2021/02/05 のログ
ご案内:「スラム」にF.U.R.Yさんが現れました。
ご案内:「スラム」にソレイユさんが現れました。
F.U.R.Y >  
スラムの某所――――

一人の男が瓦礫の上で寝転がっている。

「………くァア……

 ……ねみィ」

連日、昼も夜も構わず向かってくるゴロツキ共を蹴散らしてきた。
ようやくそんな輩も消えたのは、”宣戦布告”から数週ほど経ってから。
もはやここを奪い返そうという気概のある者も少なく、その殆どは拠点を追われ別の地へと逃げ去ったか……既にそんな事も考えられぬようになったかの、どちらかだった。

とはいえ、暴れに暴れまわったせいで周辺の被害も大きく‥…
家屋のうちいくつかは崩れ、以前よりも更に人の住める地ではなくなってしまったが。

ソレイユ >  
「……やれやれ」

報告は様々に聞いていた。
なんとなくの予感もあったので、詳細は自分が探る、と身内には告げて一人、此処まで来た。

それにしてもひどい惨状だ。
アレだとして、まだ正気だろうか?


「まあ、最悪の場合も考える必要はあるか。
 これが無駄にならなければいいが……」


手に持ったカバンを軽く眺めて、瓦礫の山の奥まで歩みを進めていく。


「……ふむ。生きてたか」


そして、その奥に予想した見知った顔を見つけた

F.U.R.Y >  
「――――」

眠たげな瞳で、声のする方を見る。
若干ぼんやりとするが何とか分かる。見覚えのあるヤツ。

「お生憎、雑魚相手に死んでやる程優しかねェんでな。
 数ばかり多くて時間食ったがな」

寝る時間などはありゃしなかった。
向かってくる奴らを叩きのめし尽くすまではそんな気もなかったが、それでも流石に眠ィ。

だが、意識はハッキリとしてる。
眠気でイライラとはしやがるが、前みてェに暴走しねェのは……コイツにも慣れたってショーコか。
それとも前よりもニンゲンじゃなくなったのか。
どっちにしても有難ェ限りだ。

「住める場所、作ってやったぞ。
 あのビルに居る奴ら連れて寝床作らせるなりなんなり、好きにやりな。
 気に入らなけりゃ追い出すがな」

 体を起こす事なく、キンパツオンナ……ソレイユにそう言う。
 最低限住む場所にゃ困らねぇだけの広さはある筈だ。
 食いモンも元々ココらでハバ効かせた奴らが持ってた分が多少なりともある。
 これで死ぬなら、最初からここらで生きる資格のねェ奴らだったって事だ。

ソレイユ >  
「まったく、働き者だな君は」


肩をすくめてあたりの様子を見る
確かに、随分とすっきりしたようだ。
これならばまあ、当面は色々と便宜を図りやすいだろう。
個人的な援助の範疇ではあるが。


「そんな君に、差し入れだ。
 一通りの食べ物と飲み物だが……さて、君の好みを聞いてはいなかったからね。
 何が好みかな?」

あれやこれやと、手にしたカバンから取り出していく。
甘いもの、辛いもの、苦いもの、しょっぱいもの、酸っぱいもの。
固いもの、柔らかいもの。

まあ大体の好みには対応できるだろう。

F.U.R.Y >  
「さっさと片付けてェだけだ。
 オレァやる事残ってるとスッキリしねェんだよ」

はんっ、と不機嫌そうに告げる言葉は、若干意外な言葉に聞こえるかもしれないが、本音だ。
借りを残したままでいるのは気分が悪い。
それの延長線にある価値観。
難民を成り行きで面倒見たのも、ソレイユに彼らの事を任せたのも、そんな理由。

善人ではなく、表の世界で生きれる程綺麗な身でもないが……外道では決して、ない。
なる気も、ない。
そういった生き方。

「ァ…?
 んだよ、随分気が利くじゃねェか。

 何だろうと食えるなら有難く頂くが……そだな。 
 肉と酒、くれや」

身を起こし、少しだけニヤッと笑う。
食うのは良い。
苛立ちも少しはマシになる。
それに最近は鎧やらなにやら、ロクなモンを口にしちゃいなかった。
ちゃんとしたモンは大歓迎だ。

ソレイユ >  
「なるほど、そういうことか。
 まあしかし、それを実行する辺りはやはり働き者といえるだろうな。」

この手の手合で、スッキリしないまま当たり散らすだけ、というのもよくある話だ。
それを加味すれば、きっちり片付けていくあたり、真面目というか律儀と言うか……

少なくとも、ある程度評価に値することは確かだ。


「なに、大したことはない。前の約束もある。
 なにより、君のことだ。大暴れして腹の一つも空かせているだろうと思ったからね。」

肉と酒。割とシンプルにわかりやすい返答だった。
勿論、それらの用意もある。
しかし――

「ふむ。肉は生に限る、とかそういう嗜好はあったりするかな?
 一応、手持ちは火を通したものが主なんだが……」

一応、この場で調理するための肉はある。
なので、そんな要求にも応えることは出来ないわけではない。


「それと、酒、か。アルコールが入っていれば何でも良いとか、
 肉ならワインだろう、とか。そういうのはある?」

酒精が強いだけなら、ウィスキーやらウォッカの類やらまあ色々用意はある。
この辺り、好みがわからないから雑に持ってきていた。

F.U.R.Y >  
「オマエ……オレを野生の獣か何かと勘違いしてねェか?」

少しじとっと見た。
流石に生肉を好き勝手食うシュミはない。
ここらで生活していて生で食えるような高級な肉にありつける事もないのだから。
まぁ……今の男であれば、生であろうと腹を下すなんてことはなさそうだが。

「酒もんな好みねェよ。
 だがま……強ェ奴頼むわ。
 酔えるかも分からねェからな」

ソレイユ >  
「いや、不快にさせたならすまないね。
 なにしろ……ああいや、余計なことだったな。
 まあ、ある程度冷めても美味しい肉料理を用意したよ。
 オーダーがあるなら此処で追加の調理くらいはするけれど」


簡易の食器に、とりあえず肉を盛っていく。
まあ、美しさよりも量とかそういう方がいいだろう。
その辺はあまり考えないでおく。


「ん、強いほうがいいか。なら、このへんから適当に飲めばいい」


いくつか強い酒を瓶ごと置く。
無論、グラスも用意しておいたが直でいくならまあ、それもよかろう。


「それで。君、調子はどうなんだ?」

F.U.R.Y >  
「???」

言いかけた言葉に小首をかしげる。
何しろ、なんだ?
ま、いいか。

「オウ、ホント気が利くじゃねェか。
 んじゃ有難く…」

数週間もロクなモン食っちゃいなかったせいで、冷めててもゴチソウに涎が溢れる。
皿を受け取ればそのまま豪快に頬張ってゆくだろう。

口に肉を詰め、酒瓶の蓋を外してそのまま飲んでゆく。
喉を通る強烈なアルコールの刺激が、酒を飲んでると実感する。

「――――っぷはァ!!

 …ァ?調子ィ?
 そォだな……」

調子はどうか、と言われ……左手を何度か握ってみる。
随分馴染んだそれは、今は人間の形をしているが本来はバケモンのそれだ。
そして、オレの力の源。
オレの苛立ちの大本になってるモン。

「少なくとも、テメェの時みてェになるのは減ったな。
 いつだろうと無性にイライラしやがるのは変わりねェが……慣れりゃある程度折り合いつけら。

 ……にしてもこの肉、味薄いんじゃねェか?」

ソレイユ >  
「……うん、まあ普通のものが食べられるならそれでいい」


鎧やらなにやら怪しげなものを齧っていたときは、この顔ではなかったので当面誤魔化す。
その辺はメモにも在ったから忘れていない。


「ふむ、食欲はちゃんとあるようだ。食べっぷりもいい。
 そちらの問題は……ない、とも言えないのか?」

食べられることは悪いことではない。
ない、が……それが問題だったりすることもある。
慎重に様子をみる


「……味が?ふ、む」


正直、その点に関してはあまり自信はない。
一応、味付けに関しては外注なので問題はない、はずなのだが……
それを確かめる術が自分にはない

しかし、もしそれが彼の味覚異常であるなら……
ああ、一つだけ確かめる方法があった


「それはすまないな。では、これはどうかな?」


一つの料理を差し出す。
それは、自分が唯一理解できる味で構成されたモノ
ついでなので、少し味も加えておいた

その辛味で何も感じないのであれば……

F.U.R.Y >  
「…?
 ヘンな奴だな……」

確かに普通のモンをしばらくは食っていなかったが。
鉄やら鋼やらを食いはするが好き好んで食っている訳じゃねェ。
単純にそれくらいしか食えるものがなかった事、そして喰らってやると思い至ったからだ。
武器を食えりゃ、相手のエモノも消えて一石二鳥だからな。

「おゥ、いいのか?んじゃ遠慮なく……」

そんな事は兎も角、次のメシを用意されれば有難く受け取る。
腹は随分減っている、何だろうとありがてェ限りだ。

「…」

ぱくり。

「………」


F.U.R.Y >  
「辛ッッッれェ!!??!?!???!??!」

F.U.R.Y >  
「(ゴクン)ぺっぺ・‥‥ッ!!
 おいテメェ!なんらコイツァ!!!
 味どころか辛さしかねェじゃねェか!!!!
 唐辛子で出来てんじゃねェだろうな!?」

無理くり呑み込んでから舌を出して抗議する。
美味いとか不味いとか以前に、辛ェ。
アルコールとは違う強い刺激が口の中に残ってチクチクしやがる。
鎧やら鋼やらも人の食うモンじゃねェが、これもまた別の方向で人の食うモンじゃねェ。


何を考えてこんなモン作ってんだ…?

ソレイユ >  
(これは……味覚異常ではない、か? 少なくとも辛味は理解できている)

反応を冷静に分析する
もしくは、強い刺激なら受け取れる、ということだろうか。
その差はだいぶ大きいが、現状では仔細を確認するのは難しそうである


「おや、私用の味付けが混ざっていたようだ。
 これは失礼したね」


しれっとした顔で謝る
実際、自分用の味付けだったのは嘘ではない
まあ、わざとそれを渡したという事実はあるが


「酒かなにかで流すといい。
 もしくは乳製品が効く、とはきくが」

一応そんな準備もある
好みもあるだろうから、選択は本人に任せるが


「まあ、その様子ならまだ人の領域、ということかな?」


のんびりと口にした

F.U.R.Y >  
「テメェ用の味付けだァ…?
 どんな舌してんだオマエ……」

少し信じられないものを見るような顔をした。
随分な劇物を主食にしてるのを見るに、コイツも大概変人みてェだ。

「ァー、そうするぜクソッ……
 
 …?
 ……あァ、なんだテメェ。
 オレがバケモンになったかでも確認しにきたのか。
 前に言ってた”調査”って奴か?
 
 …どっちにしろ、人の範疇かどーかなんざ知った事じゃねェけどな。
 ニンゲンかバケモンかなんざ興味ねェよ」

酒で舌を癒しながら、ハッと小さく鼻で笑う。
自分がニンゲンでいる事に対して執着もない。

ソレイユ >  
「ははは、まあ馬鹿舌だよ」


本当のところは、味を感じられないので刺激物しか理解できない、というところだが。
それをあえて語る理由もないので、いつものごまかし方をする


「うん? ああ……
 それはついで……いや、そうでもないな。
 なに、味が薄い、なんていうものだからね。
 つい、余計なことを考えてしまっただけだよ」

其処は素直に答える。
まあ、騙してばかりでも悪いと思ったところはある。


「それに、あれだ。
 君がもし、暴走する化け物にでもなってしまえば、だ。
 今度は、此処につれてくる難民の連中のために君を排除せざるを得なくなるかもだろう?
 ソレは、たいそうに面倒くさい」

真顔で、そんなことを告げる
そうなってしまったら、誰のための行動なのか、という矛盾のような状態に陥る
ソレはそれで面倒なのだ

F.U.R.Y >  
「ま、そりゃそうだ」

自分が理性喪ったバケモノになったら。
確かにそれはそうだ。
難民の世話なんぞコイツの好きでやってる訳でもねェ。
オレに頼まれてやってるだけなのに、オレがそんな馬鹿みてェな事でくたばっちまえばコイツとしても面倒この上ねェだろ。

「安心しな。
 バケモノかは兎も角”外道”に堕ちるつもりは毛頭ねェよ。
 それだきゃ死んでも抗ってやらァ。

 ソイツがオレがオレである事の証だからな」

ニンゲンの身に未練はない。
バケモノになるのに抵抗もない。
ただ一つ拒むものがあるなら。
それは自分が自分でなくなる事だ。

ソレイユ >  
「ふむ、なるほど?
 安請け合いではあるが……まあ、そこは君の信条だ。
 ある程度、信用してもよさそうだ」


短い付き合いではあるが、その辺はなんとなくわかってきている
彼がそう言うなら、まあ大丈夫、であろう

万が一のときは……うん
しょうがないから介錯してやろう

生きていても仕方ないだろうし


「いや、余計な話をしたね。
 君はこのあとどうするんだ?」

F.U.R.Y >  
「どうもしねェよ。
 ここァ”オレの縄張り”だ。
 別に仕切る気なんざさらさらねェが、オレの縄張りで気に食わねぇ事しようなんて馬鹿な考えで来た奴をほっとく気はねェ。
 オレの縄張りとして、そんな馬鹿共が来やがったらぶちのめす。

 ここに来て変な真似しようとしねェ奴ァ好きにすりゃいい。
 ヘンに助けてもらおうなんざ考えねェで自分で生きようとするなら、別に関わる気もねェからな」

言ってしまえば、ゴロツキ共を入れるつもりはないが変に助ける気もない。
危険という面に関しては守るような結果になるかもしれないが……
それをどう扱うかは、来る奴の勝手にすればいい。

「どうせロクデナシばっか集まってんのが落第街だ。
 ケンカ相手にも困りゃしねェだろ。

 …クソ共が下手に寄り付かねェ分、スラムの難民共からしても他よりかはマシだろ」

ソレイユ >  
「あちこちする、というわけでもなさそうだ。
 それは重畳。まあ、ほどほどにな。」

とはいえ、この辺に風紀が手を出してくればひと悶着ありそうだが……
まあ、そのときはその時か


「まあ、そうだね。
 そこらの軒下よりはよほどマシだ。」


と、なれば
とりあえず、連中を此処に連れてくるのが私の仕事か


「さて、じゃあ連中をこっちに連れてくるとしようか。
 君は……まあ、まだ肉も酒もある。好きにしてくれればいい。
 どうするね?」」