2021/10/16 のログ
■影 >
「…………」
沈黙の肯定。
推察通り、無差別だがある程度相手は絞っている。
丁度、己が追っている組織の相手だ。
然るに、だからこそ悩ませるべき存在だ。
人か、妖か。二の足を踏むわけにはいかないが、捨て置けはしない。
ともすれば、名も明かせぬ、素性も明かせぬ孤狼はある意味塩梅かもしれない。
「……承った」
孤狼と影。宵闇に身を隠し二人に相応しい名だ。
影は、静かに頷いた。
「さて、な。其ればかりは何とも言えん。然れど、肝には銘じておこう」
相手を侮る訳では無いが、孤狼の様に鼻の利く人物こそごまんといよう。
後ろめたいからこそ、尚の事。
特に組織と成れば、獣の嗅覚にもそろそろ限界があるかもしれない。
引き際は見誤れないが、時間がない以上は是以上後手に回るのも危険だ。
「……武運を祈るぞ、孤狼」
飛び去る男を気にも留めず、影は見送った。
月夜ばかりが、二つを見下ろす。
「…………」
然れど、蜥蜴の尻尾は未だ掴めず。
やはり、一連の事件が尾を引いているのだろうか。
人質の意味合い、鉄火の支配者へのけん制。
唯の組織の小競り合いには毛頭見えぬ。
……企みがあるのは、違いない。
「……何が目的だ……?」
其の疑問に答える者は、誰もいない。
言い知れぬ不安を抱えたまま、影は眉をひそめたまま、また闇へと消えるのみだ。
ご案内:「スラム」から影さんが去りました。
ご案内:「スラム」から『虚無』さんが去りました。
ご案内:「スラム」にレヴァーリア・M・レイフィールドさんが現れました。
■レヴァーリア・M・レイフィールド > 身長170cmを超える女。
その腕を真上に上げれば丁度ギリギリ2mに届き、一般的な男性の身長は超える計算だ。
「駄目ですよー、ええ、駄目ですよ?
貴方は私を買うと仰った。ええ、それは良いでしょう。
ええ、楽しめましたよねぇ。私も楽しかったですけれど。」
ニコニコとした笑顔で微笑む半裸の女。未だに下着すらないままに、穏やかな声をかける。メガネも普段愛用のものをつけていないまま。
豊かな乳房と尻のラインは女性としては少しばかり露骨に過ぎる造形。
手首には鎖がちぎれた手錠に、身体には痣。
それを「楽しかった」と彼女は言う。
「でも支払いを踏み倒すのはよろしくありません。
本当に、よろしくない。」
女は笑いながら、首を掴んだ男に語りかける。
■レヴァーリア・M・レイフィールド > 長身の男は、縦も横も、明らかに女の細腕からすると巨大で。
それを片腕で持ち上げる姿は、到底アンバランス。
だからこそ、細い指はミシミシと音を立てるほどに男の首に食い込み。
しばらくは苦悶の声をあげて足をばたつかせ、女の細腕を何度も殴りつけていた男も、今はまるでしがみつくように手を添えるだけで。
一緒になって楽しんでいた細身の男は泡を噴いて倒れていて。
もう一人の刈り上げは目を抑えて呻いている。
「契約違反ですね。」
ころころと笑う。
次第に暗くなっていく路地裏。逃げ出した男を捕まえた女は、道端でそのまま制裁を加えようとする。
■レヴァーリア・M・レイフィールド > 「大丈夫ですよぉ、殺すまではいきませんからね。
死んでしまったら意味がありません。」
女はそこまで語って、歌い始める。
どことなく優しいメロディが流れれば、その唇から黒い煙のような何かが溢れ始める。それはまるでイメージに描かれている歌手のように、旋律が口から流れ出ているよう。
まあ、実際に流れ出しているのは黒い触手かのような煙なのだけれど。
それはまるでイカやタコの足のようにびちり、びちりと蠢きながら地面を這い回り、倒れている男二人と、自分の掴んでいる男へと近寄っていく。
歌声は、一層澄み渡って美しく。
ご案内:「スラム」に謎の男さんが現れました。
■レヴァーリア・M・レイフィールド > ちなみに歌は何の意味もない。
古い呪詛だとか、詠唱だとか、そういうものではなくて。
ただただ最近流行りの歌を気分良く歌っているだけだ。彼女はそんな手段を使わずとも、己の腕を振るうかのように力を行使できる。
煙の触手は、男の口、鼻、目、耳へと殺到して中に滑り込んでいく。
痛みは無いだろうが、おそらく想像を絶するストレスなのだろう。
意識を失っている男以外の二人から、断末魔のような絶叫が響き渡る。
どれだけ暴れても、悶えても、女は嬉しそうに歌い続ける。
人間の内部に入り込んで、根幹部分をちょいとだけ、削り取る。
かり、かりかり。
かりかりかり。
死んでしまわぬよう、ちゃんと加減しながら。
■謎の男 > 島の裏側では強者と弱者、もしくは喰うものと喰われるものが
分かりやすく色濃く分断される。
このスラムの一角でも今に強者が弱者を喰っている。
薄汚れた場所には似つかわしい美しい旋律と力を前に
抗えぬ弱者はただ悲鳴をあげるしかない。
<力を、感じる。>
そしてその怪異は強者の元へ現れる、何の前触れもなく。
力を行使する妖艶な女性の背後に、ソレは音もなく唐突に現れる。
その後に鳴った軽い金属音がソレの存在を表す大きな証拠となるだろう。
もし、彼女が此方の存在を認知し視界に捉えたならば
虚ろな目と共に貴方へ拳銃を向けている男が佇んでいる事だろう。
■レヴァーリア・M・レイフィールド > 「………あら。」
歌を止める。男たちを削る手も止め。
まだ仕置にはちょっと足りないが、それでも良しとする。
新たな相手の方がまだ興味があるのか。倒れ伏す男に興味を失ったかのように、視線をくるりと相手に向ける
「………? 何が御用でしょうかー?」
壊れた手錠を手首につけたまま、にっこりと微笑む全裸の女。
ウィンクをぱちり、と相手に向けながら、ぺろりと己の唇を舐める。
ただ、相手の存在には少しだけ首を傾げて、目を細める。
違和感を感じる。 この島では違和感を感じる相手は多すぎるから、だからといって何をするわけでもないけれど。
「………。」
拳銃を見やる。アレは素晴らしい兵器だ。
とはいえ、怯えることもない。にっこりとした笑顔。