2022/04/25 のログ
ご案内:「スラム」に皇 真納さんが現れました。
皇 真納 >  【
 ――ここは貧民街とでも呼ぶべき場所らしい。
 普段は寮住まいであるため、この場所に来ることはほぼ無いのだけど。

 禁書の取引があるとかないとか、そんな根も葉もないうわさを耳にしたことで、
 少しばかり、風紀委員の真似事をしに来たのだった。


 まぁ噂は噂だろう。

 それらしき場所で暫く張り込んで、何もなければ帰ればいい。

 ――それにすこし、こういう場所に興味があった、ということも無きにしも非ず。 

 】

 「……ま、大体想像通りの場所ね」

【――という独り言は、薄暗い路地裏に零れて消えていった】

ご案内:「スラム」にスティールバイソンさんが現れました。
スティールバイソン >  
近くで野暮用を済ます。
やれやれ、本当につまらない用事だった。
そんで路地裏を歩いていれば、オヤオヤ。
可愛らしいお嬢さんが一人で歩いているときたもんだ。

「ゲハハ………迷子かよォお嬢ちゃん」
「お兄さんが道案内してやろうかぁ……?」

薄暗い路地にあってなお、明るく映える髪色。
ルビーのような赤い瞳。
そして擦れた売女の気配のない、“オモテ”の人間の気配。

「ここらへんは危ないんだぜぇ………」

ニヤニヤ笑いながら近づいていく。

皇 真納 > 【――当たりをつけて路地裏で待っていたら……。

 (誰……?

 どこかの作業員のような服装のおじさまが出てきた。

 ――取引の関係者か?

 と、疑いの目を向けつつ、紅い目を細め。



「迷子?」

【路地裏で壁を背に立っていただけだ】


「これが迷子に見える?」


【強気に言い返す。こういう輩に下手に出てもいいことはなさそうな気もするし】

「――そんなことは解ってるわ。こっちにはそれなりの用事が有んのよ」

【腕を組み、仁王立ちで相手に対峙する】

「……ところであんた、その恰好は何? ここは工業区じゃないわよ」

【とりあえず何者ですか?】
 

スティールバイソン >  
「は?」

言い返された。
ヤバい、このパターンはこのお嬢ちゃんが異能者で鬼強いヤツだ。
いつもこのパターンで損してる気がする。

「用事つったってよぉ……この辺は“ストリクス”の縄張りだぜ…?」
「この辺でもうすぐヤバい本? の? 取引があるっつってマジでやべぇんだって」

我ながらちょっぴり情けない語彙だ。

「悪いこたぁ言わねぇからとっとと帰んなって………」

皇 真納 >
 アレ?
 なかなかイカツイ見た目をした御仁だ、てっきり口やかましく言い返すと踏んでいたので、調 子が狂う


「え? あ、そうなの?」

【こっちも一回、語調が柔らかくなってしまうが――次の一言で一瞬で戻る。

 こぶしを握り締め。怒気を籠めたような言葉が思わず出る】

「……って、なんですって!? 今なんて言ったの!?」

【今にも襟首掴みに行きそうな勢い。掴まないけど。
 帰るなんてとんでもない。あんたが手がかりだ】

スティールバイソン >  
「だから表まで案内してやろうかっつってんのによぉ……」

オモテの人間にあんまり裏に関わって欲しくねェんだよな。
俺らテルミナスセブンがやりづらくなんだろうが。

「ヒッ」

ヤバい、異能女が怒った!?
こいつの能力はなんだ………!?
考えれば考えるほど怖ッ!!

「いやだから……禁術系違反部活のストリクスがここらへんで…………」

その時、人の気配がある。
向こう側から誰か歩いてくる!!

「アンタも適当に隠れろッ」

近くのゴミ箱に器用に隠れた。かなりクサい。

“ストリクス”部員 >  
何人かはわからないが、複数の足音が近づいてくる………

皇 真納 > 【案内なら、表の方は間に合っている】

「だから、その情報を教えなさ……教えてくれない?」

【初対面でいきなり命令口調は気が引けたので、控えたけど……。

 って!? え!?】

 「ちょ、何よ……」

【促されて近くの、大き目の段ボールに入り込む。体育すわりなら丁度いい大きさだった。
 取っ手のために空いている穴から覗き込みつつ】

“ストリクス”部員 >  
「可惜せり……」

「魔素が齎す災禍にて」

「……ああ、これが“記憶翅”の原書だ」

黒いローブの男たちと。
禁書を前に興奮が隠せない、制服を着た男性が取引をしているようだ。

スティールバイソン >  
ああ、ヤバいヤツだな。
関わり合いになりたくないヤツだな。

ゴミ箱の中で溜息を吐いた。

ここらへんも昔はこうじゃなかった。
最近じゃワケのわからない連中がハバを効かせてやがる。
俺らも対抗してテルミナスセブンを立ち上げたはいいが。

なんだかなぁ。なんだかなぁ………

皇 真納 > 【バイソン(……名前はまだ知らないけど便宜上そう記述)の悩み事などいざ知らず。

 取引されている現物を見て確信した。
 腐っても図書委員、見間違うものか。
 目の前で禁書の取引とは、良い度胸ね!

 隠れたばかりの段ボールから、すごい勢いで飛び出す】


「……待ちなさい、あんた達!」

【部員に指先を向け、勧告する】

「その本を渡しなさい、渡さないと……!」


【どうしようかこの先は考えてない!】

スティールバイソン >  
なんか……疲れちまったな…
このままやり過ごして帰ろう。
家に帰ってゆっくり風呂に入りたい。臭いし。

「って……いや何してんだお前ェー!!」

あの人数の魔術師に向かって風紀委員気取りかよ!?

「あ」

そして今ので俺様もバレたぁー!!?
クソ―!! 厄日だ厄日だもうヤケだぁ!!

「クソッタレ、俺様の縄張りの近くでヘンなモノ売り買いしてんじゃねぇぞ!!」

頭に魚の骨(生ゴミ)を載せたままがなり立てる。
 
        わか
「この俺様が誰か理解んねぇわけじゃ………ねぇよなぁ…」

拳を鳴らしながらワケのワカんねぇ魔術師連中を睨みつける。

“ストリクス”部員 >  
「なッ………何者だ小娘!!」
「それに…ターミナルセブンのスティーリーバイソンか!!」

二人の魔術師が咄嗟に雷魔術を詠唱、触媒を足元に落として電流を放つ。

皇 真納 > 「言ったでしょ、私には、ここに来た理由が有んのよ……」

【それがアレなんだ、と言わんばかりに、部員を睨み付けながら、バイソンに言う。

 】

「うっ……」

【にしても、横から生ごみのの香し……いや、酷い匂いが漂ってきて、思わず鼻をつまみたくなる。臭っ、と言わなかっただけほめてほしい。縄張りとか、猫か。

――と、言ってる間に雷の魔術を放たれた。

 防がなければ!

 その心に、本能的なモノが、選択肢を幾つか提示する。
 そこから選び取った一つ】

『火熱結晶《マールティス》』……封印解除――」

【赤系色の正八面体なる結晶を召喚する。
 雷は、属性相関上、熱で打ち消す】

「――灼熱結界《ヒートバリア》!」

【雷からバイソンも防衛する。】

スティールバイソン >  
やべ、と思った瞬間。
横のお嬢ちゃんが雷を防ぐ。

やっぱ異能者……やっぱ魔術師…?
ワカらねぇけど敵に回さなくてよかった!!
魔術? の? 相克? とか俺様全ッ然わからないけど!!

前に出て魔術師二人の首根っこを引っ掴む。

「俺様はッ!!」

一人を壁に叩きつけ。

「テルミナスセブンのッ!!」

もう一人を足元の地面にぶつけて気絶させる。

「スティールバイソンだッ!!」

そのまま魔術師どもに接近戦を仕掛ける。
この距離なら負ける理由はねぇ!!

禁書所持者 >  
「く、くそ……!!」

手に入れたばかりの禁書を箔切りするかのように開く。

「見ろ、禁書……記憶翅の力を!!」

周囲に無数に自分の実体を持つ幻影を呼ぶ。
その数、12!!

「12時間前から1時間前までの僕の記憶さ!!」
「この数で魔術を撃てばどんな奴でも───」

計13人の禁書持ちがシンプルな火炎魔術を唱え始める。

皇 真納 > 【スティールバイソンというらしい。
 猫かと思ったら牛だった。
 今は、それはいい。

 殴りかかる姿に、助かるわ、と思いつつ――】


【次は炎の魔術。しかも禁書の力を使うなんて】

「……あんた、禁書ってもんが解ってないの?」

【無料で凄いことが出来るはずない。きっと何かしら代償だってあるだろう。
 新人の図書委員でも、禁書に関してのことは最初に教えられるものだ。今相手は、麻薬に手を出したようなものかもしれない。

 そして火炎には水冷で応じるほうが効率的。
 そう本能が告げる。

 周囲に浮かぶ、紅い宝石に加えて、青い宝石も呼び出した――。相克をもって防衛するため、水の防壁を準備する。だから――】

「スイートバイソンっていったわね、殴り倒すのはあんたに任せるわよ!」

【防御は担当する】

スティールバイソン >  
お嬢ちゃんはどうやらまた防ぐらしい。
相手は普通の火ぃ出す魔術の13倍の威力だが、どうするつもりだ!?

「俺様は!!」

雑居ビルの壁を殴りつける。

「スティールバイソンだッ!!」

よし、攻撃終わり!!

禁書所持者 >  
「火炎放出(ショートフレイム)だッ!!」

13人同時に火炎を放つ。
これで相手が何をしようと丸焦げだ!!

「へ?」

その時、上から貯水タンクが落ちてくる。
あの馬鹿力!! こんなこと普通やらないだろ!?

「そ………」

散り散りに逃げようとするが、間に合わない。

「そんなバカなぁー!!」

4、5人が貯水タンクに轢かれ。
僕は。

「ぐえ………」

4、5倍のダメージフィードバックを受けて気絶した。

皇 真納 > 【魔術の水は、魔術の火に打ち勝つ。
 それはじゃんけんのようなモノ。
 相手がパーをだすというなら、チョキを出すだけだ。
 そういう属性相関上の有利をもって、その炎熱を打ち払う。】

『水竜巻《ウォータースパウト》』

【頭上から、直径数メートルの水の竜巻が降りてくる。大量の水の渦を壁として使おうという腹だったんだけど――】

「アレ……?」

【倒れた?


 どうしよう、もう引っ込めれれないわ……。今はそんな技術持ってないのよ。


 そういえば傍に生魚臭い人が居るんだけど……】   


 「発射!」

【もろとも、どうにでもなりなさいな!】
 

スティールバイソン >  
「今だ、防………ってぬわーっ!!」

後ろから水の激流を受ける。
多少、前方から襲いかかる火炎を打ち消してはいるものの。
痛いだろうが!!

「何しやがんだこのアマぁ!!!」

俺様お前を助けようとしたよな!?
くっそー、なんて日だ!!

「いててて………」

禁書とか言われてた本を拾って。
女に放り投げる。

「二度と!! ここには!! 来るな!!」

半泣きで怒鳴りつけた。
これだから表の女に関わるとろくなことがない!!

皇 真納 > 【水タンクで術師は全滅したと思っていたらまだ残っていたらしい
 防御に使えなくなった水竜巻は攻撃同然の役割しか担えなかったが、もう引っ込める手立てはなかったのだ】

「あら御免なさい」

【――もう少しうまく制御できるようにするべきだろうけど今はこれが精いっぱい。
 ちょっとまだ制御が上手くいかないんだよねとは、言い訳する気もなく。
 投げられた本を受け取って】

 
「ありがと。――図書委員としてこれは厳重に保管させていただくわ。あとそいつらは風紀委員行きね」

【術師は全滅したのだろうか】 

スティールバイソン >  
「図書………委員……?」

はい、そうなんだね。
風紀委員ですらないね。

「お前マジ…………」

頭痛がする。悪臭は綺麗さっぱり洗い流されたがずぶ濡れだ。
図書委員だから禁書を回収に来たらしい。スラムに。
破天荒が服を着て歩いてやがる。
いやむしろ台風だろコイツ。

「俺様は風紀委員とお前みたいな女がだぁぁぁぁいっ嫌いなんだよ!!」

そう叫んでポケットに手を突っ込み。
倒れ込んだ魔術師どもを跨いで。
肩を怒らせて去っていった。

ご案内:「スラム」からスティールバイソンさんが去りました。
皇 真納 >  【去っていく相手を見送って。
 ふう、息を吐く。

 
 男一人には嫌われたが、ただの噂だと思っていた禁書を回収できたのは何よりだ。
 まともに魔術で応戦したのは初めてだったけど……。
 ――バイソンは巻き込んでしまって悪いことをしたけど、次はもう少しスマートに事が行えるように、研鑽すると誓う事で、反省としよう】


 「……成功したけど失敗だったか。こんど先生にでも相談してみよ」

 【そして禁書を手に、事後処理のため風紀委員を呼びに行くのだった】

ご案内:「スラム」から皇 真納さんが去りました。