2022/05/08 のログ
ご案内:「落第街 路地裏」にレナードさんが現れました。
レナード > 落第街の裏通り。
大通りでさえ怪しい店や人物が多いというのに、ここは際立って闇が燻る危険な場所。
そんな通りを、少年は往く。

「……ものは使いよう、だし。」

人通りの多いところでは目のやり場がなくなる状態だが、そこかしこに危険が転がる路地裏であれば話は別である。
暗がり一つに何が潜むか分かったものではないこの場所には、大通り程の人気はない。
であれば、この時だけは何もかも見通すこの眼は、この身を護る大きな強みと化す。

そも、今のような状態でなければこんな道を通る必要もないのではと考えてしまう。
こんな場所に来ているそもそもの理由は、やはり目立つゴーグルの代替を探してのこと。
そのついでと、普段この見透す力を抑えているゴーグルの拘束から解き放たれたくなったのだ。

「はぁ………
 今日もハズレ。なかなかうまくいかねーわけ………」

レナード > ゴーグルを外した状態の彼の眼は、暗闇の中や壁の向こうも見透してみせた。
これ幸いに、今のところ視界に裸体を収める状況には未だなっていない。
この通りを使うことには危険というリスクが付きまとうものだが、
そんな不逞を働く輩がいるかどうかを見定めるにこの眼はうってつけだった。

「……まあ、どこにいようと今の僕には見えちゃうわけだし。
 あぶねー奴がいようもんなら、元来た道を引き返せばいいし。」

それに、ここを根城にする連中とは縁がない。
知り合いの裸ならともかく、一期一会と思えば多少ドライにものを考えられるのだから、
この眼のことを知られる前に、後ずさるなりしてその場からゆっくり離れればよいのだ。

物陰に身を潜めるなどして、こちらの行動を監視されるリスクはないだろう。
少年はそう高を括りつつ、我が物顔で通りを進んでいた。