2020/09/22 のログ
ご案内:「スラム」にクロロさんが現れました。
ご案内:「スラム」にソレイユさんが現れました。
■クロロ >
落第街のスラム、集合住宅区。
所謂、不法入島者や表に出られないものが住まうような場所。
大よそ表に出せないような仕事をしている連中もいるが
大半の連中は"訳アリ"で此処にすまざるを得ない連中の住居だった。
しかし、この辺りはもう"もぬけの殻"だ。
いつぞや風紀の摘発があり、違反者の連衡、及び住民の"保護"があったらしい。
詳しい事は知らない、興味はない。ただ、クロロにとっては
"体よく一夜を過ごす場"として、ありがたく使ってやっているのだ。
「……ふわぁ……」
誰もいない建物に背もたれ、欠伸を一つ。
事実、退屈していた。その手には、ブックカバーの付いた本。
「あンま面白くねェな、この本……」
そう、本の内容に退屈していたのだ。
■ソレイユ >
こつり、こつり、と黒衣の姿が歩く。
「……」
最近、摘発と保護でもぬけの殻となった居住区。
一通り浚われて空っぽではあるだろうが、一応、確認することに意味はある。
こういうところに改めて入るこむ䗪虫のような連中がいることもある。
いわば、転ばぬ先の杖。
地味だが必要な行動だ。
「………ん?」
声が聞こえる。
案の定、何者かが入り込んでいたようだ。
ただ、浮浪者のたぐいの可能性もある。
となれば、警戒を抱かせないのも大事だろうか。
それでは……こんな姿はどうか。
身体が変形していく。
それは一見、無害のように見える姿。
「……」
こつり、と中に入る。
さて、誰がいるのか……
■クロロ >
「ンァ……?」
誰かが戸を開けてきた。
どこぞの浮浪者か。別に余り興味はない。
そう思っていたが、煌々と光る金色に映ったのはどこかで見た事ある仮面の人物。
「アー……」
記憶に真新しい。例の組織と顔合わせしたとき
同じ仮面をつけていた人物を思い出す。
なんかちょっと形が違う気もするが、クロロにとっては"些細な事"だ。
パタン、と本を閉じればズケズケとソレイユへと近づいてくる。
「よォ、こンな所で何してンだ。ソレ公。オレ様は見ての通りだ」
新顔だろうとそう言う組織なら序列なんて気にせず
クロロはいつも通り話しかけてくる。
■ソレイユ >
……いたのは䗪虫どころか……私のことを知っているヤツだった。
流石に仮面が同じであれば"子どもじみた"今の身体でも気づくは気づくか……
いや、まて……誰だったか……新入りとなると記憶が安定しにくいんだが……
メモ帳を確認する。
ああ……『篝火』クロロ、か
しかし、通称の方で呼んでくるのはどうなのか。
いや、此処は"外"であると考えれば当然か。
「……クロロか。見ての通り……とはいうが。
此処で、なにをしている?」
見ての通り、と言われてもくつろいでいるようにしか見えない。
いや、事実その通りなのかもしれないが……
■クロロ >
「……なンか、前見た時よりもお前なンかちッさくね?」
前見た時はもっと身長が高かった気がする。
随分と小さいというか、子どもと言うか。
明らかにシエルとかアストロとかあの辺に近しい体型な気もする。
訝しげに眉間に皺をよせ、相手を見下ろす形となっている。
「おう、オレ様だ。何ッて、見て通り今日のオレ様の寝床だが?」
どうかしたか?と言わんばかりの堂々っぷりだ。
どうせ誰も使ってないし、ありがたく使っているのだ。
元より無法者の根無し草だ。これ位の事"当然"と思っている。
「つーか、お前こそどーした?お前も寝床探しか?
前々から気になッてンだけど、もしかしてお前ッて細かいタイプ?」
「や、なーンかメモ帳覗いてッから、そーかなッて思ッたンだが」
どうなンだ?と質問を大量に投げかけてくる。
言葉に表裏は無い、悪意も無い。
但し、口の悪い男である。
■ソレイユ >
なるほど。
最初に会ったときも感じたようが、ざっくばらんというか……
言いたいことを言いたいように言うタイプ、か。
過去の私もそう書いている。
どうやら、いまのところ評価を変える必要はなさそうだ。
そして、こういう手合は嫌いではない。
「……ああ、それか。隠すことでもないから、教えておこう。
私の能力は、『人を写す』能力だ。ゆえに。
いろいろな姿に変われる。」
言葉とともに、目の前のだぶついた服を着た少女のような姿が急に盛り上がる。
一瞬、筋骨たくましい男のような姿になり……また、元の少女のような姿に戻る。
「見た目では、私、と判断することは難しいだろうな。
だから、この仮面はなかなか手放せない。」
コツ、と仮面を叩いてみせる。
それ以外の意味もあるが、それは自分の事情。
今は語るべきときではない。
「まあそんなわけで色々便利なのでね。様々な姿であちこちの見回りや探索、調査をしている。
今はたまたま、違反部活の跡地に妙な連中が入り込んでいないか様子を見に来たわけだが……」
そこでお前に会ったわけだ、と肩をすくめる。
まったく、幽霊の正体見たり枯尾花、と言うかなんというか……
「メモ帳? ああ、まあ……そうだな。私は少し忘れっぽいものでね。
割と効率のいいやり方もあるんだが……あまり乱用もできないんだ。」
流石に引かれる気もするし、よく知った仲でなければ目の前ではなかなか出来ない。
■クロロ >
「"写す"?」
何言ってんだコイツ、と言わんばかりに思っていたが
不意に体が膨れ上がったと思えば目の前にいるのは筋肉。
かと思えば、すぐにそれは元の少女のような姿に戻った。
オー、と感心の声を上げて目を見開いた。
「よーするに、コピーッて事か。へェ、オレ様も色々変えれるけど
そこまで精密なのは難しいな。つーか、なンだ。なーンか"そーゆー"の覚えがあるような……」
軽く頭部を抑えた。白紙の記憶が僅かに疼く。
"変幻自在"。確かに、ソレイユのような能力を持った"何か"を知っている気がする。
ただ、それが何なのかは全く思い出せない。
それに、"いい思い出"では無い気がする。
面倒くさそうに、まァいいか、とすぐに思い出すのを止めた。
「オレ様で悪かッたな。……ンで、忘れッぽくて、諜報活動とか出来ンのか?出来てるみてーだけど」
事実、そんな感じには見えない。
ともすると、ソレイユに対して色々と疑問が沸いてくる。
不思議そうに小首をかしげて、相手を見下ろした。
「ふぅン、仮面が手放せないッつーけど、元の姿に戻ればよくね?
そーゆーのもなンか企業秘密ッて奴か?一々仮面(ソレ)つけてるの、メンドくねェ?」
クロロは馬鹿だが、阿呆ではない。
当然そうなれば元の姿に戻るのがまどろっこしく無い。
余程、顔が出せないような極悪人……とは見えない。所感だが。
故に、ある種この疑問に行きつくのは当然だった。
■ソレイユ >
「コピー……まあ、有り体に言えばそういうことだな。
そこについては、能力の性質の違いだからな。私は此れが主体だ。
精度が低くては話にもならないだろう?」
そこまでいってから
「ん……なんだ? 記憶があまりないと聞いていたが、何か思い出したのか?」
見世物のように面白がっていた相手が零した一つの言葉。
覚えがある、というソレに反応を示す。
自分も記憶ということには自信のない存在だ。
ゆえに、同胞で、同じような境遇があるとなれば気にはなる。
「悪いか悪くないか、でいえば。クロロでよかった、という見方もある。
下手にろくでもないヤツがいれば、争いになった可能性もあるしな。」
ひたすらに真面目に答える。事務的、とも言えるかもしれない。
これはそういう存在だ。
「ふむ……鋭い質問だな。 一々戻すのが手間、ということもある。
たとえば、今日のように突然の邂逅、などな。」
なるほど、馬鹿ではあるが阿呆でない、という評価も下していたようだが。
こちらも間違いはないようだ。
■クロロ >
「……お前みたいなやつがいた気もする。"気がするだけ"だ。
正直、何も思い出せてねェし、何もわかンねェよ」
生憎未だ、この記憶は白紙のままだ。
己の過去。気にならない訳では無いが
今が不便でない以上はそこに頓着は無い。
だが、こういう時に何かあると困りものだ。
ため息交じり、うんざりしたように言えば軽く首を振った。
「無駄な争いはしたくねェッてか?つーか、"コトバノアヤ"ッつーだろ。
お前、思ッたよりマジメッつーか、ジョーダン通じねェッつーか……」
実に事務的だと思った。
冷たいというよりは、単純に真面目な空気と言うか
その方が無駄がないと言った雰囲気も感じる。
しかし、冗談一つ通じないのはどうかと思った。
こんな相手でシエルとかは苦労……
「……しなさそうだなァ……」
向こうも冗談通じなさそうなタイプだし、問題なさそう。
……この組織、大丈夫なのか?クロロは顔を顰めた。
「"戻すのが手間"?なンだそりゃ。オレ様も変化の魔術使えるけど
自分以外の姿でずッと居続けるの、気持ち悪くねェか?
それをお前、"手間"ッてなァ……そこまでズボラでもねェだろ」
とはいえ、仕事の連続なら元の姿に一々戻るのが手間と言うのがわかる。
ただ、何となく理由はそうじゃない気はした。
顎に指を添えて、金色は細く、鋭くソレイユを射抜く。
■ソレイユ >
この思ったことは口にする、よくも悪くも裏表のないタイプが言いよどむ。
いや、正確には歯切れの悪い答え方をしてくる。
これは本当にはっきりとしない、ややもすればあまり良くない感じを覚えている、ということだろうか。
「そうか。君の記憶復帰の一助になればとは思ったが。
あまり役には立たなかったようだな」
あまり感情の発露がないような目の前の存在が、やや残念そうにする。
「うん? ああ……すまないな。仲間と会話をする時は、できるだけ真面目にすることを心がけているのでね。
クロロは、そういうのは好まないか?」
そういうことであれば一考の余地もあるだろうか。
自分自身、明らかに欠けたなにかがあるのは分かっている。
だから、こういった歯に衣着せぬ言動は非常に有り難い。
「……やれやれ。なるほど、君は実に賢い。
本来、別に知らなくても付き合いはできるものではあるが……
しかし、そこまで指摘するんだ。少しだけ語るとしようか。」
思えば、この話は一部の幹部しか知らない話である。
別にそれでも問題ないとは思っていた。
しかし、これもいい機会なのだろう。
「……先程言ったように、私は『人を写す』ことができる。
さきほど君は精度の話をしていたがね。私のそれは、記憶も人格も、なにもかも、を『写す』んだ。
つまり、この"少女"も、先程の"大男"も。全て、私の内に存在している。
……ひょっとすれば、聡明な君には此処までの段階で言っていることが分かるかな?」
まあ別に全部話すことも問題はないし、聞かれるならば答えようと決めた。
もしくは生まれた疑問などもあろうか。
答えられることには応えてもいいか、と思った。
■クロロ >
「お前が気にする事でもねーだろ、ソレ公。
どーせあッても無くても、変わンねェモンだし
オレ様は昔の記憶よりも、今のが楽しいからそれでいい」
別に不便してない事を、無理に取り戻す必要はない。
今が楽しいのは間違いない。ソレイユも、シエルも
裏切りの黒としても、クロロ個人としても
確かにクソみたいな人生だと思っているが
それはそれとして、周りの連中が面白いから満足している。
だからこそ、口元は薄ら笑みを浮かべた。
「ありがとよ、ソレイユ」
それに、自分の為にそう言ってくれたのなら
礼を言うのが"スジ"と言うものだ。
「別に、何時も通りでいーよ。ヘンに真面目でも、肩こらねェか?」
その普段通りが今の真面目なら何も言う事は無い。
ただ、この悩みは相手に言うのも違うものだ。
だから言う事は、これでいい。
両腕を組んで、軽くふんぞり返った。
「トーゼンだ。オレ様は最強だからな」
……その言い分は死ぬ程馬鹿っぽかった。
とは言え、阿呆では無いのは確かだ。
真面目にその耳に聞こえる言葉に、神妙な顔つきで視線を巡らす。
他者を写す、コピーする能力。どうやらそれは、外側だけではないらしい。
だからこそ、ソレイユは"いる"と言っているのかもしれない。
眉間の皺が、深くなった。
「……おう、ソレ公。"テメェ自身"は"何処"にいるンだ?」
■ソレイユ >
「……今のが楽しいからそれでいい、か。
なるほど、それは確かにその通りだな。」
記憶。それは自分も失ったもの。
しかし、そうだ。自分も"今を楽しんでいる"。
それくらい気楽な方がいいのかもしれない。
「……うん、君は思った以上に"良い男"のようだ。
なるほど、"お嬢"が認めただけはある。」
"スジ"を通そうというその姿には好感が持てた。
彼が勧誘、推挙されたこともよく理解できた。
『悪』が『悪』だから『悪』を行う――
彼ならば十分にやってのけるだろう。
「やはり、聡明だな。先程の話にも、少し戻る。
私は……いや、"私自身"はもう、私にも"何処"に居るかはわからない。
ゆえに、"真面目であろうとする"のも、わかりやすく決めた"型"だ。
"何時も通り"も、私にはあってないようなものだ。」
本当に、彼は聡明な男だ。
表の粗野さに騙されれば、彼を見失うことだろう。
面白い男だ。
■クロロ >
「どーせ、元々あッたモンなンだ。
今を楽しんでる内にその内思い出すだろ?」
楽観的と言われればそれまでだが
そんな事に囚われるのも愚かしい事だとクロロは思っている。
気楽に構えた方が、人生丁度いいものだ。
「カカッ、褒めたッてなンもでねェよ。
ただ、オレ様がやりたいようにやッてるだけだ」
ただ、世間様の裏側が心地がいいだけに過ぎない。
組織の風体は理解するし、その理念も勿論護る。
それはそれとして、結局は己の"矜持"を優先するような男だ。
楽しげに笑いながら、クロロは首を横に振った。
とは言え、今の所問題は起こしていない以上何か起きる事もないだろう。
「よーするに、今いるお前はテメェで"とりあえず"決めたテメェッて事か」
ソレイユの異能は、ある種魔術にも似通っている。
深い知識は深淵だ。深淵の先に光は無い。
そこに潜るものは、或いは代償として"何か"を失う事も珍しくはない。
それが、"己自身"だろうと、深淵の闇は一切の容赦はない。
自己の喪失は死と相違なく、残る肉は獣と成り得るか或いは……。
後頭部を掻けば、吐息一つ。
「まァ、とりあえず色々苦労してンだな。お前も。
誰に救われたかは知らねーし、テメェで踏みとどまッたかは知らねェけど……」
「おう、ソレ公。お前、今の人生で楽しい事とかある?
つーか、お前エル公とか他の連中の事どー思うよ?」
徐に質問が飛んできた。
本人は至って真面目そうだ。
■ソレイユ >
会話をしていて色々と気付かされるところがある。
この磊落さと聡明さの噛み合わせは非常に面白い。
彼は言う通り、思ったように。やりたいようにやっているだけだろう。
しかし、それが良いように、そして賢く立ち回っているのは彼の資質の発露といえる。
「ああ、それでいい。君はそれでいいのだろう。
我々の理解していれば、それで十分だ。」
ほんの少し。仮面の裏で微笑む。
「ああ、そうだな。その理解で概ね正解だ。
当面、生きる上で……」
仮面を外し、金髪のショートヘアで長身の女性らしき姿に変わる。
「"この姿"と"ソレイユ"という名。そして、今の人格を"私"と決めた。」
再び仮面を顔に被る。
「たまに、忘れそうになるがね。だから、次善の策がこの"仮面"だ。
これがあれば、私、の定義づけが二重に保証されるからね。」
あそこまで聞かれたのであれば……ここまで答えてしまっていいだろう。
この男は気安くそれを吹聴するような男でもあるまい。
まあ、たとえ漏れたところで大した話でもないが。
「楽しいこと、か……それは難しい問いだな。
次の問いにかけて応えていいのであれば。今、『裏切りの黒』に所属して自己を確立できているのは喜ばしいことだ。
そしてゆえに、私は組織のメンバーを……そう、だな。陳腐な言い方で言えば、になるが。
『愛している』と言えるだろう。」
もちろん、君もだ。
言外にそう含みつつ、答える。
■クロロ >
ソレイユの姿がまた変わった。
金髪の女性らしい姿。恐らく、今の"ソレイユ"たる人物の姿。
凛然とした姿であるが、何処となく寂しげな感じをクロロは覚えた。
杞憂であるなら、それでいい。所詮は個人の感触だ。
煌々と輝く金の色は、そんな女性の姿をまじまじと見ていた。
「……成る程な」
そこまでやるか、とも思えるが
そこまでやらねばならないと考えれば同情もする。
多くの者々をその身に宿してしまったが故の迷子か。
後頭部を掻いて吐く吐息は、"安堵"だ。
「よーするに、ネロなンたらが好きなンだし、そこにいる奴が好きッつーなら
そこにいる間のお前は楽しいッて事じゃン。つーか、"決めた"ッつーならよ」
「いるじゃン、"目の前"に」
じ、と仮面の奥にある瞳を見据える。
「ぶッちゃけ昔の自分とかそう言うの思い出せないなら
テメェの事なンだし、テメェで決めちまッた方がはえーしな。オレ様だッてそうだ」
徐に手を宙へと翳した。
小さな破裂音と共に、その手に紅蓮の炎が灯る。
灯ったのではない、"手が炎へと成った"。
"元に戻ったのだ"。薄暗い室内を、炎の明かりが照らしていく。
「オレ様なンざ、テメェの異能のせいで元の姿なンざ炎だぞ?
このカッコーだッて、学生証に乗ッてた姿だ。名前だッてそうだ」
おまけに、その学生証だって偽造学生証。
クロロと言う名前も、姿も、全て"偽り"と言っていい。
全てが張りぼてだ。だけど……。
「けど、オレ様は"ジューブン"だ」
ボッ、と炎が爆ぜれば再び人の手へと戻った。
その手は既に、硬く握られた握り拳。固い決意の証。
「例えなンだろーと、クロロの名も姿も、もうオレ様のモンだ。
オレ様がそー決めた。だから、今のオレ様はクロロだ。それ以外何者でもねェ」
「そンなモンでいーンだよ、テメェの事なンだしよ」
自己の保証が出来ないなら、自分で勝手に決めればいい。
きっと、言うは易しと言うものかも知れない。
だけど、他でもない"自分"を他人に任せるようでは"スジ"が通らない。
最低限の"芯"は、己で決める。そうで無ければ、"自分"である意味がない。
ニィ、と口角が釣り上がった。
「だから、お前は"ココにいる"。それでいいンじゃねーの?ソレイユ。
裏切りの黒のソレイユ、ジョートーじゃねーの。"居場所"一個ありゃ、ジューブンだ」
「それだけで、帰る場所もあるし、お前をお前だッて証明してくれンだからよ」
クロロからしてみれば、そんなものだと笑う。
何処にも自分はいないというが、そう"決めた"と、ソレイユ自身が言った。
なら、今目の前にいるソレイユ自身が、自己に他ならないのだろう。
「つか、お前も"ヨーイシュートー"だな。いいよ、ンな自信ねーならよォ
オレ様が"覚えといてやる"。オレ様だけじゃねェ、エル公や、他の連中も一緒だ」
「お前の顔キレーだし、どーせ仕事じゃねーンだ。
仮面つけッぱよりも、こういう時は外した方が気軽だろ?」