2019/02/17 のログ
ご案内:「スラム」に櫛田瑞樹さんが現れました。
■櫛田瑞樹 > どれだけ人間が食べるものを食べても空腹は満たされないんです。
やっぱり怪異である以上、ちゃんと人を食べないと飢えて死んでしまう。
だから僕、考えたんです。いてもいなくても変わらない人間を食べてしまえばいいって。
スラムの一角。誰も人が寄り付かないその場所で、まるでマネキンのように微動だにせず何かを待つ。
唯一動いている赤い瞳は絶えず右に、左に移動してはずっと待ち続ける。
「見つけた。」
ペロリと唇を舐めれば、スンと鼻を鳴らし、獲物が狩場に来たことに気づき微笑みを浮かべる。
今日は久方ぶりの狩りの日。貯蓄分も考えて少し多めに確保したいものだ。
■櫛田瑞樹 > 「お兄さん!」
満面の笑みを浮かべて一人の男性に話しかける。
中性的な自分のその表情はこの場において気味の悪いものにも見えるだろう。
男性は振り向くと「何だ?」とこちらも怪訝そうにこちらを見つめてくる。
「ごめんなさい、呼び留めてしまって。えっとですね。」
うん、決めた。この人にしよう。
彼の両手を自分の両手で握れば、自分よりも背が高い相手を見上げる。
「頂きます。」
グズリと自分の指が男性の両手にめり込む。
手元から漂う腐乱臭、そして腰からは両刃の刃が連結されたような尾がギチギチと音を立てて生成されれば、彼の胸を貫いた。
■櫛田瑞樹 > 狩りは一瞬で終わる。
なるべく穏便に、スマートに、誰の迷惑にもならないようにするのが僕のやり方です。
尾を引き抜けば、それは体の中に戻っていく。
足元にあるご飯に向けて笑みを浮かべれば、しゃがみ込む。
「大きい人でよかった。これだけあればしばらくは持つかも。」
鞄から取り出した新聞紙を近くに引き、それの一部を引きちぎれば、包んでいく。
全部はもって帰れないのは申し訳ないけど、それは許してほしいなって。
「最後にビニール袋に入れて...。」
■櫛田瑞樹 > 綺麗に包装した食材を鞄にしまえば、満足気に立ち上がる。
さて、残ったものの処理なんだけど、いつも通りでいいかな。
再び腰から尾を出せば、ドロドロとした液体がそこから染み出始める。
それをすぐさま残り物にバシャリと掻ければ、尾は再び体の中に戻っていく。
「ありがとうございました。本当に。」
腐乱臭と共に先程まであったそれはゴミ同然のそれになってしまう。
少しもったいない気もするが、仕方のないことだ。
「さて、帰ったらご飯作ろうっと!」
欲しいものは手に入ったとルンルン気分でその場を立ち去っていく。
今日はシチュー?カレー?それとも鍋?
久しぶりのご飯だからとても嬉しい僕でした。
ご案内:「スラム」から櫛田瑞樹さんが去りました。