2023/06/29 のログ
■寝刀シロ >
落第街を歩く傍ら、そこかしこから不意に鮮明に聞こえる
人々の噂話に思考のチャンネルを合わせる
嗚呼。やっぱりそういうこと起きるんですね・と
何処か呑気に他人事な感じに、実際他人事
(“テルミナスどうたら……” “強盗するなんて命知らず…”
“命知らずと言えばガキが窃盗……” )
耳で聴き、目で見て、鼻を利かせる
自分が歩く場所がどういうものなのか
歩くさなかに感じて理解度をあげていく
(こう書けばなんか、なんていうかこう
よくないですか?)
語彙が死んだ
■寝刀シロ >
時折、自身に対して悪意を向けるような気配を感じる
そういう時は足を少しでも移動を早くしてみると
隙が無いと見たか、或いは別の獲物に意識を割いたか
結局手出ししてくるような輩は意外にも現れない
やはり一昨日の遭遇戦がレアなイベントだったらしい
どうせ起こる事ならもっと幸運なことをと、嘆くような出来事だけど
不意に脇の小道を覗けば一触即発な雰囲気の集団同士。無視
また違う道へと視線を向ければガラの悪そうな男が
外から迷い込んだんだろうか、気弱そうな男を脅している
無視。
「……変に踏み込んだ代償、自己責任ということで」
この街’(区画)はきっと弱肉強食が法の世界。
下手なヒーロームーブなどもう遠い昔にやったきり
廃業済み、そして二度と御免、割に合わない
寝刀シロは英雄ではなく才筆に為りたいのだから
■寝刀シロ >
(……“待ち伏せ”警戒で今日は異邦人街から出入り。
ここまで問題なし。喜ばしい、ゴールはすぐそこ
今日は何事もなく帰れそうですね)
天邪鬼にしては素直に。根に持つような質の悪い人間もいると
こないだ出会った腕章無しの風紀委員の忠告を聞き入れ考慮したルート
絡んできたチャラ男共にそんなガッツがあるか疑問だけれど
学園の汚点、上位の存在からは“無いものとして扱われる街”
見捨てられた、見切られた者達が集まる場所
物騒かつ闇深く救いがなく其処を歩くだけで心が曇りそう
そんな印象を、雰囲気を想像していた節が在る
だがなんだ、こうして歩いてみれば
“存外。さほど大した場所ではないんだな此処は”と
其れがつまるところ寝刀シロが出した無味無臭な感想。
耳を注意深く済ましてみれば誰かの怒号・悲鳴も聞こえる
今しがた歩いてきた道を思い返せば、嗚呼。なるほど
途中に血の跡とか、妙に艶やかな看板と妙な嬌声とか
そんなものあったな、あったとしてそれらが己にどう影響した
答えは何もない。
興味を魅かれるものはなかった、其れで終わる
興味を惹いてくれるものはなかった、其れで終わり
今日の目的は果たした、ただそれだけ
そしてまた寝刀シロは“今日も平和”ですねとつぶやいて終わる
■寝刀シロ > ふと。
「……いや、このアンテナの張れなさ
才筆に為りたい者としてだいぶ致命的なのでは?」
なのではじゃない。真面目に致命的だ
偏頭痛が再発して思わず頭を抑える
少なくとも己の感覚では“非常に不味い”
“興味”ってどうやって持つんだっけ
其れは何処から起こってくれるんだっけ
何時からそれは、発生しなくなったのだっけ
ご案内:「落第街 路地裏」から寝刀シロさんが去りました。