2021/06/19 のログ
マディファ=オルナ > 「まあ、その辺のパワーバランスは儂の知ったことではないがの。
 儂はただお主の指示で暴れるだけじゃ」

雇い主の組織のバランスは契約の埒外だ。
彼らを護衛せよという指示があるなら従うが、それもないのにサービスする必要はないだろう。

「草をどうにか送り込めれば、もしくは寝返らせれれば。
 ま、そんな事ができるならとうにやっておろうな。
 ……事を起こす、にしても。
 意図を察知されて潜られては敵わんしの」

知ってか知らずか、言外の意図への見解を述べる。
自分は風紀の正規の戦力ではないから彼からの指示があれば動きはするが……。

「使い倒されて機能停止に陥るつもりはない。
 お主との契約。
 試験対策?それを儂に言うか」

けらけらと雇い主の試験の心配を笑い飛ばす。
人の子ならともかく、暗記も計算も問題はない。

神代理央 >  
「……私の指示で、か。随分と忠義に厚い傭兵を手に入れたものだ。
それとも、その忠義に見合うだけの契約金と、それを補強する資質を持ち合わせる事が出来ていたかな?」

と、若干砕けた声色。謂わば軽口の類。
少なくとも、契約関係にある間は裏切らないであろう彼女への、細やかな冗談というもの。

「敵の防諜は驚く程だ。何せ、構成員を捕えても大した情報は得られなかったばかりか、奪還までされてしまったのだからな。
…とはいえ、此方の手が読まれている、と分かっているのならそれはそれで構わない。
彼等は狼の群れであり、毒蛇の集団であり、毒虫の大群かも知れない。
しかし……どんな獣だろうと、鋼鉄には敵わない。
百獣の王とて、戦車には敵わぬのだからな」

絶対的な戦力で勝っている以上、"此方側"の犠牲を出して迄、無理に情報収集を行う必要は無い、と。
逆を言えば、風紀委員会の戦力を損なわないのであれば…ということになるのだが。

「それ故に、歓楽街の女に情報収集を頼んでいる。
今後は、そういったイリーガルな手段も積極的に活用していくつもりだ。
何せ、お前という成功例があるからな。実に予算も通しやすい」

と。可笑しそうに笑いながら肩を竦めてみせるのだろう。

「はてさて。此の島の試験監督は悪辣な者もいるからな。
ヒトならざるモノに何年も教鞭を振るってきた者達だ。
自分が機械だからといって、舐めてかからぬことだな」

まあ、これは命令では無い。
謂わば忠告。或いは軽口。
幾分大袈裟に首を振りながら、彼女に笑いかけるのだろう。

マディファ=オルナ > 「信頼の重要さは身にしみておるからの。
 何じゃ、自覚がなかったか?
 それとも心配になったかの?」

くくく、と軽口を返す。
少なくとも、本気で思っては居まい。

「あの手並みは情報線を知らぬ儂でも感嘆に値する。
 まあ、戦力で勝るなら後は用心だけじゃな。
 儂の働きを成功と言われるのならば、ますます張り切らねばのう」

自分という前例で組織がうまく動くのならば、それもまた契約金に見合う働きの一つと言っていいだろう。
とはいえ、傭兵の領分を逸脱するつもりはないが。

「む、確かにそれもそうか。
 異世界人の集まるこの島じゃしのう
 楽観はできても油断はできぬな」

一度試験を受けた以上、実感はある。
そして次が、それ以上に評価の厳しい試験官が当たらないとも限るまい。
まあ、無理に不合格にしようとするのでなければなんとかなるだろう。

神代理央 >  
「…別に心配はしていない。ただ、過剰に慢心もしていない。
火力、という点においてはそれなりだと自負しているが、逆を言えばそれ以外は全て年齢相応。
まだまだ、精進が足りないからな」

やれやれ、と言わんばかりに首を振る。
実際、一つの組織の長として上手く振る舞えているかどうかは…余り、自信は無いのだし。

「まあ、逆を言えば組織として大きすぎるが故の弊害というものもあるがね。
其処辺りは…お前に言っても、致し方無い事ではあるのだが」

常世学園の警察機構、という組織は機敏に動くには些か巨大すぎる。
それでも、外の世界の組織に比べれば年齢層の若さ故の柔軟さを持ち合わせてはいるのだろうが。

「まあ、単なる計算問題や暗記問題の類なら、其処まで心配する事も無いだろうさ。
それ以外の教科や単位に集中していればいい。
戦力の集中は、兵法の基本だからな?」

なんて答えてみせる。
まあ少年の方も、別に少女が不合格だの単位を落とすだのといった心配をしているわけではない。
其処まで悪辣な教師は…まあ、いない訳でも無いだろうが、多くは無いのだし。

マディファ=オルナ > 「うむ、その意気じゃ。
 至らぬ点があるのは致し方なかろうて。
 まあ、所感を述べるくらいはしよう」

組織の運営経験は自分にもない。
冒険者や傭兵の経験くらいしかない以上、自分の所感を述べることしか出来ない。
それが助けになるかどうかはわからないが……

「うむ、儂も其処は心配しとらんよ。
 適材適所、基本じゃよなぁ」

神代理央 >  
「そういう事だ。適材適所は戦の基本。
我々は所詮戦争屋の真似事をしている子供だからな。
精々、派手に暴れまわる時を待つとしようじゃないか」

こつり、と足を進める。
濁った雨水を踏み付けて、彼女の横を通り過ぎていくだろうか。

「ではな、傭兵。今暫くは、学生生活を謳歌すると良い。
お前に支払った対価の分だけ働いて貰うとなれば、忙しくなるだろうからな」

と、言い含めて。
少年の姿は、雨垂れの中に消えていくのだろう。

マディファ=オルナ > 「儂が子供かと言うと……まあ子供かも知れんの。
 うむ、その時は存分に暴れようぞ」

それが自分の本分なのだから。
有力な駒として、動くだけだ。

「うむ、そうさせてもらおう。
 遠慮なく、存分に使うが良い」

言って、彼を見送り。
自分も、寮へと帰っていくのであった。

ご案内:「スラム」から神代理央さんが去りました。
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