体格差の関係で、少しばかり背伸びさせる事になっちまうか。
背中に手を回して、抱き寄せる。
これで少しは飲みやすくなんだろう。
■リスティ >
「んく……んん……」
少しずつ飲み下しながら、時折手や視線が動いて、体調の変化を伺っている。
過去に吸血経験があるのなら、これはかなり丁寧なものであると感じることだろう。
回された腕に驚くこともなく、軽く体重を預けた。
といっても浮遊可能な身、重さは殆どないようなものだが。
「ぷは……これぐらいで、大丈夫」
しばらくして、口が離れる。
抱き寄せられた格好のまま、首に腕を回した。
燃費がいいと自負するだけ有り、控えめの量だ。
牙による傷跡は、すでに塞がっているだろう。
■紅龍 >
「――んぁ、なんだ、もういいのか?」
一応自分のバイタルはモニターしてたが、それにしても控えめだ。
たしかに燃費がよさそうだ。
「よしよし、お上品なお嬢さんだな」
抱き寄せた腕で、背中を撫でる。
悪くない抱き心地だな。
「そんで、どうだったよおにーさんのお味は。
これでも健康にはかなり気を使ってるんだぜ」
小さな背中を、とんとんと撫でながら聞いてみる。
が。
こんな事してたら、プライドの高いやつだったら殺されてるなオレ。
■リスティ >
「体小さいしね」
飲みすぎよりはよほどいい。
「こうみえて200歳なんだけどね」
少し紅潮した表情で見上げる少女は、子供扱いされても怒る気配はない。
見た目は子供なので仕方ないし、自身もそれを利用しているフシがある。
「ん?うん。美味しかったよ。
申し分なし。確かに健康的な血だったかな?
これからも健康維持を続けるよーに。
ドロドロの血も別に嫌いじゃないけどね。あっちは欲に生きてる味って感じ」
急に上から目線。
■紅龍 >
「まじかよ、流石は吸血鬼。
見た目じゃやっぱわかんねえなぁ」
なんて言いながらも、子ども扱いして撫でてるんだからオレも大概だな。
まあまあ、庇護欲ってやつを擽られんだから仕方ねえだろ。
オレに娘がいりゃあ、これくらいの年恰好でもおかしくねえんだしさ。
「りょーかい。
はは、さしずめ、ジャンクフードって感じだな」
となると、オレは健康食か?
いや、美味いって事だし、それなりのコース料理くらいではあんのかね。
「よし、そんじゃ、口約束だが成立って事で。
オレは紅龍《ホンロン》、用心棒をやってるよ。
お前さんは?」
ひょい、と抱き上げて、膝の上に座らせる。
怒られないのをいいことに、我ながらやりたい放題だな。
■リスティ >
「ま、これぐらいのほうが警戒されにくしい便利ってもの」
存分に利用していく。
不老である故に、精神性も子供寄りの気がするが、きっと気の所為。
「ジャンクフード……ああ、たしかにそうかも。脂っこいし。
人間ってそういうの好きなんでしょ」
けらけらと笑う。ほんのり上から目線。
「ん、まあ出来る範囲で応えるよ。
ホンロン……中華系っぽい響き。私は…リスティ。フルネームは秘密。
教えない理由はなんとなく察しがつくと思う」
されるがまま、膝に座った。腕は回したままだ。
子供の容姿じゃなかったら、傍目から見れば勘違いされかねない。
落第街という場の都合上、子供でも勘違いされそうな気もするが。
■紅龍 >
「たしかに警戒はしねえなぁ」
まあ見た目以上に、多分性格がデカい気がするが。
「オレは苦手だけどな。
脂っこいと腹壊すんだよなぁ」
人間って括られると、ちょいと困る所だ。
まあオレが特別虚弱ってのはあるんだが。
「おう、必要な時は力を貸してくれ。
まあしばらくは頼む事もねえとは思うが――」
まあそれも、この後オレが失敗しなければの話だからな。
「ご明察、中国産まれだよ。
リスティね――ああ、構わねえよ。
呼び名が分かれば十分だ」
この状態、知り合いに見られたらなんて言われるかねえ。
子供とじゃれてるように見えるならいいが――まあ、妙な勘違いされても困りはしねえけど。
「よし、そんじゃあリスティ。
どうせ暇なら、このまま買い物にでも付き合えよ。
闇市とか、なかなか面白いもんが転がってて、いい暇つぶしになるぜ?」
そう、腕を回されたままなら、そのまま膝裏に手を回して、片手で抱き上げ立ち上がる。
■リスティ >
「まぁ、みんながみんなそうじゃないことは知ってる」
吸血鬼にもいろいろ居るし。
「中国かぁ……ふむ」
先程聞いた話を思い出しながら、記憶の地理と照らし合わせたりした。
考えるのは生まれ故郷のことである。
「ん、私は構わないけど。そっち休憩戻りとか大丈夫なの?」
一応心配しておく。
なお、抱き上げられるのには抵抗しないし、
腕も解かないのでそのまま連れていけるだろう。
■紅龍 >
「ん、なんだ?
外の事に興味があんなら、知ってる事なら話せるぜ」
抵抗されねえし、このまま連れてくか。
「おう、今日の仕事は終わってるからな。
あとは、今日の食いもん買って帰るだけだからよ」
せいぜい、妹への差し入れでも探すくらいだ。
暇なのはオレも同じ。
まあ、その暇がオレには嬉しいもんなんだが。
「そんじゃ、改めてよろしくな、リスティ」
出来れば、長い付き合いにしたいもんだ。
ご案内:「落第街 路地裏」から紅龍さんが去りました。
ご案内:「落第街 路地裏」からリスティさんが去りました。